ワールドカップと株式市場~一喜一憂するのは人間 だ

スポーツと株価
~一喜一憂するのは人間だけじゃない??~
富山大学 山田ゼミ
倉元 本村 上野 井野口 久木 西川
1
目次
1.イントロダクション
2.先行研究
3.分析①:サッカーと株価
4.分析②:錦織圭と株価
5.まとめ
6.参考文献
2
1-1 イントロダクション
今日の日本においてスポーツは多くのメディアで取り上げられており、人々は日々その情報で
一喜一憂している
世界で活躍する日本人たちに多くの注目が集まっている
3
1-2 関連記事①
≪1200円上昇も!W杯、日本代表の勝利が日経平均も引き上げる?≫
三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉理事は、
「サッカーなどの国際的な試合で日本が勝つと、日経平均株価も上がる可能性が高い」と分析する。
その理由について宅森氏は、「日の丸を背負って戦う選手を見た人たちは、『自分も頑張らなければ』と仕事へのやる
気がアップし、物事の見方も前向きになるようです。それが端的に株価にも表れるのでしょう」と説明する。顕著だった
のは97年、サッカーW杯の初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」だ。深夜のテレビ中継にもかかわらず50%近い
視聴率を記録し日本中が熱狂した。しかし、翌朝に飛び込んできたのは、北海道拓殖銀行の破たんのニュース。株式
市場が混乱してもおかしくないほどのインパクトだが、そこはW杯の魔法だ。なんとその日の日経平均は、1200円も上
昇した。
また、記憶に新しいのは12年のロンドン五輪の男子サッカー。初戦で下馬評をくつがえし強豪スペインを倒し、その翌
日は123円の大幅高となったのだ。試合中継に合わせて日経平均が上下したこともある。
※週刊朝日 2014年5月23日号より抜粋
URL:http://dot.asahi.com/wa/2014051300062.html
4
1-2 関連記事①
大きく上昇
してい
る!!
5
1-2 関連記事②
≪「ユニクロ」株65円高 錦織効果続く≫
テニスの全米オープン男子シングルスで、日本勢として96年ぶりに準決勝に進んだ錦織圭の「経済効果」は、5日
も続いた。
ウエア契約するユニクロを展開するファーストリテイリングの株価終値は、前日比65円高の3万4035円だった。
4日も前日比で235円アップしており、連日の上昇となった。
また、錦織は使用していないものの、テニス関連銘柄としてヨネックスの株価も上昇。前日比18円高の930円で、
こちらも続伸した。
[2014年9月6日9時22分 紙面から]
朝日新聞デジタル(http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp2-201409061362495.html?style=print)
6
1-2 関連記事②
錦織選手が勝ち進
む間は株価も上
昇!!
7
1-3 研究テーマ
・関連記事を見ると、スポーツの勝敗は株価に影響を与える
・他にも類似する記事は多数見られた
スポーツの勝敗はどれほど経済に影響を与
えるか???
8
1-4 研究のねらい
スポーツの勝敗が、
経済に対して影響を与えるのかについて
サッカー日本代表と日経平均株価
錦織圭選手とスポンサー企業の株価
の統計データを用いて検証する
9
1-5 イントロダクション(Wカップ)
・W杯は国際サッカー連盟(FIFA)が主催する、
ナショナルチームによるサッカーの世界選手権大会である。
・また、サッカーの大会の最高峰と位置付けられ、
テレビの視聴者数ではオリンピックを凌ぐ
世界最大のスポーツイベントである
10
1-6 イントロダクション(錦織圭)
プロテニスプレーヤー
日清食品所属
UNIQLO(2011年~)
世界ランキング5位(11月13日時点)
2014年全米オープン 準優勝
→アジア人で初!!!
