国際教育産業の発展と多様化

国際教育産業の発展と多様化
第2回山口大学経済学会・定例研究会
10月28日(水)東亜経済研究所
発表者:朝水宗彦
目次
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はじめに
1.産業としての留学
2.海外キャンパスとツイニング・プログラム
3.非英語圏における英語学位プログラム
4.「教育観光」の多様化
おわりに
参考文献
はじめに
• 留学は国際交流の視点から重要(政治・文化・技術
移転など)
• いくつかの国々にとって留学は人材獲得や外貨収
入の面で重要
• 急速に留学生数を増やしている国々は既存型の学
位留学とは異なった受け入れ体制を整える
• いわゆる「正規留学」だけでなく、学生ビザを伴わな
い短期の「教育観光」が社会現象になっている国々
も見られる
1.産業としての留学
日本における留学生交流の歴史(1)
• 古くは遣隋使の前から公式・非公式に朝鮮半
島へ留学生を送り出し、遣唐使が終わっても
朝鮮半島や中国に留学生を送り出す。
• 江戸時代末期の開国後には合法、非合法な
留学生送り出しが活性化。私塾には外国人
受講者が見られたようであるが詳細は不明。
• 明治以降も留学生送り出しが中心。日清・日
露戦争後にようやく留学生受け入れが顕在
化し、徐々に統計整備が進む。
日本における留学生交流の歴史(2)
• コロンボ・プランによるODA留学生受け入れ(1954年
以降)
• 留学生10万人受け入れ計画(以下10万人計画:
1983年)
• バブル期は企業で働く研修生の数が増えたが学生
ビザを有する留学生数が単独で10万人を突破する
のは2000年代。
• アメリカの諸大学など、海外大学の日本校がバブル
期に急増するがバブル後に変容
日本における留学生交流の歴史(3)
• 1982年にテンプル大学日本校が開校し、各地方自
治体の要請を受けた外国大学の日本校はバブル期
に急増(ビザの関係上日本への留学生受け入れよ
りも日本人学生の獲得や本校の学生の研修が主な
目的)
• 1991年に開校したレイクランド大学日本校は2年制
準学士+アメリカへの進学の典型例(最低限準学士
が取れない外国大学の日本校の多くはバブル後淘
汰される)
• バブル崩壊直後の1994年にはロシア極東国立総合
大学函館校が設立
日本における留学生交流の歴史(4)
• 大使館の推薦を受けた外国大学の日本校が文部
科学省から(学生ビザを取れる)教育機関とみなさ
れるようになり、2005年にテンプル大学日本校(学
士・修士・博士)が初の認定校になる
• 同2005年にはレイクランド大学(現在は日本からの
送り出しと日本への留学生受け入れ)やロシア極東
国立総合大学、天津中医薬大学(中国留学必須)
の各日本校も文部科学省の認定校となる
• バブル後に残った外国大学の日本校の多くは学位
が取れる機関が多く、2005年に設立されたカーネギ
ーメロン大学日本校(4学期制)のように大学院教育
に力を入れている場合もある
日本における留学生交流の歴史(5)
• 現状でも留学生の数では日本はアメリカやイギリス
と大きな差
• 留学生の割合でも日本はドイツやフランスと大きな
差がある
• 留学生の数や割合はカナダやオーストラリアなどと
比べても少ない
• 少子高齢化の影響が日本の地方大学において深
刻化(韓国並みの進学率、アメリカ並みの社会人学
生、大量の留学生が必要?)
• 2000年代初頭の時点では日本の大学の中に留学
生の数や割合が著しいものがいくつか登場(後述)
各国の留学生数
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アメリカ (2002年) 586,323人
イギリス (2001年) 242,755人
ドイツ (2002年) 227,026人
フランス (2002年) 180,418人
オーストラリア(2003年) 136,252人
日本 (2002年) 95,550人
• 出典:総務省「留学生の受入れ推進施策に関する
政策評価」 web
高等教育学生総数に占める留学生数
のシェア(2004年)
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イギリス 16.2%
ドイツ
11.2%
フランス 11.0%
カナダ 10.6%
日本
2.9%
• 出典:日本総研「外国人の高度人材活用を-
成長戦略の推進力強化に向けて- 」web
近年の各国における留学生数と
留学生の占める割合
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アメリカ 582,984(2006年) 5.5%
イギリス 376,190(2006年) 25.1%
ドイツ 246,369(2006年) 12.4%
フランス 263,126(2006年) 11.8%
オーストラリア 250,794(2006年) 26.2%(「教
育観光」は除く)
• 日本 118,498(2007年) 3.3%
• 文科省2008a:7
アメリカ合衆国の留学生受け入れ
• 9.11テロ等の影響で留学生受入が近年減少してい
るが、元々の受入規模が極めて大きい。
• 外国人への労働市場の開放、18歳人口減少に伴う
各大学の対応などが受入数が多い要因。
• 安全保障等の観点から、単独の大学だけでなく国
家政策への転換の兆しもある(「派遣学生100万人
計画」など)。
• 出典:文部科学省「中央教育審議会大学分科会(第
56回)」web
イギリスの留学生受け入れ
• 当時のブレア首相が1999年に留学生受入拡大政策
を発表し、以後急増。
• 2020年までに87万人(3倍増)、130億ポンドの経済
効果の見込み(特に私費留学生)。
• ブリティッシュカウンシルを110カ国に置き、7,300名
の職員を配置(2000年代初頭)。
• 国費留学生:各国の指導者となる人材を発掘し、イ
ギリスとの関係を強化しようとする「国策」としての位
置づけ。
