民 法 九 四 条 二 項 お よ び 一 一 〇 条 の 類 推 適 用 に つ い て

295
登
記
を
信
頼
し
た
第
三
者
の
保
護
を
図
っ
て
き
た
。
そ
し
て
判
例
は
、
る
場
合
に
は
、
民
法
九
四
条
二
項
を
類
推
適
用
す
る
こ
と
に
よ
っ
て
、
は
異
な
る
登
記
名
義
の
作
出
に
つ
い
て
真
の
権
利
者
に
帰
責
性
が
あ
動
産
取
引
安
全
の
た
め
に
、
判
例
・
学
説
は
、
真
実
の
権
利
関
係
と
思
関
与
が
あ
る
こ
と
を
類
推
適
用
の
要
件
と
す
べ
き
で
あ
る
と
の
見
推
適
用
の
無
限
定
な
拡
大
を
危
惧
し
、
真
の
権
利
者
の
積
極
的
な
意
る 意 ﹁ 小 真
こ 。 が 本 判 の
う
あ 判 平 権
し
っ 決 成 利
た
た ﹂ 一 者
判
こ と 八 の
例
と 呼 年 帰
の
で ぶ
︶ 二 責
状
足 に 月 性
況
り お 二 の
に
る い 三 要
対
と
日 件
し
す て 民 を
て
る は 集 順
、
ま 、 六 次
学
で 真 〇 緩
説
に の 巻 和
で
な 権 二 し
は
っ 利 号 て
、
た 者 五 き
九
よ に 四 て
四
う 重 六 お
条
に 大 頁 り
二
も な ︵ 、
項
み 不 以 最
類
え 注 下 一
不
動
産
登
記
に
信
力
を
認
め
て
い
な
い
日
本
民
法
に
お
け
る
不
判
例
評
釈
一
は
じ
め
に
、
三 二 一
事
案
の
察 概
要
と
判
旨
は
じ
め
に
最
一
小
判
平
成
一
八
年
二
月
二
三
日
を
素
材
と
し
て
新
井
敦
志
民
法
九
四
条
二
項
お
よ
び
一
一
〇
条
の
類
推
適
用
に
つ
い
て
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
X
は
、
以
前
、
そ
の
所
有
す
る
土
地
を
県
土
地
開
発
1
事
案
の
概
要
二
事
案
の
概
要
と
判
旨
社
の
仲
介
な
お
、
X
が
A
に
本
件
不
動
産
を
売
り
渡
す
旨
の
売
買
契
約
書
た り
︵ 、
平 X
成 の
一 印
一 鑑
年
一 登
一 録
月 証
三 明
〇 書
日 各
お 二
よ 通
び
平
成
一
二
年
一
月
二
八
日
︵ ︶
平 。
︵
合
計
四
通
︶
を
A
に
付
し
A
か
ら
そ
の
土
地
の
登
記
手
続
に
必
要
だ
と
言
わ
れ
、
二
回
に
わ
た
登
記
手
続
お
よ
び
隣
接
地
と
の
合
筆
登
記
手
続
を
依
頼
し
て
い
た
が
、
296
法
九 本
四 稿
条 で
二 は
項 、
の 本
類 判
推 決
適 を
用 素
に 材
つ と
い し
て つ
の つ
検 、
討 以
を 上
行 の
い 点
た を
い 中
と 心
思 に
う1
民
︶
。
み
る
必
要
が
あ
る
。
用
に
お
い
て
は
、
両
条
項
の
﹁
法
意
に
照
ら
し
て
﹂
と
い
う
文
言
わ が
さ
ら
に
、
判
例
に
よ
る
九
四
条
二
項
と
一
一
〇
条
の
重
畳
的
類
推
適
で
の
類
推
適
用
と
の
関
係
に
つ
い
て
の
検
討
も
必
要
と
な
っ
て
い
る
。
推
適
用
と
い
う
法
的
構
成
も
採
用
さ
れ
て
お
り
、
九
四
条
二
項
単
独
て
は
、
本
判
決
の
よ
う
に
、
一
一
〇
条
と
の
重
畳
的
類
る ど の 解
ま 。 う 帰 も
責 有
た
、
え 性 力
判
る や で
例
か 第
三 あ
に
は 者 り
よ
、 の 、
る
な 保 九
九
お 護 四
四
検 要 条
条
討 件 二
二
さ ︶ 項
項
れ お 類
類
る よ 推
推
べ び 適
適
き そ 用
用
問 の の
の
題 主 た
拡
で 張 め
張
あ ・ の
過
り 立 要
程
続 証 件
に
け 責 ︵
お
て 任 本
い
い を 人
た
七
三
七
一
番
四
の
土
地
に
つ
い
て
も
、
A
に
対
し
、
所
有
権
移
転
預 動
び
け 産 X 敷
た の は 金
︵ 登 A 等
平 記 か の
成 済 ら 授
一 証 前 受
一 を 記 は
年 預 二 す
九 か 四 べ
月
二 ら 〇 て
一 せ 万 A
日 て 円 を
︶ ほ の 介
。 し 返 し
ま い 還 て
た と 手 行
、 言 続 わ
X わ を れ
は れ す た
、 、 る 。
以 こ の
前 れ で
に を 本
購 A 件
入 に 不
た
が
、
そ
の
際
の
賃
借
人
と
の
紹
介
に
よ
り
、
同
年
七
月
以
降
、
本
件
不
動
産
を
第
三
者
に
賃
貸
し
名
目
で
二
四
〇
万
円
を
A
に
ま
ま
に
、
本
件
不
動
産
の
管
理
を
業
者
に
委
託
す
る
た
め
の
諸
経
費
賃
貸
す
る
よ
う
取
り
計
ら
っ
て
ほ
し
い
と
依
頼
し
、
A
に
言
わ
れ
る
し
た
が
X
へ
の
所
有
権
移
転
登
記
が
な
さ
れ
な
い
ま
ま
に
な
っ
て
い
れ
る
場
合
と
が
あ
り
、
こ
の
い
け
の
意
義
に
つ
い
て
も
え
て
わ
れ
る
場
合
と
、
両
条
項
の
﹁
類
推
適
用
﹂
と
い
う
文
言
が
渉
、
賃
貸
借
契
約
書
の
作
成
お
よ
付
し
た
︵
同
年
二
月
︶
。
X
は
A
の
︵
併
用
的
︶
成
八
年
一
月
二
五
日
︶
産
に
つ
い
て
の
B
か
ら
X
へ
の
所
有
権
移
転
登
記
が
な
さ
れ
た
A
の
紹
介
に
よ
り
、
。
B
X
か
は
ら
A
本
に
件
対
不
し
動
、
産
本
を
件
買
不
い
動
受
産
け
を
、
第
本
三
件
者 ︵ 不
に 平 動
に
よ
り
日
本
道
路
団
に
売
却
し
た
際
に
知
り
合
っ
た
同
社
職
員
297
を
提
起
し
た
。
第
一
審
︵
大
地
判
平
成
一
四
年
四
月
一
九
日
判
時
一
そ
の
内
容
を
確
認
し
た
り
途
を
問
い
た
だ
し
た
り
す
る
こ
と
も
な
ら
Y
に
対
す
る
所
有
権
移
転
登
記
の
抹
消
登
記
手
続
を
求
め
て
訴
え
X
の
面
前
で
こ
れ
を
本
件
不
動
産
の
登
記
申
請
書
に
押
捺
し
た
の
に
、
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
X
は
、
Y
に
対
し
て
、
本
件
不
動
産
の
所
有
権
に
基
づ
き
、
A
か
成
一
二
年
二
月
一
日
に
は
、
A
の
言
う
ま
ま
に
実
印
を
渡
し
、
A
が
こ
と
に
つ
い
て
過
失
が
な
か
っ
た
。
ず
、
こ
れ
を
顧
み
る
こ
と
な
く
、
さ
ら
に
、
本
件
登
記
が
さ
れ
た
平
件
不
動
産
の
所
有
者
で
あ
る
と
信
じ
、
か
つ
、
そ
の
よ
う
に
信
じ
る
三
月
二
三
日
︶
︵ 、
同 こ
年
四 れ
月 に
五 基
日 づ
︶ き
が
な
さ
れ
た
。
Y
は
、
本
件
登
記
等
か
ら
A
が
本
A
は
、
Y
と
の
間
で
本
件
不
動
産
の
売
買
契
約
を
締
結
し
件
登
記
︶
を
し
た
。
A
か
ら
Y
へ
の
所
有
権
移
転 ︵
登 同
記 年
ま 書 産 回
に に を に
処 署 売 わ
名 却 た
さ 押 す っ
れ 印 る て
か す 意 印
ね る 思 鑑
な な が 登
い ど な 録
状 、 い 証
況 A の 明
を に に 書
生 よ A 四
じ っ の 通
さ て 言 を
せ 本 う A
て 件 ま に
い 不 ま
た 動 に 付
に 産 本 し
も が 件 、
か ほ 売 本
か し 買 件
わ い 契 不
ら ま 約 動
A
か
ら
七
三
七
一
番
四
の
土
地
の
登
記
手
続
に
必
要
と
言
わ
れ
て
二
月
三
一
日
売
買
を
原
因
と
す
る
所
有
権
移
転
登
記
手
続
記
済
証
お
よ
び
印
鑑
登
録
証
明
書
な
ら
び
に
前
記
登
記
申
請
書
を
用
二
年
二
月
一
日
︶
︵
以
下
、
