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免許状更新講習試行「教育の最新事情」
第4部
「学校の内外における連携協力についての理解」
(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
2.対人関係、日常的コミュニケーションの重要性
(イ)学校における危機管理上の課題
3.校内外の安全確保に関する内容
4.情報セキュリティなど近年の状況を踏まえた内容
<資料提供> 福岡教育大学 教授
大坪靖直
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
A.学校組織風土の特性
B.学校組織の開発のための人間(同僚)関係
C.ミドルリーダーの役割
D.新しい学校経営計画と学校評価
E.地域運営学校
★セルフチェック・テスト
2.対人関係、日常的コミュニケーションの重要性
F.メンタリング
G.コーチング
H.コミュニケーション・スキル
★セルフチェック・テスト
2
(イ)学校における危機管理上の課題
3.校内外の安全確保に関する内容
I.教育と安全
J.学校内における安全確保
K.学校外における安全確保
★セルフチェック・テスト
4.情報セキュリティなど近年の状況を踏まえた内容
L.「情報化社会」における利便と危険
M.情報セキュリティ
N.著作権対応
O.学校クレーマー等への対応
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
A.学校組織風土の特性(1)
●学校組織の特徴としての2つの風土
協働的職場風土
同調的職場風土
●みんなが協力して頑張るので、
自分も意欲が持てる。
●和を大切にするあまり、自分の
考えが言いにくい。
●一人ひとりの意見や個性が大切
にされている。
●プライベートな面では仲間意識
はあるが、校務分掌の仕事では
議論はしない。
●校務分掌に関して、腹を割って
議論ができる。
●何か困ったときに同僚から支援を
得る。
●目立った行動や意見に注意すれ
ば居心地がよい。
●職員会議は一部の人の意見で
まとまる。
(渕上,2003より)
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
A.学校組織風土の特性(2)
●学校組織の中の自分
(ジョハリの窓)
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
B.学校組織の開発のための人間(同僚)関係
● PM理論を応用すると‥
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
C.ミドルリーダーの役割(1)
●ミドルリーダーのリーダーシップ行動‥
仕事志向行動
・方針伝達
・モデリング促進
・課題の提示
・緊張醸成
・達成要求
人間志向行動
・配慮
・信頼蓄積
・新米教師の育成
ネットワーク
志向行動
・管理職との対応
・ヨコの関係づくり
・アイデアを出す
学校組織の改善に求められる役割の1つ
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
C.ミドルリーダーの役割(2)
●ミドルリーダーのエンパワーメント(自己効力感)
リスクにかける勇気
・自分が思っていることは指示を待つよりも進んで行う
・同僚教師と激しく議論をする
・管理職と激しく議論する
自己反省
・自分のミスを同僚教師や管理職に対して素直に認める
・同僚教師や管理職の批判を受容する
自律性
・自分を信じている
・自分の仕事に満足感を持つ
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
D.新しい学校経営計画と学校評価
●開発型学校経営計画
・3年程度にわたる中期的展望
(中期目標)
・経営目標・達成時期の数値化
・達成度の事後評価(事業評価)
・自己評価
・学校関係者評価(外部評価)
・第三者評価
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
E.地域運営学校
●コミュニティ・スクール
保護者や地域住民が、合議制の機関である学校運営協議会を通じて、
一定の権限と責任を持って学校運営に参画し、より良い教育の実現を
目指すという、地域に開かれ、地域に支えられる学校づくりの仕組み
理由
・学校運営への保護者、住民意思の反映
・学校の教育の質の向上
・学校運営の透明性の確保
「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」の指定状況(平成20年4月1日現在)
⇒29都府県、343校(昨年比146校増)
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
セルフチェック・テスト
Q1.
渕上(2003)によれば、学校組織風土は、「みんなが協力して頑張るので、
自分も意欲が持てる」や「一人ひとりの意見や個性が大切にされている」
などという(
)職場風土と、「和を大切にするあまり、自分の考え
が言いにくい」や「プライベートな面では仲間意識はあるが、校務分掌の
仕事では議論はしない」などという(
)職場風土で記述できる。
Q2.
木岡(2005)は、リーダーシップのPM理論を応用して、課題達成指向と集
団維持指向がともに高い人間関係を(
)友人関係と呼んでいる。
Q3.
学校管理職と一般の先生の意識をうまく調和させ、学校の組織改善を促
す役割を担う教員を(
)という。
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
1.学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成
セルフチェック・テスト
Q4.
開発型学校経営に位置づけられる3つの評価とは、自己評価、学校関係者
評価(外部評価)、および、(
)である。
Q5.
