地球温暖化対策と皆さんに望むこと

地球温暖化対策と皆さんに望むこと
平成19年10月
環境省水・大気環境局土壌環境課
地下水・地盤環境室
佐藤 郁太郎
1.地球温暖化の進行による影響
1
地球温暖化の進行
・1990年代は過去1000年間で最も
暑かった
・氷河が大幅後退
・世界各地での異常気象の頻発
(豪雨・洪水、干ばつ、台風、猛暑)
・20世紀中に平均海面水位10~20cm
上昇
《ヒマラヤの氷河の融解》
1978年
1998年
2
温暖化の加速
【IPCC第4次評価報告書:第1作業部会報告書】 (IPCC:気候変動に関する政府間パネル、2007年2月2日公表)
○過去100年間で世界平均気温が0.74℃上昇
○最近50年間の気温上昇傾向は、過去100年間のほぼ2倍
平均地上気温 (1961~1990年の平均気温との偏差)
線形トレンド
データからひいた曲線
100年間の上昇ライン
10年ごとの誤差範囲
(5~95%)
最近25年間
50年間の上昇ライン
出典:AR4 第3章 FAQ 3.1 図 1
※ WMO(世界気象機関)及びUNEP(国連環境計画)共同で設立した政府間機構「気候変動に関する政府間
3
パネル(IPCC)」が、30名のメンバーを中核とする455名の科学者の参加を得て、温暖化の科学的知見等を報告。
温暖化の加速
4
予測される将来の影響
○ IPCCでは、1980年から1999年までに比べ、21世紀末(2090年から2099年)の平
均気温上昇は1.1~ 6.4℃と予測
気候変化に脆弱な分野においては、たとえ0~1℃の
気温上昇でも温暖化の悪影響が生じると予測される。
気温上昇の程度と様々な分野への影響規
模
0
1
3
2
4
5℃
湿潤熱帯地域と高緯度地域での水利用可能性の増加
中緯度地域と半乾燥低緯度地域での水利用可能性の減少及び干ばつの増加
水
数億人が水不足の深刻化に直面する
最大30%の種で絶滅
リスクの増加
ほとんどのサンゴが白化
サンゴの白化の増加
生態系
~15%
種の分布範囲の変化と森林火災リスクの増加
地 球 規 模 で の
重大な※絶滅
※重大な:ここでは40%以上
広範囲に及ぶサンゴの死滅
~40%の生態系が影響を受けることで、
陸域生物圏の正味炭素放出源化が進行
海洋の深層循環が弱まることによる生態系の変化
小規模農家、自給的農業者・漁業者への複合的で局所的なマイナス影響
低緯度地域における穀物生産性の
低下
中高緯度地域におけるいくつかの
穀物生産性の向上
食糧
低緯度地域における
全ての穀物生産性の低下
いくつかの地域で穀物生産
性の低下
洪水と暴風雨による損害の増加
世界の沿岸湿地
の約30%の消失※
沿岸域
※2000~2080年の平均海面上昇率4.2mm/年に基づく
毎年の洪水被害人口が追加的に数百万人増加
栄養失調、下痢、呼吸器疾患、感染症による社会的負荷の増加
熱波、洪水、干ばつによる罹(り)病率※と死亡率の増加
※罹(り)病率:病気の発生率のこと
いくつかの感染症媒介生物の分布変化
医療サービスへの重大な負荷
健康
0
1
2
3
1980-1999年に対する世界年平均気温の変化(℃)
4
5℃
8
出典:AR4 SPM
排出権と吸収量のバランス
○
温室効果ガス濃度安定化のためには、排
出量を、今後自然吸収量と同等まで減らさ
ねばならない。
○ 現在の排出量は自然吸収量の約2倍以上
にも達している。
年1.9ppm増
(1995~2005年平均)
現在
自然の濃度
人為的排出量
(2000~2005年)
72億炭素トン/ 年
380ppm
工業化
280ppm
大気中の二酸化炭素
自然の吸収量
31億炭素トン / 年
(IPCC第4次評価報告書(2007)より
国立環境研究所・環境省作成)
9
2.国際的な動向
10
国際交渉の経緯と今後
国 連 (COP)
1992年
気候変動枠組条約 採択
1997年
京都議定書 採択
2005年
京都議定書 発効(2月16日)
第1約束期間(2008-2012)
2006年 <COP12>(ケニア)
京都議定書の見直しプロセスの合意
2007年 <COP13>(インドネシア)
京都議定書の見直し準備、
各国の削減ポテンシャル検討
2008年
<G8英国サミット(グレンイーグルズ)>
2005年 温暖化の人為的影響について首脳間で
合意