11
目次
1.イントロダクション
2.先行研究
3.分析①:サッカーと株価
4.分析②:錦織圭と株価
5.まとめ
6.参考文献
12
2-1 先行研究(1)
“Economic Impacts of National Sporting Success :
Evidence from the London Stock Exchange”
By Ashton, Gerrard and Hudson
Applied Economic Letters, 2003, 10, 783-785
13
2-1 先行研究(1) 概要
Titleの日本語訳は
「代表チームの勝利の経済的影響:ロンドン証券取引所の事例」
サッカーのイングランド代表チームの国際試合の成績とFTSE100(イギ
リスの株価指数)との関連性について調査した論文である。
具体的にはワールドカップ、その予選、チャンピオンシップ、その予選、
親善試合などの試合前の株価と試合後の株価を用いた。
14
2-1 先行研究(1) 結論
代表チームの成績が良い(悪い)と株価は上がる(下が
る)という関係が出た。
決勝戦などの重要な試合になれば、より大きな影響が出
ることがわかった。
15
2-1 先行研究(1) 語句説明:リターン
ここでいうリターンは、
ある時点の株価が、次の時点ではどれだけ上昇(下
落)したかを示す。
16
2-1 先行研究(1) 語句説明:リターン
Ex1 リターンの増加
Ex2 リターンの減少
20××年
11月20日
10000円
20××年
11月21日
10100円
リターン:+1%
11月20日
10000円
11月21日
9900円
リターン:-1%
17
勝利=
株価にプラスの
影響
敗北=
株価にマイナスの
影響
1984年1月6日~2003年7月3日
試合数
勝利後の平均リター
ン
引き分け後の平均リ
ターン
敗北後の平均リター
ン
全試合
210
0.1750%
-0.000481%
-0.1289%
決勝と予選
99
0.3085%
-0.1843%
-0.1863%
決勝
35
0.2698%
-0.2129%
-0.4150%
重要な試合ほど値大きい
18
2-1 先行研究(1) 回帰分析
Rt=a+bTt-1+et
上記の式において回帰分析が行われている
Rt :平均リターン(被説明変数)
a :定数
b :説明変数の係数
Tt-1 :勝敗ダミー(説明変数)←勝利:+1 引き分け:0 敗北:-1
et :誤差項
19
2-1 先行研究(1) 回帰分析結果(表)
Rt=a+bTt-1+et (Rt:平均リターン
Tt-1:勝敗ダミー a:定数項 b:説明変数の係数 et:誤差項)
係数
t値
有意水準
全試合
a
0.03321
2.27 **
b
0.0798
a
0.03381
b
0.260801
1.94 *
a
0.035041
2.40 **
b
0.337685
2.04 **
1.80 *
決勝と予選
2.28 **
決勝
※有意水準
**:10%以下で有意である
*:5%以下で有意である
20
2-1 先行研究(1) 回帰分析結果①
b値がプラスに有意であることから、
試合に勝利すると株価は上昇し、負けると株価は下落することが証
明された。
← Tt-1=1のときRtは+の値 Tt-1=-1のときRtは-の値
勝利ダミー
敗北ダミー
21
2-1 先行研究(1) 回帰分析結果①
Rt=a+bTt-1+et (Rt:平均リターン
b値が
プラスに
有意
Tt-1:勝敗ダミー a:定数項 b:説明変数の係数 et:誤差項)
係数
有意水準
t値
全試合
a
0.03321
2.27 **
b
0.0798
a
0.03381
b
0.260801
1.94 *
a
0.035041
2.40 **
b
0.337685
2.04 **
1.80 *
決勝と予選
2.28 **
決勝
※有意水準
**:10%以下で有意である
*:5%以下で有意である
22
2-1 先行研究(1) 回帰分析結果②
Rt=a+bTt-1+et (Rt:平均リターン
Tt-1:勝敗ダミー a:定数項 b:説明変数の係数 et:誤差項)
b値が徐々に大きくなることから
W杯決勝戦などの重要な試合になるほど、勝利したときの株価の上昇が
大きく、負けたときの株価の下落が大きい。
