Application Note

FA7707
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富士スイッチング電源制御IC
FA7707
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2005 年 3 月
富士電機デバイステクノロジー株式会社
半導体事業本部 情報・電源事業部
1
Fuji Electric Device Technology
FA7707
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ご 注 意
1.この資料の内容(製品の仕様、特性、データ、材料、構造など)は2005年3月現在のものです。
この内容は製品の仕様変更のため、または他の理由により事前の予告なく変更されることがあります。
この資料に記載されている製品を使用される場合には、その製品の最新版の仕様書を入手して、データ
を確認してください。
2.本資料に記載してある応用例は、富士電機製品を使用した代表的な応用例を説明するものであり、本資料
によって工業所有権、その他権利の実施に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。
3.富士電機は絶えず製品の品質と信頼性の向上に努めています。しかし、半導体製品はある確率で故障する
可能性があります。
富士電機製半導体製品の故障が、結果として人身事故、火災等による財産に対する損害や、社会的な損害
を起こさぬように冗長設計、延焼防止設計、誤動作防止設計など安全確保のための手段を講じてください。
4.本資料に記載している製品は、普通の信頼度が要求される下記のような電子機器や電気機器に使用される
ことを意図して造られています。
・コンピュータ ・OA 機器 ・通信機器(端末) ・計測機器 ・工作機械
・オーディオビジュアル機器 ・家庭用電気製品 ・パーソナル機器 ・産業用ロボット
など
5.本資料に記載の製品を、下記のような特に高い信頼度を持つ必要がある機器に使用をご予定のお客様は、
事前に富士電機へ必ず連絡の上、了解を得てください。この資料の製品をこれらの機器に使用するには、そ
こに組み込まれた富士電機製半導体製品が故障しても、機器が誤動作しないように、バックアップ・システム
など、安全維持のための適切な手段を講じることが必要です。
・輸送機器(車載、舶用など) ・幹線用通信機器 ・交通信号機器
・ガス漏れ検知及び遮断機 ・防災/防犯装置 ・安全確保のための各種装置
6.極めて高い信頼性を要求される下記のような機器には、本資料に記載の製品を使用しないでください。
・宇宙機器 ・航空機搭載用機器 ・原子力制御機器 ・海底中継機器 ・医療機器
7.本資料の一部または全部の転載複製については、文書による当社の承諾が必要です。
8.本資料の内容にご不明の点がありましたら、製品を使用する前に富士電機または、その販売店へ質問してく
ださい。本注意書きの指示に従わないために生じたいかなる損害も富士電機とその販売店は責任を負うもの
ではありません。
2
Fuji Electric Device Technology
FA7707
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目次
1.概要
·································································4
2.特長
·································································4
3.外形図
·································································4
4.ブロック図
·································································5
5.端子機能の説明
·································································5
6.定格と特性
·································································6∼9
7.特性曲線
·································································10∼12
8.各ブロックの動作説明
·································································13∼17
9.設計上のアドバイス
·································································18∼21
10.応用回路例
·································································22∼23
注)
・本資料の内容は、改良などのために予告無く変更することがあります。
・本資料に記載されている応用例や部品定数は、設計の補助を目的とするものであり、
部品バラツキや使用条件を充分に考慮したものではありません。
ご使用にあたっては、これら部品バラツキや使用条件等を考慮した設計をお願いします。
3
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FA7707
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1.概要
FA7707は、パワーMOSFETを直接駆動できる2ch出力のPWM型DC−DCコンバータ制御用ICです。
高耐圧CMOSデバイスを採用し、低消費電力化を実現しています。また、パッケージの小型・薄型化及び
高周波数化(∼500kHz)により超小型DC−DCコンバータ用途に最適です。
各回路に過電流制限回路を内蔵しており回路の保護が可能です。さらに、同期運転が可能であり外部信
号による動作周波数の同期および複数のICを使用した場合のマスタースレーブ動作にも最適です。
2.特長
・ 電源電圧範囲が広い:VCC=2.5∼20V
・ MOSFET直接駆動可能
・ CMOSプロセスによる低消費電流化 動作時:2.9mA(typ.)
