Vol50 - OCN

小笠原野生生物研究会会報第50号
2011.5.28
OWRS News Letter Vol. 50
野
生
研
活
動
報
告
「平成22年度南島周辺外来種排除」の結果に
ついて
タツノツメガヤ
• イネ科
• 学名Dactyloctenium
aegyptium
• 熱帯アジア原産の外来種。
• 一年生草本。
• 茎は高さ10-30cm。
• 種子と地下茎により繁殖す
る。
• 小笠原だけでなく日本本土
(中部地方以南)に分布。古
い時代に侵入した。
• 畑,牧草地,荒れ地,道端
などに生育する。
目次:
野生研活動報告1
南島外来種排除
1
野生研活動報告2
植栽木生育調査
2
野生研活動報告3
雑草の会現地観察会
3
研究報告
植物の小笠原島名
3
フィールド情報
ソコトラ島見聞記
4
編集後記ほか
6
昨年度、野生研では小笠原支庁より
「平成22年度南島周辺外来種排除」の
事業を受託しました。事業内容は南島
外回りのラピエ部の外来種植物排除
(抜き取り)作業です。作業は9-3月
の 間 に 作 業 員 4 人 で 10 回 相 当 分 で し
た。僕が現場代理人となり毎回作業に
出かけ、ほかに作業員として会員3人
との計4人で作業をしました。
結果は、排除量の合計が約600kg
で、タバコ、ハハキメヒシバ、タツノ
ツメ ガヤ、ムラ サキヒゲシ バがおも
だったところです。タバコは茎や葉ま
で全部を運び出すとかなりの重量にな
るので、種と根の部分だけを持ち帰り
ました。量は少なかったですが他には
シンクリノイガ、イヌホオズキ、オオ
アレチノギクなども除去しました。
外来種の樹木もわずかですが生えて
いました。モクマオウ数本、シマグワ
1本、ガジュマル1本を見つけました。
これらは根本付近から鋸で切り取り、
切り口に除草剤のラウンドアップを塗
布しました。
10回の作業で南
島の周辺全域をお
おむね作業したの
で す が、北側 の 一
部については作業
が手薄な状態で終
了しました。
この作業は「暑
さ」、「危 険」、
「運 搬の 大変 さ」
との戦いでもあり
ました。
「暑 さ」につ い
ては11月いっぱい
までの作業はなか
なか暑くて大変で
し た。休 憩 時 間・
昼食時間も日陰を探すのが大変でし
た。
「危険」は皆さんご存知でしょう
けれど、南島のラピエはとても尖って
います。特に作業する場所は観光ルー
トではないので、人が歩かない分、と
ても尖っています。そこを歩くのでと
ても気を使います。ラピエに引っかけ
てズボンやシャツを破く人もいました
(僕も数回)。服だけでなく直接肌を
傷つけることも心配されます。かすり
傷程度は何度かありましたが、幸い大
きなケガはなかったです。
「運 搬 の 大 変 さ」は「危 険」と も
からむのですが、作業した場所からサ
メ池の所まで背中に10kg以上を背
負って運ぶのです。ラピエの上を通ら
ないと行けません。バランスをとるの
が大変です。島の先端の方の作業だと
運ぶだけで30分以上かかる所もありま
す。海が穏やかだと作業場所に近い所
に船をつけてもらうことも可能なとき
もありましたが、それはわずかでし
た。作業より運搬のほうが苦労しまし
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OWRS News Letter Vol. 50
たね。
楽しみもありました。「眺め」「い
けない場所」「海岸植物」です。天気
がいい日は作業しながらいい眺めを楽
しめます。しかも普段観光ではいけな
い場所です。そして父島ではあまり見
られないツルワダン、オガサワラアザ
ミ、ナハカノコソウなどがあちこちで
見られました。
今年度もこの作業は受託できそう
なので、「暑さ」「危険」「運搬の大
変さ」に耐えられる方、お手伝いくだ
さい。昨年度の経験を生かして、少し
は作業の大変さが改善できるとは思い
ます。
吉井信秋
「平成22年度地域ボランティアによる在来種
植栽地における植栽木の生育状況調査事業報
告書」について
植栽木の樹高測定の様子
昨年度、野生研では林野庁関東森林
局より「平成22年度地域ボランティア
による在来種植栽地における植栽木の
生育状況調査事業」の業務を受託しま
した。これは小笠原諸島の国有林内に
おける植栽木の現況を把握するもので
す。
調査対象箇所は父島19箇所、母島1
箇所でした。父島では長崎、村民の森
(天 文 台 奥)、東 平、小 港、焼 場 海
岸、扇 浦 な ど、母 島 は 堺 ヶ 岳 付 近 で
す。
調査項目は個体調査(樹種、胸高直
径、樹 高、GPS 位 置、図 化 な ど)、タ
