研磨手法の確立に向けて - Department of Astronomy

研磨実験報告
(株)ナノオプトニクス・エナジー
高橋啓介
2011/11/06
第24回新技術望遠鏡技術検討会
京大理 付属 花山天文台
これまでの概要
contour : 50 nm
ヤトイ付き研磨
・縁以外において使用を満たす研磨が可能
→縁のエラーはヤトイとの段差が原因
縁を仕上げる手法の確立が必要
緩衝材使用
・縁(パッド径程度)の除去量エラー改善
・縁(3~4mm程度)ダレ発生
→境界研磨実験
条件調査
・除去量エラーがなく、縁ダレしない条件
→スクラッチ研磨実験
手法検討
・ヤトイなしの縁仕上げ技術
→エッジ研磨実験、圧力変化加工実験
境界研磨実験
パッド条件
Φ30
t5ポロン緩衝材
t1.5酸化セリウム入りウレタンパッド
ヤトイ-ヤトイ境界を除去量が一定になる
パスで研磨
除去量は一定になったが縁がダレてしまった!
適切な緩衝材と圧力-条件調査緩衝材の固さ
圧力
縁の除去量エラー、ダレは緩衝材の変形量に依存
変
形
小
縁ダレなし
除去量エラーあり
丁度よい
変形量?
縁ダレあり
除去量エラーなし
変
形
大
~500um
~1um
Φ60パッドでは、近似球面からのずれが2um弱
→20um以上の変形量は必要
スクラッチ研磨実験
・段差のない、理想的なヤトイを想定した実験
・パッドの変形量を変えてスクラッチ付近の形状を測定
青板ガラス
スクラッチ
縁だれ
パ
ッ
ド
移
動
パッド
パッド変形量が50umの時には縁ダレはみられなかった
→条件を満たす緩衝材を購入し、スクラッチ研磨実験
ヤトイなし研磨に必要な要素
緩衝材選定
縁ダレしない固さ
→ヤトイがないため、
条件が厳しく
圧力制御加工
はみ出しによって、
圧力が変化しない
よう制御
エッジ研磨実験
圧力変化研磨実験
目的:縁ダレしない
変形量を求める
目的:圧力制御、加工が
できるか確認する
加工パス作成
縁まで仕上げる
パスを作成
エッジ研磨実験
・はみ出し量50%で定圧研磨
9deg.
変形量50um(2kPa)でも縁ダレが発生
→より固いパッドが必要
圧力変化加工実験
圧力を変化させながら加工、速度は一定
青板ガラス
低圧
高圧
圧力
パッド
距離
・低圧側で圧力と除去量の線形成が崩れる領域
・圧力制御加工の再現性は高い(10%以内の変動)
まとめ
実験により、パッド台金とt1.5 酸化セリウムパッドの間に挟む緩衝材に
必要な変形量 L を絞り込んだ。また、圧力制御加工が可能であることを
確認した。
Φ60内の非球面量より
20um< L
スクラッチ研磨実験より
L~50um
エッジ研磨実験より
L<50um
圧力変化加工実験
可能
慣らし研磨実験
新品のt1.5の酸化セリウムパッドはURSが安定していない
→ダミーワークで安定するまで慣らし研磨を行う
21kPa
~80min.でURSが安定
その後の振れ幅小(~10%)
42kPa
~10min.でURSが安定
その後の振れ幅大(~30%)
より安定したURSが得られる21kPa での慣らし研磨を採用する