• 出典:文部科学省「中央教育審議会大学分科会(第
56回)」web
中国の留学政策
• 2000年代になると留学生の送り出し中心から受入
中心に政策転換し、留学生受入数が急増(2007年
までに12万人受入を目標)。
• かつての送り出し国だったアメリカからの受入が近
年増加。
• 世界規模での中国語の普及を目指し、世界100カ所
に「孔子学院」を設置予定。
• 出典:文部科学省「中央教育審議会大学分科会(第
56回)」Web
世界の国際教育需要予測
出典:JUCTe「世界の国際教育需要予測」web
ディプロマ・ミル
• グローバル化する高等教育市場:アメリカ、イ
ギリス、オーストラリアなどが海外に進出。シ
ンガポールやマレーシアなどは海外からの人材
発掘のためにこれらの進出を積極的に受け入れ
る(後述)。
• 国境を越えた高等教育の提供形態:海外分校、
外国の教育機関等との提携、eラーニングなど。
• 国境を越えた教育の問題点:いわゆるディプロ
マ・ミル又はディグリー・ミルなど 、教育機関
としての質が低い「悪徳業者」から「消費者」
である学生を守る必要性がある。
• 出典:文部科学省「国際的な大学の質保証に関
する調査研究協力者会議」web
アクレディテーション
(適格認定)
• UNESCOでは2002年10月 に「国際アクレデ
ィテーション、質保証及び資格承認に関するグ
ローバル・フォーラム第1回会合」を開催 。
2003年9月に開催された第32回総会おける「
高等教育とグローバリゼーション」に関する決
議案にて、同フォーラムに関する議案が採択。
• 日本では、「国際的な大学の質保証に関する調
査研究協力者会議」が平成15年8月4日から
平成16年3月19日まで計7回行われる。
• 出典:文部科学省「国際的な大学の質保証に関
する調査研究協力者会議」web
主要教育輸出国の品質保証
• イギリスとオーストラリア:自国の大学が外国
において分校や現地教育機関との提携等によっ
て教育を提供して学位を授与することの規制が
無かった。
• 自国大学ブランドの競争力にとって質保証が重
要との認識の下に、外国における教育の提供に
ついても自国の大学としての質保証の対象とみ
なし、大学自身による質保証の責任に加えて自
国の質保証機関(評価機関)による質監査(評
価)の対象としている。
• 出典:文部科学省「高等教育の国際的な展開に
係る質保証について 参考資料1」 web
アメリカにおける品質保証
• アクレディテーションの重要性:州によって大学設置基
準が異なり、なおかつ私立大学の多いアメリカでは、国
内でもディグリー・ミルを避ける事が重要な課題。
• 全米高等教育機関基準認定協議会(CHEA:Commission
for Higher Education Accreditation):3,000 以上の大学・
カレッジを会員とする全米最大の認証NGO。全米各地
域の協議会に認証された大学が、海外を含めて域外に
分校を設置する場合は、本校と同様に認証の対象にな
る。
• 外国大学の分校設置:各地域の協議会や州政府によっ
て異なる。学位を授与できる新設校と同等の基準を求
める場合から、自州の分校程度の基準(たとえば卒業
単位の50%など)まで多様。
• 出典:文部科学省「国際的な大学の質保証に関する調
査研究協力者会議」web
オーストラリアの品質保証
• 州別の大学設置基準:ビクトリア州の場合、外国の
大学を含め、州政府が大学設置に対して個別法を
制定していた。ビクトリア州の大学が海外にキャン
パスを設立する場合、州政府から借款を行わない
限り州政府の許認可を要しなかった。
• 海外の大学がニューサウスウエールズ州にキャン
パスを設置する場合、5年に1度州政府によるコー
スごとの認証が必要。
• 2000年3月に「高等教育の認可過程に関する全国
的取決め」(National Protocols for Higher Education
Approval Processes)を採択。
• 文部科学省「豪州における高等教育の国際的展開
に係る質保証 」web
主要教育受け入れ国
• 主要教育輸出国の大学が多数進出している東(南
)アジア諸国は、先進国の大学のブランドが学生
にとって魅力。
• 公財政負担の増大を抑えつつ高等教育の拡大・
高度化を図りたい各国の政策意図もあって、外
国の大学が分校や現地教育機関との提携等によ
って高等教育を提供し、当該外国大学の学位(
場合によってはダブル・ディグリー)を授与す
ることを認める 。
• 出典:文部科学省「高等教育の国際的な展開に
係る質保証について 参考資料1」 web
2.海外キャンパスと
ツイニング・プログラム
ポスト10万人計画(1)
• 10万人計画以降留学に関する量的な目標設
定が顕在化
• 2000年代中葉に日本の受け入れ留学生数が
研修生を除いても10万人を突破するが、主要
先進諸国と比べると少ない
• 新たな目標として留学生30万人受け入れ計
画(以下30万人計画)が2008年から実施
• 留学生受け入れの重点校としてグローバル
30が制定(2009年度より選抜)
ポスト10万人計画(2)
• 30万人計画を旗揚げしたが、歴史と実績のある主
要先進国の留学生受け入れに追いつくのは困難
• オーストラリア(私費)やシンガポール(公費)などい
くつかの国々は急速に留学生の数を増加
• オーストラリアの場合、留学生の編入やツイニング・
プログラム(現地のディプロマ+学位)、ダブル・ディ
グリー、学位の取れる海外キャンパスの設立など、
多様な受け入れ制度を整える
• 日本でも従来型とは異なる留学受け入れ制度が発
達
日本における留学生数
Source: JASSO (n.d.) Trends in Number of International
Students by Institutional Type (as of each May 1)
N
○
↑
●
●
●
○
○●
Kyoto↓
Hyogo↓
●
●
●
○
●
●
○
●
○◎Ibaraki