第1回気候変動対話(G20)(イギリス)
2006年 第2回気候変動対話(G20)(ドイツ)
2007年
2010年 2013年以降、空白期間(ギャップ)を生じさせ
ないためには、遅くともこの時期までには合意
が必要
2011年~2012年
G8環境大臣会合(ドイツ)
<G8ドイツサミット(ハイリゲンダム)>
第3回気候変動対話(G20) (ドイツ)
2008年
<COP14> 京都議定書の見直し実施
2009年 <COP15> 次期枠組みの交渉妥結の可
能性
2013年
G8サミット
第4回気候変動対話(G20)(日本)
G8環境大臣会合(日本)
<G8日本サミット>
各国批准手続
第2約束期間開始
11
気候変動枠組条約(UNFCCC、191ヵ国・地域) 1992年採択
究極目的: 温室効果ガス濃度を、気候システムに対して危険な人為的干渉を
及ぼすこととならない水準に安定化させる
原 則:
共通だが差異のある責任、及び各国の能力に従い、気候系を保護
全締約国の義務:
先進国等の義務:
排出目録の作成、削減計画の立案等
排出量を1990年の水準に戻すことを目的に削減活動を報告
先進国の途上国支援義務:
資金供与、技術移転、キャパシティ・ビルディング等
京都議定書(Kyoto Protocol、175ヵ国・地域) 1997年採択
「共通だが差異のある責任」 原則に基づき:
①先進国全体で1990年比で少なくとも5%の削減を目標。
②各国毎に法的拘束力のある数値目標設定(途上国は削減約束なし)
③柔軟性措置として、京都メカニズムを用意
対象ガス
CO2,CH4,N2O,HFC,PFC,SF6 の6種類
吸 収 源 森林等の吸収源によるCO2吸収量を算入
基 準 年 1990年(HFC、PFC、SF6 は1995年)
目標期間
2008年~2012年の5年間
数値目標
日本-6%,米国(未批准)-7%,EU-8%等
我が国は2002年6月4日
に締結し、議定書は
2005年2月16日に発効。
12
世界全体のCO2排出量と今後の予測
(世界全体で排出量の大幅な削減が必要)
CO2排出量
アメリカ
その他
今後のCO2排出量の予測
22.1%
31.8%
20
2004年の
全世界のCO2排出量
72億t-C
(265億t-CO2)
4.3%
インド
4.8%
6.0%
日本
ロシア
(炭素換算10億トン)
25
15
途上国
開発途上国
10
18.1%
中国
5
先進国
先進国
12.8%
0
EU 15ヶ国
2000
2010
2020
2030
2040
2050
2060
2070
2080
2090
2100
年
出典: Kainuma et al., 2002:
エネルギー・経済統計要覧 (2007年版)より環境省作成 Climate Policy Assessment, Springer, p.64.
京都議定書第1約束期間後(2013年以降)の次期枠組みについては、
・京都議定書を批准していないアメリカや、
・京都議定書上、削減約束のない中国、インドなどの主要排出途上国にも
最大限の排出削減努力を促す実効ある枠組みを構築する必要がある。
13
安倍前総理新提案「美しい星50」
~ 3つの提案、3つの原則 ~
提案①:長期戦略
- 「世界全体の排出量の半減を2050年までに実現する」の全世界共通目標化
- 「革新的技術開発」と「低炭素社会づくり」という長期ビジョンの提示
提案②:中期戦略
- 2013年以降の具体的枠組みを設計するための「3原則」
1)「主要排出国が全て参加し、京都議定書を超え、世界全体での排出削減につながること」
2)「各国の事情に配慮した柔軟かつ多様性のある枠組みとすること」
3)「省エネ等の技術を活かし、環境保全と経済発展とを両立すること」
- その他:
新しい資金メカニズムを構築し、志の高い途上国に対し、日本から政策と協力を提案・発信する
公害対策と温暖化対策の一体的取組み、エネルギー効率向上に関する国際的取組の拡大等
提案③:京都議定書の目標達成に向けた国民運動の展開
- 自治体や主要業界に計画の公表を要請し、広く国民に対しても呼びかけを行い、排出削減
に向けた行動の加速化を促す
- 国民運動の制度的な対応も含め今後更に強化を図る。具体的にはクールビズの定着、白
熱球の蛍光ランプへの交換、省エネサービス事業などの推進等
