医師会における 公益法人制度改革の問題点 平成22年3月22日 日本医師会 常任理事 今 村 聡 CONTETS 1.医師会の組織と事業 2.新公益法人制度の概要 3.法人形態の検討 4.医師会の現場から見た新制度の問題点 本資料の新制度の解説はポイントを平易に説明するため、詳細かつ網羅的説明は省略しています。資料中に示した演者の認識は、本 資料作成時点のもので確定見解ではありません。新制度の法人への移行認定・認可は、有識者による合議制の機関で判断されますので、 本資料の説明と異なる結果となることもあります。実際の移行に際しては、今後明らかになる情報や専門家の助言等も踏まえ、検討くださ い。なお、本資料は社団法人たる医師会を念頭に作成しています。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 1 1.医師会の組織と事業 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 2 医師会三層構造と日医会員数 郡市区等医師会(891) 《うち、大学医師会(60)、その他(13)》 都道府県医師会(47) 日本医師会 日本医師会 会員数 165,360人(H20.12.1現在) 内 開業医 84,788人 勤務医 80,572人 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 3 医師会と関連組織 •医師会には過去の経緯などから、様々な関連組織がある(関連組織の有無や関係 の濃淡は地域によって異なる)。 •公益認定を受けるには、①役員兼任、②取引関係の点検が必要。 ○○県医師会 信用組合 協同組合 共同購入、共済など その他 会社 政治連盟 財団、社団、NPOなど 過去に医師会から 分離した事業など 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 4 会内委員会(平成20・21年度) 医療政策会議 環境保健委員会 医師会共同利用施設検討委員会 臨床検査精度管理検討委員会 医事法関係検討委員会 公衆衛生委員会 診療情報提供推進委員会 勤務医委員会 母子保健検討委員会 医師賠償責任保険調査委員会 日医年金委員会 医師の団結を目指す委員会 学術推進会議 生命倫理懇談会 三大 委員会 男女共同参画委員会 生涯設計委員会 病院委員会 医療IT委員会 広報委員会 医療関係者対策委員会 救急災害医療対策委員会 国民生活安全対策委員会 有床診療所に関する検討委員会 医療安全対策委員会 医療・医学における死亡時画像診断(Ai) 活用に関する検討委員会(プロジェクト) 感染症危機管理対策委員会 医業税制検討委員会 医療秘書認定試験委員会 会員の倫理・資質向上委員会 労災・自賠責委員会 定款・諸規程改定検討委員会 社会保険診療報酬検討委員会 利益相反管理委員会 疑義解釈委員会 生涯教育推進委員会 女性医師支援センター事業運営委員会 医療情報システム協議会運営委員会 地域医療対策委員会 学術企画委員会 基本診療料のあり方に関するプロジェクト 委員会 学校保健委員会 介護保険委員会 母体保護法等に関する検討委員会 産業保健委員会 国際保健検討委員会 勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会 健康スポーツ医学委員会 がん対策推進委員会 医療事故における責任問題検討委員会 (プロジェクト) 計49 委員会 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 5 日本医師会の参画している主な外部審議会 (年間約600回の会議) 厚生労働省 内 閣 府 医道審議会 社会保障審議会 薬事・食品衛生審議会 厚生科学審議会 新型インフルエンザ専門家会議 ・・・など 男女共同参画推進連携会議 自殺対策推進会議 食品安全委員会 野口英世アフリカ賞委員会 ・・・など ◎ この他、総務省、文部科学省、環境省、国土交通省、 金融庁、最高裁判所などの審議会等へ参画 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 6 都道府県・郡市区医師会が行っている事業 例えば 学術講演会、研修会、症例検討会、医学会など 医師の生涯教育事業 ドクターバンク 看護師、准看護師の養成 医療秘書の養成 地域医療連携ネットワークの構築 医療情報ネットワークの基盤整備 救急医療・在宅医療・災害医療等対策 緊急危機対策 休日夜間診療 開放型病院の運営 訪問看護ステーション・地域包括支援センター・ 在宅介護支援センター等の運営 医療安全の啓発 