本
い
て
、
同
日
、
本
件
不
動
産
に
つ
き
、
X
か
ら
A
に
対
す
る
同
年
一
も
な
い
の
に
A
に
預
け
て
数
か
月
間
に
わ
た
っ
て
こ
れ
を
放
置
し
、
る 記 係
2
と 等 る 上
は の 事 告 判
手 務 棄
え 続 及 却
ら を び 。 旨
れ 任 七 ﹁
な せ 三 ⋮
い て 七 ⋮
本 い 一 X
件 た 番 は
不 の 四 、
動 で の A
産 あ 土 に
の る 地 対
登 が に し
記 、 つ 、
済 そ い 本
証 の て 件
を た の 不
合 め 所 動
理 に 有 産
的 必 権 の
な 要 移 賃
理 で 転 貸
由 あ 登 に
。
A
は
、
X
か
ら
預
か
っ
て
い
た
本
件
不
動
産
の
登
動
産
の
登
記
申
請
書
に
押
印
す
る
の
を
漫
然
と
見
て
い
た
︵
平
成
一
と
言
わ
れ
て
実
印
を
渡
し
、
A
が
そ
の
場
で
所
持
し
て
い
た
本
件
不
X
は
、
A
か
ら
前
記
七
三
七
一
番
四
の
土
地
の
登
記
手
続
に
必
要
の
で
あ
る
︵
作
成
時
期
は
不
明
︶
。
て
X
の
請
求
を
棄
却
し
た
。
X
上
告
。
が
な
い
の
に
A
か
ら
言
わ
れ
る
ま
ま
に
署
名
押
印
し
て
作
成
し
た
も
容 成
・ 一
適
用
に
よ
り
、
Y
が
本
件
不
動
産
の
所
有
権
を
取
得
し
た
と
判
断
し
日
判
時
一
八
四
二
号
七
二
頁
︶
途
を
確
認
す
る
こ
と
な
く
、
本
件
不
動
産
を
売
却
す
る
意
思
一
年
一
一
月
七
日
付
け
︶
が
存
在
す
る
が
、
こ
れ
は
X
が
そ
の
内
八
四
二
号
七
九
頁
︶
お
よ
び
は 原
、 審
い ︵
ず 福
岡
れ 高
も 判
民 平
法 成
一 一
一 五
〇 年
条 三
の 月
類 二
推 八
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
⑴
整
理 学
説
に
よ
る
民
法
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
判
例
の
1
民
法
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
に
関
す
る
判
例
と
学
説
三
察
の
と
解
す
る
の
が
相
当
で
あ
る
。
﹂
類
・
例 四 日 六 頁 ⑤ 和
⑨ 五 民 号 ︵ ︶ 四
、
︶
、 年 集 四 以
最 四
下
二
六
年
最 九
、 一
一 月 四 五 判 判 五
判 二 巻 頁 例 昭 月
二
昭 二 七 ︵
以 ⑥ 和 七
︶ 四
和 日 号 下 、
四 民 一 、 最 五 日
五 集 一 判 三 年 民
年 二 一 例 判 四 集
一 四 六 ⑦ 昭 月 二
頁 ︶
三
一 巻 ︵ 、
和 一
月 一 以 最 四 六 巻
一 〇 下 二 五 日 六
九 号 、 判 年 民 号
日 一 判 昭 六 集 九
民 四 例 和 月 二 九
集 二 ⑧ 四 二 四 八
︶
二 四 、
五 日 巻 頁
四 頁
四 ︵
以
︵ 最 年 民
巻 以 三 七 集 号 下
一 下 判 月 二 二 、
二 、 昭 二 四 六 判
号 判 和 四 巻 六 例
取
得
し
て
い
な
い
こ
と
を
Y
に
対
し
主
張
す
る
こ
と
が
で
き
な
い
も
〇
条
の
類
推
適
用
に
よ
り
、
X
は
、
A
が
本
件
不
動
産
の
所
有
権
を
日
民
集
二
二
巻
一
〇
号
二
一
八
八
頁
号
四
五
一
頁
︵
以
下
、
判
例
④
︶
、
最
三
判
昭
失
が
な
か
っ
た
と
い
う
の
で
あ
る
か
ら
、
民
法
九
四
条
二
項
、
一
一
と
の
外
観
を
信
じ
、
ま
た
、
そ
の
よ
う
に
信
ず
る
こ
と
に
つ
い
て
過
そ
し
て
、
前
記
確
定
事
実
に
よ
れ
ば
、
Y
は
、
A
が
所
有
者
で
あ
る
置
し
た
場
合
と
同
視
し
得
る
ほ
ど
重
い
も
の
と
い
う
べ
き
で
あ
る
。
作
出
に
積
極
的
に
関
与
し
た
場
合
や
こ
れ
を
知
り
な
が
ら
あ
え
て
放
出
さ
れ
た
こ
と
に
つ
い
て
の
X
の
帰
責
性
の
程
度
は
、
自
ら
外
観
の
る
も
の
で
あ
り
、
A
に
よ
っ
て
虚
偽
の
外
観
下
、
判
例
②
︶
︵ 、
以 最
下 二
、
判 判
例 昭
③ 和
︶ 四
二
判
昭
和
三
七
年
九
月
一
四
日
民
集
一
六
巻
九
号
一
九
三
五
頁
年
八
月
二
〇
日
民
集
八
巻
八
号
一
五
〇
五
頁
見
て
み
る
こ
と
に
す
る
。
対
象
と
す
る
判
例
は
、
最
二
判
昭
和
二
九
に
つ
い
て
の
四
宮
教
授
と
中
舎
教
授
に
よ
る
で
は
、
九
四
条
二
項
を
類
推
適
用
し
た
も
の
と
し
て
代
表
的
な
判
例
学
説
に
お
い
て
さ
ま
ざ
ま
な
、
最
一
判
昭
和
四
三
年
一
〇
月
一
七
一
年
三
月
一
︵
八
以
日
下
民
、
判
集
例
二
①
〇
︶
巻 ︵ 、
三 以 最
類
・
整
理
を
簡
単
に
︵
不
実
の
登
記
︶
が
作
析
・
類
が
な
さ
れ
て
い
る
。
以
下
で
き
た
の
は
、
上
記
の
よ
う
な
X
の
余
り
に
も
不
注
意
な
行
為
に
よ
298
請
者
と
す
る
登
記
申
請
書
を
用
い
て
本
件
登
記
手
続
を
す
る
こ
と
が
が
本
件
不
動
産
の
登
記
済
証
、
X
の
印
鑑
登
録
証
明
書
及
び
X
を
申
く
漫
然
と
こ
れ
を
見
て
い
た
と
い
う
の
で
あ
る
。
そ
う
す
る
と
、
A
え 降
2、
る︶
。 特
そ に
し 昭
て 和
、 四
今 〇
日 年
に 代
至 の
る 判
ま 例
で に
に よ
集 っ
積 て
し 大
た き
判 く
例 展
に 開
つ し
い た
て と
は い
、
民
法
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
の
法
理
は
、
昭
和
二
〇
年
代
末
以
⒜
類
の
対
象
と
す
る
判
例
299
が
あ
る
。
二
項
を
類
推
適
用
し
て
善
意
の
第
三
者
を
保
護
し
て
い
る
。
い
う
よ
う
に
︵
判
例
③
︶
、
権
利
者
自
身
が
外
形
を
作
出
し
そ
の
外
判
例
は
、
こ
れ
ら
意
思
外
形
対
応
型
の
場
合
に
つ
い
て
、
九
四
条
ろ
、
B
が
事
情
を
知
ら
な
い
C
に
こ
の
物
を
勝
手
に
売
却
し
た
と
黙
示
に
こ
れ
を
承
認
し
て
い
た
場
合
に
つ
い
て
、
判
例
が
あ
る
。
て
当
該
物
に
つ
い
て
B
名
義
で
の
所
有
権
保
存
登
記
を
し
た
と
こ
の
所
有
名
義
で
登
録
さ
れ
て
い
る
こ
と
を
知
り
な
が
ら
明
示
ま
た
は
る
。
外
形
自
己
作
出
型
。
意
思
外
形
対
応
型
。
こ
れ
に
は
、
二
つ
の
場
合
が
あ
る
と
す
物
を
新
築
し
た
A
が
B
の
承
諾
を
得
な
お
、
未
登
記
物
の
所
有
者
A
が
、
固
定
資
産
課
税
台
帳
上
、
B
用
に
よ
り
第
三
者
の
保
護
を
認
め
た
判
例
が
あ
る
︵
判
例
⑨
︶
。
こ
れ
を
放
置
し
て
い
た
場
合
に
つ
い
て
も
、
九
四
条
二
項
の
類
推
適
権
類 利
す 者
る︶3 の
。 意
思
を
逸
脱
す
る
場
合
と
に
と
、
両
者
が
対
応
を
欠
く
場
合
、
す
な
わ
ち
、
外
形
が
真
実
の
か
ら
B
へ
の
不
実
の
所
有
権
移
転
登
記
を
経
由
し
た
事
実
を
そ
の
直
ま
た
、
土
地
の
所
有
者
A
が
、
B
が
A
の
実
印
等
を
冒
用
し
て
A
︵
意
思
外
形
非
対
応
型
︶
後
に
知
り
な
が
ら
抹
消
登
記
手
続
を
せ
ず
一
定
の
期