14
3.我が国の取組
15
我が国の温室効果ガス排出量
2005年度における我が国の排出量は、基準年比7.8%上回っており、
議定書の6%削減約束の達成には、8.4%の排出削減が必要。
(百万トンCO2)
13億5,700万トン 13億6,000万トン
(+7.8%)
(+7.6%)
(2.8%)
(2.3%)
8.4%の排出
削減が必要
原発の利用率 (+5.5%)
(+4.8%) 低下による
一時的影響
1,300
12億6,100万トン
-0.6%
1,200
森林吸収源対策で3.8%
京都メカニズムで1.6%
-6%
の確保を目標。
1,100
1,000
基準年排出量
(原則1990年)
2004年度
排出量
2005年度
排出量
京都議定書削減約束
(2008年~2012年)
16
排出形態別、管理主体別の二酸化炭素の排出状況(2005年度)
廃棄物
工業プロセス
3%
うち
電力由来
家庭
13%
4%
エネルギー転換
10%
6%
産業
合計
12億9300万t
-CO2
工業プロセス
家庭
(家庭での冷暖房・給湯,
家電の使用等)
35%
18%
産業廃棄物等
家計関連
約21%
8%
うち
電力由来
業務
その他
一般廃棄物
(セメント製造時
等の化学反応に
よるCO2発生)
エネルギー転換
運輸
(家庭の自家用車)
13%
6%
うち電力由来 うち電力由来
7%
1%
20%
運輸
業務その他
(商業・サービス・
事業所等)
○CO
○CO2排出量のうち、工業プロセス、廃棄物を除く93
2排出量のうち、工業プロセス、廃棄物を除く93
%がエネルギーの消費に伴うもの。
%がエネルギーの消費に伴うもの。
○自家用車、一般廃棄物を含め、家庭からの排出は
○自家用車、一般廃棄物を含め、家庭からの排出は
約2割。残る8割は企業や公共部門からの排出。
約2割。残る8割は企業や公共部門からの排出。
18%
14%
運輸
(貨物車,企業の自家
用車,船舶等)
4%
6%
(発電所,ガス工場,
製油所等での自家消
費分)
35%
産業
(製造業,建設業,鉱
業,農林水産業での
エネルギー消費)
企業・公共部門関連
約79%
17
部門別エネルギー起源二酸化炭素排出量の
推移と2010年目標
単位:百万トンCO2
単位:百万トンCO2
増減率
2005年度
目標まで
の削減率
2010年度目安(※)
としての目標
482
-5.5%
456
-4.3%
435
217
+18.1%
257
-3.1%
250
164
+44.6%
238
-44.2%
165
127
+36.7%
174
-29.2%
137
68
+15.7%
78
-14.0%
69
1990年
度
500
産業(工場等)
400
300
運輸(自動車・船舶等)
業務その他
(オフィスビル等)
200
家庭
100
エネルギー転換
(※) 温室効果ガス排出・吸収目録の精査により、京都議定書目標達成計画策定時
とは基準年(原則1990年)の排出量が変化しているため、今後、精査、見直しが必要。
0
199019911992 1993 19941995 1996 1997 19981999 2000 200120022003 2004 2005
18
京都議定書目標達成計画
6%削減約束を達成するために必要な対策・施策を盛り込んだ「京都議定書目
標達成計画」を2005年4月に閣議決定。
1. 京都議定書の6%削減約束の確実な達成
2. 地球規模での温室効果ガスの更なる
長期的・継続的な排出削減
21世紀は「環境の世紀」
地球温暖化は人類の共通課題
我が国は、世界に冠たる環境先進国家として、地球
温暖化問題で世界をリードする役割を果たしていく
ことを目指す。
19
目標達成計画の骨子
(平成17年4月28日閣議決定、
平成18年7月11日一部変更)
20
産業部門の対策
新エネルギーの面的導入やエネルギー融通の促進
〇複数事業者の連携による省エネルギー 《約320万t-CO2》
施設・主体単位の対策
〇自主行動計画の着実な実施とフォローアップ 《約4,240万t-CO2 》
〇省エネルギー法によるエネルギー管理の徹底(産業) 《約170万t-CO2 》
機器単位の対策
〇高性能工業炉の導入促進 《約200万t-CO2 》
〇高性能ボイラーの普及 《約130万t-CO2 》