医療提供体制等の調査・研究、政策提言 社会保険制度等に関する法令改正等の周知 疑義解釈 指導立会い 介護認定審査会等への支援 医療政策に関する調査・研究、政策提言 医療政策に関するシンポジウム、フォーラム 学校保健・産業保健・環境保健・母子保健等対策事業 他団体の認定事業の支援 地域産業保健センター 健診(保健指導)事業 検査・健診センター(住民の健康状態の把握と指導) 感染症対策 予防接種、感染症サーベイランス データベースの構築(健診データ、がん登録他) 健康増進・疾病予防の啓発 市民向け講座・講習、健康相談(電話相談含む) 冊子、ポスター、ホームページ他による啓発 生活習慣病対策 治験審査委員会(IRB)の運営 治験実施医療機関への研修、情報提供 賃貸事業(公益団体の公益事業のためのもの以外) 保険代理業 収納事務代行業 医業経営を支援する事業 経営指導、研修、情報提供 会員の福利厚生を図る事業 親睦会、レジャー・趣味交流会、共済事業 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 7 2.新公益法人制度の概要 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 8 公益法人制度改革の目的 目的その① 民による公益の増進 目的その② 従来の公益法人制度の問題点を解決 公益認定等委員会事務局「民による公益の増進を目指して(パンフレット)」より ●公益法人制度改革の目的 民間非営利部門の活動の健全な発展を促進し民による公益の増進に寄 与するとともに、主務官庁の裁量権に基づく許可の不明瞭性等の従来の公 益法人の問題点を解決する。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 9 新公益法人制度の施行 旧民法34条の公益法人 (社団法人・財団法人) H20.12.1 特例民法法人 (現行の主務官庁が監督) 公益社団・財団法人 への移行申請 5年 一般社団・財団法人 への移行申請 【認定の基準】 【認可の基準】 ○公益目的事業比率が、(費用で 計って)50/100以上 ○経理的基礎及び技術的能力を有 すること ○法人の関係者に特別の利益を与 えるものでないこと 等 ○移行時点の純資産額を「公益」に 消費していく計画(公益目的支出計 画)を策定し、その計画が適正で、 確実に実施すると認められること ○定款等が法令に準拠 再申請 可能 申請 せず 不認定 等 不認可 認 定 公益社団・財団法人 認 可 一般社団・財団法人 H25.11.30 既存の公益法人は、次の場合に解散とみなされる ・平成20年12月から5年間の移行期間終了までに申請を行わなかった場合 ・移行期間終了までに申請を行ったが、認定又は認可を受けられなかった場合 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 解 散 資料:内閣府 10 公益認定基準 (財務基準) 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 11 公益目的事業財産 会費収入のうち(使 途の定めのないも の)の50%は公益 目的事業の収入 公益目的事業 収益事業 共益事業 収入の全額 利益の1/2以上 利益の1/2以上 移行時点で 公益目的事 業に使用し ている財産 (前年度末) 公益目的事業財産 への 追加分 公益目的事業にしか 使ってはいけない 消費分 (今年度末) 公益目的 事業財産 の残額 公益目的 事業財産 の残額 万一、公益認定を取消され、または返上した場合、公益目的事業財産の残額 を1ヶ月以内に他の公益団体、国・地方公共団体に贈与しなければならない。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 12 Ⅰ)公益目的事業比率 公益目的事業の事業費 公益目的事業 + 収益事業等 + 法人運営 の事業費 の事業費 の管理費 ≧ 50% • 事業費と管理費(H20年、新新会計基準) – 従来は管理費としていた事業管理費(間接事業費)も、 できるかぎり事業費に配賦 • 調整計算 – – – – 特定費用準備資金の積立額 (3年後の○○大会、費用の先取り) 自己所有土地のみなし費用 (土地を借りたら・・、みなし賃料) ボランティアのみなし人件費 (有償で雇用したら・・、みなし人件費) 無利息・低利融資のみなし費用 (奨学金がある場合) 13 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 Ⅱ)遊休財産規制 (使途の決まっていない財産を持ちすぎてはいけない) 