学校運営協議会を通じて、保護者や地域住民が一定の権限と責任を持って
学校運営に参画し、より良い教育の実現を目指す学校づくりのしくみを
(
)という。
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
2.対人関係、日常的コミュニケーションの重要性
F.メンタリング
●メンタリングとは
知識や経験の豊かな人々(メンター)が、現時点でまだ未熟な人々(メンティ)に対して、キャ
リア(例:仕事の高成果支援)や心理・社会的な側面(例:メンタルな面の支援)から継続して行う、キャリア
成功(例:高成果の連続体としてのキャリアの成功)を目的とした支援行動を意味します。
(NPO法人国際メンターシップ協会定義)
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
2.対人関係、日常的コミュニケーションの重要性
G.コーチング
●コーチングとは
相手が自発的に行動を起こすように働きかけるコミュニケーション・スキル。
「自分を変えない。相手も変えようとしない。けれど、その間でかわされるコミュニケーションを
変えることで、お互いがよりよい状態になれる。」
(伊藤、2006:例えば、次のような内容が紹介されています)
例
・コミュニケーションは「質より量」
・朝の一言からいい関係は始まる
・自分の言葉で返答させるオープン・クエスチョン
・気持ちを引き締めるクローズド・クエスチョン
・「認める」と「誉める」は違う など
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
2.対人関係、日常的コミュニケーションの重要性
H.コミュニケーション・スキル
●言葉を変えると人間関係も変わる
コミュニケーションには「言葉によるもの」と「言葉以外によるもの」があるが、言葉の方がコン
トロールしやすいので、言葉を変える方が短期的な効果が期待できる。
また、言葉は思考の道具でもあるので、思いつきやすい言葉が変わると、内面的な変化も期
待できる。
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(ア)各種課題に対する組織的対応の在り方
2.対人関係、日常的コミュニケーションの重要性
セルフチェック・テスト
Q1.
知識や経験の豊かな人が、現時点で未熟な人に対して、
キャリア成功を目的とした支援行動を(
)と呼ぶ。
Q2.
相手が自発的に行動を起こすように働きかけるコミュニケーションスキルを
(
)と呼ぶ。
Q3.
言葉の働きには、意思伝達機能の他に、(
)の機能もある。
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(イ)学校における危機管理上の課題
3.校内外の安全確保に関する内容
I.教育と安全
教育活動は、ときとして指導や強制を伴うが、これが適切な範囲を超えて過度な苦痛を強い
ることがあってはならないし、挑戦や試みといった点でも危険と隣り合わせである。
また、児童・生徒だけでなく、教職員の職務上の安全も求められている。
教育と暴力
ハラスメント(言葉の暴力、いじめ)
体罰 など
労働安全衛生
バーンアウト、メンタルヘルス、ハラスメント、公務災害
補償、VDT症候群対策などの安全衛生 など
心の健康に関する
諸機関
命のダイヤル、チャイルドライン、各種相談窓口 など
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(イ)学校における危機管理上の課題
3.校内外の安全確保に関する内容
J.学校内における安全確保(1)
いじめ、校内暴力
早期発見の技法、証拠・記録の保存など
実験・実習
器具・薬品等の整備点検と環境整備、安全点検マニュア
ルなど
運動具や遊具
安全指導上の配慮点、安全管理指針、安全点検マニュア
ルなど
災害
避難方法と経路、訓練、危機管理マニュアルなど
不審者・暴力
不審者侵入対策など
緊急時
緊急時対応マニュアル、AED等の救急救命法など
警察・教育委員会等
他機関との連携
支援要請方法、緊急時の連携方法、保護者や地域住民
の緊急連絡網整備など
汚染、感染症
食中毒、光化学スモッグなど
二次被害の防止
心のケア、メディア対策など
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(イ)学校における危機管理上の課題
3.校内外の安全確保に関する内容
J.学校内における安全確保(2)
緊急時の対応訓練の例
午前10時頃、欠席をしていたAの保護者から電話があり、自室で首を吊
っていたAを発見し、救急車で病院に連れて行ったが、
9時20分に息を引き取ったと連絡があった。
Aは、2ヶ月前からいじめの被害にあっている可能性があり、いじめ問題
検討委員会でモニターを続けていた。
どのように対応しますか?