間
に
わ
た
っ
て
型 の
登 で 年 民 一
︶ 基 四 ⒝ 記 あ 一 集 九
礎
と
な
っ
た
外
形
﹂
と
が
対
応
す
る
場
合
︵
=
意
思
外
形
非
対
応
型
。
前
出
の
外
形
他
人
作
出
型
で
、
外
形
形
を
第
三
者
が
信
頼
し
た
場
合
で
あ
る
。
な
お
、
A
に
よ
る
不
実
登
=
に
対
す
る
権
利
者
の
承
認
が
な
い
場
合
で
あ
る
。
例
え
ば
、
不
動
産
記
の
作
出
に
つ
い
て
B
の
承
諾
が
な
か
っ
た
場
合
と
し
て
、
判
例
⑧
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
意
思
外
形
対
応
四
条
二
項
の
類
推
適
用
に
よ
り
保
護
さ
れ
る
。
宮
教
授
は
、
﹁
真
実
の
権
利
者
の
意
思
﹂
と
﹁
第
三
者
の
信
頼
つ
い
て
事
後
的
に
承
認
を
与
え
て
い
た
と
き
は
、
そ
の
第
三
者
は
九
名
義
人
等
の
外
形
上
の
類 所
有
者
を
B
、
第
三
者
を
C
と
す
る
。
る
。
な
お
、
以
下
の
説
明
で
は
、
月
二
〇
日
で
あ
る
。
こ
の
よ
う
な
場
合
で
あ
っ
て
も
、
権
利
者
が
そ
の
外
形
に
れ
た
と
い
う
よ
う
に
さ
れ
、
そ
の
後
そ
の
登
録
名
義
に
基
づ
い
て
B
名
義
の
登
記
が
な
さ
四
宮
教
授
に
よ
る
他
人
が
作
出
し
た
も
の
で
あ
り
、
権
利
者
の
意
思
と
食
い
違
う
場
合
二
七
巻
六
号
七
二
四
頁
一
六
頁
︵
以
下
、
判
例
⑩
︵ ︶
以 、
下 最
、 一
判 判
例 昭
月
三
三
巻
九
号
二
二
三
宜
四
和
上
︶
、 四
、 頁
︵
真 以 最 八
の 下 三 年
所 、 判 六
有 判 昭 月
者 例 和 二
六 八
を
A ︶ 二 日
、
︵
判
例
⑥
︶
、
第
三
者
C
の
信
頼
し
た
外
形
は
ま
ま
で
い
た
と
こ
ろ
、
他
人
に
よ
っ
て
B
名
義
で
家
屋
台
帳
に
登
録
外
形
他
人
作
出
型
。
物
の
贈
与
を
受
け
た
A
が
未
登
記
の
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
九
四
条
二
項
、
同
法
一
一
〇
条
の
法
意
に
照
ら
し
、
外
観
尊
重
お
よ
判
例
は
、
こ
の
意
思
外
形
非
対
応
型
の
場
合
に
つ
い
て
、
﹁
民
法
外 事 な 権
形 案 外 保
︶
﹂ で 形 全
に あ ︵ の
対 り 所 仮
登
す 、 有
権
る 四 保 記
信 宮 全 を
頼 教 仮 し
を 授 登 た
保 は 記 が
、
護 、
﹁ と
す 消 抵 結
る 極 当 局
も 的 権 は
の 外 設 担
と 観 定 保
さ ︵ 登 権
れ あ 記 設
る る ︶ 定
。 い が が
は 作 あ
、 出 っ
過 さ た
小 れ よ
な た う
が 登 書 と て
あ 記 類 こ A
る を を ろ B
︵ 行 預 、 間
判 っ け B で
例 た 、 が 売
⑦ う B′ さ 買
︶
。 え が ら を
な で こ に 仮
お 当 れ B′ 装
、 該 を に し
判 不 基 融 B
例 動 に 資 へ
⑩ 産 し 斡 の
を て 旋 所
は
C B を 有
、
に か 依 権
所
売 ら 頼 移
有 却
B′ し 転
権 し へ て 登
取 た の 登 記
得 と 所 記 を
者 い 有 手 経
が う 権 続 由
所 事 移 必 し
有 案 転 要 た
A
の
た
め
に
B
が
融
資
を
受
け
る
本
判
決
の
登
場
を
踏
ま
え
て
、
意
思
外
形
非
対
応
型
は
、
さ
ら
に
、
ま
た
、
吉
田
教
授
は
、
四
宮
教
授
の
類
型
化
を
前
提
と
し
つ
つ
、
る さ
も ず
の 、
と ﹁
位 九
置 四
づ 条
け 二
て 項
い と
4一
る︶
。 一
〇
条
併
用
の
第
三
類
型
﹂
を
形
成
す
り
権
利
者
の
利
益
を
図
る
必
要
が
あ
る
と
の
説
明
を
加
え
て
い
る
。
見
教
授
は
、
本
判
決
を
、
前
述
し
た
二
つ
の
類
型
の
い
ず
れ
に
も
属
以
上
の
よ
う
な
四
宮
教
授
の
類
型
化
を
前
提
と
し
た
う
え
で
、
能
る
と
こ
ろ
か
ら
、
第
三
者
の
無
過
失
を
も
慮
に
入
れ
る
こ
と
に
よ
る
が
、
第
三
者
の
信
頼
し
た
外
形
が
権
利
者
の
意
思
を
逸
脱
し
て
い
の
で
あ
る
と
い
う
こ
と
で
あ
り
、
権
利
者
の
帰
責
事
由
は
認
め
ら
れ
権
利
者
の
承
認
を
与
え
た
外
形
と
の
間
に
適
当
な
関
連
を
有
す
る
も
宜
上
、
A
所
有
不
動
産
に
つ
い
対
す
る
権
利
者
の
承
認
が
な
い
と
い
う
場
合
で
あ
る
。
そ
の
他
に
、
第
二
外
形
に
基
づ
い
て
名
義
人
が
処
意
思
に
基
づ
く
外
形
し
た
が
、
こ
の
第
二
外
形
に
背
信
行
為
に
よ
り
第
一
外
形
を
基
に
し
て
第
二
外
形
が
作
ら
れ
そ
の
応
型
の
場
合
、
中
間
者
の
背
信
行
為
に
よ
っ
て
作
出
さ
れ
た
外
形
が
づ
く
こ
と
を
要
求
す
る
必
要
が
な
い
の
に
対
し
て
、
意
思
外
形
非
対
は
権
利
者
の
帰
責
性
が
大
き
い
の
で
第
三
者
の
信
頼
が
無
過
失
に
基
要
因
の
相
関
関
係
に
よ
っ
て
決
め
ら
れ
る
が
、
意
思
外
形
対
応
型
で
観
に
対
す
る
信
頼
と
が
要
求
さ
れ
、
第
三
者
の
保
護
は
主
と
し
て
両
︵
第
一
外
形
︶
が
作
ら
れ
た
後
に
、
名
義
人
の
記
手
続
を
し
て
し
ま
っ
た
と
い
う
よ
う
に
300
、
権
利
者
の
と
こ
ろ
、
こ
れ
を
も
と
に
B
が
勝
手
に
不
動
産
所
有
権
取
得
の
本
登
装
し
、
B
の
た
め
に
所
有
権
移
転
請
求
権
保
全
仮
登
記
手
続
を
し
た
所
有
者
A
が
B
と
合
意
の
上
で
当
該
不
動
産
に
つ
き
売
買
予
約
を
仮
頼
保
護
に
よ
っ
て
不
利
益
を
受
け
る
者
の
帰
責
事
由
と
第
三
者
の
外
し
て
い
る
理
由
と
し
て
、
四
宮
教
授
は
、
表
見
法
理
で
は
一
般
に
信
護
し
て
い
る
。
な
お
、
判
例
に
お
い
て
び
取
引
保
護
の
要
請
﹂
に
基
づ
い
て
善
意
・
無
過
失
の
第
三
者
を
保
︵
判
例
④
︶
と
と
で
取
扱
い
を
異
に
301
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
れ 頼
⒞ る し
﹂ た
中 と 第
舎 の 三
教 判 者
授 例 は
に 法 、
よ 理 民
る が 法
説 確 九
明 立 四
し 条
て 二
い 項
る の
と 類
さ 推
れ 適
6用
る︶
。 に
よ
り
保
護
さ
の
意
思
に
基
づ
い
て
関
与
し
て
い
る
場
合
、
そ
の
外
形
を
正
当
に
信
め
れ
ば
、
﹁
不
実
の
外
形
の
作
出
ま
た
は
存
続
に
真
正
権
利
者
が
そ
二
項
の
類
推
適
用
に
関
し
て
は
、
一
一
〇
条
と
の
併
用
の
場
合
も
含
︵
従
来
、
﹁
の
意
二
思
つ
外
が
形
あ
非
対
る
応
と
型
す
﹂
る
と
。
呼
そ
ば
の
れ
う
て
え
き
で
た
、 本 も
現 判 の
在 決 ︶
、 が と
九 こ ﹁
四 れ 民
条 に 法
の
と
こ
ろ
、
﹁
民
法
九
四
条
二
項
と
民
法
一
一
〇
条
の
法
意
併
用
型
﹂
条
の
併
用
型
﹂
と
す
る
。
そ
し
て
、
こ
の
併
用
型
と
し
て
は
、
現
在
れ
と
対
比
さ
れ
る
べ
き
も
の
を
﹁
民
法
九
