情報セキュリティ: 2006年5月12日

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情報セキュリティ
第4回:2005年5月12日(金)
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本日学ぶこと
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使い捨てパッド
DES (Data Encryption Standard)
AES (Advanced Encryption Standard)
ブロック暗号のモード
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本日の授業で学ぶ語句
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符号化,XOR,使い捨てパッド,鍵管理,ストリーム暗号
DES,ブロック暗号,ファイステル構造,ラウンド,サブ鍵,ラ
ウンド関数,トリプルDES
AES,Rijndael,SPN構造
ブロック暗号,ブロック,ブロック長,ストリーム暗号,ECB
モード,CBCモード,CTRモード
使い捨てパッドは無条件に安全だが,非実用的
ファイステル構造は,暗号化と復号が同じ構造(サブ鍵の順
序が反対)
AESは,コンペ方式による標準化で選定された
対称暗号を使いたいなら,AES
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(復習)暗号系を図にすると
平文
暗号化
平文
暗号
化鍵
復号
鍵
復号
盗聴可能な
通信路
暗号文
暗号文
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(復習)単一換字暗号は
平文
平文
abc...
WYH...
暗号化
暗号
化鍵
復号
鍵
復号
WYH...
abc...
暗号文
暗号文
5
使い捨てパッドは
平文
10101 暗号
化鍵
復号 10101
鍵
暗号文
復号
01001
01001
暗号化
11100
11100
平文
01001
暗号文
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排他的論理和の性質





xy=yx
xx=0
xyy=x
xを平文,yを鍵とみなすと,
この式は,使い捨てパッドにおける
暗号化と復号の関係を表す.
x=y ⇒ xz=yz
z = x  y ⇒ x = z  y, y = x  z
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使い捨てパッドは解読可能?


既知平文攻撃や選択平文攻撃を用いれば,暗号化に使用し
たビット列を求めることができる.
q c = k  m ⇒ k = c  m
しかしこれで求めた k は,(平文,暗号文)=(m,c)という暗号化
の鍵としてしか使えない.
q
k を知っても,それ以外の秘密通信の復号・解読には役に立た
ない
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ビット列をどのようにして共有する?

事前にビット列を共有しておき,暗号化・復号のたびに,使用
したビット列に線を引いて消す.
10110101
11110010
01101011

10110101
11110010
01101011
暗号化する側がビット列を生成し,暗号文と別のルートで秘
密に送る.
暗号化鍵
復号鍵
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ファイステル構造の数式表現(暗号化1)
Li-1
ki
Ri-1
f
Li

Ri
i 番目のラウンド(最終ラウンドでないとき)
q
q
Li = Ri-1
Ri = Li-1  f (ki , Ri-1)
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ファイステル構造の数式表現(暗号化2)
Li-1
ki
Ri-1
f
Li

Ri
最終ラウンド
q
q
Li = Li-1  f (ki , Ri-1)
Ri = Ri-1
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ファイステル構造の数式表現(復号1)
Li
Ri
ki
f
Li-1

i 番目のラウンド(最終ラウンドでないとき)
q
q

Ri-1
Ri-1 = Li
Li-1 = Ri  f (ki , Li ) = Ri  f (ki , Ri-1)
最終ラウンドのときは各自考えること
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AES(Advanced Encryption Standard)

Rijndaelともいう
q

NISTが公募して2000年に選定
q

安全性を評価したのは情報セキュリティの専門家
鍵長は128,192,256ビットから選べる
q

ファイステル構造ではなくSPN構造を採用
ブロック長(平文・暗号文の長さ)は128ビット固定
特許などの制限がなく無料で利用可能
q
DESは「兵器」であり,かつて輸出規制があった
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DESとAESに関わる組織と考案者
NSA
NBS
選定
修正
Lucifer
応募
IBM
(Feistel他)
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

改組
DES
NIST
米国
当局
選定
Rijndael
AES
暗号
方式
応募
Daemen &
Rijmen
考案者
NSA:米国安全保障局,National Security Agency
NBS:米国商務省標準局,National Bureau of Standards
NIST:米国国立標準技術研究所(綴りは教科書参照)
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暗号アルゴリズム設計者の苦悩


暗号化や復号が高速にできると,解読も高速にできてしまう
かもしれない.
処理速度が,暗号化<復号というアルゴリズムは?
q
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圧縮ソフトウェアでは圧縮<伸張のことが多い.
暗号化<復号のアルゴリズムを考案すると,構造が複雑になり,
思わぬところから欠陥が見つかるかもしれない.
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