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RAIー1
JISA4201建築物等の雷保護が平成15年7月に改正され、将来、建
築物の雷保護も新JISに準じて設計しなければならない時代が来
ると考えております。
◎平成17年春には、内線規定に「分電盤へSPDの装備」が導入さ
れる予定されている。
◎平成16年11月25日時点で、建築基準法:平成12年建設省告示
第1425号(雷撃によって生じる電流を建築物に被害を及ぼすことな
く安全に地中に流すことのできる避雷設備の構造方法を定める
件)にはJISA4201-2003適用の改正はおこなわれていない。
(現実は、新JISはデファクトスタンダードになりつつある。)
MIKIMOTO co.,ltd.
1.新規格の内容
1-1 規格の名称
○「建築物等の雷保護」
1-2 一般事項
○この規格では、雷に対して、完全に保護は保障できないが、危険を確
実に減少させることができること。
○新しい建築物は、設計の段階から雷保護システムの種類及び設置位置
を検討し、建築物等の導電性部分を最大限に利用する配慮が必要。
したがって、建築物の計画の段階から大地抵抗率、土質について検討が
必要。
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1.新規格の内容
○雷保護システムの設計者、建築設計者及び建築技術者間の調整が必要
○「性能規程」とし、建築物及びその内部の設備も対象とする
・外部雷保護システム
・内部雷保護システム
に分けられる。
具体的事項については関連する専門家の決定事項とし、個々の性能を
関係者の責任で選択することを原則とした。
(国際規格IEC1024-1そのまま導入)
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1.新規格の内容
1-3 リスクマネジメント
○この規格では、雷に対して、完全に保護は保障できないが、危険を確実
に減少させることができること。(解説表1)
1-3 リスクマネジメント
解説表1【保護れ別、保護効率など】
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1.新規格の内容
○当該雷対策の必要性と信頼性。
○リスクマネジメントの考え方導入が必要。
○日本には現在、当該事項に関して、リスクマネジメントの手法は存在しな
い。(IEC61024-1-1:ガイドA LPSの保護レベルの選定:未導入)
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RAIー1【LPS
選定手順の
フロー】
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2.外部雷
2.外部雷保護システム
保護システ
2-1 受雷部
ム
○受雷部システム
次の各要素または組み合わせによって構成
2-1受雷部
・突針
・水平導体
・メッシュ導体
○受雷部の保護範囲は次の方法または組み合わせで決定
・保護角法 (高さにより、保護角が変化)
・20mの高さ制限撤廃、(必要なら全て)
・回転球体法
・メッシュ法
・保護レベルにより適用方法を選ぶ必要がある
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表1【保護レ
ベルに応じた
受雷部の配
置】
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解説図1【雷
撃電流と雷
撃距離】
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解説図2【回
転球体法】
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解説図4【保
護角法】
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解説図5【雷
撃距離をもと
にした保護
範囲】
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解説図6【傾
斜地の建築
物に設置す
る場合の受
雷部の高さ】
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解説図7【メッ
シュ法】
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解説表1【保
護レベル、保
護効率など】
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2.外部雷保護システム
・保護レベルにより適用方法
立地条件、被保護物の種類・重要度による
一例:一般建築物:レベルⅣ、
火薬・可燃性物レベルⅡ
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2.外部雷保護システム
2-2 構造
2-2構造
○独立した雷保護システム
受雷部と被保護物内の金属体との離隔が必要
(安全離隔距離は、3-2参照)
○被保護物から独立しない雷保護システム
雷電流の影響のないよう受雷部を屋上等に設ける
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2.外部雷保護システム
表2【受雷部
システムにお
○建築物構造体を受雷部としての利用
・被保護物を覆う金属板
ける金属版
・屋根構造材の金属性部分
・規定の性能がある飾り材、レール
又は金属管
・厚さ2.5mm以上の金属製パイプ、槽類
・表2に示す厚さのある金属製パイプ、槽類
の最小厚さ】
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2-3引下げ
導線システ
2-3 引下げ導線システム
ム
○一般事項
2.外部雷保護システム
・電流経路最小
・複数の電流経路が必要
水平投影断面積25㎡以下は1本でよい