・ 2chのPWM制御IC
・ 高周波動作が可能:50kHz∼500kHz
・ SYNC端子により同期運転が可能
・ チャンネル毎にソフトスタートの設定が可能
・ チャンネル毎に最大デューティ制限の設定が可能
・ 低電圧誤動作防止機能内蔵
・ 高精度基準電圧 VREF:2.28V±2%,VB:0.8V±2%
・ タイマーラッチ方式の出力短絡保護回路内蔵
・ チャンネル毎にパルスバイパルス方式過電流制限機能内蔵
・ チャンネル毎にON/OFF制御が可能
・ 小型・薄型パッケージ:SSOP−20、SOP-20
3.外形図
SSOP-20 (E)
SOP-20 (M)
11
5.5
7 .90 ±0. 20
5 .30 ±0. 05
20
1
1
0.7
12.6
11
7.8 ±0.3
20
10
10
2.1 MAX
2.00 MAX
7.40 MAX
1.27
O.4±0.1
0.65 ±0.05
0.30 ±0.05
単位:mm
4
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4.ブロック図
REF
CP
SYNC
ON/OFF1
IN1+
FB1
DT1
OCL1
VCC
OUT1
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
過電流
制限
エラーアンプ1
基準
電圧
2.28V
2.28V
+
+
-
0.8V
PWM
コンパレータ1
S.C.P
2μA
BIAS
UVLO
+
+
0.42V
S.C.DET
BIAS
ON/OFF
1.27V
ON/OFF
電圧監視
+
+
PWM
コンパレータ2
エラーアンプ2
OSC
過電流
制限
2.28V
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
CT
RT
ON/OFF2
IN2+
IN2-
FB2
DT2
OCL2
GND
OUT2
5.端子の機能説明
番号
端子名
1
CT
2
RT
3
IN2+
5
IN2-
6
FB2
7
DT2
8
OCL2
9
GND
10
OUT2
11
OUT1
13
14
15
16
17
18
19
20
機能説明
発振器タイミング容量
発振器タイミング抵抗
発振周波数の決定,コンデンサを接続
発振周波数の決定,抵抗を接続
ON/OFF2 Ch2 ON/OFF 入力
4
12
機能
Ch2のON/OFFをコントロールする端子
Ch2 エラーアンプ非反転入力
Ch2 エラーアンプ反転入力
Ch2 エラーアンプ出力
Ch2 休止期間調整、ソフトスタート
Ch2 過電流制限
接地
Ch2 出力
Ch1 出力
電源
Ch1 過電流制限
OCL1
Ch1 休止期間調整、ソフトスタート
DT1
Ch1 エラーアンプ出力
FB1
Ch1 エラーアンプ非反転入力
IN1+
ON/OFF1 Ch1 ON/OFF 入力
外部同期端子
SYNC
タイマーラッチ短絡保護
CP
2.28V 基準電圧
REF
VCC
5
Ch2のエラーアンプの非反転入力
Ch2のエラーアンプの反転入力
Ch2のPWMコンパレータの入力でPWM制御入力
Ch2のソフトスタート、休止期間を調整するための端子
Ch2の過電流を検出する端子
電源グラウンド
Ch2の外部素子を駆動するための端子
Ch1の外部素子を駆動するための端子
ICを動作させるための電源
Ch1の過電流を検出する端子
Ch1のソフトスタート休止期間を調整するための端子
Ch1のPWMコンパレータの入力でPWM制御入力
Ch1のエラーアンプの非反転入力
Ch1のON/OFFをコントロールする端子
同期信号を入力する端子
ラッチ停止動作させる端子,コンデンサを接続
2.28Vの基準電圧、コンデンサを接続
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6.定格と特性
本データは、予告無く変更される場合があります。詳細は最新の仕様書を御確認下さい。
(1)絶対最大定格
項
電源電圧
OCL1,OCL2 端子
目
記 号
Vcc
VOCL
REF 端子出力電流
OUT1、OUT2 端子ソース電流
定
格
20
20(max.)
−0.3(min.)
2
−400(ピーク)
−50(連続)
+150(ピーク)
+50(連続)
+2.5(max.)
−0.3(min.)
+6.0(max.)
−0.3(min.)
650
−40∼+85
+125
−40∼+150
IREF
ISOpeak
ISOcont
ISIpeak
ISIcont
VLOGIC
OUT1、OUT2 端子シンク電流
CT,RT,REF,CP,IN1+,IN2+,IN2-,FB1,
FB2,DT1,DT2,SYNC 端子印加電圧
ON/OFF1, ON/OFF2
端子電圧
全損失(Ta≦25℃)
動作周囲温度
動作時ジャンクション温度
保存温度
VON/OFF
Pd
Ta
Tj
Tstg
単 位
V
V
mA
mA
mA
mA
mA
V
V
mW
℃
℃
℃
許容損失 Pd[mW]
※ :Ta≧25℃での許容損失温度特性は下図の通り。
許容損失
800
700
600
500
400
300
200
100
0
-40
-20
0
20
40
60
80
周囲温度 Ta[℃]
100
120
140
(2)推奨動作条件
項
目
電源電圧
エラーアンプ直流フィードバック抵抗
VCC 端子バイパスコンデンサ接続容量
REF 端子接続容量
DT1/DT2 端子接続容量
CP端子接続容量
発振タイミング抵抗
発振タイミング容量
発振周波数、同期周波数
SYNC 端子
同期周波数/スレーブ IC 自走周波数
ON/OFF 端子
OCL1/OCL2
記 号
Vcc
RNF
CVCC
CREF
CS
CCP
RT
CT
fOSC
MIN.
2.5
100
0.1
0.047
1
0.01
3
50
50
TYP.
6
−
−
0.1
−
−
−
−
−
MAX.
18
−
−
1
100
10
100
2000
500
単位
V
kΩ
μF
μF
nF
μF
kΩ
pF
kHz
fSYNC/fFREE
VINON/OFF
1.05
−0.3
1.27
1.50
5.5
倍
V
*:タイマーラッチ未使用時 CP 端子は GND に接続してください。
6
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(3)電気的特性 [指定のない場合、Ta=25℃、Vcc=6V、RT=47kΩ、CT=180pF]
(1)基準電圧部1(REF 端子)
項 目
記 号
出力電圧
VREF
ラインレギュレーション
VLINEF
ロードレギュレーション
VLDF
出力電圧
VTCF1
温度依存性
VTCF2
(2)発振器部(CT,RT 端子)
項 目
記 号
発振周波数
fOSC
ラインレギュレーション
f LINE
発振周波数
fTC1
温度依存性
fTC2
同期入力Hレベル
VSYH
同期入力Lレベル
VSYL
同期入力遮断レベル
VSD
同期入力リーク電流
ISYNC
条 件
REF 端子負荷電流 IREF=0mA
Vcc=2.5∼18V,IREF=0mA
IREF=0∼1mA
Ta=−20℃∼+85℃
25℃時の値に対する変化率
Ta=−40℃∼+25℃
25℃時の値に対する変化率
条 件
RT=47kΩ、CT=180pF
Vcc=2.5∼18V
MIN.
TYP.
