多国籍企業学会 2012年7月7日(於:創価大学)

多国籍企業論
2013年7月15日
「多国籍企業のBOP戦略は
発展途上国・新興国の貧困を解消できるか」
国士舘大学経営学部:林 倬史
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多国籍企業のBOP戦略とソーシャル・ビジネス
-多国籍企業のBOP戦略は
発展途上国の貧困問題を解消できるか?-
1.BOPとソーシャル・ビジネス
2.発展途上国の貧困問題とBOP論の登場
3.プラハラードによるHLL社の事例と疑問点
4.ソーシャルビジネスとグラミン銀行
5.フィリピンのBOP
6.インフォーマルセクターとインフォーマルエンプロイメント
7.フォーマルセクターの多国籍企業と一族支配型企業
8.NGO型戦略と多国籍企業のBOP戦略は
発展途上国の貧困問題を解消できるか?
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World Income Pyramid
2005:6.47 Billion
1.75億人(2.6%)
2007: 6.70 Billion
$ 20,000 - a year
$50 per day
14億人(20.9%)
$ 3,000 a year
$8 per day
1.1 Billion(16%)
$2 per day
$ 730 a year
1.6 Billion(24%)
$1 per day
2.6 Billion
1.0 Billion(15%)
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3.7Billion
55% of the W.P
$ 365 a year
39% of the W.P
Source: World Economic Forum 2009
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C.K.Praharadの説
多国籍企業はBOP市場の開発プロセスを
通して、発展途上国の所得構造を
ピラミッド型からダイヤモンド型にかえ
ることに貢献する。
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ソーシャル・ビジネスとは何か?
ユヌス氏の論点(Yunusu, 2007.2010):従来の古典派経済
学以来の経済学理論や先進国市場を前提とした経営学の
理論では、発展途上国の貧困問題は解決し得ない

