チャプター11の破産前後の 財政困難顧客への対応戦略 2009年8月21日(金) デトロイト日本商工会セミナー ワーナー・ノークロス&ジャッド法律事務所 破産・債権者の権利分野専門 ゴードン J. トーリング、パートナー WWW.WNJ.COM 初めに 米国の破産法についてまだ理解する必要があるか? GM、クライスラーの破産手続は終了。主要一次部品メー カーが破産手続中 しかし、部品の再調達は継続し、サプライベースは縮小 • 「自動車業界の監督者、ロン・ブルーム氏は、大統領の自動車業 界に関する特別委員会は、経営不振の部品製造業者の救済を 意図していない、なぜならサプライベースの縮小は自然の成り行 きに任せられなければならない、と言及。」( Wardsauto.com、 2009年8月5日) • 増産するための信用貸しを得る際の困難 • 顧客とサプライヤーの危機的状況は継続 WWW.WNJ.COM サプライヤーにとっての 基本的な破産法 定義 「債務者」-破産企業 「申請前」-破産前 「申請後」-破産後 企業向けの2種類の破産 チャプター11(更生) チャプター7(清算) チャプター11の更生 一般的な3種類 • 従来の更生 • 破産売却(「363条売却」) • 組み合わせ(会社の一部売却後、更生) WWW.WNJ.COM サプライヤーにとっての 基本的な破産法(続き) 支払の優先順位 担保権を有する債権者 優先債権者 • 申請後に信用貸しを認めたサプライヤーを含む • 申請後の請求書に対する支払の保証はない 担保権のない債権者 通常、少額が支払われる WWW.WNJ.COM サプライヤーにとっての 基本的な破産法(続き) 優先権 破産申請の90日前以内に債務者が債権者に 行った支払は、破産手続中、債務者または管財 人が回収できる 新たな対価、通常の事業過程、現金前渡、若しくは 現金引換、又は債権者が担保権を完全に有してい るなど、優先権の請求に対する数多くの抗弁がある ポイント: 破産前の戦略を評価する際に、優先権を 考慮しなければならない WWW.WNJ.COM サプライヤーにとっての 基本的な破産法(続き) サプライヤーが「未履行契約」(長期間の包括 的注文書など)の当事者の場合 サプライヤーは、申請前の未払い額が支払われて いなくても供給し続けなければならない 債務者は契約を「拒絶」(終了)することができ、サプ ライヤーは、申請前の請求権しか有さない WWW.WNJ.COM サプライヤーにとっての申請前の 売掛金の回収に関する戦略 20日間請求[503(b)(9) 条請求] 破産の申請前20日以内に、通常の業務過程で債務者に納品 された商品に適用される 通常、破産手続の終了まで支払われる必要はないが、債務者 は早期に支払うことができる 返還要求 破産申請の45日以内に納品された商品に適用される 書面の要求が必要-通常、破産の申請後の初日または二日 目に行われる 返還要求は、債務者が有する様々な抗弁のため、限ら れている又は価値がないことが多い WWW.WNJ.COM サプライヤーにとっての申請前の売掛金の回収 に関する戦略(続き) 重要なベンダー 申請前の請求の最高100%まで支払が許される 影響力が必要な場合が多い 影響力は、短期間の契約や財政困難などにより構成さ れ得る 363条 破産売却 契約(注文書を含む)は、「引き受けられる」又は「引き受 けられ譲渡される」ことができる 契約が引き受けられた、又は引き受けられ譲渡された場 合、「是正」額が支払われなければならない (申請前の売掛金) WWW.WNJ.COM サプライヤーにとっての申請前の売掛金の回収 に関する戦略(続き) 破産前の戦略の重要性 統一商事法典の2-609条(「履行の適切な保証要求」)や 2-702条が、破産前の支払期間の短縮を認めることがで きる また、2-609条が契約の終了を認めることができ、影響 力を大きくでき得る 契約を検討し、貴社が有する権利が何か、顧客又はサプ ライヤーが破産を申請する前に、貴社に有利になるよう にサプライヤー又は顧客としての貴社の契約を変更する 方法があるかを判断する 相殺の権利を検討する 貴社が取引を行っている法人がどれかを知る WWW.WNJ.COM 最近の破産の要約 クライスラー/GM: 多くのサプライヤーが破産開 始時点で全額支払われていたため典型的な破産 ではない 一次部品メーカーの破産:より典型的だが、サプラ イヤーの中には、通常の自動車部品サプライヤー の破産時よりも支払が良かった場合がある チャプター11申請後、債務者の中には、現在、現 金前渡/代金引換の条件より信用貸しをするよう サプライヤーに圧力をかける会社がある WWW.WNJ.COM 顧客ベースについて引き続き 注意することが必要 顧客の中には、増産するための経済力に欠ける会社がある 他の顧客により調達され、サプライヤーに支払できない場合が ある トップの顧客のリストを評価、監視する 株式公開会社-監視が容易 株式非公開会社-監視は困難だが、圧力をかける必要あり • しかし、情報を秘密にするよう合意できる • または、満たさなければならない特定の経済的評価指標に関し 合意する • 顧客が会計報告の提供に合意しない場合、措置をとる必要があ る可能性がある(法的措置を必要とする) • D&B アラートが役立ち得る WWW.WNJ.COM 顧客ベースについて引き続き 注意することが必要(続き) 破産手続中の顧客に関して 重要なベンダー 20日間請求 363条売却における権利-引き受けなければ供 給する必要がない可能性がある 契約の検討が重要(プログラムの期間、年 次注文書)など WWW.WNJ.COM サプライベースに関する注意 サプライヤーの経済状況を監視(前述と同じ) 不測の事態に対する対策が必要(部品バンク、第 二の供給源など) サプライヤーがチャプター11を申請した場合、サプライ ヤーの保有する工具や設備にアクセスする能力 予期せぬこととしては、貴社が再調達の際、多額 の支払(値上がり、請求書の繰り上げ払い、融資な どを含む)が考えられる WWW.WNJ.COM 合弁事業の問題 貴社が、破産手続中の会社との合弁事業の当事 者である場合、特別な規則が適用される。債務者 は合弁事業での債務者の権利のいくつかを失う可 能性があるが、迅速な行動が必要である WWW.WNJ.COM まとめ カスタマーベースに関して、破産前の計画が 絶対不可欠 サプライベースに関しても、破産前の計画が 絶対不可欠 WWW.WNJ.COM
© Copyright 2024 ExpyDoc