◎
□◎←Saitama
●
◎
◎
Chiba
○
○ ◎ ●◎
Tokyo
□
○
●
Hiroshima
● ◎
○
Fukuoka ◎ ● ●●● ● Aichi ↑Kanagawa
● ◎
Osaka
○ ●
Oita
●
●
0
750km
●
●1 – 999 ○1000 – 1999 ◎2000 – 9999 □10000人以上
県別留学生数 (2008)
高校生の知日派開拓
• フレンドシップ・ジャパン・プラン(2005):姉妹校交流
などを通じ、当時年間4万人日本の高校等へ訪問し
ていた生徒の数を2010年まで8万人に増加させる
(文科省2008b:286)。
• 参考:2006年における日本の高校から海外への訪
問生徒数:留学3913人、3ヶ月未満の訪問3万0626
人、海外修学旅行17万7750人(文科省2008b:285)
海外からの受験機会の拡大
• 従来の「日本語能力試験」に加え、文部科学省と日
本学生支援機構が「日本留学試験」を2002(平成
14 )年度から実施:
• 渡日前に入学許可を得ることが可能
• 平成20 年度の受験者数:日本国内3 万3,385 人 ,
海外7,151 人、計4 万0536 人
• 同試験の利用大学は398 大学,85 短期大学(平成
21年1月)
• 以上、文科省2008b:291
日本留学試験の
海外会場(2007年度)
• インド(ニューデリー),インドネシア(ジャカルタ及び
スラバヤ),韓国(ソウル及びプサン),シンガポール
(シンガポール),スリランカ(コロンボ),タイ(バンコ
ク),台湾(台北),フィリピン(マニラ),ベトナム(ハノ
イ及びホーチミン),マレーシア(クアラルンプール)
,ミャンマー(ヤンゴン),モンゴル(ウランバートル),
ロシア(ウラジオストク)
• 文科省2008a、25
諸大学における留学生(日本語)
別科の整備(2008年)
• 帝京平成大学 留学生別科 120人(以下定員100
人以上のもの)
• 城西国際大学 留学生別科 100人
• 桜美林大学 留学生別科 120人
• 慶應義塾大学別科 日本語研修課程 180人
• 創価大学 別科 100人
• 拓殖大学 留学生別科 130人
• 帝京大学 帝京Study Abroad Center(日本語教育部
門) 150人
(続)諸大学における留学生
(日本語)別科の整備(2008年)
•
•
•
•
•
•
東海大学別科 日本語研修課程 200人
早稲田大学 日本語専修課程 150人
東京福祉大学 留学生日本語別科 250人
南山大学 外国人留学生別科 120人
大阪国際大学 留学生別科 120人
関西外国語大学 留学生別科 400人
• 出典:文科省2008a、17
編入とダブル・ディグリー
• 海外の大学とのダブル・ディグリー・プログラム:平
成19 年度に69 大学が158 件実施(文部科学白書:
23)
• 海外の専門学校からの編入:たとえばツイニング・
プログラムで来日前に学習
• 参考:日本の大学生で、留学先での単位を所属大
学で認められた学生数は2008年約3 千人(文部科
学白書:21)
オーストラリアの留学生受け入れ
• 「輸出産業」として留学生受入(経済効果は2001年
で50億ドルの見込み、輸出産業サービス部門第3位
)。
• 教育科学訓練省の他、世界約100カ所にオフィスを
有するIDP Education Australiaが学生をリクルート。
• ツイニング・プログラム(たとえば海外校との連携)と
呼ばれるオフショアプログラムに特徴(留学生全体
の30パーセントがオフショア留学生)。
• 出典:文部科学省「中央教育審議会大学分科会(第
56回)」web
オーストラリア各大学における
海外進出
• セントラル・クイーンズランド大学の海外キャンパス(
2006年現在):フィジー、シンガポール、中国
• モナッシュ大学の海外キャンパス(2006年現在):マレー
シア学生数2,400人、南アフリカ学生数1,100人
• UNSW:2007年にシンガポールに海外キャンパスを設立
• RMIT大学:日本校にカイロプラクティック学科を設置(
1995年設立:オーストラリアの学位)
• マードック大学:RMIT大学と同様の資格を取れるインタ
ーナショナル・スタディ・センターを2007年に日本に設立(
日本語開講でオーストラリアの学位)
• その他多数の大学が海外オフィスを設置
モナッシュ大学
• メルボルン1998年
オーストラリアにおける留学生
受け入れ要因(1)
• 1989年のオーストラリアにおける高等教育の
大綱化以降、新設大学が増加すると共に、各
大学で私費留学生の受け入れが盛んに
• 同時期に設立された私立のボンド大学は留
学生の受け入れに有利な3学期制を導入(全
学生の半数が留学生)
• 特に、私大や新設大学、立地条件の不利な
地方の大学にとって、授業料を先払いする私
費留学生は経営上重要な存在
オーストラリアにおける留学生
受け入れ要因(2)
• 公立でも、セントラル・クィーンズランド大学のように
3学期制を導入し、海外キャンパスを設立する大学
が見られる(半数が留学生)
• モナッシュ大学やUNSWなど、「研究大学」と呼ばれ
る都市部の名門校でも海外キャンパスを設立し、国
際化を進める(ただし激戦区のシンガポールでは苦
戦)
• 海外キャンパスを設立しない場合、グリフィス大学
のように日本やその他の国々に現地オフィスを設立
し、留学生の受け入れ態勢を強化する
オーストラリアにおける留学生
受け入れ要因(3)
• 1989年の私費留学生受け入れ自由化以降、治安の
良いオーストラリアは日本人にとって人気の高い留
学先
• 9.11事件以降、日本人にとって北米は危険視される
のと共に、北米地域の学生ビザ発給が厳しくなる
• ただし、シンガポールや香港、マレーシア、フィリピン
など、新たに留学生受け入れを強化している国や地
域とオーストラリアは競合(特にシンガポールは各
国の大学による激しい進出先でもある)