MAX.
2.234
2.280
±4
−2
−0.7
∼+0.2
−1.1
2.326
±14
MIN.
TYP.
MAX.
70
78
±2
±2
±3
86
−6
Ta=+25℃∼−30℃, f=50k∼500kHz
Ta=+25∼+85℃, f=50k∼500kHz
スイッチング停止時 SYNC 端子電圧
(3)誤差増幅器部1(入力:IN1+、出力:FB1 端子)
項 目
記 号
条 件
基準電圧
VB
IN1+端子スレッシュ電圧
ラインレギュレーション
VBline Vcc=2.5∼20V 時基準電圧変化
入力電流
IIN
開ループ利得
AVO
単一利得帯域幅
fT
出力ソース電流
IOHE1
FB1 端子電圧=VREF−0.5V
FB1 端子電圧=VREF−2V
IOHE2
出力シンク電流
IOLE1
FB1 端子電圧=0.5V
FB1 端子電圧=2V
IOLE2
(4)誤差増幅器部2(入力:IN2+、IN2−、出力:FB2 端子)
項 目
記 号
条 件
入力オフセット電圧
VOFST (IN2+)−(IN2−)端子間オフセット
同相入力電圧範囲
VIN
入力電流
IIN
開ループ利得
AVO
単一利得帯域幅
fT
出力ソース電流
IOHE
FB2 端子電圧=VREF−0.5V
出力シンク電流
IOLE
FB2 端子電圧=0.5V
7
1.0
0.62
0.32
-100
0.47
%
2.0
0.8
0.62
100
MIN.
TYP.
MAX.
0.784
0.816
-21
-84
7
28
0.800
±1
0
60
1.5
-14
-56
14
56
MIN.
TYP.
MAX.
0
±10
1.4
+100
1.5
-160
6
-100
12
-100
0.3
-100
70
-220
3
単位
V
mV
mV
%
+100
-7
-28
42
84
単位
kHz
%
%
%
V
V
V
nA
単位
V
mV
nA
dB
MHz
μA
μA
μA
μA
単位
mV
V
nA
dB
MHz
μA
mA
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(5)パルス幅変調回路部(FB1,FB2 端子)
項 目
記 号
条 件
入力スレッシュ電圧
VFB0
デューティサイクル=0%
入力スレッシュ電圧
VFB100 デューティサイクル=100%
(6)休止期間調整回路部(DT1、DT2 端子)
項 目
記 号
条 件
入力スレッシュ電圧
VDT0
デューティサイクル=0%
入力スレッシュ電圧
VDT100 デューティサイクル=100%
(7)過電流制限回路部(OCL1,OCL2 端子)
項 目
記 号
条 件
入力スレッシュ電圧
VTHOC
ヒステリシス電圧
VHYOC
入力バイアス電流
IOC
検知ブランキング時間
tblank
OCL 遅延時間
tdoc
50mV オーバードライブ、tblank を含む
(8)タイマーラッチ短絡保護回路部(FB1 端子、FB2 端子、CP 端子)
項 目
記 号
条 件
短絡検知電圧
VFBTH FB1、FB2 端子電圧
CP 端子
ICPSO
FB1 または FB2 端子電圧
ソース電流
<0.30V、CP 端子=0V
ラッチモードスレッシュ電 VCSTH CP 端子電圧
圧
ラッチモード解除電圧
VCSRE CP 端子電圧
ラッチモードヒステリシス
VCSHY CP 端子電圧
CP 端子
ICPSI
FB1、FB2 端子電圧共に
シンク電流
>0.60V、CP 端子=0.5V
(9)ON/OFF回路部(ON/OFF1、ON/OFF2端子)
項 目
記 号
条 件
ON 入力電圧範囲
VINON
OFF 入力電圧範囲
VINOFF
入力電流
IIN
ON/OFF1, ON/OFF2=0∼4V
クランプ電圧
Vclp
入力電流=100μA
OFF 時 DT1/DT2
VDTOF1 対 GND 負荷:10kΩ
端子電圧
OFF 時 OUT1,
VOUTOF
OUT2 端子電圧
8
MIN.
TYP.
MAX.
1.040
0.590
1.140
0.690
1.240
0.790
MIN.
TYP.
MAX.
1.040
0.590
1.140
0.690
1.240
0.790
MIN.
TYP.
MAX.
170
210
35
250
±1
50
200
単位
V
V
単位
V
V
単位
mV
mV
μA
ns
ns
MIN.
TYP.
MAX.
0.300
−2.7
0.420
−2.1
0.540
−1.5
単位
V
μA
1.170
1.270
1.370
V
50
200
1.120
150
550
600
V
mV
μA
MIN.
TYP.
MAX.
5
5.50
0.30
100
6
1.20
-0.30
-100
1.40
VCC
±0.5
単位
V
V
nA
V
V
V
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(10)低電圧誤動作防止回路部(VCC 端子、CP 端子)
項 目
記 号
条 件
ON スレッシュ電圧
VCCON
OFF スレッシュ電圧
VCCOF
ヒステリシス電圧
VCCHY
ON/OFF スレッシュ
VCCdT Ta=−30∼+85℃
温度依存性
OFF 時 CP 端子
ICPOF
VCC 端子=1.2V
シンク電流
CP=1V
(12)出力回路部(OUT1、OUT2端子)
項 目
記 号
条 件
H側ON抵抗
RONH
VCC=6V,ソース電流=−50mA
H側ON抵抗
RONH
VCC=2.5V,ソース電流=−50mA
L側ON抵抗
RONL
VCC=6V,シンク電流=+50mA
L側ON抵抗
RONL
VCC=2.5V,シンク電流=+50mA
立ち上がり時間
trn
OUT-GND 間:330pF
trp
VCC-OUT 間:330pF
立ち下がり時間
tfn
OUT-GND 間:330pF
tfp
VCC-OUT 間:330pF
(13)全デバイス(VCC 端子)
項 目
記 号
動作時消費電流
ICC0
ICC1
ラッチモード消費電流
ICCLAT
OFF モード消費電流
ICCST6
条 件
デューティ=0%,OUT1/2:開放
DT1/2>1.4V, FB1/2<0.5V, CP=0V
IN1+=IN2+=0V, IN2−=1V
デューティ=50%,OUT1/2:開放
DT1/2≒0.9V, FB1/2<0.5V, CP=0V
IN1+=IN2+=0V, IN2−=1V
CP>2.1V
IN1+=IN2+=0V, IN2−=1V
ONOFF1=ON/OFF2=0V
VCC=6V
9
MIN.