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(イ)学校における危機管理上の課題
3.校内外の安全確保に関する内容
J.学校内における安全確保(3)
●二次被害防止対策の例
気をつけていただきたいこと
平成○年○月○日
○○町立○○中学校
友だちの突然の死を知らされた後に、他の生徒達に次のような症状が出ることがあります。これは異常なこと
ではなく、大きな心理的ショックによって現れるふつうの反応です。多くは一時的なもので、時間がたつとともに
自然に落ち着いていきます。
・眠れない
・恐ろしい夢を見る
・過呼吸
・いったん眠ってもすぐに目がさめる
・自分を責める
・涙があふれる (省略)
これらの症状は、大きな心理的ショックによって起こるふつうの反応であって、異常なことではありません。
(省略)
しかし、心配になるほど症状が重い、あるいは長く続く場合は専門的な判断が必要ですから、遠慮なく学校に
相談して下さい。専門の臨床心理士や病院を紹介する準備をしています。
○○中学校 TEL 123-456-7890
また、学校に連絡しにくい場合は、下記のところに電話して下さい。学校とは関係なく相談に応じてくれます。
(いのちの電話、教育ホットラインなどを紹介)
(学校における緊急支援の手引き、福岡県臨床心理士会)
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(イ)学校における危機管理上の課題
3.校内外の安全確保に関する内容
K.学校外における安全確保
通学路の安全
・交通事故
・不審者対策
通学路の安全点検、安全マップの作成
交通安全学習、自転車の安全利用と教育
子ども110番の家の把握、登下校の見守り隊、危険予測学習
など
校外における教育活
動での安全確保
部活動における対外試合や交流大会
修学旅行、宿泊訓練、総合的な学習の時間や生活科の学習
活動など
地域・保護者との連
携
緊急連絡網の整備、安全ボランティア(スクールガード)との連
携、情報発信の在り方など
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(イ)学校における危機管理上の課題
3.校内外の安全確保に関する内容
セルフチェック・テスト
Q1.
あなたの勤務する学校において、危機管理上の課題として重要と思われる
事項を重要な順に3つあげて、その対策について述べなさい。
(1)
(2)
(3)
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(イ)学校における危機管理上の課題
4.情報セキュリティなど近年の状況を踏まえた内容
L.「情報化社会」における利便と危険
「有害情報」と学校の役割
・有害情報対策、学校裏サイト
・携帯電話等のトラブル
・携帯依存症に陥る経緯と対策
・ネットエチケットや人権に関する教育
・教師や保護者によるサイト巡視活動など
情報機器を用いた犯罪被
害と対策
・テレクラ、援助交際、出会い系サイト
・保護者への啓発活動
・フィルタリングなど
メディア・リテラシー教育
なりすまし詐欺、チエーンメール、危険予測学習など
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(イ)学校における危機管理上の課題
4.情報セキュリティなど近年の状況を踏まえた内容
M.情報セキュリティ
個人情報の保護と利用
個人情報保護法、名簿管理、緊急連絡網の管理、学校・学
級通信の配布範囲など
情報管理
情報管理モラル、ファイル交換ソフトの問題点、情報セキュ
リティ教育(教員向け、児童・生徒向け)など
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(イ)学校における危機管理上の課題
4.情報セキュリティなど近年の状況を踏まえた内容
N.著作権対応(1)
ケーススタディ1
著作権法35条
学校その他の教育機関において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の
過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、
公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに
その複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、こ
の限りでない。
Q
憲法26条でと教育基本法に定められた「義務教育の無償」原則に照らし合
わせて必要であると考えられる場合、市販の本をすべてコピーしたものを学
級の全員に配布することができる?
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(イ)学校における危機管理上の課題
4.情報セキュリティなど近年の状況を踏まえた内容
N.著作権対応(2)
ケーススタディ2
著作権法35条
学校その他の教育機関において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の
過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、
公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに
その複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、こ
の限りでない。
Q
授業で利用する目的でドキュメンタリー番組を録画し、児童生徒に見せるこ
とは可能であるので、児童生徒が自宅で番組を視聴するために録画した
テープやDVD等をダビングして教師が貸与することもできる?
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(イ)学校における危機管理上の課題
4.情報セキュリティなど近年の状況を踏まえた内容
N.著作権対応(3)
ケーススタディ3
著作権法2条
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところ
による。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音
楽の範囲に属するものをいう。
二 著作者 著作物を創作する者をいう。
Q
未成年である児童生徒は著作者ではないので、学級のホームページ等に
著作物を掲載しようとする場合、本人や保護者の承諾は必要ない?
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(イ)学校における危機管理上の課題
4.情報セキュリティなど近年の状況を踏まえた内容
O.学校クレーマー等への対応
●保護者対応等の難しさ
モンスター・ペアレント
ヘリコプター・ペアレント
保護者や地域の多様性の排除につながる用語
●自治体レベルでの「マニュアル」にもとづいた対応
(複数対応の原則、管理職の毅然とした対応等)
●つねに記録をとること
●教師としての職務を明示化し、保護者と共有すること
(教師の職務としての相談と、それを超える範囲の相談は、とくに基準を明示して周知
することが望ましい)
●遵法精神にもとづいた行動を心がけること
(保護者につけいるスキを与えないこと)
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