多極間のビジネス∙アライアンスを 考えるフォーラム

多極間のビジネス∙アライアンス
を考えるフォーラム
eMEX ’04
2004年10月21日
中国蘇州国際博覧センター
台北市コンピュータ同業協会東京事務所
浦上アジア経営研究所
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アジアの時代
ーアジア地域の発展と交流、協力ー
• 米国にサイクルの起点を持つ製品のアジアシフト
• (例) テレビ、パソコン、半導体
米国
日本
韓国
台湾
中国
• 技術移転、生産立地の転換と各国ビジネスモルの形成
• アジア地域における日本企業の貢献と課題
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なぜ多極間交流なのか
• 特定のビジネスモデルからの脱却でビジネスの幅を広
げる
– 日系企業や得意先だけへの販売から脱皮し、地場
商売を構築したい
– アライアンスを組み、これを実現したい
• アジアにおける産業集積と各国特有のビジネスモデル
を活かしたい
• アジアの時代、アジア産業の革新パワーと市場のパ
ワーを活用し、成長戦略を描きたい
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地域協力について
• 大きな地域と小さな地域(Sub Region)
• 大きな地域 アジア太平洋
• 小さな地域 東アジア(中国、台湾、韓国、
日本など)、グレーター∙チャイナ(中国、香
港、台湾)、珠江デルタ、長江デルタなど
• 未来志向で対話とネットワークづくりを
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グレーター∙チャイナ地域と日本
ー ビジネスモデルの特徴 ー
上段が強み、下段が弱み
日本 技術開発、モノづくり大国
技術開発のダブり、日本人志向
台湾 製品応用力、中国大陸経営
技術開発、自社ブランド事業
香港 総合商社、マーケティング人材
技術開発、事業コストの高さ
中国 製造コスト力、国内市場販売
技術開発、経営、人材
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パソコン企業成長と相互補完
付
加
価
値
スマイルカーブ
(宏碁 施振栄)
技術
製造
大量生産
ブランド
チャネル
物流
ソフト
CPU
DRAM
ASIC
モニター
HDD
マザーボード
PCシステム
「貿工技」の手法
(聯想 柳傳志)
パーツ
組立、製造
流通、販売
技
工
貿
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貿工技の手法
聯想ホールディングズ柳傳志のコメント
本当は科学院出身の研究者だから技術の仕事のほうが楽しい。でも、
わずかな資金しかなかったから、最初に商品を売って資金を蓄える必要
があった。それで、米国企業の代理店になって販売を行いました。それか
ら、自分たちの製品を作る準備をしたのです。
(中略)
私はかなりの時間を割いて企業の経営、販売について研究しました。我々
が他と違うのは、中国でいうところの「貿工技」の手法を作り出したことです。
先に少し触れたように、まず「貿易」を学び、それから「工場」を作り、研究を
行って「技術」を磨いたのです。
(Mainichi INTERACTIVE, 2004年3月16日)
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パソコン分野での協力
• これまでの協力
– OEM/ODMビジネス
– 台湾活用型中国進出
• 日台中にまたがる新しい協力
– 日本技術+台湾応用力+中国市場
– 日本技術+中国生産+中国販売&輸出
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携帯電話ビジネス(1)
日本モデル
技術
製造
大量生産
付
加
価
値
サービス
ブランド
チャネル
物流
ソフト
ASIC/ASSP
RFモジュール
フラッシュメモリ
液晶ディスプレイ
リチウム電池
携帯電話機
パーツ
組立、製造
半導体企業
携帯電話企業
部品、ソフト企業
流通、販売
通信企業
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携帯電話ビジネス(2)
中国モデル
技術
製造
大量生産
付
加
価
値
サービス
ブランド
チャネル
物流
ソフト
ASIC/ASSP
RFモジュール
フラッシュメモリ
液晶ディスプレイ
リチウム電池
携帯電話機
パーツ
組立、製造
半導体企業
OEM/ODM企業
ソリューション企業
流通、販売
携帯電話企業
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携帯電話分野での協力
• これまでの協力
– 半導体、液晶表示など部品の供給(対
OEM/ODM企業、ソリューション企業)
– コンテンツの供給(対通信企業)
• 日中の新しい協力
– 中国通信研究機関と日本半導体企業の提携
– 中国ソリューション企業と日本半導体企業の協力
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日本企業にとってのメリット
• 利用されていない技術の製品化
– 大企業の技術
– 中堅、中小企業の技術
• 新しい先端ビジネスモデルのアジア浸透
• アジア市場と企業のパワーを事業に活かし、
商売を拡大する
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パートナー企業にとってのメリット
• 台湾企業
– 日本技術の優位性活用
– ハイテク産業の高度化
• 香港企業
– 日本技術の優位性活用、香港インフ
ラを活かしたビジネスの取り込み
• 中国企業
– 日本技術の優位性活用
– 新ビジネスの創出
– 技術、経営面での高度化
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中国地場企業の課題
• 「安い」、「早い」の継続追求
– 「貿工技の手法」展開と企業能力の高度化
• 競争力の源泉(樊綱 Fan Gang)
– 後発優位性の発揮(安い労働力+適正技術)
• 地場企業の弱み(Zheng Yuewen (注))
–
–
–
–
財務システム
国際貿易システム
研究開発
経営管理
(注)Zheng Yuewen UNESCAP Speech, April 24-26, 2004
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中小企業の中国ビジネス
- 中国経済の発展を日本企業の利益に!
良質な大企業と同じ能力を持つ企業群
進出体力のある企業群
シフトが必要だが体力のない
企業群
販売網の構築能力
能力強化策 現地経営能力
ITの活用
パートナリング
基礎体力強化策
現地視察
研修生受け入れ
短期派遣と滞在
次の世代の経営に託する
子女教育、国際化の雰囲気づくり
継続的な情報収集など
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事業の国際化は不可欠
中小企業ビジネスへの示唆
• たゆまぬ国際化の推進
– 基礎体力と能力強化
– 人材の確保と育成
• パートナーシップによる事業推進
– アジア地区でのビジネス∙マッチングの模索
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まとめにかえて
• アジアの時代、アジア産業の革新と市場パ
ワーを活用し、Win-Win戦略の実現を求め
るための交流促進をはかる
• 日中台の地域協力とビジネス支援
• 支援活動のキーポイント
– 人材開発
– ビジネス∙マッチング
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