TYP.
MAX.
2.35
1.70
0.01
2.15
2.00
0.15
±0.2
200
600
MIN.
TYP.
MAX.
7
12
5
5
20
20
30
30
14
24
10
10
TYP.
MAX.
2.6
3.8
単位
mA
2.9
4.1
mA
2.6
3.8
mA
18
27
μA
MIN.
0.35
単位
V
V
V
mV
/℃
μA
単位
Ω
Ω
Ω
Ω
ns
ns
ns
ns
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7.特性曲線
発振週周波数-周囲温度特性
発振周波数-タイミング抵抗特性
VCC=6V,Ta=25℃
1000
B
A
A:CT=150pF
B:CT=330pF
C:CT=470pF
79
78
発振周波数 [kHz]
発振周波数 fosc[kHz]
C
VCC=6V
80
100
77
76
75
74
73
72
71
10
70
1
10
タイミング抵抗 RT[kΩ]
100
-50
VCC=6V
25
50
75
周囲温度 Ta [℃]
100
125
150
VCC=6V
0.820
2.34
0.815
2.32
0.810
基準電圧 VB [V]
基準電圧 VREF [V]
0
基準電圧VB-周囲温度特性
基準電圧VREF-周囲温度特性
2.36
-25
2.30
2.28
2.26
0.805
0.800
0.795
2.24
0.790
2.22
0.785
2.20
0.780
-50
-25
0
25
50
75
周囲温度 Ta [℃]
100
125
150
-50
10
-25
0
25
50
75
周囲温度 Ta [℃]
100
125
150
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過電流制限回路ブランキング時間-周囲温度特性
VCC=6V
OCL1
70
70
65
65
ブランキング時間 [ns]
ブランキング時間 [ns]
過電流制限回路ブランキング時間-周囲温度特性
VCC=6V
OCL2
60
55
50
45
40
35
60
55
50
45
40
35
30
30
-50
-25
0
25
50
75
周囲温度 Ta [℃]
100
125
150
-50
Ta=25℃
25
50
75
周囲温度 Ta [℃]
100
125
150
400
出力ソース電流 [mA]
200
150
OUT1
100
50
Ta=25℃
OUT1/2
450
OUT2
出力シンク電流 [mA]
0
OUT端子High側出力 電圧-電流特性
OUT端子Low側出力 電圧-電流特性
250
-25
VCC=20V
VCC=6V
350
300
VCC=4.5V
250
200
VCC=3.3V
150
VCC=2.5V
100
50
0
0
0
0.5
1
1.5
2
OUT端子電圧 [V]
2.5
3
0
11
5
10
15
OUT端子電圧 [V]
20
25
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動作時消費電流-電源電圧特性
動作時消費電流-電源電圧特性
Duty=50%,Ta=25℃
5.0
Duty=50%,Ta=25℃
6.0
動作時消費電流 [mA]
動作時消費電流 [mA]
fosc=500kHz
4.0
fosc=500kHz
3.0
fosc=80kHz
2.0
1.0
0.0
4.0
fosc=80kHz
2.0
0.0
0
1
2
電源電圧 VCC[V]
3
4
0
5
10
15
電源電圧 VCC[V]
20
25
OFFモード消費電流-周囲温度特性
OFFモード消費電流 [uA]
60
50
40
VCC=20V
30
20
VCC=6V
10
VCC=2.5V
0
-50
-25
0
25
50
75
周囲温度 Ta [℃]
100
125
150
12
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8.各ブロックの動作説明
(1) 基準電圧部
(3) 同期制御部
基準電圧部は、Vcc 電圧より温度補償された
SYNC 端子(18 番)は同期信号入力端子であ
基準電圧(VREF) 2.28V±2%及びエラーアン
り、この端子を利用して外部同期動作が可能
プ 1 用基準電圧(VB) 0.8V±2%を生成します。
です。
これら基準電圧は低電圧誤動作防止回路
図 3 に内部ブロック図、図 4 に動作波形を示し
(UVLO)が解除された時点で出力し、電源電圧
ます。同期信号が無い場合は、発振器の上限
(Vcc)が約 2.4V 以上で安定化されます。
と下限はコンパレータ C1 及び C2 で決まります。
基準電圧(VB)は、エラーアンプ 1 の反転入力
同期信号が SYNC 端子より入力された場合、
に接続されておりエラーアンプ 1 の基準電圧と
その信号の立下り時 0.9V 以下になると、同期
なります。
用コンパレータ SYNC COMP が動作し強制的
VREF 電圧は、ソフトスタート、最大デューティの
に CT 端子電圧を放電し、0.69V になると再び
設定及びその他の安定化された電源として利
充電します。この繰り返しを行うことにより、発
用し、その時の出力電流は 1mA 以下として下
振器の周波数は同期信号と同期します。
さい。また、この電圧は IC 内部回路全ての制
この場合、発振電圧の上限電圧は、1.14V 以
御電源を兼ねており、REF 端子(20 番)には安
下となります。
定化用コンデンサ CREF を接続する必要があり
同期信号としては、上限 1.0∼2.0V、下限 0.62
ます。(容量は推奨動作条件参照)
∼0.8V の三角波、矩形波、または正弦波等を
SYNC 端子に入力することにより同期発振しま
(2) 発振器部