四
条
二
項
と
民
法
一
一
〇
そ
の
こ
と
に
つ
い
て
A
B
間
に
通
謀
が
な
く
、
ま
た
B
の
承
諾
が
な
権
利
者
本
人
A
の
意
思
だ
け
が
重
要
と
の
批
判
が
な
さ
れ
て
い
た
。
が
あ
る
こ
と
が
必
要
と
二
項
類
推
適
用
判
例
に
関
し
て
は
、
通
謀
か
登
記
名
義
人
B
の
承
諾
に
続
く
も
の
と
し
て
、
判
例
②
③
⑤
︶
作
出
さ
れ
、
そ
の
こ
と
に
つ
い
て
A
B
間
の
通
謀
ま
た
は
B
の
承
諾
い
が
、
A
の
意
思
に
基
づ
い
て
B
名
義
の
虚
偽
る
類 に
と
推 よ
す
適 る
通 る 外 用 以
謀 。 形 に 下
承
自 よ の
諾
己 る よ
型
作 処 う
。
出 理 な
判
型 の 説
例
。 展 明
は
こ 開 に
、
れ プ よ
ま
に ロ り
ず
つ セ 、
、
い ス 判
A
て が 例
B
は 明 に
間
、 ら お
に
次 か け
虚
の に る
偽
二 さ 九
表
類 れ 四
示
型 て 条
は
が い 二
な
あ る︶7 項
。
B
名
義
に
す
る
こ
と
が
A
の
意
思
に
基
づ
く
も
の
で
あ
る
場
合
に
は
、
意
思
型
。
前
述
の
批
判
を
受
け
て
、
判
例
は
、
登
記
名
義
を
え
ら
れ
て
い
た
点
に
つ
い
て
、
学
説
か
ら
、
当
た
る
︶
九
四
条
二
項
と
民
法
一
一
〇
条
の
類
推
適
用
型
﹂
︵
判
決
が
、
そ
の
後
の
判
例
の
展
開
に
お
け
る
原
点
と
な
っ
た
が
あ
る
場
合
に
九
四
条
二
項
を
類
推
適
用
し
た
。
な
お
、
こ
︵
の
判
時
例
期
①
の
︶
九 ︵ 。
四 こ こ
条 れ の
︵
不
実
︶
の
登
記
が
て
き
た
も
の
を
﹁
民
法
九
四
条
二
項
単
独
類
推
適
用
型
﹂
と
し
、
そ
れ
る
条
文
に
焦
点
を
当
て
、
従
来
﹁
意
思
外
形
対
応
型
﹂
と
呼
ば
れ
な
お
、
佐
久
間
教
授
は
、
判
例
に
お
い
て
類
推
適
用
の
対
象
と
さ
意 類
思 型
外 は
形 、
全 ①
部 意
非 思
対 外
応 形
型 対
に 応
再 型
整 、
理 ②
さ 意
れ 思
る 外
と 形
す 一
5部
る︶
。 非
対
応
型
、
③
二
項
類
推
適
用
の
範
囲
を
順
次
拡
大
し
て
き
た
と
す
る
。
中
舎
教
授
す
る
。
そ
し
て
そ
の
結
果
と
し
て
、
従
来
の
九
四
条
二
項
類
推
適
用
け
ら
れ
、
そ
の
間
に
は
量
的
な
違
い
で
は
な
く
質
的
断
絶
が
あ
る
と
を
基
礎
に
し
て
次
の
類
推
適
用
を
展
開
す
る
と
い
う
形
で
、
九
四
条
類
推
適
用
を
基
礎
に
し
て
次
の
類
推
適
用
を
展
開
し
、
さ
ら
に
そ
れ
一
部
非
対
応
型
︵
判
例
④
︶
と
全
部
非
対
応
型
︵
本
判
決
︶
と
に
中
舎
教
授
は
、
判
例
は
、
民
法
九
四
条
二
項
に
つ
い
て
の
一
つ
の
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
お
り
、
そ
の
こ
と
に
真
の
権
利
者
は
直
接
的
に
は
関
与
し
て
い
な
い
た
権
利
外
観
を
超
え
る
外
観
が
登
記
名
義
人
に
よ
っ
て
作
出
さ
れ
て
ポ
イ
ン
ト
は
、
こ
の
類
型
で
は
当
事
者
の
通
謀
に
よ
っ
て
作
出
さ
れ
と
え
承
認
が
事
後
的
で
あ
ろ
う
と
も
か
ま
わ
な
い
こ
と
に
な
り
、
類
み
で
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
を
認
め
る
こ
と
が
で
き
、
し
か
も
た
と
B
と
の
関
係
が
ど
の
よ
う
な
も
の
で
あ
ろ
う
と
も
、
A
の
承
認
の
る
。
こ
の
点
に
つ
い
て
中
舎
教
授
は
、
少
な
く
と
も
理
論
上
は
、
A
度
に
差
は
な
い
と
の
理
由
で
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
を
認
め
て
い
後
的
に
承
認
し
て
い
れ
ば
、
事
前
承
認
の
場
合
と
A
の
帰
責
性
の
程
で
は
な
い
場
合
で
あ
っ
て
も
、
A
が
こ
れ
を
明
示
ま
た
は
黙
示
で
事
た
判
例
⑥
の
事
案
の
よ
う
に
、
B
名
義
の
登
記
を
A
が
作
出
し
た
の
第
三
者
が
保
護
さ
れ
る
と
す
る
。
そ
し
て
中
舎
教
授
は
、
こ
こ
で
の
条
二
項
お
よ
び
一
一
〇
条
の
法
意
に
照
ら
し
て
、
善
意
・
無
過
失
の
信
頼
し
て
取
引
に
入
っ
た
と
い
う
場
合
に
つ
い
て
、
判
例
は
、
九
四
超
え
る
登
記
名
義
が
B
に
よ
っ
て
さ
ら
に
作
出
さ
れ
、
C
が
そ
れ
を
の
事
案
の
よ
う
に
、
A
B
が
通
謀
し
て
作
出
し
た
B
の
権
利
外
観
を
い
な
い
意 。
思
外
形
非
対
応
型
。
⒝
者
の
保
護
要
件
と
し
て
は
善
意
の
み
で
足
り
る
と
の
立
場
を
変
え
て
の
部
で
略
述
し
た
判
例
④
る
い
と
た
す
新
事 る 外 た
後 。 形 な
的
他 法
承
人
認
作 造
型
出 で
。
型 あ
判
。 る
例
こ と
は
れ す
、
に る
⒝
つ 。
い
て
も
、
の
次
部
の
二
で
類
略
型
述
が
し
あ
依
存
を
脱
却
し
て
お
り
、
実
質
的
に
は
類
推
適
用
と
い
う
手
法
を
用
意
思
に
求
め
る
こ
と
に
転
じ
た
も
の
で
あ
っ
て
、
条
文
の
文
言
へ
の
が
、
判
例
は
、
九
四
条
二
項
単
独
の
類
推
適
用
に
つ
い
て
は
、
第
三
限
界
を
超
え
る
も
の
で
は
な
い
か
と
の
懸
念
が
示
さ
れ
、
A
の
意
思
。
こ
れ
に
対
し
て
は
、
学
説
か
ら
、
九
四
条
二
項
類
推
適
用
の
− −
放
置
型
。
外
形
他
人
作
出
型
の
事
後
的
承
認
型
へ
の
九
四
条
推
適
用
の
範
囲
は
格
段
に
広
が
る
こ
と
に
な
っ
た
と
す
る
。
−
二
項
類
推
適
用
の
拡
大
を
受
け
て
、
そ
の
後
の
判
例
で
は
、
虚
偽
の
だ
け
で
な
く
無
過
失
ま
で
要
求
す
べ
き
と
の
主
張
が
な
さ
れ
て
い
る
ラ
ン
ス
と
し
て
、
第
三
者
保
護
要
件
を
厳
格
に
解
し
、
C
に
は
善
意
関
与
の
程
度
が
低
い
場
合
に
も
類
推
適
用
を
認
め
る
カ
ウ
ン
タ
ー
バ
な
い
し
外
形
上
の
所
有
者
B
の
承
諾
で
は
な
く
、
真
の
所
有
者
A
の
302
⑧ い
︶ と
。
こ
れ
に
つ
い
て
、
中
舎
教
授
は
、
類
推
適
用
の
根
拠
を
通
謀
き
で
も
、
九
四
条
二
項
を
類
推
適
用
す
べ
き
と
し
た
︵
判
例
類 に 登
︶ 推 つ 記
適
用
を
認
め
る
も
の
が
登
場
す
る
こ
と
に
な
る
︵
判
例
⑨
い
て
、
登
記
名
義
の
放
置
を
帰
責
根
拠
と
し
て
九
四
条
二
項
の
名
義
作
出
に
対
す
る
真
の
権
利
者
A
の
事
前
関
与
が
な
い
場
合
303
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
認
容
し
て
い
て
、
こ
れ
が
C
の
信
頼
し
た
虚
偽
の
登
記
が
な
さ
れ
る
は
、
A
は
何
ら
か
の
権
利
外
観
が
作
出
さ
れ
る
こ
と
を
通
謀
な
い
し
応
型
と
共
通
し
て
い
る
。
し
か
し
、
意
思
外
形
非
対
応
型
の
場
合
で
