柱崩壊と梁崩壊 - 岐阜建築鉄骨技術交流会

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第4回岐阜建築鉄骨技術交流会
(かんたん構造講義)
第3部 その2
柱崩壊と梁崩壊
(塑性設計の話)
塑性設計の注意点
吉田設計 吉田 久二男
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塑性設計は、昭和56年建築基準法改正から
登場した考え方です。
塑性設計の長所を生かすには、
弾性設計にはない注意が必要となりました。
それは、一言でいえば、
十分に伸びるまで切れない
ということです
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ビニール片を使った実験
実験 1
ビニールを両側からゆっくり引っ張ってみます。
大きく伸びてから切れました。
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実験 2
内部に欠陥がある場合。
伸びたのが欠陥の付近だけであるため、全体としてあまり伸びません。
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実験 3
内部に丸穴がある場合。
欠陥ある場合よりは、全体的に伸びました
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実験 4
直角の段差がある場合。
伸びたのは、段差の付近だけです。
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実験 5
段差を丸めた場合。
細い部分が全体的に延びました
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• 実験1 : 伸びること(塑性変形)により
力を吸収する
• 実験2 : 欠陥により伸び能力が低下
溶接欠陥としたら…
• 実験3 : 丸穴により伸び能力が低下
スリーブ穴としたら…
塑性域にはスリーブ穴は設けない
• 実験4、5:段差による伸び能力の低下
ハンチ等段差を設ける場合
…要注意
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柱崩壊 梁崩壊
柱梁耐力の比較
接続する柱及び梁部材の耐力比による
部材の耐力
全塑性モーメント : Mp
Mp=Zp×F
Zp:部材断面の塑性断面係数
F :材料強度
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崩壊個所の実験
厚紙を使った崩壊個所の実験
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梁Mp > 柱Mp の場合
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梁Mp < 柱Mp の場合
ラーメン構造の代表的な崩壊型
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柱崩壊すると
地震被害例
H型柱の
強軸曲げ
で崩壊
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柱が大きく曲がっていますがこれは柱曲げ崩壊でなく
2階の柱継ぎ手が破断し、
それに引きずられて1階柱頭が大変形したもの
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ボックス柱が隅肉溶接であったために
破断して2階が落下
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冷間成形角形鋼管設計法
ルート1 : 地震時柱応力を割増す
ルート2 : 柱の耐力を梁の耐力より十分大
ものとする
ルート3 : 全体崩壊メカニズム(梁崩壊)か
局部崩壊メカニズム(柱崩壊)かを
判定し、局部崩壊メカニズムの場
合いには十分な骨組の耐力を
確保する
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建物全体の変位
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デザイン、変形、柱梁のバランス等
種々の要素を考慮して、
構造設計をしている
仮定荷重の変更 → 建物重量が変わる
→最初から計算を見直す
部材断面の変更 → 部材剛性が変わる
→ 応力状態が変わる
→ 応力計算から見直す
↓
一部の変更が、全体に影響する場合がある
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大地震に対して、少々の損傷はあっても
倒壊を防止し人命を守る
塑性変形によるエネルギー吸収の大きい建物では、
耐力が小さくても耐震性能が確保できる
耐震上倒壊を防止するためには
柱や柱脚等鉛直荷重を支持している構造部位の
耐力と変形能力を高めておくことが重要である
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参考文献
(財)日本建築センター / 冷間成型角型鋼管設計・施工マニュアル
日本建築学会編 / 阪神・淡路大震災調査報告 建築編3 / 丸善
建築知識スーパームック / 阪神大震災に学ぶ地震に強い建築の
設計ポイント / エクスナレッジ 1999/11出版
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