← bの値(勝敗ダミーTt-1の係数)が決勝時が一番大きい
23
2-1 先行研究(1) 回帰分析結果②
Rt=a+bTt-1+et (Rt:平均リターン
Tt-1:勝敗ダミー
重要な試合ほど
係数 値が大きくなる
a:定数項 b:説明変数の係数 et:誤差項)
有意水準
t値
全試合
a
0.03321
2.27 **
b
0.0798
a
0.03381
b
0.260801
1.94 *
a
0.035041
2.40 **
b
0.337685
2.04 **
1.80 *
決勝と予選
2.28 **
決勝
※有意水準
**:10%以下で有意である
*:5%以下で有意である
24
2-2 先行研究(2)
The World Cup and Economics 2014
Goldman Sachs
25
2-2 先行研究(2) 概要
「A Statistical Model of the 2014 World Cup」
ここでは2014年ワールドカップの結果を予測するための統計モデルを紹介している。
1960年からの義務的な国際試合(親善試合を含めない)すべての結果を用いた回帰
分析を基盤としている
回帰分析の被説明変数はそれぞれの試合での各チームが得点したゴールの本数で
ある。
回帰分析での説明変数は、Eloランキング、最近10試合のゴール数、最近5試合の被
ゴール数、強豪国ダミー、ホームダミー、自大陸ダミーとする。
26
2-2 先行研究(2) 概要
A Statistical Model of the 2014World Cupにおける結果予想
グループA
ブラジル
ブラジル
クロアチア
カメルーン
メキシコ
1-4
0-5
1-4
1-1
1-1
クロアチア
4-1(ブラジル勝利)
カメルーン
5-0
1-1
メキシコ
4-1
1-1
1-1
1-1
決勝トーナメント進出:ブラジル、クロアチア
決勝 ブラジル vs アルゼンチン 3-1 でブラジル優勝!!
27
2-2 先行研究(2) 概要
実際の結果
グループA
ブラジル
ブラジル
クロアチア
カメルーン
メキシコ
1-3
1-4
0-0
4-0
3-1
クロアチア
3-1(ブラジル勝利)
カメルーン
4-1
0-4
メキシコ
0-0
1-3
1-0
0-1
決勝トーナメント進出:ブラジル、メキシコ
決勝戦 ドイツ vs アルゼンチン 1-0 でドイツ優勝!!
28
2-2 先行研究(2) 結論
「The World Cup and Equity Markets」
ここではワールドカップ優勝国と準優勝国の決勝戦後の株価を世界株価指数と約1年
の期間で比較した結果からの考察が上げられている。
優勝国の場合は決勝戦後から1ヶ月間は株価は世界株価指数を
3.5%上回る。だが、長くても3ヶ月しか続かない。
準優勝国は基本的には決勝戦後から1ヶ月間は1.4%下落する。
29
2-2 先行研究(2) 結論
「Football and the Nikkei 」
日本の株式市場とFIFAランキングには、弱い負の相関関係がある
・1999年から2000年で、日経平均20000の最高値
FIFAランキング57位の最低順位
・2009年から2011年で、日経平均10000の最低値
FIFAランキング19位に上昇
30
■日経平均
■FIFAランキング
日経平均20000最高値
FIFAランキング57位に最低順位
日経平均10000最低値
FIFAランキング19位に上昇
31
目次
1.イントロダクション
2.先行研究
3.分析①:ワールドカップと株価
4.分析②:錦織圭と株価
5.まとめ
6.参考文献
32
3-1 分析 ~ワールドカップと株価~(日本代表)
<分析方法>
日本代表の国際試合350試合(1992年~)の結果と試合当
日の株価と試合翌日の株価を用いる
①株価の変動と試合の勝敗との関連性について
②予選と本戦による株価の平均リターンとの関連性について
33
3-2 分析(1)
試合翌日
試合当日
※平均リターン={(高値+安値)÷(高値+安値)-1}×100
試合数
勝った後に株価が上がった
負けた後に株価が下がった
全試合
350
80(178)
〈44%〉
39(84)
〈46%〉
予選
68
22(45)
〈48%〉
7(8)
〈87%〉
本戦
17
2(4)
〈50%〉
6(9)
〈60%〉
勝利後の株価の
平均リターン
勝利後より敗北後の