す。
SYNC
コンデンサの充放電を用いた三角波発振器で
SYNC COMP
18
あり、発振周波数は RT 端子(2 番)に接続され
る抵抗値 RT および CT 端子(1 番)に接続され
I
CT
る容量値 CT で任意に設定できます。 (図 1)
0.9V
C1
1
CT 端子には発振電圧が出力され、その電圧
2I
1.14V
は約 0.69V と 1.14V の間で繰り返され充電、
C2
放電の傾きはほぼ同じです。(図 2)
RT 端子には約 1V の直流電圧が出力されま
0.69V
す。 発振器の周波数の決め方は設計上のア
ドバイスを参照してください。
図3
発振器の出力は PWM コンパレータへ入力さ
れます。
同期信号 0.9V
1.14V
1.14V
CT端子
(非同期時)
OSC
1
2
CT
CT端子
(同期時)
0.69V
RT
図4
図2
また、IC の並列運転時のマスター・スレーブに
も適しており、マスターIC の CT 端子を直接ス
図1
レーブ IC の SYNC 端子に接続することにより、
13
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複数の IC の同期運転ができます。(図 5)
(5) パルス幅変調回路部(PWM コンパレータ)
同期動作をさせる場合、同期周波数に比べ、
PWM コンパレータは、3 つの入力を持っていま
自走周波数を 50%程度低めに設定してくださ
す。(図 7) ①発振器出力に対し、②DT 端子電
い。
圧,③エラーアンプ出力が比較され、②③の 2
尚、同期運転をしない場合は SYNC 端子を
入力のうち、最も電圧の高いものが優先され
REF 端子に直結してプルアップしてください。
ます。PWM 出力はこの電圧値が発振器出力
波形より低い期間に出力は Low、高い期間に
REF
20
18
SYNC
REF
20
18
マスターIC
スレーブIC
1
1
CT
CT
SYNC
High となり最終出力段の OUT 端子も同相とな
ります。(図 8)
起動時には②の DT 端子電圧によりソフトスタ
CT
ートがかかり、出力パルスは徐々に広がって
CT
いきます。最大パルス幅の調整は DT 端子電
図5
圧により設定します。通常動作時には③のエ
(4) 誤差増幅器部(エラーアンプ)
ラーアンプ出力の条件によりパルス幅が決定
エラーアンプ 1 は、IN1+端子(16 番)が非反転
され、DC-DC コンバータの出力電圧が安定化
入力端子であり、反転入力には内部にて 0.8V
する様制御されます。図 8 に PWM コンパレー
±2%(25℃時)の基準電圧 VB が接続されてい
タ及び OUT 端子の動作フローチャートを示し
ます。FB1 の直流ゲインは外部定数に関係な
ます。
く 60dB に設定されており位相補償は出力電
③エラーアンプ出力
圧 Vout1 との間に容量 C を接続することによ
②DT端子電圧
+
+
-
①発振器出力
り行います。
PWM出力
図7
エラーアンプ 2 側は、反転入力 IN2-端子(5 番)
及び非反転入力 IN2+端子(4 番)が外部に出さ
②DT端子電圧
れており、外部回路構成により種々の回路方
①発振器出力
③エラーアンプ出力
式に対応が可能です。FB2 は IN2-との間に
C,R を接続する事によりゲイン設定、位相補
償を行います。(図 6)
各出力電圧に対応する接続は設計上のアド
PWM出力
バイスを参照下さい。
Vout1
C1
OUT1,2
36kΩ
15
FB1
図8
R1
16
IN1+
PWM
コンパレータ1へ
R2
Vout2
VB(0.8V)
20
REF
R3
R5
4
R8
PWM
コンパレータ2へ
IN2+
5
IN2-
R4
R6
6
R7
C2
FB2
図6
14
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(6) 休止期間調整回路部
ONします。この制御は、毎サイクル繰り返さ
図 9 の様に DT 端子(7 番、14 番)には、コンデ
れ過電流制限を行います。
ンサ CDT1 及び CDT2 が接続されます。
Ton 時の過渡的なノイズによる検出を無効に
DT 端子電圧は電源電圧 Vcc が印加され低電
するための検知ブランキングタイムは 50ns あ
圧誤動作防止回路(UVLO)が解除されると、
り、この時間は無効時間となります。
VREF 電圧が発生し抵抗 R9 及び R10 によりコ
また、過電流を検出してから制御するまでに
ンデンサ CDT1,CDT2 を充電し DT 端子電圧が
150ns の遅延時間あります。
徐々に下降します。この DT 端子電圧は PWM
尚、過電流制限を使用しない場合は OCL1 ま
コンパレータに接続されておりパルスが徐々
たは OCL2 端子は VCC 端子へ接続してくださ
に広がりソフトスタートがかかります。(図 8)
い。
ま た 、 DT 端 子 電 圧 を発 振 電 圧 の 0.69V ∼
VCC
1.14V の間に設定することにより任意に最大
12
デューティを設定することができます。(設定
OCL COMP
0.21V
方法は設計上のアドバイス参照)
13
Is
OCL1
8 (OCL2)
20
REF
CDT2
11
エラーアンプ1出力
PWM
コンパレータ1
エラーアンプ2出力
PWM
コンパレータ2
10
OUT1
(OUT2)
7
DT2
R9
CDT1
図 10
14
FB
DT1
R10
発振器出力
CT
OUT
図9
メイン素子
電流
VCC-210mV
(7)過電流制限回路部
検知ブランキング時間
50ns
リセット
本回路は、主スイチング MOSFET のパルス状
過電流検出
のメイン電流ピーク値を、パルスごとに検出、
図 11
制限するパルスバイパルス方式の過電流制
限回路です。
