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ミクロ経済学
(10) 消費者余剰
丹野忠晋
跡見学園女子大学マネジメント学部
2013年6月17日
お買い得感を需要曲線で表す
 前から気に入っていた洋服がバーゲンで安く
売っていた!お買い得で嬉しい.
 人々は財に異なった満足度を得るが
 支払う価格は同じ.取引をした後の満足度は?
 実際に価格を支払ったときの財からの満足度
の残りを見たい.残りを余剰という.
 洋服が5000円までだったら買ってもよい.
 バーゲンで3000円で売られていた.この満足度
の残り 5000-3000=2000
が消費者余剰
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アイスショーへの支払意欲
5000円を支払うつもりが支払意欲(支払許容額)だ
ある財の支払意欲とは,それ以下の価格なら一単位
購入する.しかし,それを上回れば購入しないという
金額を表している.価格が支払い意欲と同額ならば
買っても買わなくても良いと思っている
イチローはアイスショーを一回見るか見ないかを検
討している.イチローの一回のアイスショーの視聴に
対する支払意欲は10,000円としよう
アイスショー価格が7,000円ならば見る.12,000円なら
ば見ない
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支払意欲から需要表を作る
もしイチローが価格7000円でアイスショーのチケット
を購入したら
10000-7000=3000
支払意欲から購入価格を差し引いた3000円がイチ
ローが得る消費者余剰だ
イチロー以外にも石川遼,ダルビッシュ,北島康介,
亀梨がアイスショーを見ようと考えている
ダルビッシュの支払意欲は8000円,石川遼は5000円,
北島は4000円,亀梨3000円.
価格7000円ならばイチロー、ダルビッシュ購入
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買い手
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支払意欲(円)
イチロー
10000
ダルビッシュ
8000
石川遼
5000
北島康介
4000
亀梨和也
3000
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消費者余剰
 消費者余剰は取引をした後の満足度を表す
 実際に価格を支払ったときの財からの支払い意欲の
残り(余剰)
 正確には支払ってもよいと考えている金額から実際
に支払った金額を差し引いた値が消費者余剰
消費者余剰=支払い意欲ー価格
 英語で Consumer Surplus と言う
 消費者余剰をCS と略す
 支払い意欲のグラフから消費者余剰を図示しよう
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支払い意欲のグラフ
支払い意欲(円)
イチローの支払い意欲
ダルビッシュの支払い意欲
10000
石川遼の支払い意欲
北島康介の支払い意欲
8000
5000
亀梨和也の支払い意欲
4000
3000
枚数
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アイスショーのチケットは何枚売れる
価格が低ければ沢山売れる
価格<支払い意欲 → 購入
価格>支払い意欲 → 購入しない
実際に売れる枚数 → 価格=支払い意欲
価格が7000円だったら何枚売れる?
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支払い意欲のグラフ
支払い意欲(円)
2枚まで売れるだろう
10000
8000
価格は7000円
5000
4000
3000
3枚目は売れない
枚数
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支払い意欲のグラフ
支払い意欲(円)
•支払い意欲イコール価格は購入量を表す
•価格7000円⇒2枚購入
•支払い意欲は需要曲線と同じ機能を持つ
10000
8000
価格は7000円
5000
4000
3000
購入量
枚数
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支払い意
欲のグラフ
は需要曲
線である
支払い意欲のグラフ
支払い意欲(円)
イチローの支払い意欲
ダルビッシュの支払い意欲
10000
8000
7000
5000
価格は7000円
4000
3000
需要量
枚数
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需要曲線(価格から数量へ)
価格
P
需要曲線
数量
Q
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需要曲線=支払い意欲曲線
 最後の一個の支払い意欲と費用(価格)が同じときは
それを購入すると考えていく
 支払い意欲を大きいほうから並べて価格と支払い意
欲が一致している支払い意欲の個数が需要量
 価格=支払い意欲⇒購入量
 これは需要曲線と同じ
 価格に対して購入しようとする数量
 支払い意欲曲線は各数量から1単位増えたときに
支払っても良い金額
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支払い意欲曲線と需要曲線
価格(円)
各棒グラフは個人の支払い意欲
10000
8000
需要曲線
5000
4000
3000
枚数
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支払い意欲と消費者余剰
支払い意欲(円)
イチローの消費者余剰=10000-7000=3000
ダルビッシュの消費者余剰
=8000-7000=1000
価格は7000円
10000
8000
7000
5000
4000
3000
需要量
枚数
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需要曲線と消費者余剰
価格(円)
需要曲線
10000
消費者余剰
8000
7000
5000
価格は7000円
4000
3000
枚数
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消費者余剰
 支払ってもよいと考えている金額から実際に支
払った金額を差し引いた値が消費者余剰
 消費者余剰を表す面積=△ABCの面積
価格
A
価格 P
消費者余剰
B
需要曲線
C
数量
Q
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個別消費者余剰と総消費者余剰
市場全体の消費者余剰は総消費者余剰と呼ばれる
イチローやダルビッシュの消費者余剰は個別消費者
余剰と呼ばれる
各個人の消費者余剰は正確には個別消費者余剰
消費者余剰は個別消費者余剰と総消費者余剰の両
方の意味でしばしば使われる.個別と総の省略
どちらなのか自分で判断
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ボーカロイドを作っている会社
AH-Software (株式会社AHS)
尾形友秀社長
ボーカロイドとは
 ヤマハ株式会社 とポンペウ・ファブラ大学(スペイ
ン)の共同研究から出発
初音ミクの特許出願について
楽しいソフトにも様々な技術や人々が係わる
会社概要
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価格の下落の効果
物の値段が下がると嬉しい.消費者余剰でどう表
現できるか?
アイスショーの価格が4500円に下落した
イチローのCS=10000-4500=5500
余剰は3000円から2500円分増加した
ダルビッシュのCS=8000-4500=3500
余剰は1000円から2500円分増加した
既存の買い手は価格下落分だけ余剰が増加
新たに石川遼が購入する
石川遼のCS=5000-4500=500
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価格下落と消費者余剰
イチローの消費者余剰の増加
価格(円)
ダルビッシュの消費者余剰の増加
10000
石川遼の消費者余剰
8000
7000
5000
4500
4000
元の価格は7000円
新しい価格は4500円
3000
新しい需要量
枚数
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価格の下落は既存と新規の消費者
への効果をもたらす
既に買っている人には均等に価格下落分だけの消
費者余剰が増える
価格下落によって新たな消費者を獲得できる
新たな消費者の消費者余剰は価格下落分よりは小
さい
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価格下落と消費者余剰
価格
元の消費者余剰
既存の買い手の消費者
余剰の増加
A
元価格 P
新価格 P’
C
B
新たな買い手の消費者
余剰の発生
E
D
需要曲線
数量
Q
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復習
 消費者余剰は取引による消費者の利益
 消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間
価格の下落によって消費者余剰は増える
元から買っている消費者は価格下落分だけ利益を得
る
新たな買い手は価格下落分よりも小さい消費者余剰
が発生する
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