ほうが上がる
引き分け後の株価の
平均リターン
敗北後の株価の
平均リターン
350 変 -0.1653%(178)
-0.2971%(88)
0.1449%(84)
予選
68
-0.1879%(45)
-0.4803%(15)
-0.3451%(8)
本戦
17
-1.0534%(4)
-0.5770%(4)
-0.0623%(9)
試合数
全試合
化
大
34
試合翌日 試合当日
3-2 分析(2)
※平均リターン={(始値 ÷ 終値 )-1}×100
試合数
勝った後に株価が上がった
負けた後に株価が下がった
350
95(178)
〈53%〉
37(84)
〈44%〉
予選
68
26(45)
〈58%〉
3(8)
〈37%〉
本戦
17
1(4)
〈25%〉
6(9)
〈67%〉
全試合
試合数
全試合
350
予選
68
本戦
17
勝利後の株価の
平均リターン
勝利後より敗北後の
ほうが上がる
引き分け後の株価の
平均リターン
敗北後の株価の
平均リターン
-0.1139%(87)
0.0487%(85)
-0.0314%(45)
-0.1737%(15)
0.1137%(8)
-0.5358%(4)
-0.0004%(4)
-0.3366%(9)
変
-0.0049%(178)
化
大
35
3-2 分析(3)
試合翌日 試合当日
※平均リターン=〔(始値÷始値)-1〕×100
試合数
勝った後に株価が上がった
負けた後に株価が下がった
全試合
350
89(178)
〈50%〉
40(84)
〈47%〉
予選
68
22(45)
〈48%〉
6(8)
〈75%〉
本戦
17
2(4)
〈50%〉
5(9)
〈55%〉
試合数
全試合
350
予選
68
本戦
17
勝利後の株価の
平均リターン
勝利後より敗北後の
ほうが上がる
引き分け後の株価の
平均リターン
敗北後の株価の
平均リターン
-0.0728%(88)
0.1394%(84)
-0.2981%(45)
-0.1628%(15)
-0.2917%(8)
-0.8447%(4)
0.3689%(4)
0.0200%(9)
変 -0.2468%(178)
化
大
36
3-3 分析結果
日本が試合に勝つと平均リターンは下がる
Wカップ本戦などの重要な試合ほどその変化は大きくなる
37
3-4 先行研究との比較・結論
先行研究との比較
イギリスでの研究と違い日本では勝利後に平均リターンの減少が見られた
重要な試合ほど平均リターンの変化が大きいという点は同じだった
ゴールドマンサックスの研究と同様に、日本の勝利と株価の変動に負の相関
が見られた
結論
サッカー日本代表の勝利による株価の上昇は見込めない!!
38
目次
1.イントロダクション
2.先行研究
3.分析・結論①:サッカーと株価
4.分析・結論②:錦織圭と株価
5.まとめ
6.参考文献
39
4-1 分析 ~錦織圭と株価~
<分析方法>
錦織選手の試合231試合(2011年~)の結果と試合当日の企
業の株価と試合翌日の株価を用いる
①株価の変動と試合の勝敗の関連性について
②四大大会と4回戦以上による株価と平均リターンの関連性に
ついて
40
4-2 分析(1) ユニクロ(錦織圭・全試合)
ユニクロ
リターン上昇数
リターン減少数
全試合数
231
118(51%)
100(43%)
勝利数
160
81(51%)
71(44%)
37(52%)
勝利後リターン↑
29(41%)
敗北後リターン↓
敗北数
71
勝利後の株価の平均リターン
(株)ファーストリテイリング(ユニクロ)
0.19%
敗北後の株価の平均リターン
-0.15%
※ 平均リターン=(試合翌日の始値÷試合当日の終値-1)×100
※ リターン=0のときは上昇数、減少数のどちらにも含めない
41
4-2 分析(1) 日清食品(錦織圭・全試合)
日清食品
リターン上昇数
リターン減少数
全試合数
231
118(51%)
80(35%)
勝利数
160
84(53%)
58(36%)
敗北数
71
34(48%)
22(31%)
勝利後の株価の平均リターン
日清食品ホールディングス(株)
敗北後の株価の平均リターン
0.10%
※ 平均リターン=(試合翌日の始値÷試合当日の終値-1)×100
※ リターン=0のときは上昇数、減少数のどちらにも含めない
0.02%
勝利後の方が大きい!
