非定常作業安全 - 労働安全衛生

非定常作業の安全確保
ロックアウト・タグアウト
非定常作業時の事故事例
 装置を停止せずに動いている装置に手を出し
て被災した(低速稼動の装置に多い)
 一時的に停止している自動装置に近づいたと
ころ、自動装置が急に動き出して被災した
 保守中に油圧バルブを開いたところ、装置の
シリンダーの圧が抜け、上部に保持されてい
た金型が重力落下し被災した
 A氏が保守作業中、その装置をB氏がそれに
気付かずに起動してしまい、A氏が被災した
非定常作業時の災害の原因
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装置の停止の失敗
装置のエネルギーからの分離の失敗
装置の残余エネルギーの放出の失敗
装置の不適切な再スタート(第三者による起
動もあり)
 装置の再スタート前の準備不良
労働安全衛生法の規定
非定常作業の場合の運転停止等(規則107条)
事業者は、機械のそうじ、給油、検査又は修理の作業を行な
う場合
機械の運転を停止
当該機械の起動装置に錠をかけ、
当該機械の起動装置に表示板を取り付ける
等同項の作業に従事する労働者以外の者が当該機械を運
転すること を防止するための措置を講じなければならない。
管理すべきエネルギーのタイプ
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電気
機械
化学
熱
流体(空気、水、油)
位置
電気的エネルギーの危険
 30ボルトで死亡に至る事例あり
 水は感電の危険を高める
 絶縁性の工具を使用する
潜在的エネルギーの危険
 機械内に保有されるエネルギー
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重量 (位置)
スプリング・ばね
圧力下のピストン
空気圧、水圧、油圧
 貯蔵された上記のエネルギーは非定常作業
中に放出され災害の原因となる
化学的エネルギーの危険
 化学物質は次のエネルギーを有す
 火災・爆発の原因
 薬傷の原因
 有害ガス・蒸気・フューム発生の原因
 非定常作業の前に化学物質を安全に排出し
なければならない
熱エネルギーの危険
 高温の機械や流体は火傷の原因
 低温の機械や流体は凍傷の原因
 高圧ガスの急速な放出は低温の原因となる
(断熱膨張)
 作業前に安全な温度に戻す必要がある
誰が非定常作業に従事できるか
 事前に非定常作業の安全化について訓練を
受けた者のみが従事できる
 安全化に必要な鍵や表示札などは監督者か
ら支給される
 個人に支給された鍵は決して他人には渡して
はならない
7 ステップの安全化手順
1.
2.
3.
4.
シャットダウンの準備
装置のシャットダウン
全てのエネルギー源の切り離し
エネルギー源(起動装置、バルブなど)に鍵を
掛ける(ロックアウト)
5. エネルギー源に表示する (タグアウト)
6. 蓄積されたエネルギーを放出する
7. エネルギーの切り離しを確認する
1. シャットダウンの準備
 装置の危険源を理解する
 危険源
 エネルギー切り離しの場所
 シャットダウンの手順
 他の作業者にシャットダウンを周知する
2. 装置のシャットダウン
 通常の作業手順で装置をシャットダウン(停止)
する
 装置の全ての起動スイッチを“OFF” にする
 装置の全てのバルブを“閉”にする
3. 全てのエネルギー源の切り離し
 関連する全てのバルブを“閉”にする
 関連する全てのブレーカー、遮断機を“OFF”
にする
4. エネルギー源の施錠
 バルブ類に鍵を掛ける
 ブレーカー / 遮断機に鍵を掛ける
 南京錠(米国では個人ごとに掛ける)
 キースイッチ
 安全プラグ
 ブランクフランジを挿入する
 施錠した鍵は必ず当人が所有する
米国では「ロックアウト」という
5. エネルギー源への表示
 「点検中、起動するな」、「清掃中」などの表示
札、テープ、タグなどを簡単には取れないよう
表示する
 作業者の名前を記すことも有効である
米国では「タグアウト」という
6.蓄積されたエネルギーの放出
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コンデンサーの放電
スプリングの開放またはブロック
重量落下機械のブロック挿入
ホイールなど回転体の惰性回転停止
圧力の開放
流体の排出
ガスの放出
熱の冷却、常温化
7. 装置分離の確認
 通常のスタート操作にて、装置が起動しないこと
を確認
 施錠が良好に施されていることを確認
 制御装置を“OFF”または中立であることを確認
 全ての作業者が明確であることを確認
非定常作業後完了後の復旧方法
 作業エリアと装置を点検する
 全ての安全カバー、安全装置が復旧していること
を確認する
 工具、部品類を装置から撤去する
 周囲に再スタートを周知する
 装置、システムへの接続を復旧する
 施錠及び表示を取り外す(本人以外は出来ない)
 装置を定常に復旧する
 通常の方法で再スタートする
Safety Is Everybody's Business