Power Point基本

「大切なこと」
一人の先輩から
ヘルスプロモーション研究センター
思春期保健指導者研修会より
「大切なこと」
一人の先輩から
ヘルスプロモーション研究センター
思春期保健指導者研修会より
私は、高校2年生の時に初めて彼と呼べる人ができ
ました。
その人は同じ高校に通う同級生でした。
自分のことを好きになってくれるのがうれしくて、
ずっと彼と一緒にいたいと思うようになりました。
幸せな気持ちでいっぱいでした。
思いのとおり、1日のほとんどの時間を一緒に過ご
すようになり、つきあい始めて3ヶ月ほど経った頃、
彼に求められたのです。
別れることなんて考えていなかった私は、戸惑いな
がらも自然と彼の求めに応じていました。
きっと心のどこかで私もそうなりたいと思う気持ち
があったのだと思います。
でも、会うたびに求められるようになり、
「彼は本当に私のことが好きなのか」
「ただHがしたいだけなのか」
今までとは何か違うという思いを持ち始めました。
同時に
「赤ちゃんができるかもしれない」
「できたらどうしよう」
という不安がいつも心のどこかにありました。
そのときの私は、妊娠をすると、おなかが大きくなると
いうこと以外はよくわかっていなかったのです。
バイトしたお金で初めて医学書を買いました。
まず
「月経が止まる」
と書いてありました。
当時の私の月経は規則的ではなく、ただ遅れている
だけなのか、妊娠してしまったのか、判断できません
でした。
「今赤ちゃんができても産めない、
妊娠してたらどうしよう」
誰にも言えず一人悩んでいた私は、月経が来たとき
には涙が出るほどホッとしました。
それからも
「彼に嫌われたくない」
という気持ちから関係は続き、
いつもどこかに不安を持ちながら、
月経が来るとホッとするという日々を
繰り返していました。
自分の本心は伝えきれませんでした。
2年ほど経ったある日、
「他に好きな人ができた」
と彼に別れを告げられました。
とても悲しくて、しばらくはよく泣いていました。
「彼に嫌われたくない、
と自分の気持ちを殺してまで
守ってきたことは
いったい何だったの?」
自分を大切にしなかった私自身が腹立たしく、
彼は本当に私を好きでいてくれたのか、
と考えては落ち込んでいきました。
自分は汚れてしまった、
人を好きになる資格がない、
他の人と経験がある自分のことを、
好きになってくれないんじゃないか、
と恋愛には積極的になれませんでした。
その時は一生懸命だったし、
後悔することなんか何もないのに、
何か大切なことを忘れていたのかもしれません。
そんな私の恋愛でした。
了