グ 付 け、外 来 種 の 抜 き 取 り、デ ー タ
ベース作成などがありました。
実際のタグ作り、個体調査、タグ付
けは会員数人が交代で実施しました。
作業後のデータ取りまとめは僕を含め
た3人で作業しました。
全植栽個体は22種の樹木で1772本で
す。シマホルトノキが850本と半数近
くを占めていました。母島の1箇所は
ハハジマノボタン1種です。そのうち
成育が確認されたのは1108本、生存率
62.5%でした。樹種別の生存率では海
岸に植えたモモタマナ(92%)、タマ
ナ(78.1%)がかなり高く、山地では
シマホルトノキ(66.8%)も平均値を
越えていました。
外来植物の侵入状況は樹冠が開い
た開放地でホナガソウが目立ちまし
た。またギンンネムやリュウキュウマ
ツの侵入もありました。
この調査ではタグは手作業で作っ
たため準備にかなり手間がかかったよ
うです。さらにデータの取りまとめも
1000以上のデータの集計にはかなり苦
労しました。
今後、会員の皆様が調査地付近に行
かれることもよくあると思います。道
端でステンレス棒にタグのある樹木を
見た場合、もともと植栽木でこの調査
で確認したものです。やさしく見守っ
てあげてください。
吉井信秋
雑草の会 現地観察会に参加して
コウヤマキ
4月3日おがさわら丸の入港日、午
前中に雑草の会現地観察会がありまし
た。 以前から、雑草の会に一度参加
してみたいと思っていたのですが、な
かなか機会がなく
今回が初めての参加でした。今回は、
浄水場の移設予定地二子で開催されま
した。
「ところで観察会の場所『二子』と
いう地名をご存知でしょうか?普段あ
まり耳にしないかもしれませんね。地
名の『二子』とは双子のような小山が
2つあったことから、見かけ通り名前
が付けられたようですが、戦時中崩さ
れ 現 在 は、双 子 の よ う に 見 え ま せ
ん。」観察会は、延島さんのそんな話
から始まりました。
参加者は、安井先生、延島さんを含
め9名でした。皆さん顔なじみの方達
ばかりで、和やかな雰囲気です。一つ
一つの植物の名前とそれにまつわる話
を丁寧にしてくださいました。参加者
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小笠原野生生物研究会会報第50号
の中には、森の中でよくお会いする首
都大学の学生さんもいて種の進化につ
いての興味深い話を聞く事もできまし
た。2時間あまりの観察会でしたが、
30種類くらいの植物を観察しまし
た。その中で、一つだけ名前の知らな
かったものがあります。以前から気に
はなっていたのですが、調べる事もな
かったので、名前が分かって良かった
です。その木は『イヌマキ』と言いま
す。貞頼神社付近(小笠原村管理の遊
歩道入り口)でたくさん見られます。
庭木や防風林あるいは、材としての利
用価値も高いことから屋敷周りに植栽
されたのでしょう。優良材とされる木
にコウウヤマキ(ホンマキ)がありま
す。この木に比べると若干劣る事から
イヌがついてイヌマキとなったようで
す。
固有種がたくさんある山の中は、
もちろん楽しいのですが、人の生活が
あった場所をゆっくり観察するのも楽
しいものですね。人により持ち込まれ
た木も、何らかの理由があります。今
イヌマキ
後もこのような現地観察会に参加させ
てください。楽しい時間をありがとう
ございました。
島田克己
研
究
報
告
植物の小笠原島名
津山先生からいただいた文献で、発行年は確認できませんでしたが掲載します。
ヒノキ科
ヤシ科
タコノキ科
イネ科
ニレ科
クワ科
イラクサ科
クスノキ科
ハスノハギリ科
ツバキ科
オトギリソウ科
バラ科
マメ科
モチノキ科
ホルトノキ科
ミカン科
シマムロ
ヒデノキ(火出の樹)、スプルース(Spruce)、スプルース・ウッド
(Spruce wood)
ノヤシ
キャベージ・パーム(Cabbage palm)、ウラダヤシ
オガサワラビロウ
ベンパーム(Ben palm、又はPenn palm)、キャベージ・トリー
タコヅル
ツルダコ、ハイダコ、シュガー・ケーン(Sugar cane;サトウキビに似て
いるから
タコノキ
ロハラ、ルーワラ(Lau hala、タコノキ属の葉のハワイ島名)(タコノキ
属のハワイ島名はHala 又はPu hala)Lohara(Cholmondeley,1915)
ハチジョウススキ
マグサ(八丈島方言 栽培品種に対するもの)
シマチカラシバ
バカドリグサ、Goomy bird grass
ウラジロエノキ
モーリー・ウッド(?)、ママッキ(方言?)
