医学研修生割り当て問題 マッチング班 実験背景 制度の変更 2003年まで医局の教授が研修 先の病院を決定していた (インターン制度) →これを廃止して米国の マッチング制度 を導入 現在発生している問題 地方病院、大学病院の人手不足 →国は、都市部病院の募集定員 削減、地方間移動の制限などを 検討中 実験の目的 医学研修生は希望の病院(人気のある病院) に行けるとは限らない。 ⇒ウソの希望(選好)を表明し、行きたい病院に 行こうとする? 都市部の病院に研修生が集中 ⇒募集定員を制御 都市部:削減 地方:増加 することによる影響は? とりあえず、結論。 虚偽申告について 虚偽の選好を申告しても得点の変動には影響を与えない 医学生には嘘をつくインセンティブはない 社会的厚生性について 地方病院の人手不足解消のため、都市部病院の定員を削減 地方病院の定員を増やす政策をすることで、社会的厚生の向 上が期待できる ☆これからその内容について説明します☆ 実験の方法(1) applicant-proposing procedure を使う →現在の制度と同じアルゴリズム 実験回数 プレーヤー 病院の定員 実験A 実験B 各5回 病院:4 医学生:16 (地方) W:3 X:3 (都市部) Y:4 Z:4 計14人 (2人OUT) (地方) W:5 X:5 (都市部) Y:2 Z:2 計14人 (2人OUT) あらかじめ、各病院と各医学生の真の選好は決めてある。 ゲームの得点は真の選好に基づいて決められる。 applicant-proposing procedureとは? それぞれの選好をもと にした、医学生と病院 の安定的なマッチング を求める方法のひとつ a:XYZ b:XZY c:XYZ d:YZX e:YXZ 1 2 X ab ac 2 c e X:aecbd 名 Y : d a b c e Y de d Z:abebc 1 名 Z b 1 名 … 5day ae d b cア ウ ト 実験の方法(2) ◎得点の決め方◎ (医学生)-真の選好表の第1志望4点、第2志望3点… どこにも行けないと0点 (病院)-マッチングの結果で割り当てられた生徒の組を、 真の選好表に当てはめて求める。 1位の生徒を獲得→16点、2位→15点…16位→1点 ex)生徒の組がランキングで{1位,4位,5位} だと、{16点,13 点,12点} の合計を定員で割った平均{13.6}を病院役のそ のゲームの得点とする。 実験の結果 ~虚偽の申告~ クロス表による分析 得点アップ 得点ダウン 計 ウソをつく 11 (11.62) 14 (13.37) 25 ウソをつかない 計 9 (8.37) 20 9 (9.62) 23 18 43 カッコは、統計的に独立な状態における期待度数(ク ロス集計表の周辺度数はそのままで、なおかつ二つ の変数の間にまったく関係がない場合に、期待される 各セルの度数)を表す。 考察(1)~虚偽の申告について~ 帰無仮説: 「虚偽申告と得点の変動に関係性がない」 自由度1、有意水準が0.05のとき、カイ2乗値が3.84 以上であれば帰無仮説は棄却される。 ここで、カイ2乗値は0.15であった。よって帰無仮説 は棄却されない。 したがって、虚偽申告と得点の変動には、統計的に 有意な関係がみられないといえる。 今回の実験のように 医学生が自分以外の選好を 知っていたとしても、虚偽の申告によって確実に得 点をアップさせる事は望めないといえる。 実験の結果 ~社会の厚生性~ 3つの評価方法 功利主義的厚生関数 a+b+c+d+・・・ ナッシュ厚生関数 a*b*c*d* ・・・ ロールズ厚生関数 min{a,b,c,d, ・・・ } } 社会全体の効率性 社会公平性の判断 厚生関数の評価 実験の5回のゲームにおける学生の得点 を用いた各厚生関数の平均 功利主義的厚 生関数 ナッシュ厚生関数 ロールズ厚生関数 実験A 46.4 0.079 1.6 実験B 47.8 0.130 2.2 増加率 +3% +64.6% +37.5% 3つの厚生関数において、すべての値が実験Bにおいて増加し ている。 功利主義的厚生関数はわずかだが、増加している。 ナッシュ、ロールズは公平性が明らかに増したことを示している。 考察(2)~社会厚生について~ すべての厚生関数について、数値が増加して おり、実験Aに比べて実験Bの社会的厚生は 高まったといえる。 したがって、地方病院の人手不足解消のた めに、都市部病院の定員を削減して、地方病 院の定員を増やす政策をしても問題はないと 考えられる。 結論 虚偽申告について 虚偽の選好を申告しても得点の変動には影響を与えない 医学生には嘘をつくインセンティブはない 社会的厚生性について 地方病院の人手不足解消のため、都市部病院の定員を削減 地方病院の定員を増やす政策をすることで、社会的厚生の向 上が期待できる 今後・・・ ○実験Bで病院に必ず選ばれない2人が存在す る。病院に割り当てられない医学生が存在し ない実験をして、比較・検討してみる必要があ るだろう。 ○病院のデータ数を増やし、病院が嘘をつくインセ ンティブがあるのか、比較・検討してもよいだろう。 参考URL http://www.pmet.or.jp/ ⇒財団法人医療研修推進財団 http://www.jrmp.jp/match_dir/common/jrmp_1_ 4_about.html ⇒日本医師臨床研修マッチングプログラム http://www.dc-training.or.jp/matchswf.html ⇒財団法人歯科医療研修振興財団 http://risya.hus.osakau.ac.jp/taroh/SocialStatistics/ss04/2ReadingCross Tab.pdf ⇒クロス集計表の読み方 渡邊先生、大久保先生 グループのみんな 実験に協力していただいた ありがとうございました。 おつかれO(≧▽≦)O みなさま、ありがとうございました。 謝 ありがとうございました 謝
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