• さらに、カーネギーメロン大学のアデレード進出(
2006年)など、オーストラリアの留学事情はさらに多
様化(同大学は日本にも進出)
シンガポールの教育改革(1)
• 高度人材獲得モデル:経済開発庁を中心に、省庁
を超えて一貫性のある頭脳流出防止政策、経営大
学院留学生確保政策等を実施。
• 東洋のアイビーリーグ構想: MITなど10程度の各国
著名大学(日本では早大)をプログラムごと招致。企
画生産性革新庁が質保証格付け制度を推進。
• 補足:総合開発のシンガポール・アンリミッテドやイ
ンバウンド観光政策のツーリズム・アンリミッテドも多
国間の開発を展開。
• 出典:文部科学省「中央教育審議会大学分科会(第
56回)」web
シンガポールの教育改革(2)
• マサチューセッツ工科大(MIT)、ペンシルベニア大、
シカゴ大、スタンフォード大、上海交通大などが大学
院を開設(シンガポール国立大との連携プログラム
を含む)
• 2005年に6万人程度の留学生を今後10~15年間で
企業研修生も含めて20万人程度に。
• 2005年に3.8%である教育産業の対国内総生産
(GDP)比率が今後5%になると予測。
• 出典:NTS教育研究所「21世紀の留学生戦略(1)シ
ンガポール」web
海外において教育活動を行うこと
の利点
• 日本国内の少子化等の構造的不況を打開するた
め、日本国内ではなく、海外において教育サー
ビスの消費者(学生)を開拓できる。
• 大学本体への将来的な留学生等を開拓可能。
• 海外での活動を踏まえ、日本の大学本体も国際
的な教育研究水準に対応すべく、大学の教育研
究の質を向上(現状の低い国際評価を改善)。
• 日本の大学ブランドを世界に喧伝する契機。
• 出典:文部科学省「大学等の国際的な展開」web
日本の大学における海外拠点
• 文部科学省(n.d.)「海外拠点の設置に関する状況 調
査」web
海外拠点の設置地域分布
• 文部科学省(n.d.)「海外拠点の設置に関する
状況調査」web
海外拠点の設置時期(設置地域別)
• 文部科学省(n.d.)「海外拠点の設置に関する状況調
査」web
日本の大学による海外進出
• 日本の大学の海外機関:大学名を冠したいくつかの
海外キャンパス、関西外語大学の旧ハワイ・キャン
パス(現在は2年制のTrans Pacific College)、日本国
際教育大学連合とマレーシア政府とのツイニング・
プログラム、JICAを介した大学での技術研修などの
先行事例が見られる
• ただし、ロシアや中国などの大学も同様の海外進出
を行っており、中国では政府のバックアップによる孔
子学院の海外設立も見られる
• 複数の海外キャンパスを有するアメリカやカナダ、
オーストラリアなど、英語圏諸国の大学による海外
進出と比べると日本の大学は出遅れている
• 海外拠点の設立はグローバル30の選考要件にも科
されている
日本の高等教育機関による海外進出例
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東京国際大学アメリカ校(オレゴン州)
帝京大学短期大学デンバーキャンパス
帝京大学ベルリンキャンパス
ハワイ東海インターナショナルカレッジ(準学士)
ウィンチェスター頌栄カレッジ(準学士、英国)
アメリカ創価大学(カリフォルニア州 )
法政大学アメリカ研究所(カリフォルニア州)
出典:塚原修一 「大学等の国際的な展開に関する
質保証について 」web
海外中等教育機関の事例
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慶應義塾ニューヨーク学院(アメリカ合衆国)
帝京ロンドン学園(イギリス)
立教英国学院(イギリス)
スイス公文学園(スイス)
ドイツ桐蔭学園(ドイツ)
フランス甲南学園トゥレーヌ(フランス)
早稲田渋谷シンガポール校(シンガポール)
サウス・クイーンズランド・アカデミー(オーストラリア)
出典:海外子女教育振興財団「海外の学校情報」webよ
り作成
撤退した海外中等教育機関
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テネシー明治学院(アメリカ合衆国)
駿台アイルランド国際学校(アイルランド)
英国暁星国際学園(イギリス)
東海大学付属デンマーク校(デンマーク)
アルザス成城学園(フランス)
英国四天王寺学園(イギリス)
• 出典:海外子女教育振興財団「海外の学校情報」
webより作成
3.非英語圏における
英語学位プログラム
日本における留学生受け入れの
多様化
• 10万人計画は数の面では達成されたが、単なる日本人
学生の代替措置として留学生を受け入れている例も見
られる(特に定員割れを起こしている教育機関)
• 外国大学の日本校と同様に日本の大学も海外拠点を
模索(先述)
• 近年における英語による専門教育カリキュラムの整備:
国際教養大学(AIU)、立命館アジア太平洋大学(APU)、
宮崎国際大学(MIC)、会津大学、国際大学(IUJ)など
• ただし、2007年度には2000人以上の留学生がいるAPU
でもアメリカやオーストラリアの大規模大学より留学生
数が1桁少ない
留学生数の日豪比較
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大学
学生総数 留学生総数 留学生の
割合
東京大学(2005)
29,000人 2,269人
8%
APU(2006)
4,752人
1,917人
40%
ANU (2004)
10,377人
2,226人
21%
Monash Uni(2006) 52,400人 15,200人
29%
UNSW (2006)
40,000人
7,900人
20%
Deakin Uni(2004)
32,000人
4,100人
13%
Griffith Uni(2006)
29,000人
5,000人
17%
CQU(2006)
24,000人 12,500人
52%
出典:Asamizu (2007) p.3.