42
4-2 分析(1) 回帰分析結果(錦織圭・全試合)
Rt=a+bTt-1+et (Rt:平均リターン
Tt-1:勝敗ダミー a:定数項 b:説明変数の係数 et:誤差項)
係数
ユニクロ
日清食品
有意水準
t値
a
0.020915
0.227717
b
0.171012
1.861912 **
a
0.056629
1.14154
b
0.039562
0.797505
※ **:10%以下で有意である
43
4-2 分析(1) 回帰分析結果(錦織圭・全試合)
ユニクロ
勝利後:Rt=0.020915+0.171012×1=0.191927→リターン上昇
敗北後:Rt=0.020915+0.171012×(-1)=-0.00357672→リターン減少
日清食品
勝利後:Rt=0.056629+0.039562×1=0.096191→リターン上昇大
敗北後:Rt=0.056629+0.039562×(-1)=0.017067→リターン上昇小
44
4-3 分析(2) ユニクロ(錦織圭・四大大会)
ユニクロ
リターン上昇数
リターン減少数
全試合数
42
21(50%)
19(45%)
勝利数
29
13(45%)
15(52%)
敗北数
13
8(62%)
4(31%)
勝利後の株価の平均リターン
(株)ファーストリテイリング(ユニクロ)
※ 平均リターン=(試合翌日の始値÷試合当日の終値-1)×100
※ リターン=0のときは上昇数、減少数のどちらにも含めない
敗北後の株価の平均リターン
0.16%
0.08%
勝利後の方が大きい!
45
4-3 分析(2) 日清食品(錦織圭・四大大会)
日清食品
リターン上昇数
リターン減少数
全試合数
42
28(76%)
6(20%)
勝利数
29
17(59%)
6(20%)
敗北数
13
9(70%)
2(15%)
勝利後の株価の平均リターン
日清食品ホールディングス(株)
敗北後の株価の平均リターン
0.21%
※ 平均リターン=(試合翌日の始値÷試合当日の終値-1)×100
※ リターン=0のときは上昇数、減少数のどちらにも含めない
0.15%
勝利後の方が大きい!
46
4-3 分析(2) 回帰分析結果(錦織圭・四大大会)
Rt=a+bTt-1+et (Rt:平均リターン
Tt-1:勝敗ダミー a:定数項 b:説明変数の係数 et:誤差項)
係数
ユニクロ
日清食品
有意水準
t値
a
0.120638
0.699772
b
0.040701
0.236091
a
0.181697
1.983466 **
b
0.031383
0.342588
※ **:10%以下で有意である
47
4-4 分析(3) ユニクロ(錦織圭・4回戦以上の試合)
ユニクロ
全試合数
43
リターン上昇数
リターン減少数
23(55%)
18(42%)
勝利数
24
12(50%)
10(42%)
敗北数
19
11(58%)
8(42%)
勝利後の株価の平均リターン
(株)ファーストリテイリング(ユニクロ)
0.19%
試合翌日
試合当日
※ 平均リターン=(試合翌日の始値÷試合当日の終値-1)×100
※ リターン=0のときは上昇数、減少数のどちらにも含めない
敗北後の株価の平均リターン
0.01%
勝利後の方が大きい!
48
4-4 分析(3) 日清食品(錦織圭・4回戦以上の試合)
日清食品
リターン上昇数
リターン減少数
全試合数
43
22(51%)
19(44%)
勝利数
24
10(42%)
敗北数
19
12(63%)
勝利後リターン↑
13(54%)
敗北後リターン↓
しかし・・・
6(32%)
勝利後の株価の平均リターン
日清食品ホールディングス(株)
0.04%
敗北後の株価の平均リターン
-0.09%
※ 平均リターン=(試合翌日の始値÷試合当日の終値-1)×100
※ リターン=0のときは上昇数、減少数のどちらにも含めない
49
4-4 分析(3) 回帰分析結果(錦織圭・4回戦以上の試合)
Rt=a+bTt-1+et (Rt:平均リターン
Tt-1:勝敗ダミー a:定数項 b:説明変数の係数 et:誤差項)
係数
ユニクロ
日清食品
有意水準
t値
a
0.326005
1.438292 **
b
0.159114
0.701993
a
-0.17006
-0.95842
b
-0.02658
-0.14981
※ **:10%以下で有意である
50
4-5 分析(4) ユニクロ
(錦織圭・四大大会・4回戦以上の試合)
ユニクロ
上昇数が多い!