遊休財産 ≦ 1年分の公益目的事業費 ※ ※特定費用準備資金など若干の調整あり 使途が決まっていない財産 財 産 使途が決まっている財産 (例)余剰運転資金 具体例 *対応する負債がある場合は控除する (例) 指定正味財産 ・・・寄付者による使途の指定 特定費用準備資金 ・・・○年後の○○大会(特定の費用の先取り) 資産取得資金 ・・・○○センター建設積立預金(計画に基づく) 退職給与引当預金 ※今から使途を決めることも可※ 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 14 Ⅲ)収支相償 収支相償・・・「公益目的事業に係る収入がその実施に要する 適正な費用を償う額を超えない」 認定法第5条七号 収支トントン以下 判定は二段階で行われる。 第一段階・・・各公益目的事業ごとに判定 (事業のくくり方は法人が判断) 両方クリアする ことが必要。 第二段階・・・公益目的事業全体※で判定 ※各事業に共通する収益・費用を含める 第二段階では、一般会費等収入の50%や、収益事業等から公益目的事業に繰り 入れた額(利益の50%以上)も、公益目的事業の収入にカウントして判定する。 ! 公益事業で黒字を出し、本会の財源に充当することはできない。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 15 公益目的事業 (事業の公益性の判断) 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 16 公益目的事業とは 資料:内閣府 「公益目的事業」の定義(公益法人認定法第2条第4号) A 学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、 B 不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。 Aについて 個々の事業が別表各号のいずれかに該当して いるかを検討。 公益法人認定法 別表(第二条関係) ・・・ 一 学術及び科学技術の振興を目的とする事業 二 文化及び芸術の振興を目的とする事業 三 障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若し くは犯罪による被害者の支援を目的とする事業 四 高齢者の福祉の増進を目的とする事業 ・・・ 六 公衆衛生の向上を目的とする事業 ・・・ 二十三 前各号に掲げるもののほか、公益に関する 事業として政令で定めるもの Bについて 個々の事業が特定の者のみの利益の増進になってい ないかどうかの観点からチェックポイントに沿って検討。 ※事実認定に当たって留意すべき点であり、これらを 勘案して委員会で審議の上、判断することとなる。 事業区分 かつ チェックポイント 検査検定 ・・・ 研究開発 ・・・ 表彰 ・・・ 展示 ・・・ 施設貸与 ・・・ ・・・ ・・・ 研 究 開 発 ○研究の名称、内容等公 表? ・・・ ○特定の企業等のためだけ を意図していないか? 17の事業区分。 医療保健業はない! 『目的がA 』であって、かつ、『仕事の仕方がB 』である ☞ 『A』はほぼ問題なし。問題は『B』! 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 17 公益目的事業のチェックポイントが示された事業区分 Bについて 1.検査検定 10.博物館等の展示 2.資格付与 11.施設の貸与 認定医、指定医等を判定 3.講座、セミナー、育成 貸室、会議場貸出等を判定 12.資金貸付、債務保証等 生涯教育、市民講座、看護学校等を判定 4.体験活動等 13.助成(応募型) 奨学金、医学奨励金等を判定 5.相談、助言 14.表彰、コンクール 電話相談 6.調査、資料収集 心に残る医療(作文の公募) 医師会雑誌掲載論文の審査等を判定 調査・研究、統計、DB、委員会等を判定 7.技術開発、研究開発 15.競技会 8.キャンペーン、○○月間 16.自主公演 ○○の日、予防月間(ポスター)、 医師と歩こう(イベント)等を判定 17.主催講演 9. 展示会、○○ショー 青字は医師会事業の公益性をチェックポイントのどの事業区分で判定する かの例。青字の事業が公益目的事業に該当するという意味ではない! 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 18 17の事業区分に該当しない事業 ・・・いわゆる「18番」 医療事業、他の組織の事業の支援、その他に適用。 ① 不特定多数でない者の利益の増進への寄与を主たる目的に 掲げていないか。 ② 事業の内容や手段が事業目的を実現するのに適切なものに なっているか。 ア 受益の機会の公開 (例 受益の機会が、一般に開かれているか) イ 事業の質を確保するための方策 (例 専門家が適切に関与しているか) ウ 審査・選考の公正性の確保 (例 当該事業が審査・選考を伴う場合、 審査・選考が公正に行われることとなっているか) エ その他(例 公益目的として設定した事業目的と異なり、業界団体の販売 促進、共同宣伝になっていないか) 上記②ア「機会の公開」、イ「専門家が適切に関与」について、詳しくは、 チェックポイント末尾の【横断的注記】を参照されたい。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 19 3.法人形態の検討 (公益か一般か・・) 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 20 主な選択肢 特例 民法法人 特例 民法法人 特例 民法法人 公益法人 公益法人 一般法人 公益法人 一般法人 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 21 参考 法人の分割を検討する場合の考え方 仮に法人の分割(事業の一部を別法人化)を検討する場合、大きく分けて ①公益目的事業を切り離す方法と、②収益事業等を切り離す方法がある。 一般法人(移行) (1) 公益目的事業 を分離 公益法人(新設) 検査 センター 他 学術 研究 啓発 不動産その他、財産の多くは一般法人が持つ。 特例民法法人 公益法人(移行) (2) 収益事業等 を分離 ( 注意) 検査セン タ ーの公益性が認めら れ ないこ と を 意味する も のではない。 一般法人(新設) 学術 研究 啓発 他 検査 センター 不動産を移転すると登記費用・税金がかかる。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 22 法人分割の手順例 参考 [前頁(1)の例、事前に別法人を設立する例] ①一般社団法人を新規に設立(登記のみで設立)し、②公益目的事業に認められる 可能性の高い赤字の事業を移管、③当該一般社団法人の公益認定を申請、④認 定取得の後に、特例民法法人の一般法人への移行認可を申請する。 特例民法法人 特例民法法人 特例民法法人 ② 事 寄附 業 移 管 一般法人 ④移行認可 寄附 寄附 一般法人 寄 附 増 額 さ ら に ⑤事 業 移 管 ③公益認定 ①一般法人 新規設立 一般法人 公益法人 公益法人 公益法人 公益法人には明らかな赤字事業のみを移管する。資産の移転は行わず、必要なら賃貸料を授受する。 公益法人となる新設法人の会員(社員)には、例えば県内の郡市区医師会がなる「連合会方式」もある。 公益法人の活動財源は、一般法人からの寄附による。この寄附を中心として公益目的支出計画を策定 する(資金の流れは、会員→一般法人→公益法人)。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 23 参考 • • • • 法人分割の課題 役員の兼任 ・・3分の1以下 役職員の兼務 ・・適切に経費を精算 設備の兼用 管理業務が二重に必要 (予算・決算、代議員会(総会)・理事会なども二重に) • • • • 新設法人の社員(会員)をどう規定するか 二つの法人の名称をどうするか 具体的にどの事業を分離するか 「分裂」のリスク 他 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 24 4.医師会の現場からみた 新制度の問題点 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 25 新制度が目指す「民による公益の増進」とい う理念はすばらしい。 しかし、既存の公益法人の実態を十分に踏 まえていない部分があり、現場は混乱。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 26 制度上の主な問題① 公益目的事業比率の問題点 総費用 公益目的事業の費用 公益目的事業比率 10億円 4億5千万円 45% 総費用 公益目的事業の費用 公益目的事業比率 1億円 5千5百万円 55% 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 27 制度上の主な問題② 歴史のある大きな法人は対応が難しい 事業ごとに公益性の判断が必要 事業ごとに損益の把握が必要 多様な仕事を担っている 法人ほど対応が難しい。 