に
類
推
適
用
さ
れ
て
お
り
、
こ
の
点
で
は
、
前
述
の
意
思
外
形
非
対
と
さ
れ
る
。
こ
の
類
型
で
は
、
九
四
条
二
項
に
一
一
〇
条
が
重
畳
的
よ
り
、
善
意
・
無
過
失
の
第
三
者
C
が
保
護
さ
れ
る
と
す
る
も
の
だ
め
ら
れ
る
と
き
は
、
九
四
条
二
項
お
よ
び
一
一
〇
条
の
類
推
適
用
に
で
あ
っ
て
も
、
そ
の
こ
と
に
対
し
て
A
が
原
因
を
与
え
て
い
た
と
認
い
て
、
虚
偽
の
登
記
名
義
が
B
に
よ
っ
て
勝
手
に
作
出
さ
れ
た
場
合
し
た
の
が
本
判
決
で
あ
る
と
位
置
づ
け
る
。
そ
し
て
、
本
判
決
に
つ
を
背
景
に
し
て
、
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
を
さ
ら
に
拡
大
・
展
開
外
形
与
因
型
。
中
舎
教
授
は
、
以
上
の
よ
う
な
判
例
の
展
開
こ
と
が
で
き
る
の
か
、
あ
る
い
は
、
本
判
決
の
登
場
を
受
け
て
四
宮
に
、
四
宮
教
授
の
類
型
の
中
に
本
判
決
を
ど
の
よ
う
に
位
置
づ
け
る
も
求
め
ら
れ
る
こ
と
が
明
ら
か
に
な
っ
た
。
な
お
、
先
に
見
た
よ
う
そ
の
際
の
第
三
者
保
護
要
件
と
し
て
は
、
善
意
だ
け
で
な
く
無
過
失
い
て
は
、
九
四
条
二
項
と
一
一
〇
条
と
が
重
畳
的
に
類
推
適
用
さ
れ
、
条
文
ど
お
り
善
意
の
み
と
さ
れ
る
の
に
対
し
て
、
後
者
の
場
合
に
つ
類
推
適
用
さ
れ
、
そ
の
際
の
第
三
者
保
護
要
件
は
、
九
四
条
二
項
の
と
、
そ
し
て
、
前
者
の
場
合
に
つ
い
て
は
、
九
四
条
二
項
が
単
独
で
対
応
し
て
い
る
場
合
と
対
応
し
て
い
な
い
場
合
と
に
適
用
判
例
に
つ
い
て
は
、
権
利
者
本
人
の
意
思
と
虚
偽
の
外
形
と
が
い
に
着
目
し
た
四
宮
教
授
の
類
型
化
に
よ
り
、
九
四
条
二
項
の
類
推
ま
ず
、
民
法
九
四
条
二
項
類
推
適
用
判
例
の
事
案
の
構
造
的
な
違
け
ら
れ
る
こ
で
要
求
さ
れ
る
こ
と
に
な
っ
た
と
す
る
。
で
、
こ
の
場
合
の
第
三
者
に
つ
い
て
も
善
意
だ
け
で
な
く
無
過
失
ま
て
は
、
相
手
方
の
善
意
だ
け
で
な
く
無
過
失
が
要
求
さ
れ
て
い
る
の
囲
は
さ
ら
に
拡
大
す
る
が
、
他
方
で
は
、
一
一
〇
条
の
解
釈
に
お
い
項
に
一
一
〇
条
を
併
せ
て
類
推
す
る
こ
と
に
よ
り
、
類
推
適
用
の
範
え
ら
れ
て
い
る
点
で
あ
る
と
す
る
。
な
お
、
こ
の
よ
う
に
九
四
条
二
自
然
的
発
展
で
あ
り
、
こ
こ
が
一
一
〇
条
の
場
合
と
類
似
す
る
と
が
、
第
三
者
が
信
頼
し
た
登
記
名
義
は
通
謀
に
よ
る
第
一
の
外
観
の
と
⒟ す
る
ま 。
あ
り
、
一
一
〇
条
を
重
畳
的
に
類
推
適
用
し
て
い
る
意
味
が
異
な
る
条
を
利
用
す
る
こ
と
に
よ
っ
て
A
の
帰
責
性
を
補
充
し
て
い
る
の
で
に
つ
い
て
A
に
は
認
識
・
認
容
が
全
く
な
い
に
も
か
か
わ
ら
ず
、
同
て
い
る
の
に
対
し
て
、
外
形
与
因
型
の
場
合
で
は
、
虚
偽
外
形
作
出
出
さ
れ
た
虚
偽
の
登
記
と
の
ギ
ャ
ッ
プ
を
埋
め
る
た
め
に
利
用
さ
れ
原
因
と
な
っ
た
わ
け
で
あ
り
、
一
一
〇
条
は
A
の
認
識
・
認
容
と
作
と
め
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
例 ︵ も 現
⑧ 判 の と
︶ 例 ︵ し
が ② 判 て
あ ⑥ 例 は
︶ ① 、
る 、
。 ﹁ ③ ﹁
法 ⑤ 類
意 ⑨ 推
わ
れ
る
。
そ
し
て
、
本
判
決
は
、
﹁
真
正
権
利
者
の
意
思
的
承
認
﹂
権
利
者
の
意
思
的
承
認
﹂
を
前
提
と
す
る
も
の
で
あ
っ
た
点
で
、
本
型
﹂
・
﹁
意
思
外
形
非
対
応
型
﹂
が
、
程
度
の
差
こ
そ
あ
れ
、
﹁
真
正
件
事
案
と
は
異
な
る
と
い
う
の
が
学
説
の
一
般
的
理
解
で
あ
る
と
思
れ こ ﹁ て 大 後 謀 四
は
善
意
で
足
り
る
と
さ
れ
て
い
る
︵
判
例
①
②
③
⑤
⑥
⑧
⑨
の
関
係
に
つ
い
て
は
、
従
来
の
判
例
に
お
け
る
﹁
意
思
外
形
対
応
ず
、
九
四
条
二
項
単
独
の
類
推
適
用
判
例
で
は
、
第
三
者
保
護
保
護
要
件
と
い
う
観
点
か
ら
は
、
次
の
よ
う
に
整
理
で
き
る
。
本
判
決
と
民
法
九
四
条
二
項
類
推
適
用
に
関
す
る
従
来
の
判
例
と
⒜ ⑵
本
判
決
の
結
論
に
つ
い
て
お
、
判
例
に
お
け
る
九
四
条
二
項
類
推
適
用
の
法
的
構
成
と
第
本
判
決
に
対
す
る
学
説
の
評
価
よ
長 う
線 な
上 判
に 例
﹁ の
外 展
形 開
与 の
因 中
型 で
﹂ 、
と 本
し 判
て 決
位 は
置 、
づ 前
け 述
ら し
れ た
て ①
い の
る︶8 流
。
思
外
形
非
対
応
型
﹂
が
位
置
づ
け
ら
れ
る
こ
と
に
な
る
。
ま
た
、
る は
︵ 、
判 九
例 四
⑤ 条
︶
。 二
項
の
本
来
適
用
の
場
合
と
同
様
、
不
要
と
さ
れ
て
い
る
が
、
こ
れ
と
は
少
し
異
な
る
類
推
適
用
の
拡
大
と
し
て
、
②
ま
た
、
第
三
者
の
権
利
保
護
資
格
要
件
と
し
て
の
登
記
に
つ
い
て
流
れ
が
確
認
で
き
る
。
一
方
、
四
宮
教
授
の
類
型
と
も
関
係
し
承
認
型
﹂
↓
た 教
は
、
﹁
類
推
適
用
に
よ
り
﹂
と
の
表
現
が
採
ら
れ
て
い
る
。
例
④
に
依
拠
す
る
形
を
と
っ
て
い
る
︶
外
形
他
人
作
出
・
放
置
型
﹂
と
い
う
類
推
適
用
拡
と
が
あ
る
。
な
お
、
本
判
決
で
諾 二 に 議
型 項 、 論
﹂ の 中 の
↓
条 舎 余
外 文 教 地
形 か 授 が
自 ら に 出
己 ス よ て
作 タ る き
出 ー 判 て
・ ト 例 い
意 し の る
思 て 展 と
型 、 開 い
﹂ ① の え
↓
﹁ 整 る
外 外 理 。
形 形 に
他 自 よ
人 己 り
作 作 、
出 出 民
・ ・ 法
事 通 九
の こ
︵ と
判 に
例 つ
④ い
⑦
︶ て
0の
と1
︶
、 表
条 現
文 と
へ し
の て
言 は
及 、
﹁
を 法
し 意
な に
い 照
も ら
の し
︵ ﹂
判
例 と
⑩ す
る
判 も
:
、
﹁
法
意
に
照
ら
し
て
﹂
と
す
る
︵ も
判 の
し
﹂
あ
る
い
は
﹁
類
推
適
用
し
て
﹂
と
す
る
︶
三
︶ 件 ま 者 な の の 意 く の 的 承 条 次 な 授
。
な
お
、
九
四
条
二
項
を
類
推
適
用
す
る
こ
と
に
つ
い
て
の
表
に
照
ら
し
、
類
推
適
用
﹂
と
す
る
も
の
を
欠
く
場
合
で
も
、
そ
れ
と
同
視
で
き
る
よ
う
な
重
大
な
帰
責
性
が
要
304
例 第
④ 三
⑦ 者
9
⑩︶
保
︶ 護
。
ま
た
、
九
四
条
二
項
と
一
一
〇
条
を
類
推
適
用
す
る
要
件
と
し
て
善
意
・
無
過
失
が
要
求
さ
れ
て
い
る
︵
判
の
類
型
化
が
ど
の
よ
う
に
再
整
理
さ
れ
る
の
か
に
つ
い
て
