蒸気圧と沸点『水の沸点は変化する』水は何度で沸騰しますか？はい，９５℃前後から沸騰し始め, 沸点は100℃です。ただし，通常の大気圧（1気圧： 1013ｈP) での場合です。沸騰とは，どのような状態ですか？蒸気圧が大気圧と等しくなり, 液体内部からも気化が起こって気泡の生成がみられる状態です。そのときの温度が沸点です。蒸気圧とは？ • 密閉容器に液体を入れ  温度が高くなると蒸，温度を一定に保つと気圧は高くなる。容器内の蒸気の圧力は一定になる。 • 飽和状態では蒸発と凝縮が同時に起こり，その速度が等しいため，見掛け上変化はない。 • このときの蒸気の圧力を蒸気圧または飽和蒸気圧という。蒸気圧と沸点 • 液体の温度を高くして蒸気圧が大気圧と等しくなると，液体内部からも気化が起こり，気泡の生成がみられる。 • この現象が沸騰で，そのときの温度を沸点という。沸騰中は，得られる熱は蒸発熱として使われ, 液体がすべて気体に変わるまで温度は変わらない。 • 水の大気圧（1気圧： 1013ｈP)下での沸点は 100℃である。水とエタノールの蒸気圧と沸点蒸気圧曲線蒸気圧（ｈP) 1013 1000 1013hP　（1気圧）の温度が沸点 800 723.6 水エタノール 701 600 470.3 473 400 295.7 311.7 179.7 200 58.2 31.1 15.9 23 11.9 0 15.77 0 10 20 198.3 104.7 73.4 42.1 30 40 エタノールの沸点 78.6℃ 123 50 温度（℃） 60 70 80 90 水の沸点 100℃ 100 Q1 圧力が下がると沸点が低くなる？富士山頂付近では, 水は何度で沸騰するか？富士山高度3776m 高度による気圧の低下 0～100m -12.0hP 0～1000m 平均 -11.4hP/100m 1000～2000m 平均 -10.4hP/100m 2000～3000m 平均 -9.4hP/100m 0～3800m 平均 10.0hP/100m ３８００ｍの高地での気圧 100mごとに平均１０ｈP減少 → －10hP×3800m /100m ＝－380hP 高度3800mの気圧は 1013hPー380hPより＝633hPとなるグラフから６３３ｈPの温度を求めよう！３８００ｍの高度での水の沸点水の蒸気圧曲線蒸気圧（ｈP） 1200 大気圧　１気圧　１０１３ｈP 1013.0 1000 800 701.0 富士山頂上空付近　３８００ｍ　６３３ｈP 600 473.0 400 311.7 198.3 200 5.8 11.9 23.0 42.1 0 10 20 30 73.4 123.0 0 40 50 温度（℃） 60 70 80 90 100 Q２圧力を上げると沸点が高くなる？圧力鍋の原理圧力鍋を用いたら？圧力(気圧) 圧力と沸点の関係 5.0 4.5 4.0 3.5 3039hP 3.0 2.5 2026hP 2.0 1.5 1013hP 1.0 0.5 圧力鍋活力鍋 0.0 100 110 120 130 温度（℃） 140 150 1.8気圧の圧力鍋内の水の沸点は？ 1013hP×1.8 ＝ 1823hP グラフから水の沸点は, 約118℃であることが分かる水の蒸気圧曲線蒸気圧（ｈP） 2000 1989.3 一般の圧力鍋　１．８気圧　１８２３ｈP 1800 ー理科ちゃん先生を目指せー身の回りの不思議（化学編）　水の沸点は変化する 1600 1433.9 1400 1200 1013.0 大気圧　１気圧　１０１３ｈP 1000 701.0 800 富士山頂上空付近　３８００ｍ　６３３ｈP 600 473.0 311.7 400 200 5.8 11.9 23.0 42.1 73.4 0 10 20 30 40 123.0 198.3 0 50 60 70 温度（℃） 80 90 100 110 120 水が100℃以下で沸騰することを確かめてみよう！実際に実験してみようお湯の温度は？蒸気圧はいくらになったでしょう蒸留液体の精製法  不純物を含んだ液体から純粋な液体成分を取り出す  液体の混合物を熱して，液体成分を蒸発させて冷却することで分離する  『蒸気圧と沸点の関係』が大切水道水の蒸留減圧蒸留（圧力を下げることで沸点を下げる）目的の液体成分が,高温で沸騰させると分解・酸化するおそれがある場合など