〇次世代コークス炉の導入促進 《約40万t-CO2 》
〇建設施工分野における低燃費型建設機械の普及 《約20万t-CO2 》
複数事業者の連携による省エネルギー
高性能工業炉の導入支援
※発電所の廃熱を酒造(蒸米、洗瓶、
火入れ)に活用。
複数主体間での工場廃熱等の融通等により、
工場単体を超えた省エネルギーを実現。
加熱、熔解等に用いられる工業炉について、3割。
以上の省エネとなる高性能工業炉への転換を支援。
21
運輸部門の対策
自動車の燃費向上等の単体の対策とともに、交通システムの効率化や物流体系全体の
グリーン化のような「面」の対策を実施し、運輸部門から排出されるCO2を削減
自動車交通対策
自動車単体対策及び
走行形態の環境配慮化
2,920万t-CO2
交通流対策
490万t-CO2
・クリーンエネルギー自動車の普及促進 (300万t-CO2)
・トップランナー基準による自動車の燃費改善( 2,100万t-CO2 )
・エコドライブの普及促進等による自動車運送事業等のグリー ン化
(130万t-CO2)
・アイドリングストップ車導入支援 (60万t-CO2)
・サルファーフリー燃料 (120万t-CO2 )
・バイオマス由来燃料の導入 (130万t-CO2 )
・高速道路での大型トラックの最高速度の抑制 (80万t-CO2)
・高度道路交通システム(ITS)の推進
(360万t-CO2)
・自動車交通需要の調整(30万tCO2)
・路上工事の縮減(50万t-CO2)
・交通安全施設の整備(50万t-CO2)
渋滞対策等
道路整備
従来から進めてきている
施策であり、2010年の
CO2排出量算定の前提
・幹線道路ネットワーク
の整備、
ボトルネック対策
運輸部門 5,280万t-CO2 削減
環境負荷の小さい交通体系の構築
物流の効率化等
1490万t-CO2
・海運グリーン化総合対策 (140万t-CO2)
・鉄道貨物へのモーダルシフト(90万t-CO2)
・トラック輸送の効率化 (760万t-CO2)
・国際貨物の陸上輸送距離の削減(270万t-CO2)
・鉄道のエネルギー消費効率の向上(40万t-CO2)
・航空のエネルギー消費効率の向上(190万tCO2)
公共交通機関の利用促進等
380万t-CO2
・鉄道等新線の整備
・既存鉄道・バスの利用促進
・通勤交通マネジメント
等
SHIFT
22
業務その他部門の対策
省CO2型の都市デザイン
〇地域レベルでのテナントビル等に対する温暖化対策の推進
施設・主体単位の対策
〇省エネルギー法によるエネルギー管理の徹底(民生業務) 《約300万t-CO2 》※
〇建築物の省エネ性能の向上 《約2,550万t-CO2 》
〇BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)の普及 《約1,120万t-CO2 》※
機器単位の対策
〇トップランナー基準による機器の効率向上 《約2,900万t-CO2 》※
〇省エネ機器の買替え促進 《約560万t-CO2 》※
〇エネルギー供給事業者等による消費者へのエネルギー情報の提供 《約420万t-CO2 》
〇家電製造事業者、販売事業者、消費者等が連携した省エネ家電普及のモデル的取組
〇高効率給湯器の普及 《約340万t-CO2 》※
〇業務用高効率空調機の普及 《約60万t-CO2 》
〇業務用省エネ型冷蔵・冷凍機の普及 《約60万t-CO2 》
〇高効率照明の普及(LED照明) 《約340万t-CO2 》※
※…排出削減見込量は家庭部門と業務その他部門の合計
23
家庭部門の対策
施設・主体単位の対策
〇住宅の省エネ性能の向上 《約850万t-CO2 》
〇住宅製造事業者、消費者等が連携した住宅の省CO2化のモデル的取組
〇HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の普及 《約1,120万t-CO2 》※
機器単位の対策
〇トップランナー基準による機器の効率向上 《約2,900万t-CO2 》※
〇省エネ機器の買替え促進 《約560万t-CO2 》※
〇家電製造事業者、販売事業者、消費者等が連携した省エネ家電普及のモデル的取組
〇高効率給湯器の普及 《約340万t-CO2 》※
〇高効率照明の普及(LED照明) 《約340万t-CO2 》※