○独立した雷保護システムにおける配置
・ここに引下げ導線が必要
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表3【保護レ
2.外部雷保護システム
ベルに応じた
引下げ導線
○独立しない雷保護システムにおける配置
・表3に示す値以下の相互間間隔で引下げ導線敷設が必要
の平均間隔】
・引下げ線の配置は、建築物の突起部近辺
・垂直方向20m以下の間隔で、水平環状導体で相互接続が必要
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図1【引下げ
導線のルー
プ】
2.外部雷保護システム
○安全離隔距離
・独立した雷保護システムの場合の安全
離隔距離(3-2参照)を確保のこと
・独立しない雷保護システムの場合、可燃
性壁においては、0.1m以上離隔すること。
それ以外は、壁に接してもよい
・腐食防止は必要
・図1における配置の場合は(3-2参照)
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2.外部雷保護システム
○構造体
の利用
○構造体の利用
・可燃性・爆発性液体を扱う金属体を除く、金属製構造体
・建築物内の相互接続された鋼
・ある条件を満たすといなどの補助構造材
・鉄骨構造の金属構造体又は相互に接続された鉄筋については、
環状導体は不要
・試験用接続部の設置
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2.外部雷保護システム
2-4
2-4接地シ
接地システム
ステム
○接地システム
・危険な過電圧を生じさせない配慮。
そのために接地システムの形状寸法が重要である。
・接地抵抗は低い方がよい(接地抵抗地は規定していない)。
・統合単一接地システムが望ましい。
・腐食防止。
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○接地極
2.外部雷保護システム
○接地極
・複数接地極の採用(推奨)
・保護レベルに応じた接地極(板状を除く)の最小長さ及び大地抵抗
率の関係を図2に示す。
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図2【保護レ
ベルに応じた
接地局の最
小長さ】
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2.外部雷保護システム
①A型接地
極
○接地システムには次に2方式を定めている
① A型接地極
・放射状接地極、垂直接地極又は板状接地極から構成し、引下げ導
体と接続
・接地極の数は2つ以上
図2は放射状水平接地極であって垂直接地極では、0.5L1以上とす
る。また、板状接地極は表面積が片面0.35㎡以上
・大地低効率が低く、10Ω以下である場合は(図2)に依らなくてもよい。
(解説図8参照)
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解説図8【引
下げ導線に
接続するA型
接地極】
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2.外部雷保護システム
②B型接地
極
② B型接地極
・環状接地極、基礎接地極または網状接地極から構成し、引下げ導体
と接続
・環状接地極(又は基礎接地極)の場合、接地極が占める面積と等価
な平均半径rは(図2)に示すL1の値以上であること
r≧L1
・構造体の鉄筋などは接地極に利用可能(解説図9参照)
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解説図9【B
型接地極】
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○接地極
2.外部雷保護システム
の施工
○取付け及
○接地極の施工
・接地極は、被保護物の外側0.5m以上の深さ
び接続図
壁から1.0m以上の離隔で埋設することが望ましい
・埋設環境による規定:凍結(施工方法)、岩盤(B型接地極の採用)
・構造体利用接地極の利用
○取付け及び接続部
・不測の外力に耐えこと
・黄銅ろう付け、溶接、ねじ締め、ボルト締め
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2.外部雷保護システム
○材料及び
寸法
○材料及び寸法
・(表4、5)に最小条件が示されている。
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表4【雷保護システムの材料及び使用条件】
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表5【雷保護システムの材料の
最小寸法】
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3.内部雷保護システム
3-1
3-1等電位
等電位ボンディング
ボンディング
○一般事項
被保護物内における雷に依る爆発・感電。
最近、特に重要性を帯びているIT関連機器の誤動作・破損は、社会生活
に大きく影響する。
特に、日本においては、この分野で大きく遅れていることは否めない。
(10年以上の遅れ)
その対策の基本が等電位である。したがって、雷保護システム、金属構
造体、金属性工作物、系統外導電性部分並びに被保護物内の電力及び
通信用設備をボンディング用導体又はサージ保護装置で接続することに
よって等電位化を行う。
なお、条件によっては、外側の金属体についても等電位ボンディングが
必要。(システム設計者は、考慮が必要)
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RAIー2接地
設備の概要
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金属製工作物の等電位ボン
ディング
3.内部雷保護システム
