PowerPoint プレゼンテーション

地域医療のいま
在宅
医療法人協和会
上
農
医療センター
哲
朗
今日のお話の流れ
私のやっていることなど(自己紹介にかえ
て)
地域医療とはなにか
地域医療に関するこれまでの流れ
地域医療はいまどうなっているのか
地域医療はこれからどうなっていくの
か
市民は自分の命・健康・生活を守るの
にどうすればいいのか
私の簡単な経歴
 1949年生まれ、1973年 奈良県立医
科大学卒、第二外科医局に入り大学で研修
 翌年夏から国立大阪南病院、町立大淀病院、
市立松原病院、大阪府立病院の脳外科に出張
 1985年、川西市の急性期病院の脳外科部
長、87年から並行して在宅医療を開始、9
5年から同病院の総合診療部長
 1997年開設の老人保健施設の初代施設長
 2000年、在宅医療センターを開設、異動
私がいまやっている仕事
 介護老人保健施設の医者
 急性期病院での脳外科外来診察
 同じ病院での訪問診療
 市の介護認定審査会の委員
←合議体の「長」で責任重大です
 県の介護支援専門員(ケアマネージャー)
←資格だけで何も仕事はして
まへん
 通所介護を運営するNPO法人の理事
 通所介護を運営する株式会社の役員
←来年度オープン予定
 医療問題を考えるNPO法人の理事
←COMLです
 インターネット上の医療・介護サイト管理
地域医療とは
医学教育などのなかで定義された言葉
ではない
もともとは僻地医療などに使われた言
葉
ごくありきたりの傷病や障害に関わる
医療や介護、保健
生活の場を中心に病院でいえば「市民
病院」クラスまでの医療
地域医療のこれまでの流れ
国民皆保険制度の整備
保険制度下の、平等という名の不自由
高齢化社会への変化と、資本主義下で
の競争原理による医療費増大
介護という名での医療の切り捨て
医療保険よりさらに管理の行き届いた
介護保険制度
国民健康保険法(昭和33年12月27日
法律
192)
(被保険者)
第五条 市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)の区域内に
住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。
(適用除外)
第六条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、
市町村が行う国民健康保険の被保険者としない。
一
健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による被保険者。
…
二
船員保険法…
三
国家公務員共済組合法…
…
六
生活保護法による保護を受けている世帯に属する者
…
1957
1958
1961
1963
1971
1973
1974
1975
1976
1979
1981
1982
1983
1985
1986
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1997
1999
2000
保険医登録制
新国民健康保険法制定(国民皆保険化へ)
国民健康保険法施行・国民皆保険達成
医療費の地域差撤廃
日本医師会の保険医総辞退騒ぎ
老人医療費無料化・健保家族給付率6割→7割
医師優遇税制廃止
6 3 /6 7
6 7 /7 2
7 0 /7 6 奈良医大第二外科
国立大阪南病院
町立大淀病院
7 2 /7 7 大阪府立病院
7 3 /7 8
町立大淀病院
7 4 /7 9
市立松原病院
7 4 /8 0 協立病院
老人保健法制定
老人保健法施行・老人医療費無料化廃止
地域医療計画策定開始(病床数制限)
老人保健施設創設
ゴールドプラン制定
地域医療計画策定終了・社会福祉士及び介護福祉士法制定 7 5 /8 1
訪問看護ステーション創設
医療法改正(療養型病床の創設)
特別養護老人ホームの措置権の市町村移管
新ゴールドプラン・在宅医療の制度化
7 6 /8 2
医療法改正(病院機能分化強化)・介護保険法制定
ウエルハウス川西
7 7 /8 3 在宅医療センター
介護保険法施行
地域医療は今どうなっている
か
 医療費の増大はともかく「悪」とされている
 入院医療の縮小化への誘導
 在宅医療・介護という名のしわ寄せ
 情報公開の流れ・情報量の激増
 なおいっそうの競争原理の導入
 玉石混交の事業者
 医療者・市民・財界人・官僚・政治家の思惑
 患者・要介護者に都合のよいことはできない
国民医療費
400
国民一人あ た り 医療費( 千円)
国民医療費( 千億円)
300
金額 200
100
1997
1994
1991
年度
1988
1985
1955
0
医療機関の種類(医療法)
地域医療支援病院
特定機能病院
病院
診療所
助産所
老人保健施設
病床の種類
(医療法)
一般病床
療養病床
結核病床
感染症病床
精神病床
(健康保険)
 一般病棟
 療養病棟
 老人病棟
 特定機能病院
 特定承認保健医療機関
 開放型病院
 地域医療支援病院
一般病院での問題点
入院期間短縮への圧力
高齢者を避ける傾向
忙しすぎる医療職
患者の大病院指向
地域への帰属意識の希薄な医師
在宅がみえていない医療職
慢性期病院での問題点
病院間での格差の拡大
経営上の問題からの人手不足
必要悪という開き直り
介護保険施設との逆転現象
介護療養型医療施設
介護老人保健施設
介護老人福祉施設
目的
長期にわたる療養を必要
とする要介護者が自立し
た日常生活を営むことが
できるようにする
自立した日常生活を営む
ことができるようにし、
居宅における生活への復
帰を目指す
居宅における生活への復