図 10 に回路ブロック、図 11 に各部のタイミン
グチャートを示します。
メイン素子に流れる電流は、抵抗 RS により電
圧信号として、OCL1 または OCL2 端子に入力
されます。この検出電圧が VCC 電圧に比較し
210mV ( typ. ) 以 上 低 い 電 位 と な る と OCL
COMP が動作し、OUT1 または OUT2 端子を
High に引き上げOFFしメイン素子にそれ以上
の電流が流れないように制限します。この制
限は、次のサイクルでリセットされ再び出力は
15
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(8)タイマーラッチ短絡保護回路
出力短絡
DC-DC コンバータ回路の出力短絡等で出力
VREF電圧まで上昇
端子電圧
電圧がある時間継続低下した場合、全チャン
CP
ネルのスイッチングを停止させるタイマーラッ
チ短絡保護機能を内蔵しています。CP 端子
2.0
1.27V
1.0
VCP[V]
(19 番)にはタイマーラッチのディレイ時間を設
定するためのコンデンサ CCP が接続されます。
瞬時
出力短絡
起動
tp
短絡保護動作
0
時間 t
(図 12)
図 13
出力短絡から短絡保護が動作するまでの時
2.1μA
CP
間 tp は
19
CCP
出力OFF
エラーアンプ出力 FB
tp[ s ] = CCP ×
S.C.P
ここで
S.C.DET
0.42V
VCSTH
ICPSO
1.27V
VCSTH:CP 端子ラッチモードスレッシュ電圧[V](1.27V typ.)
ICPSO:CP 端子ソース電流[μA](2.1μA typ.)
図 12
CCP:CP 端子コンデンサ容量[μF]
タイマーラッチ短絡保護回路は、2 つのコンパ
で求められます。
レータ(S.C.DET コンパレータ,S.C.P コンパレ
短絡保護のラッチ動作のリセットは、CP 端子、
ータ)で構成されています。(12) 通常動作時エ
VCC 端子、ON/OFF 端子電圧のいずれかを
ラーアンプ出力は 0.69V 以上のため、S.C.DET
以下の条件にすることで行います。
コンパレータの出力は High となっており、CP
VCC 端子:UVLO 電圧(2.0V typ.)以下
端子電圧は GND レベルにクランプされていま
CP 端子:1.12V(typ.)以下
す。
ON/OFF 端子:0.3V(max.)以下
DC-DC コンバータ回路の各チャンネルのいず
但 し、ON/OFF 端 子 でリセットを行う場 合は
れかが出力短絡等の原因で出力電圧が不足
ON/OFF1,2 両方同時に行う必要があります。
した場合、FB 端子電圧は 0V 付近まで下降し
ます。この電圧が 0.42V(typ.)以下になると、
タイマーラッチ短絡保護機能を使用しない場
S.C.DET コンパレータの出力が Low になり、ク
合には CP 端子は GND に接続してください。
ランプが外れ CP 端子に接続されたコンデンサ
CCP へ定電流充電(2.1μA typ.)が開始されま
す。出力不足が解消されないとコンデンサ
CCP への充電が続き CP 端子電圧が 1.27V
(typ.)を越えると異常と判断し、S.C.P コンパレ
ータの出力が High になり、全チャンネルのス
イッチングを停止します。(図 13)この時 IC は
ラッチモードとなり消費電流は 2.6mA(typ.)とな
ります。
16
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(9) ON/OFF 回路部
ON/OFF1 端 子 ( 17 番 ) で OUT1 端 子 を 、
(11)出力回路部
ON/OFF2 端子(3 番)で OUT2 端子を各々独
出力部はプッシュプル構成になっており
立に動作/停止を行う機能を内蔵しています。
MOSFET を直結できます。OUT 端子のピーク
ON/OFF1 及び ON/OFF2 端子は 1.2V 以上(最
電流は最大シンク+150mA,ソース-400mA で
大 5.5V 以下)で動作、0.3V 以下で停止状態と
す。また NPN,PNP トランジスタ駆動も可能で
なります。
あり、その時の最大連続電流は±50mA です。
停止状態では DT 端子電圧は VREF 電圧にプ
出力電流の値は、許容損失を考慮し設計して
ルアップされており、再度動作させた場合ソフ
下さい。(設計上のアドバイス参照)
トスタートがかかります。
両方のチャンネルを ON/OFF 端子により停止
させた場合は、VREF 電圧も遮断し、OFF モー
ド と な り ま す 。 こ の 時 の 消 費 電 流 は 18 μ A
(typ.)となります。
ON/OFF 回路を使用しない場合は、ON/OFF1
及び ON/OFF2 端子に 1.2V 以上 5.5V 以下の
電圧を印加してください。
電源電圧 VCC が 5.5V 以上で電源電圧範囲
が狭い場合は VCC 電圧より抵抗分圧により
印加することができます。電源電圧範囲が広
い場合は、最大電圧 5.5V を超えない様にツェ
ナーダイオードを印加してください。
尚 、 VCC ラ イ ン を 切 断 、 制 限 す る こ と で
ON/OFF 制御することはできません。
(OUT 端子と VCC 端子間に寄生回路が構成
されており、VCC ラインを切断、制限すること
により外部に接続される PchMOS が動作sて
しまうため)
(10)低電圧誤動作防止回路部(UVLO)
電源電圧低下時の回路誤動作を防止するた
め、低電圧誤動作防止回路を内蔵しています。
電 源 電 圧 を 0V か ら 上 昇 し て い く と 、
Vcc=2.15V(typ.)で動作を開始します。電源電
圧下降時は Vcc=2.0V(typ.)で出力を遮断しま