発展途上国の貧困の解消のためにもっとも重要なことは:
貧困の解消それ自体を目的とするいわゆる「ソーシャル・ビジネス」
の仕組みを構築することにある。

あらたな現地市場に適合した多様なソーシャル・ビジネスモデル
を開発していくことによって、ソーシャル・ビジネスの自律的生態
系が現地で根付き、それを基盤に就業機会の増大、家族の健康
、子どもの教育を可能とし、貧困創出の悪循環から脱出し、次第
に貧困が解消する。
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 最貧困層の貧困解消と経済的自立化に向けた
「ソーシャル・ビジネス」はあくまでビジネスとし
て運営され、コストを上回る適正な利潤(余剰)も
追求されることになる。この適正な利潤は「ソーシ
ャル・ビジネス」が持続的になされていくための重
要な資金源とみなされる。
 ユヌス氏のいう「ソーシャル・ビジネス」を行う企
業は、貧困者の抱える社会的課題の解決をミッショ
ンとするだけではなく、ビジネスを
持続可能なものにするための適正な利潤の確保もお
こなう。
 その利潤は配当として資金提供者には支払われることはない。
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HLL社(Hindustan Lever Ltd)のBOP戦略とビジネス生態系モデル
資金負担割合
インド政府:37%
ケララ州+ UNICEF: 29%
WHO: 4%
民間企業: 30%
HLL
石鹸の製造
流通・技術
マーケティング資源
政府
ケララ州(人口2900万人)
(石鹸手洗い推進キャンぺーン)
Media Dark Area
地域社会
選定学校(10,000)・診療所
(福祉健康センター)26,000
家庭・ NPO
国際機関・ 研究機関(大学・研究所)
世界銀行のプロジェクト(水と衛生のプログラム)
ロンドン大学医学部
UNICEF / NGO
USAID(US Agency for Int’l Development)(環境衛生プロジェクト)
インドにおける下痢性疾患による死亡:年に66万人。全世界でも5歳未満の子供の感染症
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による死亡原因の第2位
医療コスト大
グラミンバンクと主なソーシャルビジネスファミリー
Grameen Motsho O Pahusampad(1994)
養漁業・畜産
Grameen Shakti(1996)
ソーラーパネル
50Watt のユニットで
4つの白熱灯4時間分
Grameen Telecom(1995)
通信サービス
Grameen Trust(1989)
MFIへのサポート
Grameen Phone(1996)
Telephone Lady:30万人
835万人の貧困者にローン
(96%が女性) 返済率:97.4%(Jan.2011)
5年以上の借り手の64%が貧困線を超えた
Grameen Uddog(1994)
Grameen Communications(1998)
インターネットプロバイダー、データ処理
グラミンバンク
(1983)
手織り布「Grameen Check」の輸出
Grameen Shamogree(1996)
Grameen Kalyan(1996)
医療サービス:33の診療所
年25万人の診療・150万人在宅医療
妊婦のケア(96%が自宅出産)
乳幼児死亡率:
100/1000(1990)→41/1000(2006)
手織り布、手工芸品等の国内販売
Grameen Byabosa bikash(2001)
Grameen Knitwear(1997)
小規模ビジネスローンの引き当て
ニット製品の製造、輸出
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Grameen Healthcare Service(2006)
白内障手術
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Community Based Social Business Eco-Systems
Grameen Telecom
Grameen Shakti
Grameen Telecom
Grameen Kalyan
Micro-farms
ダノン
(Danone)
50(%)
現地乳牛飼育者
椰子の木の糖蜜栽培者
Small Wholesalers
Door to Door Sellers
(=Grameen Ladies:175名)
50(%)
Mission
Poverty Reduction
Improvements to Children’s Health
グラミン・ダノン食品
(Grameen Danone Foods)
ヨーグルト工場での雇用
工場から30km内の地域で
計1,600名の雇用創出
再生エネルギー活用システム
(太陽熱・排泄物バイオガス・雨水のリサイクル)
ヨーグルト
カルシューム、ビタミンA,鉄分、亜鉛、たんぱく質、ヨウ素等強化子供用ヨーグルト
ダッカ:12BTD(=約14円)
地方都市:8BTD(=約9円)
Logo=Lion
1個=80グラム
生(物)分解可能物質カップ(中国製)
2008年
=Yogurt for Power
商品名(Shoktidoi)
2007年
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1個=80グラム
(Shoktiplus)
Price=5 BTD(=約6円)
農村:6BTD(=約7円)
1個=60グラム
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PraharadのHLL社のモデル
子会社
子会社
子会社
多国籍企業
本社
子会社
HLL
インド
子会社
子会社
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Yunusuのグラミン・ダノン・ソーシャル・ビジネス・モデル
EXP(海外市場へ)
子会社
子会社
子会社
現地
NGO
牛の飼育
椰子の木栽培
糖蜜生産
原乳・糖蜜収集
合弁会社
多国籍企業
子会社
ヨーグルト工場
ソーシャル・ビジネス
小規模販売店
子会社
子会社
グラミンレディ
現地資源活用型ビジネス生態系モデル
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多国籍企業のBOP戦略
とソーシャル・ビジネス
ーフィリピンの事例からー
インフォーマル・セクターとはなにか
なぜ貧困は解消しないのか
フィリピン型(発展途上国型)特質
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フィリピンのBOP(試算)
全人口8400万人
(2006年)
$8 per day
1-3%
80-250 万人
$ 3,000 a year
10%
8.4 mill.
$2 per day ?
$1 per day
年平均120万円
=$1400(=\85)
30%
25.2 mill.
$ 730 a year
31-32%
26.0-26.9 百万人
$ 365 a year
35%
29.4 百万人
66-67%
BOP
32.9% or 27.6 million
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出所:National Statistical Coordination Board の Web site データより作成
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フィリピンの貧困層
貧困状態
(Family)
貧困層
(Family)
政府統計
貧困認識層
26.90%
都市:58%
農村:82%
P6,273/月
P12,000/月
(NCR)
フィリピンの世帯別月平均所得は, P14,416。 所得上位10%の世帯が総所得の36%を占める。
ジニ係数は0.445(2007)、日本は0.249(2007)。
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Dr.N.Aldaba教授提供資料(Dr.L.de
la Cruz 試算)
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発展途上国におけるソーシャル・ビジネス・モデル
PMB (Profit Maximizing Business)のみを前提としたMarket Economy の限界
PMB :フォーマルセクター
発展途上国固有の社会構成体
大統領の権限・官僚機構・軍・農業と
土地制度・産業革命と工業化の段階・
国際関係における国家のポジション
営利企業・株式会社(上場会社)
現地大企業
多国籍企業
資源・所得の配分・再配分
マーケットエコノミー
NGO/NPO
国際開発機関
マーケットエコノミー
Social Business
社会的課題の解決をミッションとする
ビジネス。利益は再投資に充てられる
国家機能
貧困の
再生産
発展途上国では、農民層の貧困、都市への移動、自律的産業基盤の未確立によるインフォーマルセク
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ターの拡大、その結果、就業者の多くが
インフォーマルセクターに所属
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フィリピン民間部門就業者数別インフォーマル・セクターと
フォーマル・セクターの区分
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出所:Saldana(2000)、p.197および
Lopez Inc、First Philippines Holding Corp、First SumidenCircits, Incのウェブサイト
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を参考に作成。
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出所:Saldana(2000: p.195), Batalla(1999: p.42)および Ayala Corporation と Manila Waterのウェブサイトを参考に作成。
200名以上の雇用者事業所の雇用者数に占める外資系企業に
よる雇用者数の推定(単位:人)
200名以上の雇用者事業所の
雇用者推定数
外資系企業
625,000
34.7%
(日系企業)
(200,000)
(11.1%)
(その他国籍外資系
企業)
(425,000)
(23.6%)
現地企業
1,175,000
65.3%
合計
1,800,000
100.0%
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注:Heintz(2009)、Gust(2006)および“2010 BusinessWorld Top 1000”より算出
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CARD MRI
マイクロファイナンス融資顧客:130万人 マイクロインシュアランス対象者:642万人
預金者:134万人 返済率:99.01% スタッフ数:6,079名(従業員数:5357名+非常勤722名)
主な対象者:土地無し農民女性
CARD BANK
(1997)
CARD BDS(2008)
(CARD Business Development Service)
CARD MBA
(1999)
CARD MRI
*Solar Energy
*Agricultural Trading
*Network of Convenient Stores
*Printing Press Operation
CaMIA(2007)
CARD MRI Insurance Agency
CARD MDI(2005)
(CARD MRI Development Institute)
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マイクロファイナンスと貧農女性の経済的自立
農民層の所得向上と農村市場(工業製品への需要)の拡大
工業部門の発展
農業労働力の工業部門への移動
一部の大地主と多数の貧農
工業部門の限定的発展
土地改革
相続税、所得税制度の改革
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結論

