音楽業界再起への条件 -今後のレコード会社のスタンスとは- 東洋大学塚田ゼミナールCチーム 佐藤弘章 ※CDジャケット写真等一部画像を 消去した上で掲載しています。 1 CDが売れない時代になってきた CD生産量推移 約1億枚の 減少!! (単位:千枚) 500,000 450,000 400,000 350,000 300,000 250,000 200,000 150,000 1998年のミリオンセラー 100,000 アルバム 27作品 50,000 シングル 17作品 0 1998 ミリオンセラーが減少 2002年のミリオンセラー アルバム 15作品 シングル 1作品 1999 2000 2001 2002 ※CDは年々売れなくなってきている 2 CDが売れない時代になってきた 音楽業界は 冬の時代に CDが売れない今、 突入した 今後のレコード会社は 目的:「レコード会社の どうしたらいいのか? 今後のスタンス」 を予測する 3 CD売上不振の理由 シングル市場の低下 CD 何 故 こ こ ま で は 売 れ な く な っ た の か ? シングル曲 多数収録 ベスト盤 乱発 カラオケ 参加人口 減少 CD-R機器の増加 安価で 入手可能 カジュアルコピー CCCDについて 強力な楽曲が少ない で は レ コ ー ド 会 社 は ど う す れ ば い い の か ? 4 CDは年々売れなくなってきている シングルと 250,000 アルバムで CD生産量推移(単位:千枚) 約5000万枚の差 が生まれている 200,000 150,000 100,000 50,000 0 1993 1995 アルバム 1997 1999 2001 シングル シングルは年々売れなくなってきている状況 5 何故シングルCDが売れないのか? シングル収録曲がアルバムに全て収録され てしまうので、シングルを買う必要が無いの ではないか? ベスト盤が発売多発状態になっており、シン グルを買う必要が無いのではないか? カラオケ参加人口の減少に伴い、今までカ ラオケを練習する為に買う層が失ったので はないか? シングルの存在意義がわからなくなっている 6 シングル曲(c/w含め)の多数収録 中島美嘉「LOVE」はシングル全曲を収録。 シングル「雪の華」 アルバムは12月15日付で約93万枚売上 だけは、発売2ヶ月で 約17万枚を売り上げる しかしシングルは平均約10万枚の売上 シングルの価値が千円を出して買うような物でなかっ たら、アルバムだけ買うというユーザーが多い 7 ベスト盤の発売多発 ベストアルバム 「B☆ E☆S☆T」 24万9000枚の売上 先行シングル 「Out Of Orbit ~Triple ZERO~」 6万5000枚の売上 その前のシングル T.M.Revolutionを例にする 「BOARDING」 12万1000枚の売上 ベスト盤「B☆E☆S☆T」を発売 ベストアルバム発売多発は、「ベストアルバムが出るなら…」 とユーザーに思わせてはいないか? 購入機会損失をレコード会社自体が起している 8 カラオケ参加人口の減少 レコード会社が 自ら起したシングルの、 シングル生産量の カラオケで歌い易い楽 5800 16000 曲が次々と発売された グラフと同様な下げを起 5600 14000 している 購入機会損失により、 5400 12000 5200 シングルの存在意義が、 10000 5000 8000 4800 6000 わからなくなってきている。 4600 4000 (単位:万人) カラオケ参加人口とカラオケボックスの推移 4400 4200 2000 0 だからシングルは カラオケ参加人口 カラオケボックス 売れなくなってきたのでは? 1997 1998 1999 2000 2001 2002 カラオケ文化が冷めたことにより 9 カラオケの為に買っていた層が消え去る ・CCCDのコピーガード解除方法がネット上で流れている。 ・CCCDを「普通のCD」として読み込んでしまうドライブがある。 コピーガードの 安く手軽にオリジナルCDができる デジタルコピーに対して 意味が無い 防備するフォーマット CD-R機器の増加 1枚20円~ 「コピーコントロールCD」 100円程度 10000円 1枚200円程度 ではCCCDを導入したこと による影響はあるのだろう か…? 30000円強 MDよりも安価で手に入る! その為カジュアルコピーが蔓延 そこで各レコード会社は…?10 CCCD導入後(浜崎あゆみ) CCCD導入前シングル CCCD導入後シングル 売上にして 「Dearest」 「Free&Easy」 約25万枚の差が生まれる 売上枚数約75万枚 売上枚数約49万枚 音楽は嗜好品とは違い、CCCDだからといって売上が下がるとは言いがたい。 では、エイベックス全体としてはどうなのか・・・? 12 CCCD導入後(エイベックス) エイベックスはCD販売不振で株価・売上下落 CCCDを導入したことは 間違いなく売上に悪影響を起した CCCDを CD機器の増大は、 導入したのだから、 CDを売れなくさせている原因だが、 違法コピーで利益減少 というのはおかしいの その原因を解消する為に、 ではないか? CCCDを出すのは間違ってないか? しかしそれでも尚、違法コピーを利益減少 の原因としている矛盾点 13 強力な楽曲が少ない 浜崎あゆみの大量リリース デビューシングルから 31枚目シングルまで 「約5年」の驚異的 ハイペース 大量リリースは確実に飽きを生む 大量リリースは確実に商品価値を失う 14 CDが売れない現実 シングル市場の低下 CD-R機器の増加 強力な楽曲が少ない レコード会社は「CD」だけを 売るだけに、 必死になってないだろうか? 「CD」以外にも レコード会社のビジネスはあるのではないか? 