2行+αチョンプに関する考察

2行+αチョンプに関する考察
京都大学
○後藤順一
伊藤大雄
発表構成
•
•
•
•
チョンプとは
3行チョンプと周期性
3行以上のチョンプの周期性
2行チョンプのグランディ値
発表構成
•
•
•
•
チョンプとは
3行チョンプと周期性
3行以上のチョンプの周期性
2行チョンプのグランディ値
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
先手
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
後手
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
先手
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
後手
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
先手
チョンプとは
• 長方形の板チョコを、2人が交互に食べていくゲーム。
• 左上のブロックが毒チョコ
• 各手番でプレイヤーは1つのブロックを選び、その右や下に
あるブロックを全て食べる。
• 毒チョコを食べざるを得なくなったプレイヤーの負け。
後手が毒チョコを食べざるを得ない
先手の勝ち!
先手必勝の証明
•
盤面の大きさに関わらず、チョンプは先手必勝。
–
証明:先手と後手のどちらかが必勝。後手が必勝と仮定する
と・・・
先手必勝の証明
•
盤面の大きさに関わらず、チョンプは先手必勝。
–
証明:先手と後手のどちらかが必勝。後手が必勝と仮定する
と・・・
先手必勝の証明
•
盤面の大きさに関わらず、チョンプは先手必勝。
–
証明:先手と後手のどちらかが必勝。後手が必勝と仮定する
と・・・
先手必勝の証明
•
盤面の大きさに関わらず、チョンプは先手必勝。
–
証明:先手と後手のどちらかが必勝。後手が必勝と仮定する
と・・・
先手必勝の証明
•
盤面の大きさに関わらず、チョンプは先手必勝。
–
•
証明:先手と後手のどちらかが必勝。後手が必勝と仮定する
と・・・
シンプルな証明が存在するが、具体的な必勝手順が分
かっていない。
チョンプの簡単な負け型(1)
• 2×n、n×nの盤面に対して、必勝手順が発見されている。
• 用語の説明
– 勝ち型:必勝手順が存在する (次に動くプレイヤーが勝ち)
– 負け型:そうでない場合 (次に動くプレイヤーが負け)
• 2×n
– 先手は最初に、右下の1つのブロックだけを食べる。
– 1行目が2行目より1つだけ多い形が負け型。
チョンプの簡単な負け型(2)
• n×n
– 先手は最初に、左から2番目、上から2番目のチョコを選ぶ。
– 縦と横のブロック数が同じものが負け型。
• 3×n
– 一般には知られていない。
発表構成
•
•
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•
チョンプとは
3行チョンプと周期性
3行以上のチョンプの周期性
2行チョンプのグランディ値
3行チョンプ(1)
• 3行チョンプについて、負け型を列挙する。
– 2行目の数が少ないものから順に並べる。
• 2行チョンプの場合(3行目が0個)
• 3行目が1個の場合
• 3行目が2個の場合
3行チョンプ(1)
• 3行チョンプについて、負け型を列挙する。
– 2行目の数が少ないものから順に並べる。
• 2行チョンプの場合(3行目が0個)
• 3行目が1個の場合
2,0
• 3行目が2個の場合
2,2,2,・・・
1,1,1,・・・
3行チョンプ(1)
• 3行チョンプについて、負け型を列挙する。
– 2行目の数が少ないものから順に並べる。
• 2行チョンプの場合(3行目が0個)
• 3行目が1個の場合
1,1,1,・・・
2,0
負け型の列
• 3行目が2個の場合
2,2,2,・・・
3行チョンプ(2)
•
•
•
•
•
•
•
•
さらに増やしたときの、負け型の列
3行目が3個 3,3,0
3行目が4個 4,4,4,0
3行目が5個 5,3,4,4,4,・・・
3行目が6個 5,5,5,0
3行目が7個 6,6,3,5,5,5,・・・
3行目が8個 7,5,6,6,0
3行目が9個 7,7,3,6,6,6,・・・
• 0で終わるか、同じ数が無限に続くものが出てくる。
• しかし、3行目が120個のとき・・・
3行チョンプ(3)
• 3行目が120個の場合
– 86,84,85,85,79,84,84,72,83,83,83,67,82,82,
61,82,80,57,81,81,81,81,48,45,74,78,78,78,
38,78,76,77,77,77,26,76,28,76,74,75,18,75,
73,74,10,10,72,73,71,3, 72,70,72,70,72,70,72,70,・・・
• 70と72が交互に出てくる。
• 必ず周期的なものになるのでは?
• 半順序集合ゲーム周期性定理により、肯定的に証明された。
半順序集合ゲーム周期性定理[S.B. 2003]
•
3行目以下の形を固定
–
•
