3.目次誌、索引誌、抄録誌 • 2次資料とは 1次資料 オリジナルな研究成果を記録した資料 2次資料 1次資料を探す手がかりとなる資料 書誌 文献リスト(所在情報は必要でない) 目録 書誌に所在情報がついたもの 索引 部分を検索するためのもの 巻末索引、語句索引、論文索引、記事索引など ここでは、論文索引、記事索引等に限定する 目次誌 • 雑誌の目次だけを集めて速報する雑誌。 • 最も早く作られ、かつ著名な目次誌は、Current Contensである。 • Current Contents. 1961- Institute for Scientific Information社が創刊。現在 はThomson Reuters社刊。7分野に分かれて刊行。 Web版をCurrent Contents Connectという。 印刷版では、KWIC索引が用意され、タイトル中の 単語から検索できるようになっている。 KWIC索引 • Keyword in Context • 論文や図書のタイトルを、タイトル中の個々の単 語から検索できるようにした索引。 • IBMのルーン(Hans Peter Luhn)によって1950年 代に考案された。 • ストップワード 冠詞、接続詞、前置詞などのよう に、検索上意味のない語を省くためのリスト。 KWIC索引の特徴 • タイトルを入力しさえすれば、後の処理はコン ピュータが自動的に実行。 • タイトル中意味のあるどの語からも探せる。 • 検索の前後の語句が示されており、その語がど ういう文脈で用いられているかが分かる。この特 徴を「文脈保持」といい、KWIC最大の利点であ る。 • 検索すべき単語が文脈の外に出た、KWOC (Keyword Out of Context)も存在する。 • 日本語KWICも存在するが、単語の区切りが明 確でないので、作りにくい。 索引誌(1) • 雑誌論文、会議録、特許等の論文・記事多数の 索引データを作成し、それらを分類順等により配 列すると同時に、著者、キーワード等からも検索 できるようにした雑誌。 • 索引データとしては、論文のタイトル、著者、著者 の所属機関、キーワード、掲載雑誌のタイトル、 巻号年ページ、が基本的なものである。 • もともとは印刷体で発行されていたが、現在はほ ぼすべての索引誌は、コンピュータで探せるデー タベースとしても提供されている。 索引誌(2) • 索引誌がデータベース化された場合、順次流し 読みしていく機能は通常省略される。つまり配列 機能は乏しく、キーワードや、著者等を指定した 検索機能のみとなる。 • Index Medicusや雑誌記事索引のように、データ ベース化された結果、印刷版が刊行されなくなっ たケースも少なくない。 代表的な索引誌(データベース)(1) Index Medicus(1960-2004) 医学分野の代表的索引誌。 NLM(National Library of Medicine)が編集発行。 MeSHという著名なシソーラスにより統制語の キーワードを付与。 1960年代のMEDLARS実験で有名。 データベース版をMEDLINEという。 無料版であるPubMedを広く公開している。 代表的な索引誌(データベース)(2) Science Citation Index 1961Thomson Reuters社 もともとは、Institute for Scientific Information (ISI)社が刊行。 現在の名称: Science Citation Index Expanded Arts & Humanities Citation Index Social Science Citation Index 3誌合わせて、全分野の引用索引誌を形成。 統合Web版を、Web of Scienceという。 引用索引とは ある論文を、後日誰がどこで引用したかを調べる ことのできる索引をいう。 Eugene Garfieldが1950年末に考案し、引用索引 誌を創刊して事業化した。 引用索引にはさまざまな使い方がある。 ①引用関係をたどって関連文献を検索する。 ②被引用件数を数量的に測定し、研究者、雑誌全 体、研究機関全体、の評価を数値的に計る。 ③引用-被引用関係を大規模に調べることにより、 研究分野全体等の関連性を解明する。 インパクトファクタ ある雑誌全体が、1論文あたり平均何回引用されて いるかを算出する。学術雑誌の評価をするための 指標となる。 A = 対象の雑誌が2002年に掲載した論文数 B = 対象の雑誌が2003年に掲載した論文数 C = 対象の雑誌が2002、2003年に掲載した論文が、 2004年に引用された延べ回数 C/A+B = 2004年のインパクトファクター ほぼ理工系の雑誌を対象として用いられる。 学術雑誌全体に対する評価尺度として用いるもの であり、研究者個人の評価に使うべきものではない。 代表的な索引誌(データベース)(2) 雑誌記事索引 人文科学編 科学技術編 1950-1995(国立国会図書館編集刊行) ・わが国における代表的な索引誌。印刷版は 1995年に終了し、その後データベース版のみが 提供されている。 ・現在国内雑誌約1万タイトルを対象に、索引が 作成されている。 ・NDL-OPACおよびCiNiiによって検索できる。 抄録誌(abstract) 抄録つきの索引誌を抄録誌という。 抄録とは、記事内容の概略を迅速に把握する目 的で作られた文章で、主観的な解釈や批判を加 えず、記事の重要な内容を簡潔かつ正確に記述 したもの(SIST01による定義)。 抄録の種類 圧縮のレベル、作成者の種別、により2種類の分 け方を行う。 抄録の種類 圧縮レベルによる 指示的抄録 原記事を読む必要の有無を判断するのに役立つように作 成された短いもの。 報知的抄録 原記事について詳しく記した抄録。 作成者の種別による 著者抄録 著者の作った抄録。通常論文投稿時に義務付けられる。 客観性に欠ける場合がある。 第三者抄録 著者以外の第三者が作成した抄録(通常抄録索引サービ ス機関において、抄録の専門家が作成する)。 代表的な抄録誌(データベース)(1) Chemical Abstracts 1907アメリカ化学会(American Chemical Society: ACS)の下部組織であるCAS(Chemical Abstrats Service)が発行する世界最大の抄録誌。 化学分野を広く網羅する。 対応するデータベース版には、CA SEARCH、 CAplusなど多数がある。 代表的な抄録誌(データベース)(2) 科学技術文献速報 編集発行 科学技術振興機構(JST) 日本の代表的な抄録誌。機械工学編など11分野 に分かれる。収録対象は、外国誌4300種、国内 誌8000種で、外国誌も多数収録。 JSTの提供する情報検索システム「J DreamⅡ」に おけるJST Plusというデータベースに対応する。 JST科学技術用語シソーラス(2008年版)によって 統制語によるキーワードが付与される。 科学技術文献速報 記事記載例(印刷 版) JST Plus 記事記載例(データベース)
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