NTP入門 新潟インターネット研究会 神保道夫 [email protected], [email protected] (C) Niigata Internet Society, 1997. はじめに パソコンが普及 – LAN(Local Area Network)の普及 – サーバー機の普及 – 多数のクライアント機(Windows, Mac, … )がサーバー を利用 インターネットの普及 – コミュニケーションツールとして電子メールを利用 – 世界各地のリソース(資源)を参照 – 24時間、どこでも利用できる (C) Niigata Internet Society, 1998. 時刻が正しいことの重要性(1) サーバーとクライアントの時刻が違うと… – プログラム開発時: 依存関係の処理ができない → ソースを書き換えたのにコンパイルされない! インターネットの利用時に時刻が違うと... – 電子メールなど: メールに記録される時刻が狂う → 未来からメールが届く! (C) Niigata Internet Society, 1998. 時刻が正しいことの重要性(2) 一般的なPCの内蔵時計 – およそ正確なものではない(1日に数秒程度の誤差) – 原因 • • 内蔵クロックの制度 温度・湿度などの外部環境の変化 何らかの形で、コンピュータの時計を合わせる必要 がある! (C) Niigata Internet Society, 1998. 時刻が正しいことの重要性(3) 複数のコンピュータで正確な時刻を保存する – それぞれの時計が、ある時刻にそろっている – その時刻が正確な時刻と一致している という2つの条件を満たす必要がある。 NTP(Network Time Protocol) – 上記の2つの要求を満たすためのプロトコル・メカニズム – それらが動作するソフトウェアの実装の呼称 (C) Niigata Internet Society, 1998. 時刻合わせの方法 NTP(Network Time Protocol) : RFC1305 – port 123を利用 – サーバーの動作はとっても複雑 – クライアントの動作は、割と簡単 rdate – port 37を利用 – 動作原理はとっても簡単 – だけど、利用できる場合は少ない (C) Niigata Internet Society, 1998. NTPのしくみ(1) 時刻同期を行うためには、正確な時刻を保持する時計を 参照することが必要。 – セシウム原子時計の参照 国立天文台とWIDE Projectの共同で、セシウム原子時計の出 力を自作のカウンタ回路で読み取る – GPS(Global Positioning System)の参照 GPSの出力をカウンタ回路で読み取る – NTT ISDN網のクロックの参照 網の同期のために常時提供されている信号が、ルビジウム時 計を参照している事から、この信号を参照する (C) Niigata Internet Society, 1998. NTPのしくみ(2) Ti-2 Tp Ti-i Peer ΔT Host Ti-3 Th Ti HostとPeerの時刻のずれΔTは、伝搬時間が行きと帰りで同じ だったと仮定すると、 ΔT=(Ti-1 + Ti-2) / 2 - (Ti + Ti-3) / 2 「伝搬時間が行きと帰りで同じ」という仮定 →HostとPeerの間の行きと帰りの経路が同じであることを期待 (C) Niigata Internet Society, 1998. NTPのしくみ(3) Stratumとは…? – 時刻の参照関係の階層構造 • • • • 外部時計を直接参照するコンピュータ: stratum 1 stratum 1を参照するコンピュータ: stratum 2 stratum 2を参照するコンピュータ: stratum 3 stratum 3… (C) Niigata Internet Society, 1998. NTPを用いた場合の精度 GPSを利用した場合 – 数μsec程度の誤差 遠方にあるサーバーを利用した場合 – 10msec以上の誤差 時刻が厳密であることを期待したい場合、自サイトにGPSを 用いたサーバーを置くことが望ましい。 (C) Niigata Internet Society, 1998. NTPの運用(1) サーバー設置の原則 – 同じ上位サーバーから時間をもらっているサーバー同 士はお互いにpeer設定をしてはならない – 自分よりも下位サーバーに対してpeer設定をしてはな らない – 1つのドメイン内の複数のサーバーが上位の同じサー バーに対して時間を合わせる設定をしてはならない – 信頼性向上のため、少なくとも3つのクロックソースと 時間を同期させる必要がある (C) Niigata Internet Society, 1998. NTPの運用(2) 1 1 server peer 1 2 2 2 3 3 3 3 (C) Niigata Internet Society, 1998. 3 3 NTPクライアント Windows用 – AtomTime98(ShareWare, $5) http://www.atomtime.com/ – 桜時計(FreeSoft) http://www.venus.dti.ne.jp/~uno/ – Network Time for Windows(FreeSoft) Mac用 – Vremya http://www.lava.net/~kirill/software/ (C) Niigata Internet Society, 1998. SNTP SNTP(Simple Network Time Protocol): RFC2030 – TCP/IPプロトコル上の時刻管理プロトコル – NTPの簡易版 – 実装例 • TimeSrv95 & NT http://www.asahi-net.or.jp/~AN5T-NSK/timesvr.htm • WinSNTP (C) Niigata Internet Society, 1998. 日本のNTPサーバー(1) 公開, stratum 1 – clock.nc.fukuoka-u.ac.jp(GPS) – clock.tl.fukuoka-u.ac.jp(GPS) – ntp.nttsl.mfeed.ne.jp(ISDN) (C) Niigata Internet Society, 1998. 日本のNTPサーバー(2) 非公開, stratum 1 – – – – – – – – drake.nc.fukuoka-u.ac.jp(PPS) ns.hiroshima-u.ac.jp(GPS) eagle.center.osakafu-u.ac.jp(GPS) cesium.mtk.nao.ac.jp(セシウム原始時計) eric.nc.u-tokyo.ac.jp(GPS) sutclock.sut.ac.jp narumi.eco.wakayama-u.ac.jp ntp.tohoku.ac.jp(GPS) (C) Niigata Internet Society, 1998. まとめ NTPを用いることにより、時刻合わせを自動化す る事は可能。 現状では、遠くのstratum 1のサーバーを見ても 正しい時刻になるかどうかはわからない 組織内にstratum 1のサーバーがあった方が良い のでは…? (C) Niigata Internet Society, 1998. 参考URL NTPの総本山 – http://www.eecis.udel.edu/~ntp/ 東大の有村氏(古野電機 TS-800, TS-820) – FreeBSD 2.2.x, 3.0-CURRENT – http://www.sr3.t.u-tokyo.ac.jp/~arimura/ntp/ 佐藤正昭氏(GPS&電子工作の話題) – http://masaaki.sato.nakano.tokyo.jp/gps/ntp-linux/ntp-index.html NTT研究所 – http://www.nttsl.mfeed.ne.jp/ (C) Niigata Internet Society, 1998.
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