著作権

著作権
2002.11.5
著作権1
• 著作物
– 第2条「思想又は感情を創作的に表現したも
のであって、文芸、学術、美術又は音楽の範
囲に属するものをいう」
– 事実情報、データはここには入らない(編集し
たデータは「編集著作権」がある
– 「高度」という条件はない、コピーでなければい
い(余りにも短い情報には創作性なし)
著作権2
– 「表現」⇒アイディアやアルゴリズム、(プログラ
ム)言語自体は著作権の対象外
– 他人の学術論文と同じ内容を異なった文章で
発表することは、著作権法上許される
– ピカソ風の絵を書いても、特定の絵の模倣で
ない場合は許される
– コンピュータプログラムやデータベースは、文
芸でも学術でもないにしても、著作権とされる
著作権3
• 作者の死後50年、登録なしで権利が発生
• 著作人格権
– 公表権
– 氏名表示権
– 同一性保持権
• 著作財産権
– 複製権、放送権、上映権、実演権、演奏権、
頒布権、貸与権、編曲権・・
著作権4
• 利用法に理論的限界はない
• 料理の本を、印刷、販売、貸与することも、
購入し読むこと、料理を作ること、料理を食
べることも利用かもしれない
• 利用の範囲が曖昧なので、著作物のあら
ゆる利用を独占する権利でなく、政策的に
どの利用様態が禁止されるかを決めた
• 例:映画の出現で、上映権ができた
キャンディ・キャンディ事件
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水木杏子原作、いがらしゆみこ作画
水木:マンガの絵の著作権は私にもある
いがらし:絵は自分の創作、原作は参考
判決:連載マンガは、原作原稿という著作
物を翻案することによって創作された二次
的著作物。絵だけでなく、ストーリー展開、
台詞、コマの構成が一体となった著作物
• 絵だけを、いがらしが利用する権利はない
キューピー事件
• 1998年著作権侵害として、興銀とキュー
ピー社に20億円の支払いを求める訴訟
• キューピーの生みの親:ローズ・オニール
• 遺産管理をするローズ・オニール財団から
日本国内の著作権を譲り受ける
• 高裁:キューピー社のキューピーは、オ
ニール女史のキューピーの本質的特徴を
有しているとはいえず、両者は類似してい
ない
ゴーマニズム宣言
• 『脱ゴーマニズム宣言』の中に、『新・ゴー
マニズム宣言』の原画が57点無断転載
• 地裁:作品そのものを批判する目的ならば、
マンガの絵を引用してもよい
• 高裁:引用は認めるが、もとの「コマ割り」
を改変しているため、同一性保持権を侵害
している⇒本の発売を差し止める
• 最高裁上告中
ときめきメモリアル事件
• 同一性保持権
• 成人向けアニメビデオ「どぎまぎイマジネー
ション
• 藤崎詩織の清純なイメージが損なわれた
• 判決:ビデオ販売禁止、230万の損害賠償
• ラストに飛べるメモリーカード
• 地裁は認めたが、高裁で115万の支払いを
命じた
著作権問題の展開
• グーテンベルクの時代には万人が読者で
あった。ゼロックスの時代には万人が出版
者になった。
• 1.コピー技術の発達、オリジナルとコピー
の区別を無意味にする
• 2.万人は、出版者であるにとどまらず、著
作者にもなる。(ホームページ)
• 3.引用:ラップ、コラージュ
情報
• 物理的なもの(有体物)
• 情報→ 誰によっても専有できない
• 1.自分の手元にコピーを残しながら、コ
ピーを他人に渡せる
• 2.コピーの費用が安い
• 3.流通してしまうと、誰もそれを利用でき
る(使用者を見つけ出し使用料をとるのは
難しい)
権利の束
• 作品Aという物語
• ★この原稿を購入して読む(有体物と同
じ)
• 1.出版する(海賊版が可能→政府が「排
他的な出版権」を保証する法律をつくると、
擬似的な所有権になる。)
• 2.映画化
• 3.放送
• 4.レンタル化
権利の制限
• 1.立法、行政、司法に関する公文書
• 2.ニュース記事(わずかの創作性しか含
んでいない)
• 3.政治上の演説や報道目的の講演(情
報の自由流通を保証する)
• 4.学術使用や教育的使用や私的使用
(ユーザーの保護)