、
新
次
に
、
九
四
条
二
項
と
一
一
〇
条
の
重
畳
的
類
推
適
用
判
例
で
は
、
305
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
当
化
す
る
ほ
ど
の
重
大
な
帰
責
性
が
認
め
ら
れ
る
か
疑
問
と
し
、
ま
の
﹁
余
り
に
も
不
注
意
な
行
為
﹂
に
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
を
正
界 に
を つ
超 い
え て
て 九
い 四
る 条
と 二
す 項
4を
る1
︶
。 類
ま 推
た 適
、 用
磯 す
村 る
教 こ
授 と
も は
、 、
本 類
件 推
X 適
の 用
一 の
連 限
利
者
が
何
ら
虚
偽
の
権
利
外
観
作
出
を
許
容
し
た
こ
と
の
な
い
本
件
の
権
利
者
の
直
接
的
な
帰
責
性
を
必
要
と
す
べ
き
で
あ
り
、
真
の
権
が
あ
っ
た
と
同
様
﹂
と
評
価
で
き
る
だ
け
の
積
極
的
な
帰
責
性
、
真
舎
教
授
は
、
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
に
よ
る
以
上
、
﹁
虚
偽
表
示
ら
む
と
見
る
立
場
か
ら
は
、
権
利
者
が
真
正
の
登
記
を
保
持
し
ま
た
制
度
が
整
備
さ
れ
た
現
在
で
は
前
記
の
よ
う
な
法
状
況
は
問
題
を
は
さ
れ
本
判
決
は
是
認
し
難
い
こ
と
に
な
り
、
一
方
、
②
不
動
産
登
記
き
で
は
な
い
と
す
る
立
場
か
ら
は
、
第
三
者
保
護
は
不
実
登
記
の
存
い
て
、
佐
久
間
教
授
は
、
①
権
利
者
は
権
利
を
容
易
に
奪
わ
れ
る
べ
者
の
一
般
的
保
護
規
定
の
不
存
在
を
ど
の
よ
う
に
評
価
す
る
か
に
つ
と そ い 適 化 出 形 適 思
ま す の う 用 を へ 他 用 外
6よ べ の し の 人 を 形
た る1
︶
、 。 う き た た 積 作 導 対
不
な で め 点 極 出 く 応
動
九 あ に に 的 型 も 型
産
四 り は 関 関 と の に
登
条 、 や し 与 類 と 準
記
二 本 は て か 似 理 じ
の
項 判 り 、 ﹁ す 解 る
類 決 権 外 知 る で も
信
推 の 利 形 り と き の
力
適 ﹁ 者 他 な し る と
お
用 あ の 人 が た と 位
よ
の え 外 作 ら う し 置
び
あ て 形 出 あ え 、 づ
登
り 放 へ 型 え で 事 け
記
方 置 の へ て 、 案 て
を
に ﹂ 意 の 放 本 の 九
信
適 と 思 九 置 判 構 四
じ
合 い 関 四 ﹂ 決 造 条
て
的 う 与 条 と が と 二
取
で 定 が 二 い 、 し 項
引
は 式 必 項 う 外 て の
し
な 化 要 類 定 観 は 類
た
い は と 推 式 作 外 推
、
在
が
権
利
者
の
意
思
に
基
づ
く
と
い
え
る
場
合
に
限
る
の
が
本
来
と
こ
れ
に
対
し
て
、
本
判
決
の
結
論
に
批
判
的
な
見
解
も
あ
る
。
中
の 極
と 的
思 に
わ 賛
れ 意
る を
見 示
解 し
が て
多 い
3る
い1
︶
。 わ
け
で
は
な
い
が
こ
れ
を
承
認
す
る
も
を
認
め
た
こ
と
に
つ
い
て
は
、
こ
れ
に
賛
成
す
る
か
、
ま
た
は
、
積
あ 条 護 な た き 認
2
本 る1
を る も る め
︶二
判 。 項 認 の の と ら
決
と め は と し れ
の
一 る 、 理 た る
結
一 こ 本 解 も と
論
〇 と 件 さ の き
、
条 の 事 れ で は
す
の 妥 案 て あ 、
な
類 当 に い り 九
わ
推 性 お る 、 四
ち
適 と い と 新 条
、
、 て い た 二
用
善
本 善 え な 項
と
意
判 意 る 類 と
い
・
決
で 推 一
う に ︵
無
無 あ 適 一
法 お 過 ろ 用 〇
過
的 い 失 う11事 条
失
構 て ︶ 。︶ 例 の
の
成 示 の そ ・ 類
第
の さ 第 こ 類 推
三
妥 れ 三 で 型 適
者
当 た 者 問 を 用
の
性 九 の 題 認 が
保
護
で 四 保 と め で
な
お
、
吉
田
教
授
は
、
本
判
決
の
論
理
に
つ
い
て
、
本
件
事
案
を
意
適 た
用 真
を 正
認 権
め 利
る 者
こ の
と 意
は 思
類 的
推 承
適 認
用 が
の な
限 い
界 場
を 合
逸 に
脱 九
し 四
て 条
い 二
る 項
と の
す 類
5推
る1
︶
。
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
的
構 民
成 法
に 九
つ 四
い 条
て 二
は 項
、 と
肯 一
定 一
的 〇
な 条
見 の
解 類
が 推
多 適
2用
い2
︶
。 と
い
う
本
判
決
の
法
い 本
⒝ て 判
、 決
本 必 と
判 ず 最
決 し 高
の も 裁
法 明 平
的 ら 成
構 か 一
成 と 五
に は 年
つ い 判
い え 決
て な と
い の
と 結
す 論
る の
も 違
の い
も の
あ 理
1由
る2
︶
。 に
つ
成
一
五
年
判
決
と
の
結
論
の
違
い
を
是
認
す
る
見
解
が
あ
る
。
一
方
、
せ 侵
る 奪
こ が
と 行
に わ
は れ
疑 た
問 も
が の
あ と
っ 評
た し
こ う
と る
な た
ど め
を 取
理 引
由 安
0全
に2
︶
、 保
本 護
判 を
決 優
と 先
平 さ
動
産
が
極
め
て
短
期
間
に
転
々
譲
渡
さ
れ
て
お
り
、
不
当
な
不
動
産
防 成
止 一
す 五
る 年
の 判
が 決
困 の
難 事
な 案
状 で
況 は
で 、
あ 真
っ 正
た 権
こ 利
と 者
9が
や1
︶
、 虚
対 偽
象 外
と 観
な の
っ 作
た 出
不 を
裁 本
判 判
8決
決1
︶
と と
の 九
比 四
較 条
に 二
言 項
及 類
す 推
る 適
見 用
解 を
も 否
多 定
い し
。 た
そ 平
し 成
て 一
、 五
最 年
高 の
裁 最
平 高
を
認
め
る
こ
と
の
妥
当
性
に
関
す
る
以
上
の
よ
う
な
議
論
の
中
で
は
、
利
者
が
た
ま
た
ま
代
理
人
で
も
あ
っ
た
と
い
う
だ
け
で
、
第
三
者
が
以
外
の
万
人
に
対
し
て
言
い
訳
の
で
き
な
い
強
い
帰
責
性
が
求
め
ら
は
、
行
為
者
自
身
が
真
の
権
利
者
と
し
て
行
為
し
て
お
り
、
第
三
為
の
相
手
方
に
限
ら
れ
る
と
す
る
。
こ
れ
に
対
し
て
九
四
条
二
項
で
〇
条
で
相
手
方
が
保
護
さ
れ
る
の
は
、
代
理
行
為
に
対
す
る
信
頼
保
二
次
的
な
帰
責
性
が
あ
る
に
す
ぎ
ず
、
そ
れ
に
も
か
か
わ
ら
ず
一
一
が
、
一
一
〇
条
で
は
無
権
代
理
行
為
に
対
す
る
第
一
次
的
な
帰
責
性
真
の
権
利
者
の
帰
責
性
の
程
度
に
つ
い
て
、
九
四
条
二
項
で
は
自
ら
れ
る
と
す
る
。
そ
し
て
、
こ
の
よ
う
な
違
い
の
あ
る
両
規
定
を
無
権
象
は
広
い
が
、
反
面
、
真
の
権
利
者
に
は
帰
責
根
拠
と
し
て
当
事
者
者
・
転
得
者
は
こ
れ
を
そ
の
ま
ま
信
頼
す
る
し
か
な
い
の
で
保
護
対
護
を
優
先
す
る
か
ら
で
あ
り
、
し
た
が
っ
て
、
保
護
対
象
は
代
理
行
は
無
権
代
理
人
に
あ
り
、
本
人
に
は
そ
の
原
因
を
与
え
た
と
い
う
第
虚
偽
の
意
思
表
示
を
し
た
と
い
う
点
で
第
一
次
的
な
帰
責
性
が
あ
る
な
お
、
本
件
事
案
に
お
い
て
善
意
︵
無
過
失
︶
の
第
三
者
の
保
護
も
問
題
が
あ
る
と
す
る
。
そ