〇待機時消費電力の削減 《約150万t-CO2 》
※…排出削減見込量は家庭部門と業務その他部門の合計
24
エネルギー供給部門の対策
省CO2型の都市デザイン
○エネルギーの面的な利用の促進(地域冷暖房等の複数の施設・建物への効率的なエ
ネルギー の供給など)
新エネルギーの面的導入やエネルギー融通の促進
○分散型新エネルギーのネットワーク構築
○バイオマスの利活用の推進(バイオマスタウンの構築)
○未利用エネルギーの有効利用
施設・主体単位の対策
○原子力の推進等による電力分野における二酸化炭素排出原単位の低減 《約1,700万t-CO2》
○新エネルギー対策の推進(バイオマス熱利用・太陽光発電等の利用拡大) 《約4,690万t-CO2》
○コージェネレーション・燃料電池の導入促進等
《天然ガスコージェネ 約1,140万t-CO2》 《燃料電池 約300万t-CO2》
E3
25
京都議定書6%削減目標の達成に必要な実用化技術
○太陽光発電システム
○ヒートポンプ
・太陽光エネルギーを利用して二酸化炭素を出さずに
電気を作り出すシステム。我が国は、累積導入量、生
産量ともに世界一を誇る
・家庭、業務用の省エネ機器のキーテクノロジー。
空調機器、冷蔵冷凍機、給湯器の効率化を実現。
エコキュート(家庭用CO₂冷媒
ヒートポンプ式給湯器
太陽光発電システム(左:住宅用、右:業務用)
○ハイブリット自動車
○LED(発光ダイオード)
・自動車の大幅な燃費向上
を可能とした画期的な技術
・高効率かつ長寿命な証明を
省エネを実現するキーテクノ
ロジー
↑
↑
プリウス(トヨタ自動車㈱)
L
E
D
信
号
機
L
E
D
卓
上
ラ
イ
ト
○キャパシタ(蓄電器)/
二次電池(蓄電池)
・電気エネルギーを蓄えたり
放出したりする機器。
→キャパシタ(風力発電
などに併設して出力変
動の平準化を行うもの)
←マンガン系リチウムイオ
ン電池(高出力、小型軽量、
低コストな特電地。ハイブ
リッド自動車等への実用化
が見込まれる)
26
京都メカニズムの活用
○他国での排出削減プロジェクトの実施による排出削減量等をクレジットとして取得し、自国の議定
書上の約束達成に用いることができる制度。
○①わが国の確実かつ費用効果的な約束達成に資するとともに、②地球規模での温暖化防止、
③途上国の持続可能な開発への寄与。
○国内対策を補足するものであるとの原則を踏まえつつ京都メカニズムを活用(基準年(1990年)
総排出量の1.6%分)。政府によるクレジットの取得等に必要な規定を整備するため、 2006年通常
国会において、地球温暖化対策推進法などの改正を行った。
共同実施(JI)
クリーン開発メカニズム(CDM)
国際排出量取引
先進国どうしが共同で事業を実施
し、その削減分を投資国が自国の
目標達成に利用できる制度
先進国と途上国が共同で事業を実施
し、その削減分を投資国(先進国)
が自国の目標達成に利用できる制度
各国の削減目標達成のため、先
進国どうしが排出枠を売買する
制度
先進
国A
先進国B
資金
技術
削減量
(クレジット)
共同の削減
プロジェクト
削減量
先進
国A
途上国B
資金
技術
削減量
(クレジット)
共同の削減
プロジェクト
削減量
先進
国A
先進国B
代金
排出割当量
(クレジット)
目標以上
の排出削
減量
29
4.皆さんに望むこと
30
「チーム・マイナス6%」の6つのアクション
①温度調節
で減らそう
②水道の使い方
で減らそう
冷房28℃、暖房20℃
にしよう
蛇口はこまめにしめよう
④自動車の使い方
で減らそう
⑤買い物とゴミ
で減らそう
ふんわりアクセル
e-ドライブをしよう
過剰包装を断ろう
③商品の選び方
で減らそう
エコ製品を選んで買おう
⑥電気の使い方
で減らそう
コンセントから
こまめに抜こう
31
めざせ!「1人1日1kg」のCO2削減
地球温暖化問題の解決に向けて安倍前総理が5月24日に提案した「美しい星50」において、京都議定
書の目標達成に向けた国民運動の展開が重要であるとされ、「1人1日1kg」の温室効果ガスの削減を
モットーとして、ライフスタイルの見直しや、家庭と職場での努力や工夫を呼びかけています。
■ 私のチャレンジ宣言
「1人1日1kgのCO2削減」に向けて、一人ひとりが、身近な取組の中から実