多国籍企業の従来型BOP戦略では
新興国・発展途上国のBOP問題は
解決困難

現地NGOとの共同(提携・合弁)によ
るソーシャル・ビジネスの形態が適合的
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多国籍企業の従来型BOP戦略では
新興国・発展途上国のBOP問題は解決困難
•
• 現地NGOとの共同(提携・合弁)による
ソーシャル・ビジネスの形態が現地の社会的課題
の解決には適合的
上記の結論に対する自分自身の
考えを述べてください
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疑問点

多国籍企業のBOP戦略は、
C.K.Praharadが述べている様に、
発展途上国の貧困問題の解消につ
ながるか?
貧困解消につながるとすれば、どの
ような条件が必要となるのか?

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参考文献
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出版
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ジェフリー・サックス(2007)『貧困の終焉:2025年までに世界を変える』鈴木主税・野中邦子訳,早川書房
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谷本寛治(2006)『ソーシャル・エンタプライズ』中央経済社
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恒川恵市(1996)『企業と国家』東京大学出版会
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グラミンホームページhttp://www.grameencreativelab.com/live-examples/grameen-danone-foods-ltd.html)
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 従来の発展途上国経済の発展と貧困問題
* C.K.Praharad(2002)の主張:
従来のMBA教育において取り扱われてきた各種経営
戦略論やマーケティング論は、先進国市場、しかもそこ
の優良顧客である一部上層部をターゲットとした理論で
あった。
* さらに、国際経済学、とりわけ経済発展論の分野でも、
A.Sen(1992)が指摘してきたように、発展途上国におい
ては、先進国のメカニズムとは異なり、民主主義の未発
達、および市場の失敗と政府の効果的政策の欠如が貧
困を再生産してきた。
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