てんびんのつりあい

天秤の釣り合い
棒と糸の重さは無視できるものとし,(ア)から(カ)に
はたく重さを求めよ。
天秤問題を解く上での方針
糸の重さや天秤の重さは無視できるものとする
20kg
10cm
10kg
10cm
10kg
・天秤自体が上昇しないし下降もしない→上下方向の力が釣り合っている。
・天秤が回転しない→右に回転する働きと左に回転する働きが釣り合っている。
左のおもりまでの距離×おもりの重さ=右のおもりまでの距離×右のおもりの重さ
天秤問題の解法
①10cm×100g=5cm×(カ)
→ (カ)=200g
②(オ)=100g+200g=300g
③(イ)+(ウ)=200g
3cm×(イ)=12cm×(ウ)
→(イ)=160g,(ウ)=40g
④10cm×(ア)=15cm×(オ)
(オ)=300g
→(ア)=450g
⑤(エ)=(ア)+100g+(イ)+(ウ)
(ア)=450g,(イ)=160g,(ウ)=40g
→(エ)=750g
バネの伸び(フックの法則)
・弾性限界に達するまでは,フックの法則(F(N)=kx(cmが成り立つ。ここで,
kはバネごとに固有なバネ定数であり,単位はN/cm。Fは,バネに働く力(N)
で,Xはバネののび(cm)である。
・力が働かない状態でのバネの長さを自然長と呼び,力が働いているとき
のバネの長さを全長と呼ぶ。
重さ10Nのおもりを下げたときに,自然長10cmのバネが
全長15cmになった。
このとき,
10N=k×5cm
という関係が成り立ち,バネ定数kが2N/cmであることがわかる。
従って,このバネでは,F=2Xの関係が成り立つことになる。
上図のように,おもりを下げてバネが伸びるという状況は,おもりだけがバネを
ひっぱっているという状況ではなく,おもりと天井が同じ大きさの力でそれぞれ反対向きに
バネをひっぱっているという状況である。(両方から引っ張られている)
バネの伸び(フックの法則)
=
上図の状態でバネが静止するということは,バネに働く力が釣り合っていることを
意味している。もし,おもりがバネを引く力だけしか働かなければ,バネ自体が下降
していくことになる。
2本のバネ
(直列つなぎと並列つなぎ)
すべて100gで1cmのびるバネを用いたとする。おもりのおもさが300gのとき,
それぞれのバネの伸びは何cmか?(バネの重さは無視できるものとする)
直列つなぎの時は,下げたおもりの重さも天井がバネを引く力もそれぞれのバネに等
しく働くため,どちらもバネも,1本の時と同じだけ伸びる。
並列つなぎの時は,1本のバネに働く力はそれぞれ半分になるため,それぞれのバネ
の伸びは半分になる。
1本のバネ
100gで1cm伸びるバネを用いたとする。
300g
これは,一方のおもりが壁の時と全く同じ。
300g
バネの伸び
300g
300g
300g
300g
壁
300g
全部同じ。
300g
上面の全圧力
下面の全圧力
浮力
水にものを入れた場合,その物体が押しのけた水の重さ分
の浮力が働く。
水面
浮力
浮力を求める手順は,次の通り。
① 押しのけた水の体積(沈めた物体の体積)を算出。
② 水の密度を確認(1g/cm3)。
③ ①と②を用いて,押しのけられた水の重さを算出。
水の重さ(g重)=密度(1g/cm3)×体積( cm3 )
=浮力(g重)
④単位をN(ニュートン)に変換。
1N=100g重=0.1kg重
(この換算は,F=maを用いる。地球上の 重力加速度は
およそ9.8m/s2であるため,質量1kgの物体に働く重力
(重さ)は9.8Nとなる。つまり,およそ100gの物体に働く
重力が1Nとなる。
水を別の液体(泥水など)に換えた場合は,その物体が
押しのけた液体の重さ分の浮力が働く。③の計算で用いる
密度が異なるだけ。
水圧
同じ深さであれば,どの向き(上下左右)
にも同じ水圧が働く。深さのみで水圧の
大きさが決まる。
断面積Scm2
深さxcm
深さycm
深さxcmの位置での水圧は,深さxcmの上にある水の重さによって生じる。
水の密度は1g/cm3であるため,上にある水の重さは
S(cm2)×x(cm)×1(g/cm3)=sx(g)→sx(g重)
水の体積
水の密度
Sx(g重)が断面積S( cm2 )に働くため,水圧(圧力)は,Sx÷S=x(g重/ cm2 )
深さx(cm)の位置での水圧は,x(g重/ cm2 )
深さy(cm)の位置での水圧は,y(g重/ cm2 )
浮力
断面積Mcm2
深さxcmの位置での水圧はxg重/cm2あるため,
物体Aの上面(断面積Mcm2)に働く力の大きさは
xM(g重)となる。
深さycmの位置での水圧はyg重/cm2あるため,
物体Aの下面(断面積Mcm2)に働く力の大きさは
深さxcm yM(g重)となる。
深さycm
物
体
A
物体Aに働く浮力は,この物体の上面に働く力と
下面に働く力の差となる。
浮力=yM-xM=(y-x)M(g重)
y-xは物体の長さであり,Mは物体の断面積で
あるため,上述の式で得られる数値は,物体A
の体積と同じになる。
つまり,物体が押しのけた水の体積分の重さが浮力
として働くことになる。(水を別の物質に変えた場合は,
押しのけられたその物質の重さが浮力となるため,
問題の中で与えられるその物体の密度を利用する)
浮いている物体
浮力
重力
・重力と浮力が釣り合っている。
だから,この物体は上昇しないし下降もしない。
・重力の大きさ(重さ)は,この物体の質量によって
決まる。
100gであれば,100g重であり,それはおよそ1N。
・浮力の大きさは,この物体が押しのけた水
(泥水や塩水などの場合もある)の体積分の重さ
となる。
たとえば,この物体が質量100gで体積が200cm3
とし,水の中に100cm3だけ沈んでいるとすると,
水の密度は1g/cm3なので,浮力の大きさは100g重
となる。この浮力が物体に働く重力と釣り合っている
ことになる。
水の代わりに密度1.05g/ cm3の泥水を用いた場合は,
押しのけた泥水の体積をx cm3とすると,1.05x(g重)の
浮力が働くことになる。これが,重力と釣り合って静止する
ことになるため,1.05x=100という関係がなりたち,
Xはおよそ95.2( cm3)となる。
南中高度
南中高度
●夏至の場合,北半球では,太陽の方向に地軸が傾いている。
地軸 ●角度cが夏至の日の南中高度
(太陽が最も高く上がったときの角度)
●c=90°-b
●角度bは,角度aと同位角で等しい
●a=緯度35°-地軸の傾き23.4°
北極
したがって,北半球のある緯度における夏至の日の南中高度は,
90°-(35°-23.4°)
=90°-35°+23.4°
ということで,90°-緯度+地軸の傾き23.4°となる。
緯度35°
c
a
地軸の傾き23.4°
赤道
南極
b
上記と同様な考え方で,北半球のある緯度における
冬至の日の南中高度が求められる。もちろん,
90°-緯度-地軸の傾き23.4°
春分と秋分の日は,太陽に対する地軸の傾きがない。したがって,
南中高度=90°-緯度
太陽光
赤道
*この場合,赤道の真上に太陽が来る