給付抑制と負担増』をはかる 社会保障審議会 介護保険部会

【学習資料】
介護保障の改善が期待された
「介護保険制度の見直しに関する意見」
・・・・・社会保障審議会 介護保険部会・・・・・
その内容は・・・・
「利用者負担増」のメニューが目白押し
○利用料の引き上げ(2割負担)
○居住費徴収対象の拡大
○補足給付要件の厳格化
○ケアプランの自己負担導入
○軽度者の「2割負担」か「生活援助外し」
地域包括ケアの実現に向けた
新たな施策の提案
○地域包括ケア関連の施策
今回、見送られた新たな財源提案
○公費負担割合の引き上げ
○総報酬割りの導入
○被保険者範囲の拡大
介護保険料の負担はすでに限界
○増加する介護保険費用
○給付の抑制の進行
全日本民医連 介護・福祉部
1
■ 高所得者は2割負担
一定の所得がある者について、
利用者負担を引き上げる
「例えば2割負担」
一定の所得とは・・・
収入:320万円以上
又は
所得:200万円以上
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2
■ 多床室も居住費を徴収
施設の多床室の給付範囲を見直す
≪両論併記≫
●これまで、居住費は「水光熱費」が対象であっ
たが、「減価償却費」も含めることにする
※多床室利用者も居住費負担が発生する
⇒反対意見
居住費は「水光熱費」にとどめるべきとの意見
が出されている
全日本民医連 介護・福祉部
3
■ 補足給付の支給要件の厳格化
現在、補足給付の制度は、所得段階に応じ適
用されている。(第3段階まで)
● 施設入所者が入所前に世帯分離をして、「非課税世
帯」となった場合には、世帯分離前の状況で判断する
ことが出来るようにする。
全日本民医連 介護・福祉部
4
■ 居宅介護支援の自己負担導入
ケアプラン作成時に利用者負担を導入する
≪両論併記≫
●具体案として
居宅介護支援(ケアプラン)⇒1,000円
予防支援(予防プラン)
⇒500円
⇒反対意見
「制度の基本を揺るがしかねない」
「利用の抑制により重度化につながりかねない」
全日本民医連 介護・福祉部
5
■ 軽度利用者の
利用料負担引き上げ
≪両論併記≫
●例えば2割に引き上げる
●軽度者の給付の見直し
生活援助をふくめた「予防・生活支援のための総合
的なサービス」(対象は、要支援1・2、介護予防事
業対象者)を、現行の地域支援事業とする方向
⇒反対意見
「生活援助などは要支援者・軽度の要介護者の生活
に必要なものであり、加齢に伴う重度化を予防する
観点からも給付を削減することは適切でない」
全日本民医連 介護・福祉部
6
今回、見送られた新たな財源提案
□ 公費負担割合の引き上げ
多くの委員や関係団体が強く要求していた、公費負担割合(50%(国:25%))を
引き上げる提案
「財政事情の影響を受けやすい」「社会保険制度の利点を失う」等の理由により「見直しは困
難」とされた。
厚生労働省は「処遇改善交付金や保険料軽減策などによって、既に、公費負担は実質6割に達している」とのべている。
■ 総報酬割りの導入(2号被保険者保険料について)
40~64歳の保険料について、医療保険者の加入者数に応じた「負担金制度」か
ら、「総報酬の割合で負担する制度」への変更提案
反対意見が多く出され見送りとされた。
注)2号保険料は、各医療保険の加入者数に応じて、「負担金」を決めている。保険者ごとの「総所得」は
異なるため、保険者間の負担の公平性をはかることが必要としている。
■ 被保険者範囲の拡大
被保険者(40歳以上)の年齢の引き下げ提案
今後の検討課題となった。
全日本民医連 介護・福祉部
7
「地域包括ケアの実現」に向けた
新たな施策提案
■ 「24時間対応の定期巡回・随時対応サービスの創設」
看護と介護の一体的なサービス提供を可能となることで、医療・看護ニーズの高
い者や看取りの対応も可能とする。
■ 「複合型のサービス」
多様なサービスを柔軟に提供できるサービス類型で、小規模多機能居宅介護と
訪問看護を組み合わせる等。
■ 訪問看護やリハビリテーションの強化
訪問看護ステーションの規模拡大。グループホームへのサービス提供。
「リハビリ前置」の考え方で活動の自立度を高めるとり組みと、リハビリテーション
の質の向上をはかる。
■ 「住まい」の整備
高齢者専用住宅や居住施設の整備をはかる。
全日本民医連 介護・福祉部
8
引き上げか、利用の削減か
全日本民医連 介護・福祉部
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◆ 介護保険制度見直しの 前提となっている考え方 ◆
国家予算の策定で、「新たな施策に対して予算が必要なときは、
既存の予算を削減するか、新たな財源を確保する」
ことを原則としている
「ペイ アズ ユー ゴー 原則」
(Pay as you go)
*本来は「現金払い」「その都度払い」や、「賦課方式」を意味している。
米国では一般に飲み会での「割り勘」や、自腹を切る際にも使われている。
◇◇ そもそも「ペイ アズ ユー ゴー原則」は社会保障に不適応 ◇◇
社会保障は、日本国憲法第25条で保障された基本的人権です。
ペイ アズ ユー ゴー原則では、高齢者や障がい者、生活困窮者などでも、社会
保障のサービスを受ける時に、高い自己負担を払うことになってしまいます。
まるで社会保障制度が商品と同じように扱われ、生きることは「金しだい」となっ
てしまいます。
全日本民医連 介護・福祉部
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