大学別留学生数 (2008)
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(単位: 人)
立命館アジア太平洋大学 (私立)2,644
早稲田大学(私立) 2,608
東京大学(国立) 2,388
大阪大学(国立) 1,439
国士舘大学 (私立) 1,356
筑波大学 (国立) 1,337
京都大学 (国立) 1,335
大阪産業大学 (私立) 1,297
九州大学 (国立) 1,292
大学別留学生数 (続)
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•
•
•
•
東北大学 (国立) 1,214
名古屋大学 (国立) 1,214
立命館大学 (私立) 1,119
東京工業大学 (国立) 1,092
日本大学 (私立) 1,048
拓殖大学 (私立) 1,046
神戸大学 (国立) 1,011
• Source: JASSO (n.d.) Major Universities in Terms of Number
of International Students (as of May 1, 2008)
日本における日本語以外の学位
プログラム
• 日本語以外の言語で開講している高等教育機関の
学位プログラムが急増
• 文科省によると、2007年度に英語による授業のみで
卒業できる大学学部数は5 大学6 学部、英語による
授業のみで修了できる大学院研究科数は68 大学
124 研究科(文部科学白書:22)
• 英語開講の授業を有する大学は194学部、177研究
科(文部科学白書:22)
• JASSOは、いわゆる外国大学の日本校を除いた日本
に立地する大学で、英語開講の学位プログラムを有
する大学を2008年度に63校調査(以下、JASSO
2008:web を図表化)
70
Number of Institutions
60
50
40
Private
30
Public
20
National
10
0
1968
1978
1988
1998
Year
英語開講大学数
(単位: 校)
2008
N
●
↑
○
Niigata
○
○
●
● ●
● ●
●
●
●
Kyoto ●
●
●
●
●
●
○
●
◎
●
●
●
●
◎ ◎
○●
●
○
□
○
Tokyo
Aichi
●
0
750km
●
●1
○2
◎ 3 – 9 □ 10校以上
県別英語開講大学数 (2008)
N
●
↑
○
Niigata
○
○
●
◎
●
● ●
●
○
◎ ○
●
●
●
□
● ●
●
○
● ●●
●
●
●●
●
●
●
◎
●
●
Tokyo
Aichi
Oita
0
750km
●
● 1 – 99 ○ 100 – 199 ◎ 200 – 999 □ 1000人以上
県別英語開講定員(2008)
Oita
Fukuoka
Hiroshima
English-based
(Unit: 10
People)
Osaka
Kyoto
Total
International
(Unit: Person)
Aichi
Niigata
Tokyo
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
45,000
留学生と英語開講定員の比較(2008)
分野別コース数と開講定員の比較
8%
19%
22%
28%
Humanities
Humanities
30%
Social Sciences
6%
Social Sciences
Engineering
Engineering
Medicine
13%
Natural
Sciences
11%
Medicine
40%
23%
英語開講コース数 2008
英語開講定員 2008
(Total 199課程)
(Total 4851人)
Natural Sciences
大学別英語開講定員(2008)
(単位: 人)
• 国際教養大学 (秋田県)
• 150 Global Business, Global Studies (Undergraduate)
• 30 Graduate School of Global Communication and Language
• 会津大学 (福島県)
• 130 Computer Science and Engineering
• 上智大学 (東京都)
• 170 Faculty of Liberal Arts (Undergraduate)
• 59 Graduate School of Global Studies, Graduate School of Foreign Studies
• 早稲田大学 (東京都)
• 600 International Liberal Studies (Undergraduate)
• 637 Asia-Pacific Studies, Commerce, Global Information and
Telecommunication Studies, Graduate School of Information, Production
and Systems
大学別英語開講定員(2)
• 東京大学(東京都)
• 136 Graduate School of Medicine, Graduate School of Engineering,
Agricultural and Life Sciences
• 政策研究大学院大学 (東京都)
• 132 Policy Studies, International Development Studies
• 国際大学(新潟県)
• 150 Graduate School of International Relations, Graduate School of
International Management
• 名古屋大学(愛知県)
• 129 Law & Political Science, Engineering, Graduate School of International
Development, Environmental Studies, Medicine
大学別英語開講定員(3)
• 九州大学(福岡県)
• 120 International Economics and Business Law, Comparative Students of
Politics and Administration in Asia, Young Leaders' Program (Law), Division
of Dental Science, Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental
Sciences, International Special Course on Environmental Systems
Engineering
• 立命館アジア太平洋大学(大分県)
• 650 College of Asia Pacific Studies, College of International Management
(Undergraduate)
• 110 Asia Pacific Studies, International Cooperation. Policies, Management
• 宮崎国際大学(宮崎県)
• 100 International Liberal Arts (Undergraduate)
立命館アジア太平洋大学
(APU)のプログラム改革
• 2000年の開学以降留学生の受け入れプログラムや留学生
対象のインターンシップを開発
• 4学期制の導入により、日本と卒業時期が異なる国々の出
身学生に配慮(2004年から)
• 日英2言語教育で留学生だけでなく、日本人学生の人気も
集めたが、近年日本国内に英語開講の大学が複数設立
• 留学生だけでなく、日本人学生を含めた多様な学生にとって
魅力的な留学や海外インターンシップの受け入れ先の開拓
が重要
• APUのグローバル・アクティブ・ラーニング・プログラム(2006
年4月開始)では4年後に年間1,600人の学生(総学生数
6,000人強)を海外に派遣する予定(交換留学対策にも有効)
プログラム改革のための予備調査
• APUの学生受け入れ先として、オーストラリア、アメリカ合衆
国、カナダ、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、ベ
トナム、中国、韓国などを各担当者が訪問
• オーストラリアはアメリカ合衆国やカナダと同様にAPUの学生
の人気が高い(特に提携校のモナッシュ大学とマッコリー大
学)
• オーストラリアは発表者を含め、2006年2月に4人の担当者
が各大学へ訪問
• 同年3月APUにて留学生教育に関する国際会議を行う(公費
招待者60名と一般参加者)
• 参考.2007年にクイーンズランド大学とダブル・ディグリー制
度の協定締結
訪問スケジュール
• 報告者は2006年2月11日から19日まで途豪(
実質的な施設訪問は13日から17日まで)
• 報告者はディーキン大学、アデレード大学、
TAFE NSW、UNSW,グリフィス大学を訪問
• 上記のうち、ディーキン大学、TAFE NSW、
UNSW、グリフィス大学はAPU国際会議に参
加
ディーキン大学
• 2006年2月13日
• アデレード大学ワイン
研究所
• 2006年2月14日
TAFE NSW
• TAFE NSW ホスピタリ
ティ実習施設
• 2006年2月15日
UNSW
• 2006年2月16日
APU国際教育会議2006
3月12日 (日)
• Opening Speech, Monte Cassim (President of APU)
• Keynote Speech 1, "Current International Education
Paradigm in US Higher Education" Ms. Marlene M.
Johnson (Executive Director and CEO, NAFSA)
• Keynote Speech 2, "Developing Human Resources in
the Perspective of 30 Years Ahead" Ms. ISE Momoyo
(Former Executive Director and Former Director
General, Asian Women's Fund / Former Director
General of United Nation University)
APU国際教育会議2006
3月12日 (続き)
• Keynote Speech 3, "SEASREP: Past and future of
Southeast Asian Studies in SEA" Dr. Aphornsuvan
Thanet (Thammasat University, Member of SEASREP)
• Panel Discussion, "The Needs of a Rapidly
Internationalizing Society in Regard to Human
Development" MC: Prof. Mani. A (Dean of
International Cooperation and Research, APU),
Monte Cassim (President of APU )
• Reception
APU会議3月13日 (月)
• Research Seminar 1, Active Learning: Sharing Leading
Exemplars of Overseas Educational Systems and
Applied Cases in Japan
• Research Seminar 2, International Programs in
Japanese Universities
• Research Seminar 3, Discussion and Summary of the
Research Seminar
• Session 1, New Challenges for Student Mobility: APU
Proposal
• Session 2, Prospective Partnership in Academic
Programs
• Session 3, Discussion, Individual Consultations
• Farewell Party
APU国際会議とその後(1)
• 2000年のAPU設立当時(1学年800人)はカナダやオ
ーストラリアにおける(私費)留学生受け入れをモデ
ルにする
• しかし、完成年次を迎えた頃は日本における英語開
講大学の増加が見られ、APU自体も拡大策(大学院
の開設と理系分野を含んだ1学年1200人+αのイン
スティテュート制)が行われる
• 公立校が多い西ヨーロッパ(特に非英語圏の英語
開講コース)やオセアニア諸国の諸大学とはダブル
・ディグリーの提携を行う(私費は困難)
• 近年のAPUは私立大学が多い韓国や高等教育機
関の成長が著しい中国(香港を含む)、台湾、タイな
どの英語開講プログラムを参考にする傾向がある