し
て
、
一
一
〇
条
と
の
関
係
と
し
て
、
306
立 こ
場 と
に に
立 な
つ る
の と
か す
、 る
そ 。
れ そ
以 の
外 う
の え
立 で
場 、
に 本
立 判
つ 決
の が
か ①
は ②
不 の
明 ど
と ち
す ら
7の
る1
︶
。
え
る
こ
と
が
可
能
で
あ
り
、
本
判
決
の
よ
う
な
判
断
は
あ
り
う
る
え
る
場
合
に
は
、
登
記
を
信
頼
し
た
第
三
者
が
保
護
さ
れ
て
よ
い
と
界 者
﹂ に
と 責
い 任
う を
意 負
味 わ
で せ
3
も2
︶る
、 こ
﹁
一 と
一 に
〇 は
条 、
﹁
と 九
の 四
関 条
係 二
﹂ 項
と 類
い 推
う 適
意 用
味 の
で 限
利
者
の
帰
責
性
が
弱
い
場
合
に
も
一
一
〇
条
を
併
用
し
て
真
の
権
利
中
舎
教
授
は
、
九
四
条
二
項
単
独
の
類
推
適
用
を
す
る
に
は
真
の
権
は
真
正
の
登
記
に
改
め
る
こ
と
が
で
き
た
の
に
そ
れ
を
怠
っ
た
と
い
こ
れ
に
対
し
て
、
本
判
決
の
法
的
構
成
を
批
判
す
る
見
解
も
あ
る
。
307
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
こ
の
意
味
で
、
本
判
決
が
一
一
〇
条
類
推
適
用
の
併
用
と
い
う
構
成
の
外
形
信
頼
法
理
・
表
見
法
理
を
整
序
で
き
ず
混
乱
が
生
じ
る
と
し
、
が
帰
一
し
て
い
る
こ
と
が
重
要
で
あ
り
、
こ
れ
を
無
視
す
る
と
各
種
い
て
は
、
外
形
作
出
の
帰
責
性
の
内
容
と
第
三
者
の
信
頼
の
内
容
と
を
広
範
か
つ
継
続
的
に
委
ね
ら
れ
て
い
た
者
が
権
限
外
の
不
実
登
記
な
い
た
め
、
﹁
法
意
﹂
の
援
用
と
さ
れ
た
と
い
ず
れ
の
類
推
適
用
に
つ
い
て
も
違
和
感
な
く
語
り
う
る
ほ
ど
で
は
か
ら
九
四
条
二
項
と
一
一
〇
条
と
の
併
用
が
と そ
︵ れ
こ を
こ 超
に え
一 る
一
〇 、
条 第
に 三
お 者
け の
る 信
本 じ
人 た
の 不
帰 実
責 登
性 記
と
を
の
類 作
似 出
性 し
が て
あ い
る る
︶ こ
ま
た
本
件
で
は
、
権
利
者
か
ら
不
動
産
登
記
に
関
す
る
取
引
や
事
務
え
ら
れ
る
と
す
る
。
え
ら
れ
、
た
だ
し
、
は ら
な す
い れ
と ば
す 一
5一
る2
︶
。 〇
ま 条
た の
、 法
外 意
形 あ
信 る
頼 い
法 は
理 類
・ 推
表 適
見 用
法 を
理 併
の 用
適 す
用 る
に 必
お 要
つ
き
帰
責
性
が
認
め
ら
れ
る
と
す
る
な
ら
ば
、
九
四
条
二
項
単
独
の
転
登
記
で
あ
り
、
仮
に
X
に
Y
が
信
頼
し
た
A
名
義
の
不
実
登
記
に
て
い
る
の
は
、
第
三
者
Y
が
信
頼
し
た
A
名
義
の
不
実
の
所
有
権
移
た
が
、
本
件
事
案
の
場
合
、
真
正
権
利
者
X
の
帰
責
性
の
対
象
に
し
い
と
こ
ろ
を
カ
バ
ー
す
る
た
め
に
一
一
〇
条
の
法
意
を
併
用
し
て
き
い
こ
と
か
ら
、
本
来
は
九
四
条
二
項
類
推
適
用
法
理
を
援
用
で
き
な
し
た
不
実
の
本
登
記
や
第
二
登
記
に
つ
い
て
帰
責
性
が
認
め
ら
れ
な
伊
藤
教
授
は
、
従
来
の
判
例
は
、
真
正
権
利
者
に
第
三
者
の
信
頼
法 双
が 方
想 の
定 要
し 件
て を
い 緩
る 和
信 す
頼 る
保 だ
護 け
の で
範 あ
囲 り
を 、
逸 解
脱 釈
す 論
る の
と 域
さ を
れ 超
4え
る2
︶
。 て
民
る と 物
︶ ︵ と
こ は
こ い
に え
九 、
四 そ
条 の
二 も
項 と
の
に
虚
偽 な
表 っ
示 た
者 不
の 実
帰 登
責 記
性 を
と 作
の 出
類 し
似 て
性 い
が る
あ こ
の
よ
う
な
事
案
で
は
、
権
利
者
が
第
三
者
の
信
じ
た
不
実
登
記
と
別
あ
る
と
す
れ
ば
ど
の
よ
う
な
場
合
か
が
問
題
と
な
る
と
し
、
判
例
④
失
権
の
根
拠
と
な
る
帰
責
性
あ
り
と
さ
れ
る
べ
き
場
合
が
あ
る
か
、
場
か
ら
は
、
権
利
者
の
積
極
的
な
意
思
関
与
が
な
い
の
に
権
利
者
の
適 第
用 三
さ 者
れ に
る は
と 保
す 護
れ に
ば 値
よ す
い る
こ 信
と 頼
に が
な あ
る る
と か
す ら
7九
る2
︶
。 四
一 条
方 二
、 項
① が
の 類
立 推
な
く
、
権
利
者
に
失
権
や
む
な
し
と
す
る
だ
け
の
帰
責
性
が
あ
り
、
案
に
つ
い
て
も
、
﹁
一
一
〇
条
の
類
推
適
用
﹂
を
持
ち
出
す
必
要
は
、
お
よ
び
、
権
利
者
か
ら
こ
の
不
実
登
記
を
委
ね
ら
れ
た
者
が
類
推
適
用
に
よ
る
処
理
で
よ
い
は
ず
で
あ
り
、
従
来
の
判
例
理
論
か
昭
和
四
三
年
判
決
︵
判
例
④
︶
の
よ
う
な
事
案
に
つ
い
て
も
本
件
事
信
頼
し
た
外
観
に
重
畳
は
な
い
の
に
重
畳
的
類
推
適
用
す
る
こ
と
は
、
な
お
、
佐
久
間
教
授
は
、
⑵
−
け を
が 用
曖 い
昧 た
に こ
な と
る に
こ よ
と り
が 、
懸 表
念 見
さ 代
れ 理
る 法
と 理
す に
6よ
る2
︶
。 る
処
理
と
の
棲
み
⒜
で
略
述
し
た
②
の
立
場
か
ら
は
、
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
項
の
類
推
適
用
が
検
討
さ
れ
う
る
要
素
と
、
不
実
登
記
と
い
う
虚
偽
る
真
の
権
利
者
の
広
い
意
味
で
の
帰
責
性
と
い
う
、
民
法
九
四
条
二
よ
う
に
思
わ
れ
る
。
す
な
わ
ち
、
不
実
登
記
の
存
在
と
そ
れ
に
対
す
的
安
全
保
護
か
動
的
安
全
可
否
は
、
所
有
権
帰
属
に
関
わ
る
問
題
、
す
な
わ
ち
、
い
わ
ゆ
る
静
本
件
の
よ
う
な
事
案
に
お
け
る
善
意
︵
取
引
安
全
︶
保
護
か
と
い
う
問
題
で
あ
︵
無
過
失
︶
の
第
三
者
保
護
の
約
四
年
︶
法
的
規
制
の
要
件
を
満
た
す
可
能
性
の
あ
る
要
素
が
存
在
し
て
い
る
し
た
第
三
者
が
現
れ
た
と
い
う
事
案
で
あ
る
。
そ
こ
に
は
、
二
つ
の
よ
る
不
動
産
所
有
に
関
す
る
不
実
登
記
が
作
出
さ
れ
、
こ
れ
を
信
頼
任
に
近
い
か
た
ち
で
の
委
託
関
係
の
中
で
、
受
任
者
の
背
信
行
為
に
に
わ
た
る
不
動
産
管
理
に
関
す
る
広
範
か
つ
継
続
的
な
一
真
正
権
利
者
X
の
帰
責
性
と
第
三
者
Y
の
信
頼
に
つ
い
て
。
バ 例
ラ で
ン あ
ス り
も 、
検 詐
討 欺
さ に
れ 関
る す
余 る
地 民
が 法
あ 九
る 六
か 条
も 三
し 項
れ の
な 規
9制
い2
︶
。 と
の
関
係
・
し
た
う
え
で
、
事
情
を
知
ら
な
い
Y
に
こ
れ
を
譲
渡
し
た
と
い
う
事
騙
取
し
、
こ
れ
を
用
い
て
登
記
名
義
を
X
名
義
か
ら
A
名
義
に
移
転
づ
か
な
い
不
動
産
処
え
る
と
売
買
に
関
す
る
仲
介
が
な
さ
れ
た
平
成
八
年
一
月
か
ら
本
人
の
意
思
に
基
A
が
X
か
ら
本
件
不
動
産
に
つ
い
て
の
登
記
移
転
に
必
要
な
書
類
を
る
わ
け
で
は
な