帰を念頭に置いて、自立
した日常生活を営むこと
ができるようにする
機能
療養上の管理、看護、医
学的管理のもとに介護な
どの世話および機能訓練
など必要な医療を行う
看護、医学的管理のもと
に介護および機能訓練な
ど必要な医療ならびに日
常生活上の世話を行う
日常生活上の世話、機能
訓練、健康管理および療
養上の世話を行う
給付額
3 1 4 ,4 0 0 ~4 1 3 ,1 0 0 円 2 4 3 ,0 0 0 ~3 2 4 ,0 0 0 円 2 0 1 ,3 0 0 ~2 9 2 ,2 0 0 円
+食費
+ 食費
+食費
病室6 .4 ㎡/ 人
片廊下1 .8 m 中廊下2 .7 m
施設基準 機能訓練室4 0 ㎡
食堂1 ㎡/ 人
談話室、浴室
療養室8 ㎡/ 人
片廊下1 .8 m 中廊下2 .7 m
機能訓練室1 ㎡/ 人
食堂2 ㎡/ 人
談話室、浴室、レクリ
エーションルーム、洗面
所、診察室
医師1 、看護職員8 ~
医師3 、薬剤師、看護職員
1 0 、介護職員2 0 ~2 4 、
人員基準 1 7 、介護職員1 7 ~3 4 、
支援相談員1 、理学または
/ 1 0 0 名 栄養士、理学または作業
作業療法士1 、栄養士1 、
療法士、介護支援専門員1
介護支援専門員1
療養室1 0 .5 6 ㎡/ 人
片廊下1 .8 m 中廊下2 .7 m
機能訓練室+食堂3 ㎡/ 人
静養室、浴室、洗面所、
医務室
医師1 (非常勤可)、看護
職員3 、介護職員2 2 ~
3 1 、生活相談員1 、栄養
士1 、機能訓練指導員1 、
介護支援専門員1
介護療養型医療施設での問題点
医療保険の療養病棟との違いが不明確
対象者が不明確
他の施設と同様のサービス内容で人件
費が突出
いずれ制度としては介護老人保健施設
に吸収か
介護老人保健施設での問題点
医療必要度の高い利用者の増加
在宅支援、中間施設という理念の形骸
化
施設による格差
介護老人福祉施設での問題点
他の介護保険施設とほぼ同様の利用者
医療依存度の高い利用者に対する対応
の問題
医療者とくに医師の関係性の問題
この秋からは要介護度の高い人を優先
して入所させることになった
在宅療養での問題点
医療・介護のバックアップの問題
医療行為と介護職の問題
多くの医療者の無理解
安易な在宅導入
在宅医療をする医者は増えない
介護支援専門員の能力差、囲い込み
医療・福祉複合コングロマリットの問
題
これからどうなっていくのか
保険診療・介護は漸減される
金があればファーストクラスの医療・
介護
医療・介護事業者は淘汰される
朝令暮改は続くに違いない
団塊の高齢世代は生活できるのか
市民の自衛策は…
なにはともあれ「情報収集」
自己決定のための自己主張
インフォームド・コンセントとセカン
ド・オピニオン
裏メニューの排斥努力
差別化の容認
医療機関の広告規制緩和(2002年4月1日)
 医療の内容に関する情報
専門医の認定・治療方法・手術件数・分娩件数・平均在院日数・疾患別患者
数
 医療機関の構造設備・人員配置に関する情報
医師、看護師等の患者数に対する配置割合・売店、食堂、一時保育サービス
等
 医療機関の体制整備に関する情報
セカンドオピニオンの実施・電子カルテの導入・患者相談窓口の設置
症例検討会の開催・入院診療計画の導入・医療安全のための院内管理体制
 医療機関に対する評価
(財)日本医療機能評価機構の個別評価結果
 医療機関の運営に関する情報
病床利用率・理事長の略歴・外部監査
患者サービスの提供体制に係る評価(ISO9000)
 その他
医療機関のホームページアドレス
次に掲げる医療機関である旨〈公害健康被害の補償等の関する法律の公害医
療機関、小児救急医療拠点病院、エイズ治療拠点病院、特定疾患治療研究
事業を行っている病院 等〉
医療の本体部分と4つの周辺部分
高度医療
↑
研究開発
保険給付外の
高度医療
高度先進医療
予防・健康増進←
健診
人間ドック 等
医療の本体部分
(診療・治療・リハ等)
特別材料
給食等
差額
ベ ッド
給食
室料
→生活サービス
・アメ ニテ ィ
一部負担
付添看護
介護
↓
介護・福祉
は現行保険
給付の範囲
広井良典「医療の経済学」日本経済新聞社、1994年
差額を徴収してはならない場合とは
 同意書による同意の確認を行っていない場合
(例)室料の記載のない同意書/患者側の署名のない同意書
 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室
へ入院させる場合
(例)救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要
とする者、又は常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とす
る者/免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれのある患者/集中治
療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要のある終末期の
患者
 実質的に患者の選択によらない場合
(例)主治医等が他の入院患者の院内感染を防止するために、MRS
A等に感染している患者の選択によらず入院させたと認められる場合
世の中、やっぱり『銭』か
経済的余裕があれば、望む環境で望む
医療や介護を受けることができる
経済的余裕があれば、人よりたくさん
「袖の下」を渡すことができる
しかし、いくら銭を持っていても、
『健康や生命そのもの』は買うことは
できない
人は生きたようにしか死ねない、のか
もしれない