APU国際会議とその後(2)
• 非英語圏における英語開講の学位プログラムであ
っても、入学後に現地語の学習を行えるケースが少
なくない。
• 日本の大学における留学生受け入れは入り口の点
では大きく変容しつつあるが、卒業時の日本語能力
が日本で就職する際に問われることが多いため、英
語プログラムであっても日本語学習意欲の高い留
学生が少なくない。
• 立命館の本校が2009年度にグローバル30に指定さ
れ、APUとは別に留学生を4000人(APU在学の留学
生より多い)受け入れる計画を立てる
4.「教育観光」の多様化
本発表における「教育観光」とは
• 主に大学や高校などの教育機関が学習目的で提供
している移動を伴うプログラムとその社会的な現象
(ただし教育機関以外の業種が提供するプログラム
もある)
• Study Tourism, Study Tour, Education Tourism,
Education Tour, Educational Tourism, Educational
Tour, Excursion 等が該当
• 学位留学と比べると期間や募集定員が多様であり、
比較的小規模な教育機関でも実施しやすい
交換留学と教育観光
• 学部レベルでは,30 の国立大学と36 の公私立大学
において,主に交換留学生を対象とした短期留学の
ために英語によるプログラムや特別コースを開設
(文科省2008b:292)
• イギリスやオーストラリアなどでは座学での短期留
学だけでなく、学習目的の旅行(いわゆる教育観
光)が外国人にも開かれており、一大産業にまで成
長している。教育観光は英語圏諸国以外にも広まり
つつある。
教育観光の社会背景(1)
• 学生ビザを伴う留学(たとえば3か月以上)は各国で統計が
整備されているがビザを伴わない海外教育観光もある
• 日本人にとって良く知られている教育観光:修学旅行、研修
旅行、ゼミ旅行など(国内外)
• バブル経済期:高校生のための全校的な海外修学旅行や大
学生のための海外提携校における語学研修プログラムなど
が発展
• 文部科学省が「高等学校における国際交流等の状況」にて
海外修学旅行や海外研修を隔年調査(1992年から)
• 近年の傾向:高校生向けの海外プログラムは目的地が選択
可能な小グループ旅行、大学生の場合は職場体験ツアーや
ボランティア活動など体験型プログラムが人気とされる
教育観光の社会背景(2)
• オーストラリアやニュージーランド:国際的な教育観光
はすでに社会現象として顕在化
• マレーシアやフィリピン:比較的英語が普及しているた
め国外からの教育観光客を積極的に受け入れる
• 非英語圏の国々:教育と観光の結びつきはアウトバウ
ンドだけでなくインバウンドの視点からも優良なSIT
(Special Interest Tourism)の1つとして徐々に広まりつ
つある
• 日本でも文科省がインバウンド業務として「フレンド
シップ・ジャパン・プラン(外国人青少年受入倍増計
画)」を実施:2005(平成17)年(先述)
教育観光の社会背景(3)
• 日本から海外への修学旅行は小中高の場合外務省に
届け出が必要なため統計調査が可能である
• オーストラリアの場合いわゆる正規留学だけでなく
ELICOS ( English Language Intensive Courses for
Overseas Students )と呼ばれる英語コース在学者の
統計調査も行っている
• 日本の大学から海外提携校への短期研修は統計が不
十分のようであるが、学部に関しては受験雑誌等からあ
る程度把握可能である
• 日本の大学を通さない上記以外の海外教育プログラム
はたくさんの事例研究があるが統計調査は未発達
海外修学旅行のための外務省提出書類
出典:観光庁『海外修学旅行マニュアル』2009、p.23
近年のオーストラリアにおける
教育産業の概要(1)
• インバウンド教育:観光と同様に重要な産業
• 2008年の時点でのオーストラリア在住の国際学生は
435,263人(語学研修生含む)
• 中国出身96,753人、インド75,390人、韓国28,296人
• (出典:AEI “International student numbers 2008”,
2009c, Research Snapshot)
• (参考)同年の日本における留学生数123,829人
• (出典:JASSO “Shift of Number and Percentage of
International Students”, n.d., web)。
近年のオーストラリアにおける
教育産業の概要(2)
• オーストラリアは2008年にインバウンド教育により
155億豪ドルの経済効果(参考:2000年のシドニー・
オリンピック年度のインバウンド観光収入は160億
豪ドル程度)
• 中国出身者は34億豪ドル、インド出身者は24億豪ド
ル、韓国出身者は11億豪ドルをもたらす
• (出典:AEI “Export Income to Australia from Education Services in 2008”,
2009b, Research Snapshot)
• オーストラリアにとって教育産業は巨大な存在であ
るだけでなく、優良な成長株でもある
近年のオーストラリアにおける
教育産業の概要(3)
• オーストラリアでは学位修得を目的としたいわゆる正規留学
やビザを伴う交換留学だけではなく、ELICOSにおける語学研
修や外国人向けのスタディツアーなども充実
• 2008年における中国からの留学生:40.9%が大学などの高
等教育機関に在籍
• 同年のインドからの留学生は51.1%がTAFEなどの職業訓練
校に在籍
• 同年の韓国からオーストラリアへの留学生は36.2%が
ELICOSに在籍
• (出典:AEI “International student numbers 2008”, 2009c,
Snapshot)
オーストラリアにおける
教育観光の重要性(1)
• ELICOSの本来の役割:非英語圏の学生に英語を教
える
• 1990年代からは教室での座学に加え、学外でのエ
クスカーションに力を入れている
• 集中英語コースはオーストラリア以外の国々にも存
在:様々なアクティビティでコースの付加価値を付け
ることは「消費者」である学生を引きつける上で重要
• ELICOSに関するプログラムは全国英語学校認定制
度(NEAS:National ELT Accreditation Scheme
Limited)の認証が必要
オーストラリアにおける
教育観光の重要性(2)
• 「教育観光レポート」(Study Tourism Report)
の出版:2007年オーストラリア政府観光局
