第六章 コモディティ化をいかにして回避するか イノベーションへの解 14103136 川村 憲司 コモディティ化を引き起こす原因は何か? 競争市場の全企業にとって、避けられない最終 状態なのか。 どの発展段階にある企業にも、コモディティ化の 開始を阻止する措置はとれるのか。 コモディティ化された後に独自のアーキテクチャ を持つ差別化された収益力のある製品へと逆流 することはあるのか。 コモディティ化 『コモディティ化』とは、一般消費財のように安く 手に入れられ日常化すること。 高価だった製品が新しい、製造・販売・流通形 態の確立によって求めやすい価格で販売される ような傾向も『コモディティ化』 パーソナルコンピュータ、IP対応携帯電話など で顕著 例) 3.5インチ・ディスク・ドライブ どれだけ複雑で優れた製品でもコモディティ化 ⇓ それ以外の製品をつくる企業に希望はあるのか → コモディティ化と脱コモディティ化の相互補完的 な作用 コモディティ化と脱コモディティ化のプロセス 収益性の高い差別化された独自製品をコモディ ティに変えてしまう ⇓ オーバーシューティングとモジュール化のプロセス 統合型企業が魅力ある利益を得られる理由 製品の相互依存型アーキテクチャにより、差別化 が容易 → よって、独自製品、優れたコスト競争力、 高い参入障壁がもてる 例) ・メインフレーム・コンピュータ産業 (IBM) ・米国自動車市場 (ゼネラル・モーターズ) だが、多くの企業がここへとたどり着かないか、到達しても 長くとどまらない ⇓ 企業が独自アーキテクチャ製品を競合企業よりも高いコス ト競争力で製造できるのは、十分でない(製品の機 能性と信頼性がその市場に属する顧客ニーズを十分に 満たしていない)場合のみ ・・・状況が変われば、やがてモジュール方式になりコモディ ティ化 破壊とコモディティ化の現象の原因のひとつ → オーバーシューティング(十分以上に良い状況) 既存企業のほとんどが、最終的には破壊によってシェア を奪われるか、コモディティ化を通じて利益を奪い取られ る ⇓ ・・・しかし、実はすぐそばに繁栄の機会が潜んでいることが ある コモディティ化から脱コモディティ化へ 将来の魅力ある利益はバリューチェーンの別の段階や階 層で生み出されることが多い ・・・コモディティ化のプロセスが、脱コモディティ化という補 完的なプロセスを引き起こすから ⇓ → 以前はモジュール型で差別化が不可能だったプロセス や部品やサブシステムなどに生じる 「性能決定」部品やサブシステムの例 (パソコンの 場合) ・・・マイクロプロセッサ、オペレーティング・システム、 アプリケーションなど 利益を確保する唯一の方法 →低コストのビジネスモデルを速く上位市場に持ち込み、高 コストの独自製品メーカーと競争し続ける ⇓ 「性能決定」部品とサブシステムの中で最高のものを選び、 いち早く製品に組み込む ・・・その結果、性能決定サブシステムは相互依存的で独自 のアーキテクチャを生み出す ⇓ よって、脱コモディティ化へ 脱コモディティ化という補完的プロセス コモディティ化による低コスト戦略を有効にさせる ⇓ 性能決定サブシステムが同業者間の競争によっ て相互依存的で独自な開発を余儀なくされる ⇓ これによって、差別化された独自製品を魅力ある 利益率で販売できる ⇓ 収益性の高い独自製品を創ることによって、次の コモディティ化と脱コモディティ化の周期の始まり PC産業の製品バリューチェーンにおける金の流れ 顧客 ① $ $ ② $ $ $ $ ③ $ ④ $ $ $ ⑤ $ ⑥ $ $ $ $ ⑦ $ $ $ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ デスクトップ・パソコン・メーカー オペレーティング・システム(マイクロソフト) マイクロプロセッサ(インテル) DRAMメーカー ディスク・ドライブ・メーカー 機器製造(アプライド・マテリアルズ) ヘッドとディスクの設計、製造 「十分良い」状況、「十分でない」状況のブラン ド価値 コモディティ化を避けるために経営者はブランド力 に頼ることが多い → しかし、ブランドにもコモディティ化や脱コモディ ティ化が生じる ⇓ ブランドに最も価値があるのは、価値連鎖の「まだ 十分でない」段階 例) 初期のメインフレーム・コンピュータ・システム IBMが30~40%の割増価格、同じようにヒューレット・ パッカードも しかしコンピュータが「十分良い」機能性や信頼性を備え る → これらの市場でモジュール化 内部のマイクロプロセッサとオペレーティング・システム が「十分でない」状態に ⇓ 1990年代に、インテルやマイクロソフト・ウィンドウズがブ ランド力を奪い取る ブランドにおけるコモディティ化と脱コモディ ティ化のプロセス 製品が機能性と信頼性を備える(十分によい) ⇓ 製品のモジュール化 ⇓ 市場の細分化 ⇓ ブランド力の移動によってまだ十分でない場所へ (最近では製品からチャネルに変化) 価値のあるブランド力を構築する場が最終消費製 品からサブシステムへ 例) 自動車産業 自動車メーカーから特定のサプライヤーへ 「ティア・ワン」(主力部品供給業者) モデル・・・モジュール型アーキテクチャ サブシステム・・・相互依存型アーキテクチャ まとめ(1) モジュール化、標準化によって差異がなくなるこ とによって、魅力的な利益は、顧客が十分以上 に満足している活動から離れてしまう 魅力的な利益を獲得する能力は、バリューチェー ンのなかを動いて、直接顧客が入手可能な「製 品」の性能に満足していない付加価値活動へと 移動する (コモディティ化と脱コモディティ化のプロセス) まとめ(2) こういったプロセスを明らかにし、独自製品を通 じて利益ある成長を遂げる新しい機会がどこに 出現するかを、経営者は正確に予測する (金の向かう場所) コモディティ化と脱コモディティ化のプロセスは、 どちらとも中核ではなく、周辺部から始まる 参考文献: http://yrz.advancing-x.com/wiki/424D57.html http://www.blwisdom.com http://e-words.jp
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