15 今後のレコード会社は? ライブオーガナイズ ネットビジネス展開 音楽配信 着メロ 着うた パッケージの多様化 SACD DVD-Audio 価格の問題 CD+DVD レ コ ク ー ロ ド ス音会 オ楽社 ーには バ関 ーる すプを るロ売 べセる きスだ でをけ は で ? は な く CD CD レ コ ー ド 会 社 の ビ「 ジ ネ」 ス以 は外 あに るも の で は な い か ? エ ン タ ー テ イ ン メ ン ト ・ コ ン テ ン ツ ・ プ ロ バ イ ダ ー へ 16 ライブオーガナイズ レコード会社はライブに対し、 援助金などを支払う後援的存在 コンサート入場者数と公演本数の推移 ではレコード会社がライブを、 コンサート市場は 上昇傾向にある 企画運営したらどうか? 16700 入場者数 公演本数 16100 16010 生の演奏を見たいユーザーがいるのだから、 14300 13000 10500 9910 ライブは一つの音楽の販売方法として、 9,500 9,500 8,600 巨大になればなるほど収支は コンサートはCDと違っ 考えていいのではないか? て「生」の実感を味わ 間違いなく赤字になる。 える 生のコンサートはCDと しかしアーティストのイメージは 1997 1998 1999 2000 2001 違ってコピーできない 間違いなくアップし、プロモーションにはなる。 公演本数 入場者数 17 ネットビジネス展開 有料コンテンツを 購入した層が少なすぎ る 93.2 85.3 コンテンツには金を 90.7 払いたくない層が 現代の日本人は 20 40 60 80 100 ブロードバンドユーザーがコンテンツに出して 多すぎる もいいと思う料金(単位:%) 有料コンテンツ購入経験有無(単位:%) ナローバンド 6.8 ブロードバンド 14.7 全体 9.3 0 ネットコンテンツ購買意欲がほぼ無い 購入経験有り 購入経験無し 1~999円 27.9 1000~2999円 3000円以上 出すつもりは 無い 0.7 58.2 13 19 ネットビジネス展開 ユーザーの声にあった課金システム の整備がまだ不完全 ネットビジネスで主力になる 「音楽配信」の認知度も低い ネット配信の認知度が無い 有料音楽配信の認知度 (単位:%) 音楽配信はまだ完全成功していない 38 2 21 しかし 40 成功しているネットビジネスがある 知っていた・使用したことがある なんとなく聞いたことがある 知っていた・使用したことは無い 全く知らなかった 20 携帯電話 着メロ市場は 急激に拡大している そこで!! 2001年では600億円を 着メロに 超える巨大マーケット 着うた 変わり… CDの音源をそのまま使う のでレコード会社が所持 従来の着メロでは レコード会社にメリットは無い する原盤権が関係してくる 21 着うたは、 年々DL数が ネットビジネス展開 avex楽曲着うたDL数 増えてきた。 450000 400000 350000 300000 250000 200000 150000 100000 50000 0 2002年12月 着メロ・着うたが 着メロ・着うたは、 急成長を 今後まだまだ急成長を遂げる。 上げたからと考 えていい結果に 一つの音楽を聞かせる手段として、 着メロに対する音楽著作権使用料微収額 (単位:億円) なった レコード会社がこの業種に参入するのも、 2003年2月 2003年4月 一つの手ではないか? 100 50 12.2 0 2000年度 38.3 2001年度 73.2 2002年度 22 パッケージの多様化 「CD以上の環境でより良い音を」 「DVD music」 「DVD-Audio」 CDだけではない違う環境での音を、 「Super Audio CD よりもっとリスナーへ届けるべきではないのか? (SACD)」 しかし日本の現状ではまだ新フォーマットは 普及されていない CD以外にも新しいフォーマットを採用することにより、 CDではカバーしきれない音域の深い音色や声、空気感までも表現することができる 23 DVD+シングルCDを普及するべき 聞く「CD」と見せる「DVD」をセットにして発売する ことにより、楽曲の魅力を最大限に引き出せる事 が可能 DVDはそう簡単にはコピーできない 「CD+DVDセット」はCDシングルチャートとして扱 われる アルバムだと、年に1枚程度しかリリースができな い。しかしシングルでは発売サイクルが短い。 手軽に聞ける「CD」と手軽に見れて普及している「DVD」が セットされることにより、ユーザーの購買意欲を増大させる 24 結論 アーティスト一人一人が製品製作者であり、 一つ一つの楽曲は、「製品」であり、 そのアーティストを育成すべきなのがレコード 会社である。 その「製品」を最大限に、 CD販売だけではなく、 レコード会社は「エンターテインメント・コンテ ンツ・プロバイダー」へスタンスを変化し、自 色々な方法を通じて売るのが、 社が所有するコンテンツを生かし、アーティス レコード会社の新形態だ トが新たに作り出す音楽コンテンツも最大限 に生かすべきではないか。 25 ECP 製品 ECPは、 市場・ユーザー 原盤製作を行う アーティストを アウトプット 販売 管理しサポートする 製造 この間のプロセスは中々、 マネージメント アーティスト自らが、 コンテンツ 行うのは難しい マネージメント (版権)管理 コンテンツ制作・保有 原盤 アーティスト 原盤製作 (レコード会社) 26 最終結論 レコード会社は、 エンターテインメント・コンテンツプロバイダーと スタンスを変化し、 楽曲という一つの製品を生み出す、 アーティストをサポートし、 よりもっとアーティストや楽曲の可能性を引き出し、 より音楽業界を今よりも変えていくべきでは? 27
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