アウトレット誘致によって地域は活性化するのか? ー

アウトレット誘致によって地域
は活性化するのか?
ー富山県小矢部市への提言ー
発表の前にアニメーションをONに!
富山大学
中村和之ゼミ
北川・中村・間宮
目次
研究の動機
 アウトレットモールについて
 主張:アウトレットモールは地域を活性化させるだろう
 検証
 小矢部について
 小矢部市のさらなる活性化を目指して

研究の動機
2015年7月に富山県小矢部市に北陸エリア初となる「三井アウ
トレットパーク北陸小矢部」が開業する。
しかし、小矢部市は富山県の中でも全国で見ても
目立たない地域である。
→地域にどのような影響があるのか気になり、
興味を持った。
三井アウトレットモール北陸小矢部
敷地面積 約130,000㎡
 店舗数
約160店舗
 駐車場台数
約2800台
 降雪を考慮し屋内二階建て
モール
 屋外遊具や観覧車を建設
予定


小矢部市が積極的に支援
アウトレットモールとは…
売れ残り品や旧モデルの在庫品、サンプル品など正規店舗で
は売れないが、実用上は問題のない商品を低価格で販売する
直販店舗を集積させた商業施設。
日本では1993年に登場して以来、2000年にかけて建設
が相次ぎ、現在では全国に38店舗存在。
二大巨頭の三菱地所と三井不動産がそれぞれ9か所、12か所
を運営。
日本のアウトレットモールの現状
<日本の二大アウトレットモール>
プレミアム・アウトレット
三菱地所・サイモン株式会社が運営
(御殿場、りんくう、佐野、鳥栖、土岐、神戸三田、仙台港、あみ、佐々井)
三井アウトレットパーク
三井不動産が運営
(ジャズドリーム長島、木更津、入間、滋賀竜王、札幌
北広島、マリンピア神戸、幕張、仙台港、多摩南大沢、
倉敷、大阪鶴見、横浜ベイサイド)+北陸小矢部
何度もの増設を繰り返し、市場規模を
拡大している
アウトレットが地域活性化に貢献した例
アウトレットパーク佐野(栃木県佐野市)
年間500万人程の集客
 約1,300人の雇用を創出
 地元購買率(市内で買い物をする市民の割合)が上昇

『みずほ地域経済インサイトより』
小矢部市にアウトレットモールができることは
地域活性化につながるのではないか?
1.アウトレットができることによる効果
出店
集客
求人
利益
税収増加
雇用
このような要因によってアウトレット
モールは地域を活性化させる
アウトレットモールの成功は地域へ更なる
効果をもたらす
2.アウトレットモールの分類
都市型
・都市部に近い
・商圏人口が多い
観光地
レジャー型
広域交通
拠点型
・都市部から遠い
・観光地やレジャー施設と
隣接している
・都市部から遠い
・交通機関(主に道路)が
整備されている
・広い土地が確保できる
3.広域交通拠点型アウトレットモール
三井アウトレットパーク入間
 りんくうプレミアム・アウトレット
 土岐プレミアム・アウトレット
 あみプレミアム・アウトレット
 佐野プレミアム・アウトレット
 三井アウトレットパーク滋賀竜王


三井アウトレットパーク小矢部
4.既存アウトレットのある地域の実態
① 各地域の法人住民税を調べ、対前年度変化率を求める
←ほかに大規模な法人がない地域ではアウトレットによる
法人住民税がその地域の税収に大きく影響が表れる
② 観光客数を調べる
←アウトレットによる集客力を計る目安となる
③ 求人倍率を調べる
←アウトレットができたことによる雇用の増加を知る
<法人住民税について>
 会社の納める税金・・・法人税、法人住民税、法人事業
税
 事業所の所在地の地方公共団体に法人が支払う税金
 市区町村に払うものは均等割と法人税割の2種類があ
る
 均等割・・・資本金等に応じて課税
 法人税割・・・法人税(所得金額の一律30%)に応じて
課税、法人税×住民税の税率
4-①.各地域の法人住民税の変化率
・開業した次の年には大幅に増加している
・それ以降も増加している
4-②.観光客数
2015/9/30
4-③.求人倍率
3つの調査からわかること
 アウトレット周辺に人口が少なく、観光地やレジャー施
設がない地域でも、アウトレットモールが出来ることで
集客効果が得られ、地域に良い影響を与えるといえる
 (雇用に関して…)
広域交通拠点型成功の要件
 高速道路や国道、県道などの交通機関の整備ができ
ていて利便性が高い
 アウトレット自体が観光施設となり、集客効果を高めて
いる
 店舗や駐車場を増設するための土地を今でも確保する
ことができている
小矢部ではどうなるか?
<強み>
 自動車利用での交通利便性が高い
→北陸
自動車道「小矢部I.C」や東海北陸
・
能越自動車 道「福岡I.C」
 北陸初のアウトレットモールという話題性
→観光施設となれるか!?
 広い土地が安価に手に入る
←アウトレットモールは増設をして店舗数を増やしていく
ケースが多いため
 オープン時から店舗数が多い(160店舗を予定)
しかし、MOP小矢部には他の
アウトレットに比べ弱いところがある
弱み
商圏人口が少ない
周辺の観光資源が乏しい
小矢部市のさらなる活性化のため
にはこれを補う何かが必要である
弱み(1) 商圏人口

他のアウトレットと比べてもともとのターゲットとする商圏人
口が極端に少ない

もっと多くの人に来てもらい、小矢部市として利益を出した
い!
<解決策>
・外国人観光客の利用促進
・新潟や福井等の遠方からの集客
商圏人口を増やすためには
1.外国人観光客の利用促進
(台湾人の富山空港利用状況)
→増加している
→富山空港からアウトレットへの呼び込み強化
2.新潟や福井等の遠方からの集客
→直行バスツアー
→さらに市内周遊に足を向けさせる
弱み(2) 観光資源

アウトレット周辺に観光地といえる施設がない
→アウトレットが観光施設とならなければならない(
佐野、滋賀竜王等)
→レジャー施設を新たに作る(長島等)
地域活性化の提言(その他)

アウトレットと小矢部市、富山県、北陸地域が提携し、特産
品のPRや地元産業の紹介を一年を通して行う
参考文献