トキワイヌビワなど ミルク・ウッド(Milk wood)
オガサワラグワ
モルベリー・ウッド(Mulberry wood)
オガサワラモクマオ ペーパー・ウッド(Paper wood)
マルバヤブニッケイ ティー・ウッド(Tea wood)
オガサワラアオガシ ヤマグス、ウシダミ
(ムニンイヌグスなど)
ハスノハギリ
ソフト・ハーオ(Soft hau)、ソフト・ウッド(Soft wood)
ヒメツバキ
ローズ・ウッド(Rose wood)
テリハボク
ヒー・トリマナ、ヒータマナ(He Kamani;heは雄の意、Kamaniはテリハボ
クのハワイ島名)
シマシャリンバイ
アックス・ハンドル・ウッド(Ax handle wood)、サンドル(前者の変
型)
シロツブ
バラヤ・ビーン(Brier bean)
ムニンデイコ
ビーデ・ビーデ、ウリウリノキ(Wiliwili、ハワイ産の同属のハワイ島
名)
ムニンイヌツゲなど ヤマツゲ
チギ
Shanddock(シマホルトノキも同様)
シロテツ
ホワイト・アイロン・ウッド(White iron wood)
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アコウザンショウ
アコウ、ポイゾン・ウッド(Poison wood)
モンテンボク
モンテン・ハーオ(mountain hau)、モンテン・ハーオ・ウッド
( mountain hau wood)
ハマイチビ(カイガンイチビ) スワンプ・ハーオ・ウッド(Swamp hau wood)
シクンシ科
モモタマナ
(モモ・Kamani)、シー・タマナ(She Kamani;Sheは雌の意 テリハボク
参照のこと)
フトモモ科
アデク
レッド・アイロン・ウッド(Red iron wood)
ウコギ科
ムニンヤツデ
ハビラ(葉広の意か?)
ヤブコウジ科
モクタチバナ
シー・ベリー・ウッド(She berry wood;SheはSeaか? 不明)
アカテツ科
アカテツ
クロテツ、ブラック・アイロン・ウッド(Black iron wood)
モクセイ科
ムニンネズミモチ
シダキ
キョウチクトウ科 ヤロード
(Yellow wood)
ムラサキ科
モンパノキ
メガネノキ、メガネフ
タマツヅラ科
オオバシマムラサキなど ハシキ
クサトベラ科
クサトベラ
チシヤッパノキ、ヤギソウ、カイガンタバコ、タバコ
アオイ科
なお、トキワギョリュウに対するメリケンマツのような比較的に新しい島名は省略した。
安井隆弥
フ
ィ
ー
ル
ド
情
報
ソコトラ島見聞記
龍血樹
• リュウゼツラン科(APGⅢ
(注)ではクサスギカズラ科)
• 学名:マカロネシア各地
(カーボベルデ、カナリア諸
島、マデイラ諸島、アゾレス諸
島など)に産するものは
Dracaena draco 、ソコトラ島
固有の種はDracaena cinnabari
• 英名dragon’s blood treeま
たはdragon tree
• 樹高10-20mで,ある高さから
一斉に枝を出して密な樹冠を形
成し、キノコのような樹形にな
る。
• 開花は6-7月。
• IUCNのレッドリストに挙げら
れている絶滅危惧種。
(注)ゲノム解析を基にした新
しい分類体系。
安部哲人
2月にイエメンのソコトラ
(Socotra)島に行きました。イエメン
はアラビア半島の南端にあり、ソコト
ラ島はアラビア半島の南東380㎞の
インド洋にあります。しかし、アフリ
カにはもっと近くソマリアの「アフリ
カの角」の東端アシール岬からは24
0㎞しか離れていません。
ソコトラ島は小笠原が売りにしてい
る海洋島ではありません。5000万
年以上前にゴンドワナ大陸が移動した
際の切れ端のようなものらしいので
す。
ご存知の方もいると思いますが、ソ
コトラ島は2008年に周辺の属島
(3島)を含めて世界自然遺産に登録
されました。それまで観光客などほと
んど来なかった島に、今では年間4~
5000人の観光客が訪れるそうで
す。建築途中の建物があちこちにあり
ましたが観光客向けの施設(ホテルな
ど)と思われます。観光開発は進んで
いるようです。
ソコトラ島といえば龍血樹が有名で
すが、ほかにも古代から焚香料として
珍重された乳香が採れる乳香樹(カン