4行目、5行目、・・・があっても良い
負け型の列は、次の2つのいずれかになる。
1. 0で終わる有限個の列
2. ある正整数pが存在して、 2行目の個数bがある数より大きい場合
はすべて、負け型の列のb番目とb+p番目は同じ数になる。
•
•
このpを周期と呼ぶ。
0で終わらない場合は、必ず周期をもつことになる。
3行チョンプの周期性[A.E.Brouwer]
• 3行目が10000個のものまで、周期が計算
されている。
–
–
–
–
–
–
右図は周期2以上のものの例。
3行目が120個で最初に周期2.
3行目が402個で最初に周期4.
3行目が2027個で最初に周期3.
3行目が6541個で最初に周期9.
3行目が10000個以下のものの中で、最大の周
期は9.
• 周期は、3行目の個数に対してかなり小さく
なる。
• 今回の研究:3行とは異なる形のチョンプに
も言えるか?
発表構成
•
•
•
•
チョンプとは
3行チョンプと周期性
3行以上のチョンプの周期性
2行チョンプのグランディ値
2行+1列チョンプの周期性
• 2行+1列チョンプの負け型の公式[E.R.B. et al 1980]
• a+bが偶数のとき
• a+bが奇数のとき
• 周期が存在する場合、必ず周期1となる。
• 以下では、それ以外の形について、計算機を用いて周期を
計算した結果を示す。
2行+2列チョンプの周期性
• 2行+2列チョンプで、周期が2以上になるもの
4行チョンプの周期性
• 4行チョンプで、周期が2以上になるもの
• 3行目以下の個数が比較的少ない
場合でも、周期が大きくなる。
• 前に現れた周期の倍数となるよう
な周期が出てくる。
発表構成
•
•
•
•
チョンプとは
3行チョンプと周期性
3行以上のチョンプの周期性
2行チョンプのグランディ値
グランディ値について
•
•
ゲームの途中の各盤面に
対して定義される非負整数。
求め方
1.
2.
•
•
•
•
動けない盤面:0
そうでない盤面:1手動いた後
の盤面すべてのグランディ値
のmex
mex:集合に含まれない最小の非負整数
0ならば、負け型
正の数ならば、勝ち型
複数のゲームを並行して行うゲームのグランディ値は、個々
のグランディ値から容易に計算できる。
グランディ値について
•
•
ゲームの途中の各盤面に
対して定義される非負整数。
求め方
1.
2.
•
•
•
•
動けない盤面:0
そうでない盤面:1手動いた後
の盤面すべてのグランディ値
のmex
mex:集合に含まれない最小の非負整数
0ならば、負け型
正の数ならば、勝ち型
複数のゲームを並行して行うゲームのグランディ値は、個々
のグランディ値から容易に計算できる。
グランディ値について
•
•
ゲームの途中の各盤面に
対して定義される非負整数。
求め方
1.
2.
•
•
•
•
動けない盤面:0
そうでない盤面:1手動いた後
の盤面すべてのグランディ値
のmex
mex:集合に含まれない最小の非負整数
0ならば、負け型
正の数ならば、勝ち型
複数のゲームを並行して行うゲームのグランディ値は、個々
のグランディ値から容易に計算できる。
グランディ値について
•
•
ゲームの途中の各盤面に
対して定義される非負整数。
求め方
1.
2.
•
•
•
•
動けない盤面:0
そうでない盤面:1手動いた後
の盤面すべてのグランディ値
のmex
mex:集合に含まれない最小の非負整数
0ならば、負け型
正の数ならば、勝ち型
複数のゲームを並行して行うゲームのグランディ値は、個々
のグランディ値から容易に計算できる。
グランディ値について
•
•
ゲームの途中の各盤面に
対して定義される非負整数。
求め方
1.
2.
•
•
•
•
動けない盤面:0
そうでない盤面:1手動いた後
の盤面すべてのグランディ値
のmex
mex:集合に含まれない最小の非負整数
0ならば、負け型
正の数ならば、勝ち型
複数のゲームを並行して行うゲームのグランディ値は、個々
のグランディ値から容易に計算できる。
グランディ値について
•
•
ゲームの途中の各盤面に
対して定義される非負整数。
求め方
1.
2.
•
•
•
•
動けない盤面:0
そうでない盤面:1手動いた後
の盤面すべてのグランディ値
のmex
mex:集合に含まれない最小の非負整数
0ならば、負け型
正の数ならば、勝ち型
複数のゲームを並行して行うゲームのグランディ値は、個々
のグランディ値から容易に計算できる。
2行チョンプのグランディ値
• a+bが偶数のとき
a
 2a  b 
g
1

 2 
• a+bが奇数のとき
  2a  b 
3(a  b  1) 
g  min 

1
,


2
 2 

(証明は省略)
• 右図のようなゲームでも、
必勝手順を求めることが
できる。
b
まとめ
• 様々な形のチョンプについて、周期を計算した。その結果、3
行のチョンプのものに比べて周期が非常に大きくなることが
分かった。
• 2行チョンプのグランディ値を求める公式を発見した。
今後の課題
• 3行目以下のブロックの数を固定した場合に、周期がどのよ
うになるかを検証する。
• 2行より大きいチョンプのグランディ値についての研究。