○金属製工作物の等電位ボンディング
・地下又は地上近辺でボンディング用導体はボンディングバーに接続
のこと、当該バーは接地システムに接続すること。
・高さ20mを超える建築物等では20m以下毎に水平環状導体を
ボンディングバー用に接続しなければならない。
・独立した雷保護システムでは、地表面で等電位ボンディングが必要。
・ボンディング用導体の最小サイズは(表6、7)に示す。
・ボンディング用導体が施設できない場合は、サージ保護装置(SPD)
が必要。
SPD(surge protective device)の選定は製造業者と打ち合わせること。
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表6【雷電流の大
部分を流すボン
ディング用導体の
最小寸法】
表7【雷電流のごく
一部を流すボン
ディング用導体の
最小寸法】
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RAIー3【TT系
統でのサー
ジ保護装置
の設置例】
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RAIー4【TT系
統でのサー
ジ保護装置
の設置例】
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RAIー5【TT系
統でのサー
ジ保護装置
の設置例】
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RAIー6【TT系
統でのサー
ジ保護装置
の設置例】
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RAIー7【1
ポート及び2
ポートSPDの
動作例】
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導電性部分
の等電位ボ
3.内部雷保護システム
ンディング
○電力及び
○系統外導電性部分の等電位ボンディング
・建築物の引込口の近辺で実施。
通信設備の
・雷電流の大部分が流れると想定すること。
当電位ボン
○電力及び通信設備の等電位ボンディング
ディング
・建築物の引込口の近辺で実施。
・電線が遮蔽されている場合は、その遮蔽体にボンディングすればよい。
ただし、その遮蔽体での電圧ドロップは、危険が生じないかを考慮す
ること。
・充電用電線は、SPD経由で雷保護システムにボンディングすること。
・TN接地系では、PE(保護導体)、PEN(中性線を兼ねる保護導体)導
体は直接雷保護システムにボンディングすること。
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3-2外部雷
保護システ
3-2 外部雷保護システムの絶縁
(安全離隔距離の算出)
ムの絶縁
○受雷部及び引下げ導線と被保護建築物内の金属製工作物並びに電力、
3.内部雷保護システム
通信設備、IT関連設備間の絶縁は、離隔距離dと安全隔離距離s以上とす
ること
d≧s
s=ki*kc*L/km
ki:保護レベルにかかる係数(表8)
kc:引下げ導線に流れる雷電流の係数(付属書1図)
km:絶縁材料にかかる係数(表9)
L :ボンディング点までの高さ
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表8【係数ki
の値】
表9(係数km
の値)
ki:保護レベルにかかる係数(表8)
km:絶縁材料にかかる係数(表9)
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付属書1図1
【線状受雷部
kc:引下げ導線に流れる雷電流の係数(付属書1図)
及びB型接地
極システム
の場合の係
数kの値】
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付属書1表1
【係数kの値】
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付属所1図3
【メッシュ受
雷部~】
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解説図10【引
下げ導線が2
条の場合】
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解説図11【引
下げ導線が
複数条の場
合】
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解説図12【鉄
筋、鉄骨造で
構造体を引
下げ導線とし
て使用した場
合】
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解説図13【独
立した1本の
受雷部シス
テム】
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解説図14【独
立した水平
導体】
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4.雷保護システムの設計
4-1 設計
保守及び検査
4-1設計
○雷保護システムの効率は、保護レベルⅠからⅣへと減少する。
○建築物等の金属製部分を雷保護システムの部品として利用する可能性
から、設計・施工の各段階についても配慮することで、最適+経済的雷
保護システム構築が可能となる。
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4.雷保護システムの設計
4-2
検査及び保守
4-2検査及
検査及び保守
び保守
○検査の範囲
・設計通り化の適合確認
・腐食への配慮
・増設の場合の雷保護システムの適合性
○検査の種類
・建設中の埋設接地極のチェック
・腐食対策
・雷撃後の臨時検査
○保守
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