ラン 科ボスウェ リア属)やボトルツ
リーまたはデザートローズなどと呼ば
れるアデニュウム(キョウチクトウ
科)など特異なものが沢山あります。
ユーフォルビアの固有種は数種あり、
アロエやカランコエの固有種もありま
す。雨量が少なく乾燥地帯のため多肉
植物は多様です。
『世にも不思議なソコトラ島』新
開正・美津子著/写真 彩図社2010/12
によれば「ソコトラ群島に生育する植
物825種のうち、固有種は307
種。また、爬虫類34種の90%、6
0種をこえる蛾と蝶の95%もここで
しか見ることができない。それら固有
種の多くは個体数が少なく、絶滅危惧
種に指定されている。」と書かれてい
ます。
鳥の種類も多く「ソコトラ群島で
確認された鳥192種のうち、44種がソ
コトラ群島で繁殖し、85種が定期的に
渡来する渡り鳥」で「ソコトラ島固有
の 鳥 は 10 種」と な っ て い ま す(同
書)。固有種はソコトラスズメ、ソコ
トラノスリ、ソコトラウグイス、ソコ
トラタイヨウチョウなどほとんどにソ
コトラの名が冠されています。
龍 血 樹 (Dracaena cinnabari) は ド
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小笠原野生生物研究会会報第50号
ラセナの仲間で樹液が赤く、それを集
めて固めたものをシナバルといい、医
薬品や化粧品として珍重され、かなり
高価に取引されたそうです。だが現在
は全く利用されていません。(お土産
としては売っている。)標高700m
くらいになると龍血樹は沢山あります
が、ほとんどは樹齢が100年以上の
ものだそうで、中には樹齢600年な
どというものもあるそうですから驚き
です。そして、見るからに迫力のある
植物です。
ソコトラ島にはいたる所にヤギがい
ます。山にはもちろん町の中にも空港
の敷地内でも歩きまわっています。家
畜として放し飼いされているのです。
それが龍血樹の幼樹を食い尽してしま
い全く更新されていないといいます。
ヤギ問題は小笠原より複雑で深刻のよ
うです。
以上のようなことは本やインター
ネットでそのほとんどは知ることがで
きます。しかし実際に行ってみて分か
るというか気がつくこともあります。
そのひとつはコンクリートで覆われ
た海岸がまったくないということで
す。(帰国してからGoogle earthで確
かめた。)漁村に行ってもコンクリー
トの防波堤に囲まれた船溜まりなどは
ありません。漁船といってもオープン
ボートですが、その大部分は海岸に揚
がっています。コンクリートのスロー
プもありません。ボートの揚げ下ろし
は全てコロを敷いての人力です。従っ
てボートの大きさも決まってしまうで
しょう。動力は船外機です。漁に出る
のに氷を積まないので(製氷設備が無
い)、夜明けに出て朝の8時か9時に
は帰って来ます。貧しい国(イエメン
は石油が出ない。アラブの最貧国と言
われている。)だと言ってしまえばそ
れまでですが、これなら乱獲などした
くても出来ないでしょう。
ホテルの近くに魚市場があるという
ので見に行きましたが、魚種はさまざ
ま で す。ハ タ 類 や フ エ フ キ ダ イ の 仲
間、ロ ウ ニ ン ア ジ の よ う な 大 型 ア ジ
類、小笠原と同じサワラもいるしカツ
オもいます。サメやエイもいます。そ
れらを腹から割って開きにしていま
す。サメやエイはぶつ切りです。ほと
んどは焼いて食べるそうです。アジや
カツオなどは刺身で旨そ
うなのですが、山刀のよ
うな長いナイフでバッタ
バッタとたたき割るよう
な開き方で、とても見て
はいられません。
貨物船が100mくら
いの突堤の先端で荷降ろ
しをしているのを見まし
た。共勝丸よりやや小さ
い船で、突堤も自然石の石積みです。
これもGoogle earthで確かめたのです
が、貨物船のつける岸壁は全島でこの
突堤だけです。建材もこれで運ぶのな
ら新しいホテル(?)の完成はまだま
だ時間がかかるでしょう。
現地で驚いたことのもうひとつは、
海岸に漂着ゴミが全くと言っていいほ
ど無いことです。
延々と数㎞も続く真っ白な砂浜に流
木さえ落ちていません。いつも小笠原
の海岸を見ている私は感動さえ覚えて
しまいます。本来、プラスチックゴミ