(Tourism Australia: TA)
• 従来の教育観光調査:学生ビザを持たない
短期の語学研修生やオーストラリアの教育機
関を介さないスタディツアーなどが不十分
• 教育調査機関でない部門が教育観光につい
て調査したこと自体が注目的
オーストラリアにおける
教育観光の重要性(3)
• 「教育観光レポート」によると:
• 2006年に教育を目的としたオーストラリアへの訪
問者:36万5000人(うち9万2000人はインフォー
マルな学生ビザ無し短期コース)、p.1
• 上記の規模:同年の同国訪問者の7%
• 同国における同年の国際教育観光市場:40億豪
ドル
• 経済的貢献:参加者1人あたり1万3000豪ドル弱
の高い消費があったため、同年のインバウンド
観光消費の33%、p.5
日本における学位留学以外の
国際交流の可能性(1)
• 日本語既学者に対する交換留学は十分整備
• 日本語既学者でなくても参加できる数週間の
プログラムもまた大学間交流の一環として少
なくない
• 日本語既学者でなくても参加でき、なおかつ
規模の大きい「単位」プログラムも近年では
少なからず見られる
日本における学位留学以外の
国際交流の可能性(2)
• 「教育観光」の可能性に注目した観光庁や
JASSOは「ビジット・ジャパン・アップグレード・
プロジェクト」(以下VJUP)の一環として2009
年度より国際旅行博覧会にて日本留学プロ
モーション活動を実施(内閣府:3)
• ただし、規模の大きい「単位」プログラムは既
存の英語学位プログラムを「切り売り」してい
ることが多く、現時点での独自のプログラム
開発はそれほど多くないようである
日本における教育観光に関する
省庁間の協調
• VJUPの重点項目
• ①外務省、文化庁との連携による我が国の文化芸術の発信
強化
• ②留学生30万人計画との連携
• ③日中韓における観光交流拡大の取組み
• JASSO が参加(予定)する観光庁の国際旅行博覧会
• 香港(6月)、カナダ(10月)、韓国(11月)、ドイツ(1 月)、スペ
イン(1 月)、英国(2月)、米国(2月)、イタリア(2 月)、フラン
ス(3 月)、ドイツ(3 月)、ロシア(3 月)
• 出典: 内閣府、3
英語開講短期プログラム(2008) (単位: 人)
• 九州大学(福岡県)
• Japan in Today's World Program (40)
• 10m, Fall term(Begins in Oct),Spring term(Begins in Apr)
• 1. Japanese Language Courses
2. All classes offered by the university but Business School, Medicine,
Pharmacy and Dental Science. Permission from the coordinator is required
to take other than JTW classes.
• Asia in Today's World Program (60)
• 6w (Begins in late June)
• 1. Japanese Language Courses
英語開講短期プログラム(2)
• 桜美林大学(東京都)
Reconnaissance Japan Program (120)
•
•
1sem or full 10m, Apr/Sep
1. Japanese, Japanese Culture
2. All the classes offered by J. F. Oberlin University
• 早稲田大学(東京都)
One-Year Study Abroad Program
at the School of International Liberal Studies (SILS) (200)
•
•
1 y, Late Sep
1.Japanese
2.Life, Environment, Matter, Information, Philosophy, Religion, History, Economy,
Business, Governance, Peace, Human Rights, International Relations,
Communication, Expression, Culture, Mind and Body, Community
英語開講短期プログラム(3)
• 立命館アジア太平洋大学(大分県)
Semester/Year Study Abroad Program (40-70)
• 5-11 m (Spring Sem begins Apr; Fall Sem begins Oct)
• 1.Japanese Language
2.All classes offered by the university (some restrictions)
• Summer APU Gateway Program (20)
• 2m (Begins in Jun)
• 1.Japanese Language
2.All classes offered by the university
• Source: JASSO (n.d.) “Short-term Study Programs”
http://www.jasso.go.jp/study_j/documents/short_term.xls, Accessed June
26, 2009
おわりに(1)
• 留学は国際交流の活性化だけでなく、人材獲得や
外貨収入の面でも重要であり、日本の将来にとって
も重要な課題になり得る
• バブル崩壊後留学生数が激増した大学が日本各地
に見られたが、各大学が留学生獲得に力を入れて
いる現在では、日本人学生の減少を補うだけの安
易な留学生受け入れはもはや成り立たない
• 急速に留学生数を増やしている国々や教育機関は
編入や多言語化など、既存型の学位留学とは異
なった受け入れ体制を整えている
おわりに(2)
• 非英語圏における英語開講コースの設立が世界的
に著しいが、日本国内のみを見ても英語開講コース
が急増しているため、単に英語で授業を行えば留学
生が集まる状況ではなくなりつつある(差別化が必
要)
• 学生ビザを伴わない短期の「教育観光」が社会現象
になっている国々や教育機関も見られるが、「教育
観光」の更なる多様化は目先の外貨獲得だけでな
く、「将来の留学生」を受け入れる上で大きな課題に
なるだろう
参考文献(1)
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