リターン上昇数
リターン減少数
全試合数
9
8(89%)
1(11%)
勝利数
4
4(100%)
0(0%)
敗北数
平均リターンが1%5
4(80%)
1(20%)
を超えている!
勝利後の株価の平均リターン
(株)ファーストリテイリング(ユニクロ)
1.17%
敗北後の株価の平均リターン
0.27%
※ 平均リターン=(試合翌日の始値÷試合当日の終値-1)×100
※ リターン=0のときは上昇数、減少数のどちらにも含めない
51
4-5 分析(4) 日清食品
(錦織圭・四大大会・4回戦以上の試合)
日清食品
リターン上昇数
リターン減少数
7(78%)
1(11%)
上昇数が多い!
全試合数
9
勝利数
4
3(75%)
0(0%)
敗北数
5
4(80%)
1(20%)
平均リターンが
勝利後の株価の平均リターン
大きい!
日清食品ホールディングス(株)
0.54%
敗北後の株価の平均リターン
0.27%
※ 平均リターン=(試合翌日の始値÷試合当日の終値-1)×100
※ リターン=0のときは上昇数、減少数のどちらにも含めない
52
4-5 分析(4) 回帰分析結果
(錦織圭・四大大会・4回戦以上の試合)
Rt=a+bTt-1+et (Rt:平均リターン
Tt-1:勝敗ダミー a:定数項 b:説明変数の係数 et:誤差項)
係数
ユニクロ
日清食品
有意水準
t値
a
0.719216
3.716937 *
b
0.453052
2.341393 **
a
0.405569
1.907459 **
b
0.135562
0.637573
※ **:10%以下で有意である
*:5%以下で有意である
53
4-6 分析結果
ユニクロ
錦織選手の活躍と比例して、株価の変動が見られた。
有意性はほぼ見られる
日清食品
4回戦以上の試合以外の結果では、活躍と比例して株価の変動が見られた。
有意性あまりない
54
4-7 結論
勝利後の株価の平均リターン
(株)ファーストリテイリング(ユニクロ)
日清食品ホールディングス(株)
全試合
0.19%
0.10%
四大大会
0.16%
0.21%
0.19%
0.04%
1.17%
0.54%
4回戦以上の試合
四大大会・4回戦以上の試合
55
4-7 結論
ユニクロのほうが錦織選手の活躍による、株価の変動が大きい
錦織選手=ユニクロのイメージが強い!
56
目次
1.イントロダクション
2.先行研究
3.分析①:サッカーと株価
4.分析②:錦織圭と株価
5.まとめ
6.参考文献
57
5.まとめ
サッカー日本代表の勝敗と日本の株価に負の相関が見られたが、錦織選手とス
ポンサー企業の株価では活躍に応じた変動が見られた
Wカップと日本の株価、錦織選手とユニクロ、日清食品の株価でも重要な試合ほ
ど株価の変動が大きいという類似点が見つかった
日本で人気の高いスポーツの勝敗が日経平均に影響を与えるのかも興味深い
他のスポーツでも勝敗がスポンサー企業の株価に影響を与えているのではない
だろうか
58
目次
1.イントロダクション
2.先行研究
3.分析①:サッカーと株価
4.分析②:錦織圭と株価
5.まとめ
6.参考文献
59
6.参考文献
1.
J.K. Ashton, B. Gerrard and R. Hudson “Economic Impacts of National Sporting Success :Evidence from the
London Stock Exchange,” Applied Economic Letters, 2003, 10, 783-785
2.
Goldman Sachs Global Investment Research “The World Cup and Economics 2014”
3.
So-netブログ URL: http://sokuhouaruto.blog.so-net.ne.jp/2014-09-04-5
4.
サッカー日本代表データベース URL: http://www.japannationalfootballteam.com/
5.
スポーツナビ テニス URL : http://sportsnavi.ht.kyodo-d.jp/tennis/stats/kyodo/player/detail/men/395610.html
6.
Yahoo!ファイナンス URL:http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=9983.T&ct=b
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2897.T
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=998407.O
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ご静聴ありがとうござ
いました
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