す。この時 CP 端子は Low レベルになりリセッ
トされます。
電圧監視部は REF 電圧を監視し、REF 電圧が
約 2V 以上になるまで出力を止め、誤動作を
防止します。
17
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⎛ VREF ⎞
ts[ s ] = RDT × CDT × ln⎜
⎟
⎝ VDTn ⎠
9.設計上のアドバイス
(1)発振周波数の設定
で求まります。ここで、
発振周波数の設定は、各ブロックの動作説
VDTn:デューティ n%時の DT 端子電圧[V]
明の(2)の様に、CT 端子に接続される容量
CDT :DT 端子コンデンサ容量[μF]
及び RT 端子に接続される抵抗値で任意に
RDT:DT 端子接続抵抗[kΩ]
決 定 で き ま す 。 発 振 周 波 数 は 50kHz ∼
500kHz の間で設定して下さい。CT,RT に対す
20
CDT
REF
る発振周波数は、特性曲線の『発振周波数
7 DT2
14 DT1
−タイミング抵抗特性』で求めるか、概略次
RDT
の式で求められます。
図 14
fosc =
VDTn,は n%のデューティにおける DT 端子電圧
RT =
であり、動作周波数により変化しますので注意
ここで、fosc:発振周波数 [kHz]
してください。
RT:タイミング抵抗 [kΩ]
尚、DT 端子の充電開始は UVLO が解除されて
CT:タイミングコンデンサ
から始まります。従って、電源電圧 Vcc 投入時
尚、本計算式は概略の値を求める目安であ
からの時間は、図 15 の様に t0 が加算されます
りその値を保証するものではありません。IC
ので御注意下さい。
の特性ばらつき、ノイズ、外付け部品等の条
Vcc電圧
件により動作周波数が左右されます。定数
決定の際は実際のセットで動作確認をして下
UVLO
解除電圧
さい。
また、CT,RT 端子は高インピーダンスな端子
でノイズの影響を受けやすいため、タイミング
V DT n
DT端子電圧
コンデンサ CT 及びタイミング抵抗 RT は短い
配線で CT,RT 端子、GND 端子の直近に接続
t0
ts
t0 :電源電圧Vcc投入後UVLO解除電圧に達するまでの時間
して下さい。
図 15
(2)最大/最小デューティ付近での動作の注意
ソフトスタートのリセットは、電源電圧 Vcc が
本ICは最小デューティ及び最大デューティ
UVLO 電圧(2.0V typ.)以下になる事で IC 内部
付近でデューティの変化が大きくなります。
スイッチにより DT 端子電圧の放電を行います。
本現象は動作周波数が高い場合(パルスの
電源電圧再起動時にこの電圧が十分放電さ
幅が狭い時)に特に顕著に発生しますので、
れていないとソフトスタートがかからない場合
高周波で使用される場合は十分注意して下
がありますので注意してください。
さい。
(4)最大デューティの設定
(3)ソフトスタート時間の目安
DC-DC コンバータ回路で最大デューティの制
DT 端子に充電が開始されてからデューティが
限が必要な場合は図 16 の様に REF 端子より
n%まで開く時間 ts は概略次式で求めることが
R11,R12 の抵抗分圧で DT 端子に接続する事
できます。(記号は図 14)
でパルス幅を制限する事ができます。
18
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最大デューティを制限した場合の DT 端子電
RS =
圧は図 17 の様になり、ソフトスタート時間の目
210mV
Is
安は概略以下の様になります。
で求まります。
⎛ VREF − VDT ⎞
ts[ms] = R 0 × CDT × ln⎜
⎟
⎝ VDTn − VDT ⎠
OCL 端子電圧は 210mV と比較的小さな電圧
R0 =
で制御しますので、ノイズによる誤動作を防止
R11× R12
R11 + R12
するために IC 端子の直近にフィルターを付加
することをお勧めします。回路例を図 18 に示
抵抗分圧した時の DT 端子電圧 VDT は
VDT =
します。
R12
× VREF
R11 + R12
VCC
12
で求まります。
0.21V
ここで CDT:コンデンサ容量[μF]
13
Is
OCL1
8 (OCL2)
R11,R12:抵抗[kΩ]
REF
20
R11
11
10
DT2
OUT1
(OUT2)
7
CDT
14
DT1
R12
図 18
図 16
Vcc電圧
(6)外付け部品の制約条件及び推奨動作条件
安定動作の為、本 IC の Vcc,REF,CT,RT,
DT,CP の各端子に接続される部品定数は、
推奨動作条件の範囲内で設定して下さい。ま
V DT n
DT端子電圧
V DT
た、各端子の印加電圧及び電流も推奨動作
条件内で使用して下さい。
ts
OUT1 ・ OUT2 端 子 と VCC 端 子 の 間 に は
図 17
PchMOSFET が 内 蔵 さ れ て い ま す 。 こ の
DT 端子電圧の設定は 0.65V∼1.14V(typ.)間
PchMOSFET には寄生回路が構成されていま
の比較的狭い範囲で行います。この端子に大
す。従いまして OUT1・OUT2 端子電圧が Vcc
きなノイズ等が印加されると、出力パルス割れ
電圧より高くなった場合、各端子より VCC 端
等が発生する可能性があります。パターン配
子側へ電流が流れますのでご注意下さい。
線は、出来るだけ IC の各端子の直近に接続
また、VCC ラインを切断、制限することもでき
してください。
ません。
(5)過電流制限回路の設定方法
(7)ICの損失
過電流制限の設定は OCL 端子電圧が 210mV
IC の損失は直接測定しにくいため、ここでは
になる点で抵抗 RS を設定します。
