経済原論IA 第7回 西村「ミクロ経済学入門」 第6章「企業行動と生産関数」 京都大学経済学部 依田高典 1 1. 生産関数 生産要素:(x1,x2) 労働、資本など 生産物:y 生産関数:y=f(x1,x2) 生産要素と生産物の技術的関係 2 2. 等量曲線 等量曲線:同じ生産量yを生産要素の組(x1,x2) 右下がりで、原点に対して凸 技術的限界代替率(RTS):-Δ x2 /Δ x1 等量曲線の傾き 技術的限界代替率逓減の法則 等量曲線の負の傾きが緩やかになる 3 x2 等量曲線 技術的限界代替率 技術的限界代替率逓減の法則 y一定 O RTS x1 4 3. 限界生産物と平均生産物 限界生産物(MP1):Δy/Δx1 生産要素x1の1単位の増加 → 生産物の増加 生産関数の接線の傾き 限界生産力逓減の法則 平均生産物(AP1): y/x1 生産関数の原点から引いた直線の傾き 5 限界生産物 限界生産力逓減の法則 平均生産物 y y=f(x1,x2-) y 1MP1 O AP1 x1- x1 6 4. RTSとMPの関係 等量曲線の定義から MP1Δx1+ MP2Δx2=0 -Δx2/Δx1=MP1/MP2 RTS=MP1/MP2 7 5. 規模に関する収穫 k次同次関数: f(αx1,αx2)=αk y k=1の時、1次同次関数、収穫一定 f(αx1,αx2)=α y 規模に関して収穫一定 f(αx1,αx2)<α y 規模に関して収穫逓減 f(αx1,αx2)>α y 規模に関して収穫逓増 8 x2 O 規模に関する収穫一定 原点を通る拡張経路直線 相似拡大的 x1 9 6. 利潤関数と等費用曲線 利潤関数:Π=py−(w1x1+w2x2) 等利潤平面:y= (w1/p) x1+(w2/p)x2+Π/p 等費用線:C= w1x1+w2x2 10 7. 利潤極大化の条件 生産関数y=f(x1,x2)の制約の下で、 利潤関数Π=py−(w1x1+w2x2)を最大化する 等利潤平面と生産関数が接する MP1=w1/p, MP2=w2/p MP:限界生産物 pMP1=w1, p MP2=w2 pMP:限界価値生産物 11 y y1 y= (w1/p) x1+(w2/p)x2+Π/p y=f(x1,x2) * 利潤極大条件: MP1=w1/p O x1* x1 12 8. 費用最小化の条件 利潤最大化の下では、費用も最小化される 等量曲線y一定=f(x1,x2)と等費用線C= w1x1+w2x2 が接する RTS= w1/w2 13 x2 費用最小化: RTS= w1/w2 x 2* y一定=f(x1,x2) O C= w1x1+w2x2 x1* x1 14 9. 短期と操業停止点 短期:生産要素x1可変的、生産要素x2固定的 短期等利潤線: py= w1x1+w2x2一定+Π 操業停止点: p’’’y= w1x1 → Π=− w2x2一定 損益分岐点:p’’y= w1x1+w2x2一定 → Π=0 利潤極大点:p*=w1/MP1(x1,x2一定) 当然、p’’’<p’’< p*が成立 15 10. 代替の弾力性 生産要素比に対する需要曲線: 同一同量曲線上での、要素価格比w1/w2と生産 要素需要量比x1/x2の関係 代替の弾力性: (x1 / x 2 ) /(x1 / x 2 ) e (w1 /w 2 ) /(w1 /w 2 ) eσ=1の時、相対的稼得額α=(w1x1)/(w2x2)の変化 ゼロ 16 11. CES生産関数とコブダグラス生産関数 CES生産関数:代替の弾力性一定(eσ=1/(1+β)) 1 y A(ax (1 a)x 1/ 2 ) コブダグラス生産関数:CES生産関数においてβ→∞、 代替の弾力性1(eσ=1)、(特に、下の場合、1次同次関数、 収穫一定) y Ax x a 1 1a 2 17 12. 結合生産物と限界変形率 結合生産物:一つの生産過程→複数の生産物 生産物変形曲線:一定の生産要素投入と産出可 能な結合生産物の組み合わせ 限界変形率(MRT): 生産物変形曲線の接線の傾きの絶対値 MRT=p1/p2 18 y2 MRT=p1/p2 Π=p1y1+ p2y2 −wx 生産物変形曲線 O y1 19
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