が漂着している海岸は異常です。その
異常さに慣れてしまっている自分に気
付かされました。
その砂浜にスナガニ
が沢山いて30㎝位の高
さの砂山を築いていま
す。波打ちぎわにはオオ
アジサシや黒いカモメ
(ススケカモメ)が群れ
て羽を休めており、カニ
チドリもいました。
パンフレットによれ
ば、ソコトラ島はイエメ
ン政府と島民の協同でソコトラ・プロ
ジェクトが立ち上げられ、島民の生活
水準の向上とともに特異な生態系を守
るため様々な活動が行われているそう
です。余計な心配かも知れませんが、
利用の面ばかりを優先することなく、
世界遺産の本来の目的に適った活動で
あって欲しいと思わずにはいられませ
ん。
この旅行はある旅行社のツアーに参
加したものです。数年前に利用した旅
行社から「新しい企画です。」とパン
フレットを送って来ました。(そのパ
ン フ レ ッ ト は“イ ン ド 洋 の ガ ラ パ ゴ
ス・ソ コ ト ラ 島”と な っ て お り ま し
龍血樹
漂着ゴミの無い真っ白な砂浜
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OWRS News Letter Vol. 50
た。)ソ コ ト ラ 島 は 以 前 か ら 興 味 を
持っていたので、早速応募したという
訳 で す。分 か っ て は い ま し た が、ツ
アーのため勝手に動くことができず残
念に思ったことも何度かありました。
それにどういう訳か参加者に年配の女
性が多かったのです。話を聞いても植
物にそれほど興味があるでもなく、と
にかく行ってないところへ行こうとい
うのが彼女たちの参加の理由だったよ
うです。
ソコトラ島に3泊、イエメンの首都
ハナアに前後2泊、そして往復の機内
で2泊、2月20日に成田を発って27日に
帰国しました。しかし、イエメンは政
情不安のため3月8日には渡航禁止と
なってしまいました。それは退避勧告
と共に現在(5月20日)も続いていま
す。
なお、イエメンの首都ハナアの旧市
街は世界最古の都市で世界文化遺産に
登録されています。
渡辺溶
開花状況
新入 会 員
那須克也
坂入祐子
村橋志乃
三上敏子
竹澤博隆
徳江泉
山田良一
4月中旬、兄島の開花状況 シマツレサ
ギソウ、タチテンノウメ、シラゲテンノウ
メ、オオハマボッス、シマカモノハシ
前にも書いたが、外来草本の少ない兄
島、エロージョンの所で少し土壌が残って
いると、シマカモノハシがパイオニアの植
物のようで、その分布域は勢いよく広がっ
編
集
捕鯨に関する記事を編集していた時、付
属の資料の筆者の経歴が目に留まりまし
た。この方は戦時中父島に配属されていた
のですが、出身地や復員後の勤務先など、
私の両祖父とかなり近い。筆者と彼らが出
会っていたのではと気になり、郷里の叔父
に尋ねると、なんと、叔父の会社から本を
We Love Nature
小笠原野生生物研究会
Ogasawara Wildlife Research Society
ている。ノヤギ駆除の効果は大きい。
4月28日 東平のアサヒエビネの1本
花茎が伸び多数の蕾をつけている。4月
開花を見るのは驚いた。
安井隆弥
後
記
出版されていました。この山田氏は昨年亡
くなったとのこと。もう少し早ければ、い
ろいろなお話が聞けたかもしれない。鎌倉
時代、日本に渡ったロシア人のはなし、山
田尚義著「白ロシア人上路山姥」、ご興味
のある方はお知らせください。
小林佳子
連絡先
〒100-2101
東京都小笠原村父島字奥村
小笠原野生生物研究会
TEL
04998-2-2206
FAX
04998-2-2206
e-mail [email protected]
http://www10.ocn.ne.jp/~yaseiken/
当会は小笠原の野生生物の研究を行なうととも
に,自然を守るためのさまざまな活動を行ってる
NPO法人です.イベント等の各種情報はこの会誌を
理事長
副理事長
編集委員長
編集委員
通じてお知らせします.年会費は1000円です.
入会申込み,ご意見,お問い合わせは右の連絡先
まで.
発行日
発行
安井隆弥
豊田武司,渡辺溶
安部哲人
石井由希,上條明弘,小林佳子
柴崎文子,松林久美子,藪内良昌
2011年5月28日
小笠原野生生物研究会