MOSFET 直結時の損失の考え方を計算で概
制限をかけたい電流を IS とすると
略を求める例を示します。
19
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電源電圧 Vcc、IC の消費電流を ICC1、駆動す
る MOSFET のゲート入力電荷量を Qg、スイッ
チング周波数 fsw とすると、IC の 1ch あたりの
CB
全損失Pdは、
11
10
Pd≒Vcc×(ICC1+Qg×fsw)
OUT1
(OUT2)
で求められます。
なおここで使用する値には、電源電圧依存性、
図 19
温度特性、バラツキ等が考えられますので、
これらを考慮の上全条件範囲で十分検証して
(10)負電圧印加防止
ください。
ICの各端子に大きなマイナス電圧が印加され
例)
ると、IC内部の寄生素子が動作し、誤動作の
Vcc=6.0V の場合特性曲線より標準的な IC の
原因になる場合があります。各端子に加わる
場 合 、 ICC1=2.9mA で あ り 、 Qg=6nC 、
電圧は、-0.3V 以下にならない様にご注意くだ
fsw=78kHz とすると
さい。
Pd≒6.0×(2.9mA+6nC×78kHz)
DT1,DT2 端子は、REF 端子に接続される容量
≒20.2mW
と DT 端子に接続される容量の関係によっては、
となり、2ch とも同じ条件の MOSFET を駆動し
電源停止時にマイナス電位まで行く場合があり
た場合 Qg×fsw が 2 倍になり
ます。この場合は DT 端子と GND 間にダイオー
Pd≒6.0×{2.9mA+2×(6nC×78kHz)}=23mW と
ドを接続してください。また、出力短絡時には
なります。
FB1 端子もマイナス電位まで行きます。従いま
して、この場合も FB1 端子と GND 間にダイオー
(8)出力段の能力について
ドを接続してください。(図 20)
Vout1
本ICの出力段の能力は、シンク電流:150mA,
20 REF
ソース電流:400mA となっています。外付けされ
るスイッチング素子によってはスイッチングスピ
7 DT2
15 FB1
14 DT1
ードに影響してきますので、特に高周波で使用
される場合には御注意ください。また、能力が
足らない場合はバッファ回路を構成すると対策
図 20
は可能です。
(11)ノイズによる誤動作防止
(9)バイポーラ駆動の場合の注意点
本 IC はアナログ IC であり、各端子にノイズが印
スイッチング素子にバイポーラトランジスタを使
加されると誤動作の原因になります。特に下記
用する場合は、IC 内部に制限抵抗が入ってい
端子部は誤動作の恐れがありますので、各ブ
ないため過大な電流が流れ焼損の恐れがあり
ロックの動作説明を参照の上 IC の端子直近に
ます。バイポーラトランジスタを駆動する際は必
フィルターを入れてください。また動作の確認は
ずベース抵抗を接続してください。(図 19) この
電源セットで充分行ってください。
場合の OUT 端子の出力電流は 50mA(連続)以
① OCL1,2 端子
下で使用してださい。
② DT1,2 端子
また、スイッチングスピードアップのためにはコ
③ FB2 端子
ンデンサ CB も接続すると効果的です。
④ VCC 端子
20
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(12)DC-DC コンバータ出力電圧の設定
Ch1:降圧回路
図 21 に各チャンネルの DC- DC コンバータの
Vout1
出力電圧設定方法を示します。
R1
16
IN1+
R2
ch1 で降圧回路を構成した場合、出力電圧は
15
+
VB
(0.8V)
R1 + R 2
Vout1 =
× VB
R2
Vout 2 =
Ch2:降圧回路
R3 + R 4
×V 1
R3
Vout2
R4
20
IN2-
R5
-
6
+
R3
圧は(出力電圧は負の値で表示)
FB2
4
V1
R6
R3 + R 4
R4
Vout 2 =
× V1 −
× VREF
R3
R3
R6
× VREF
R5 + R 6
Vout2
IN2+
10
9
OUT2
Ch2:極性反転回路
R5
R3
抵抗比は
20
REF
4
IN2+
R3 VREF − V 1
=
R 4 Vout 2 + V 1
R4
V1
+
6
-
FB2
5
Vout2
IN210
R6
で求まります。(但し、Vout2 の電圧は絶対値
9
OUT2
Vout2
で計算して下さい)
R7=R8 と設定すると
図 21
⎛ R3 − R 4 ⎞
Vout 2 = VREF × ⎜
⎟
⎝ 2 R3 ⎠
Vout 2 =
REF
5
ch2 で極性反転回路を構成した場合、出力電
ここで V 1 =
11
OUT1
9
ch2 で降圧回路を構成した場合、出力電圧は
Vout1
FB1
R3 + R 4
× VREF
R3
で求まります。
21
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10.応用回路例
VIN
VOUT1
GND
GND
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
REF
CP
SYNC IN
ON/OFF1
IN1+
FB1
DT1
OCL1
VCC
OUT1
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Fuji Electric Device Technology
FA7707
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20
19
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