片麻痺 - | 公益社団法人大阪府理学療法士会

片まひをもつ
子どもさんへの援助
あさしお園
理学療法士 麻生川真里
片まひをもつ子どもさんの特徴
 非対称性
 まひ側の無視、感覚の鈍さ
 まひ側で体重を支えることの難しさ
 努力性の動作
 両手での動作が妨げられる
上記のような困難さを持つが
生活の中で補う技能を習得する
幼児期
○地域の幼稚園や保育園では
スピード、持久性が要求される
疲れてくると
・ まひ側の足が地面を
すってしまう
・まひ側の踵が浮く
疲労度の目安
学童期
○活動量が増え、課題の難易度が高まる
○体格が急に大きくなる時期で、手や足の
動く範囲に制限が生じてきやすい
・筋肉の柔軟性が必要になり、ストレッ
チ などでの管理が重要
・踵が地面から浮きやすくなると装具を
使用する場合もある
片まひを持つ子どもさんの
日常生活
粗大な活動としては独歩を獲得しやすい
日常生活では
両手動作の難しさが問題となりやすい
着替え、靴の脱ぎ/はき、食事、
お絵かき、はさみ、などなど・・・
片手だけで前のスライドに挙げた
日常動作をしようとしてください
・普段と違って力が入りすぎませんか?
・時間がかかりませんか?
・ぎこちなくなりませんか?
・いつも使ってる手なのに、片手であると
使いにくくなりませんか?
・上手くいかず、イライラしませんか?
両手での動作
両手での動作が妨げられると、
○身体の真ん中での運動経験が乏しくなる
○両手の動作を片手でまかなう
⇒片手で「支えること」と「運動」を 一緒に行う
・・・非対称的な姿勢や運動
身体の他のところに力が入りやすい
日常生活、関わるうえで
気をつけたいこと
精神的に成功感や達成感を十分に
得られないままに発達が進みやすい。
ストレスを増大させないように、
子どもさんが成功できるような環
境づくり、援助が必要
着替え(上衣)
・手が使いやすい姿勢(安定した姿勢)
で行いましょう
・服をもつ所や袖を抜く順番、 気づき
にくいまひ側のシャツの裾入れなど
成功するような声かけが必要!
着替え(下衣)
○ズボンや靴下・靴の着脱
非まひ側の足を持ち上げるとバランスを
崩しやすい状況になり、手の活動が行いに
くくなる。まずは姿勢が安定することが大
切!
壁やコーナーにもたれる
食事
・非まひ側中心の活動となり、まひ側の腕
が後方へ引けてしまいやすくなる
・食器が動いてしまうと余計に力が入ってし
まう
①まひ側の手を食器に添える
②滑り止めマットや重い食器 (陶器など)の
利用、カットアウトテーブルの導入
机上動作
様々な応用動作
傘をさす、ランドセルを背負う、縄跳び、
鉄棒など幼稚園/保育所、学校ではたくさ
んの応用動作が必要になってきます。
理学療法場面
就学に向けて、
必要になってくる日常動作を御両親、先生方
と確認しながら練習しています。
ランドセルを背負う
足首のストレッチ
援助するうえで注意したいこと
子どもに意識させたいこと
①まひ側を使うことを促し、
対称的な活動や両手での動作へと
結びつけること
②まひ側の機能が発揮しやすい
環境を作ること
⇒自分で「行っている」感覚、
成功する経験が大切!
最後に
片まひをもつ子どもさんの中でも、
いろいろな動作のバリエーションがあります。
子どもさんに応じた援助が必要!
どの動作においても、
いかに子どもさんが楽に行えるか、
どんな方法なら成功するかを
理学療法士を含め、子どもさんを取り巻くみ
んなで考えて援助していきましょう。