践してみようと思うものを選択し、CO2削減に向けて宣言する「私のチャレンジ
宣言」を実施中。
【チャレンジ宣言数】 345,615件 (平成19年9月18日現在)
チャレンジ宣言数の推移
400,000
350,000
300,000
宣言数
250,000
200,000
150,000
(チャレンジ宣言カード)
100,000
50,000
0
2007/6/20
総計
2007/6/20
2007/7/4
2007/7/18
2007/8/1
34
3,551
7,352
15,260
2007/8/15 2007/8/29
22,933
34,403
2007/9/12 2007/9/18
303,232
【項目の例】
・冷房時の設定温度を26℃から28℃に2℃高くする
→83g CO2削減
・シャワーを1日1分短くする
→14 gCO2削減
345,615
日時
■ 応援キャンペーン
「私のチャレンジ宣言」に参加する人々に数々のメリットを提供することを通じて、温暖化防止のための国民
運動の飛躍的拡大を目指しています。(平成19年9月18日発表分までで、協賛企業 110企業・団体)
また、著名人がクールアースアンバサダー(現在94名)として温暖化防止を訴えていきます。
32
日本の資源を活用した目に見える国際環境協力の検討
アジア等における環境汚染
日本の国際協力の課題・・・支援が目に見えない
■法執行段階での問題
法律は一定程度整備されていても、モニタリングなど実施体制・技術の
点で不十分であり、正確な環境状況の把握ができているとは言えない。
・物資・資金援助中心で現地で活動する日本人が不在
または少ない。
・支援のタイミングが遅い
・支援団の規模が小さい
■汚染等の例
○事業・生活による汚染 : 河川・湖沼等の大規模汚染、 工場地帯 ・
道路沿道等の大気汚染 、 有害廃棄物に
よる水質・土壌汚染、廃棄物問題、温暖化
問題など
○災害・事故による汚染 : 地震、津波、ハリケーン、洪水、タンカー座
礁、金採掘による有機水銀汚染など
国内の人材等をネットワーク化し、必要な人材を国境
なき環境調査・協力団(仮称) として迅速に派遣。
自ら環境の状況を測定するほか、現地スタッフに対する
サンプリング・分析方法等の指導も行い、アジアなどの
国のモニタリング能力の向上等に努める。環境汚染に
よる水環境・大気環境・土壌環境・生態系等への影響
(廃棄物問題を含む)を迅速・正確に調査し、環境改善
案を提示。
環境の状況についての正確なデーターが得られるように
なる。アジアなどの水・大気・その他の自然環境の破壊・
健康被害を未然防止するとともに、回復を容易にする。
必要に応じ他の組織と連携し、環境改善事業につなげ
る。
日本の事情・資源
・団塊の世代の人々の退職・・・自治体等にモニタリング等
の経験豊富な人が 多い
・モニタリング機材等の優れた環境関連機材・技術の存在
・人材・関係団体とのネットワーク化、国内の人材等とアジ
ア等の国とのコーディネイトの必要性
資金
人材
技術
政府
民間
団塊の世代
民間企業
自治体
(自治体OB
等)
自治体職員
学識経験者
民間人
ネットワーク化
技術
機材
+
人
国境なき環境
調査・協力団
(仮 称)
目に見える国際環境協力の実現、人材(団塊の世代等)と日本の技術の活用、アジアなどの環境の改善・保全
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国境なき環境調査・協力団の運営イメージ
政府
環境省・JICA・JBIC等
連
学会等
水環境学会、大気環境学会
廃棄物学会等
理事会
経済界
|
日本経団連
企業(分析機器メーカー等)
常任委員会
事業展開の決定
連
民間財団(助成)
事務
局
地方自治体
市民・学生・研究者
東京都、愛知県、北九州市等
国際援助機関
国際連合
(UNEP.UNCRD等)
携
国境なき環境調査・協力
団
携
NPO・NGO
環境ベテランズファーム等
国内外コミュニティー(協働)
受益者(東南アジア各国・国民)
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ご静聴ありがとうございました
環境省水・大気環境局土壌環境課
地下水・地盤環境室
佐藤 郁太郎