公益目的事業財産の贈与のリスク 過去の歴史は「公益性」に無関係 意思決定の仕組み(機関設計)の 変更が必要 過去の歴史は評価されず、 むしろ、足かせにも。 多くの公益法人において、移行期間(~H25.12)の役員に過重な負担(責任) となっている。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 28 制度上の主な問題③ ・税制上のインセンティブが小さい ・・・・ 1 ・収支相償などの厳しすぎる制約 ・・・・ 2 ・認定維持の不確実性と厳しいペナルティ ・・ 3 (公益目的事業財産の贈与) ・いわゆる連座制 ・・・・ 4 ☞迷わず「公益法人になりたい」と言える制度が望まれる。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 29 1 法人税課税の概要 33業種+労働者派遣業(今回追加) 税 法* 公益認 定制度 公益社団 法人 税法上の収益事業(34業種) 収益事業等 公益に支出 課税 ・ ・ 税法上の収益事業以外 公益目的事業 収益事業等(含共益) 公益に支出 非 課 税 (税率30%) (収益事業等の利益の50%以上を公益目的事業に繰り入れることが義務) 公益法人なら非課税 ただし、「収支相償」! * 公益認定制度を考慮外とした場合の税法上の区分 税率30%・・・ただし所得800万円までは22% (H23.3末終了事業年度まで18%) 。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 30 「公益法人」を めざすとして 2 財政運営上の制約 公益法人には収支相償をはじめとする様々な制約があります。 それを守りつつ医師会の財政を支障なく運営できるか、見極める必要があります。 公益目的 事業 収益事業 「原則として黒字を出してはいけない」という意識が、 医師会全体のコスト意識の薄れにつながりかねない。 将来、収益性が低下し、公益目的事業の赤字を支えら れなくなる心配は? 収益事業の利益は50%以上を公益に繰り入れ。 公益目的事業財産 ・・・・ 各公益目的事業の利益 公益の特定費用準備資金 公益目的事業 にしか使えない ・ ・ その事業に しか使えない 共益事業や管理費の 財源は不足しないか 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 31 「公益法人」を めざすとして 3 公益認定維持の不確実性 今は認定基準を満たしているが、将来にわたって継続できるか、見極める必要があります。 万一、認定を取り消されれば、公益目的事業財産を失うこととなります。 公益目的 事業 行政の補助事業の削減? ・・・事業比率は大丈夫か 今は赤字でも、将来、黒字に? ・・・収支相償は大丈夫か 将来、収益事業の規模が拡大・・・事業比率は大丈夫か 収益事業 収益事業の利益が拡大 各公益目的事業の利益 公益の特定費用準備資金 ・ ・ その事業に しか使えない ・・・収支相償は大丈夫か その事業で使う見込み がなければ、いつかは 説明がつかなくなる。 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 32 4 公益法人の欠格事由(認定法第6条) 1. 理事・監事の中にイ~二の者がいる イ.認定取消しを受けた公益法人の代表理事・業務執行理事 辞任後1年以降に取消原因が発生した場合は可。 取消しから5年以上経過していれば可。 ロ.一定の法律違反による罰金刑を受け、5年経過しない者 ハ.禁固以上の刑を受け、5年経過しない者 二.暴力団員、5年以内に暴力団員だった者 2. 3. 4. 5. 6. 過去に公益認定を取り消されてから5年経過していない 定款および事業計画が法令等に違反している 事業を行うに当たり法令上必要な許認可を受けられない 税の滞納処分を受け、処分終了後3年を経過していない 暴力団員等に支配されている 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 33 医師会におけるその他の具体的課題 • 医師賠償責任保険(日医) • 医師年金(日医) • 母体保護法(都道府県医) 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 34 ご清聴ありがとうございました。 日本医師会 2010.3 Japan Medical Association Satoshi Imamura 禁不許諾転載 35
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