現代社会と経営 (11月15日:会社とは何か)

現代社会と経営
(11月15日:会社とは何か)
長岡技術科学大学
情報経営系教授 阿部俊明
1.会社とは
• 会社とは
*「営利」を目的とした
ーまず、儲けることー
*「社団」
-人の集まり
*「法人」
-人もどき(人に準じる)
株式会社の構造
株式会社
・破産したとき
・株主総会(1株1議決権)
・取締役
・代表取締役(社長)
出資
(資本金)
(返ってこない。
株券は売却可)
株主
(社員)
・株主は債権者に対して会社の借金を
返す必要なし(有限責任)
・財産を処分する際には債権者が優先
(株主は残りがあった時だけ分配)
配当
(儲けたとき)
返す(金利を付けて)
(儲けなくても)
貸す
(返ってくる)
債権者
(銀行)
株式会社
基本的事項の決定
取締役の選任、解任
株主総会
•代表取締役はいなくて
もよい(取締役が代表)
•委員会設置会社では、
執行役を置き、代表執
行役は任意
•取締役会は公開会社
等を除き任意
•善管義務あり
取締役会
重要な業務の決定
代表取締役の選任、解任
代表取締役
業務の執行
会社を代表
*上記は、典型的な場合を示しており、小会社・大会社や閉鎖会社では修正されている。
資本金とは何か
・資本金とは、会社に留保されている、一定の金額
(原則、株主が会社に支払う出資金)
・資本金は、会社財産を確保するものであり、会社債権者(銀行等)
のよりどころとなるもの
・資本金はむやみに減少(原資)できない
(株主総会の決議、債権者保護規定)
・株主が、出資金を回収しようとする場合には、株式の売却による
(資本金の払い戻しではない)
公開会社と閉鎖会社
・閉鎖会社(非公開会社)とは、株式の譲渡に会社(取締役、
取締役会等)の承認を要する会社
・公開会社とは、株式の譲渡に会社の承認が不要な会社
・上場会社は、公開会社
・中小企業は、ほとんどが閉鎖会社
・公開か非公開かは、定款(会社の決まり。株主総会で決める)で定め
る。
有限責任と無限責任
・有限責任会社とは、社員(株主)が会社の債権者(銀行
等)に対して責任を負わない会社
(会社が破産しても、株主は借金を返す必要なし)
・無限責任会社とは、社員が会社の債権者に対して責任を
負う会社
(会社が破産したときは、社員は借金を払う必要がある。
・株式会社は、有限責任会社の典型
・合名会社は、無限責任会社の典型
取締役の責任
・取締役は、会社(株主)のために働かなければならない。
自己の儲けのためではない。
→善管義務(善良な管理者義務)と言う
・取締役が任務を怠った場合には、会社、株主、債権者に対して責任を
負う(賠償責任)
←株主が起こす訴えを株主代表訴訟と言う
・代表取締役(社長)が暴走したと言っても、他の取締役も責任を負う
会社の種類
• 株式会社
資本金は1円以上(旧法では1千万円以上)
社員は有限責任
• 合名会社
社員は無限責任
• 合資会社
無限責任と有限責任の社員がいる
• 合同会社(新法で新設)
社員は有限責任 内部の関係は実質組合方式
*06年7月からの商法改正で、会社関係は会社法に分離
・有限会社の廃止 ・合名・合資・合同の各会社は持ち分会社と言う
株式会社の運営(その1)
• 株主総会では、株式数に応じ、その多数決に
より事項を決定する。
• 新たな株式を発行することにより、資本金が
増加。資本金は出資者に返す必要はない。
• ただし、新たな株式の発行により、既存の株
主の出資比率が減少。
株式会社の運営(その2)
• 株主のメリット
*配当・・儲かったら株式数に応じて利益を
配分
*株式の売却・・株価上昇の際は売却益
• 株主のディメリット
*会社が破産の場合には何も戻ってこない
*株価下落の可能性
日本の企業数
日本の会社の数は約434万社(04年)。このうち99.7%は中小企業
1994年と2004年における規模別事業所数の比較
開業率が高い上位10業種
(事業所ベース、年平均、2001~2004年)
インターネット、社会保険関係の開業率が高い
業種別開業率
創業分野(性別)
女性は、卸売・小売、教育・学習支援に集中する傾向がある
女性の創業活動と子育て
女性の有配偶者の38%は、幼児を有しながら創業活動を行っている
創業者の年齢構成(性別)
女性は男性に比べて若い創業者が多い