い
が
、
前
述
し
た
よ
う
な
特
殊
な
事
情
の
も
と
で
、
が
な
さ
れ
た
平
成
一
二
年
三
月
ま
で
と
⒜ ⑴
事
案
の
特
殊
性
。
本
件
は
、
一
定
の
期
間
本
判
決
の
結
論
に
つ
い
て
2
本
実 判
質 決
論 に
︵ 対
価 す
値 る
判 私
断 見
︶
の
評
価
︵
最
初
の
不
動
産
な
お
、
本
件
で
は
、
詐
欺
に
よ
る
﹁
意
思
表
示
﹂
が
な
さ
れ
て
い
の
で
は
な
い
か
と
思
わ
れ
る
。
点
で
従
来
の
九
四
条
二
項
類
推
適
用
事
例
に
対
す
る
特
殊
性
が
あ
る
類
推
的
要
素
と
が
併
存
す
る
事
案
と
も
捉
え
る
こ
と
が
で
き
、
そ
の
な
る
意
味
に
お
い
て
、
九
四
条
二
項
の
類
推
的
要
素
と
一
一
〇
条
の
308
れ 推
る 適
こ 用
と に
を よ
拒 り
め そ
な の
い 代
と 理
解 人
す の
る 作
こ 出
と し
も た
で 不
き 実
る 登
と 記
す に
8つ
る2
︶
。 き
帰
責
さ
条
の
本
人
の
帰
責
性
と
の
類
似
性
が
認
め
ら
れ
る
と
し
、
同
条
の
類
に
す
る
こ
と
の
で
き
る
状
況
を
作
り
出
し
て
お
り
、
こ
こ
に
一
一
〇
を
作
出
し
、
し
か
も
権
利
者
が
そ
の
権
限
外
行
為
を
代
理
人
が
容
易
の
よ
う
に
、
本
件
は
い
わ
ゆ
る
意
思
外
形
非
対
応
型
の
場
合
と
は
異
処
理
委
託
関
係
の
継
続
、
お
よ
び
そ
の
受
任
者
の
背
信
行
為
と
い
う
、
と
の
間
の
広
範
で
一
任
に
近
い
か
た
ち
で
の
不
動
産
に
関
す
る
事
務
外
形
作
出
の
前
提
状
況
と
し
て
の
真
の
権
利
者
と
虚
偽
外
形
作
出
者
民
法
一
一
〇
条
の
類
推
適
用
が
検
討
さ
れ
う
る
要
素
と
で
あ
る
。
こ
309
高
裁
平
成
一
五
年
判
決
の
事
案
に
お
け
る
よ
う
な
度
重
な
る
問
い
合
わ
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
権
利
者
に
よ
る
不
実
外
観
作
出
防
止
の
た
め
の
努
力
ど
が
あ
る
。
次
に
、
本
人
の
帰
責
性
の
否
定
要
因
と
し
て
、
④
真
正
行
為
と
第
三
者
が
信
頼
し
た
不
実
外
観
作
出
と
の
密
接
な
関
連
性
な
に 土
地
付 に
し つ
た い
印 て
鑑 の
登 所
録 有
証 権
明 移
書 転
︵ 登
一 記
回 手
目 続
の 等
二 に
通
の 必
要
付 と
は 言
本 わ
件 れ
不 て
実 A
記
の
約
四
か
月
前
、
本
件
不
動
産
処
必
要
と
は
︵
例
え
ば
、
最
の
約
六
か
月
前
︶
お
よ
び
別
の
え
ら
れ
な
い
本
件
不
動
産
の
登
記
済
証
︵
本
件
不
実
登
も
し
な
い
よ
う
な
態
様
︶
範
か
つ
継
続
的
に
一
任
に
近
い
信
頼
を
与
え
事
前
・
事
後
の
十
さ
れ
た
信
頼
付
与
に
関
す
る
不
注
意
の
程
度
の
高
さ
、
③
①
で
示
し
た
真
正
権
利
者
︵
の
例
不
え
注 な ば
意 確 、
な 認 広
は
、
A
に
任
せ
て
い
た
本
件
不
動
産
の
賃
貸
に
係
る
事
務
の
た
め
に
つ
い
て
検
討
し
て
み
よ
う
。
ま
ず
前
述
し
た
肯
定
要
因
①
に
つ
い
て
以
上
の
観
点
か
ら
、
裁
判
所
の
認
定
に
基
づ
い
て
X
の
帰
責
性
に
て
、
自
己
の
不
動
産
取
引
・
管
理
に
つ
き
外
観
作
出
者
に
対
し
て
な
一
定
期
間
放
置
し
て
い
た
と
認
め
ら
れ
る
こ
と
、
②
前
提
状
況
と
し
い
よ
う
な
状
況
下
で
高
さ
、
す
な
わ
ち
、
合
付 理
し 的
か に
つ
注 え
意 る
を な
払 ら
う ば
こ そ
と れ
な ら
く を
そ
れ 付
ら し
を な
重
要
書
類
・
実
印
等
の
と
が
で
き
る
で
あ
ろ
う
。
の
不
動
産
取
引
に
つ
い
て
の
経
験
や
知
識
の
有
無
な
ど
を
挙
げ
る
こ
の
無
過
失
の
評
価
・
判
断
の
た
め
の
程
度
・
態
様
に
応
じ
て
、
善
意
の
み
で
よ
い
と
さ
れ
る
場
合
か
ら
善
慮
要
素
と
し
て
は
、
第
三
者
意
・
無
過
失
が
求
め
ら
れ
る
場
合
ま
で
が
あ
り
う
る
。
そ
し
て
、
そ
付
時
お
よ
び
付
後
の
不
注
意
の
程
度
の
ず
、
本
人
の
帰
責
性
が
認
め
ら
れ
る
た
め
の
肯
定
要
因
と
し
て
、
①
え
る
と
次
の
よ
う
な
事
項
を
挙
げ
る
こ
と
が
で
き
る
で
あ
ろ
う
。
ま
と が
し 必
て 要
は と
、 な
渡 る
邉 。
教 そ
授 し
の て
見 、
0そ
解3
︶
や の
本 評
判 価
決 ・
の 判
説 断
示 の
を た
参 め
の
に
し 慮
て 要
素
関
し
て
は
、
虚
偽
外
観
対
す
る
第
三
者
の
信
頼
が
要
件
と
さ
れ
る
わ
け
だ
が
、
こ
の
信
頼
に
一
方
、
第
三
者
の
保
護
が
認
め
ら
れ
る
た
め
に
は
、
虚
偽
外
観
に
︵
不
実
登
記
︶
に
対
す
る
本
人
の
帰
責
性
の
て
も
止
む
を
得
な
い
と
評
価
で
き
る
だ
け
の
本
人
の
帰
責
性
の
存
在
る
真
正
権
利
者
の
財
産
権
の
保
障
す
な
わ
ち
静
的
安
全
を
犠
牲
に
し
め
に
は
、
民
法
に
お
け
る
最
も
基
礎
的
な
保
護
法
益
の
一
つ
と
い
え
が 真
正
え 権
ら 利
れ 者
る の
。 不
動
産
取
引
に
関
す
る
経
験
・
知
識
の
乏
し
さ
な
ど
富
な
外
観
作
出
者
に
よ
る
不
動
産
騙
取
に
向
け
た
周
到
な
計
画
性
︶
た
と
認
め
ら
れ
る
事
情
︵
例
え
ば
、
不
動
産
取
引
の
経
験
・
知
識
、 の
⑤ 豊
る
こ
と
を
え
る
と
、
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
が
認
め
ら
れ
る
た
せ
︶
、
お
よ
び
、
仮
に
努
力
を
し
た
と
し
て
も
防
止
が
困
難
で
あ
っ
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
次
に
、
否
定
要
因
④
に
つ
い
て
は
、
要
因
②
と
も
関
係
す
る
が
、
平
か
つ
妥
当
と
の
価
値
判
断
に
基
づ
い
て
、
九
四
条
二
項
の
趣
旨
信
頼
し
た
本
件
不
実
登
記
が
な
さ
れ
た
こ
と
が
認
め
ら
れ
る
。
よ
っ
て
A
の
手
元
に
揃
え
ら
れ
た
登
記
必
要
書
類
等
に
よ
り
、
Y
が
③
に
つ
い
て
は
、
①
②
と
し
て
確
認
さ
れ
る
X
の
不
注
意
な
行
為
に
い
た
か
が
推
測
さ
れ
る
事
実
と
い
え
る
で
あ
ろ
う
。
さ
ら
に
、
要
因
し
て
い
か
に
不
注
意
に
A
に
対
し
て
信
頼
を
与
え
て
て
い
る
が
、
こ
の
こ
と
も
、
X
が
自
己
の
不
動
産
取
引
・
管
理
に
関
へ
の
関
与
と
第
三
者
の
信
頼
と
の
利
益
衡
量
を
基
礎
に
据
え
る
の
が
静
的
安
全
を
重
ん
じ
な
が
ら
も
、
同
人
の
権
利
外
観
の
作
出
・
存
続
不
動
産
の
よ
う
な
重
要
財
産
の
取
引
に
お
い
て
は
、
真
正
権
利
者
の
人
と
の
間
の
﹁
通
謀
に
よ
る
虚
偽
の
意
思
表
示
﹂
は
存
在
し
な
い
が
、
題
と
な
る
事
案
で
は
、
同
条
が
予
定
し
て
い
る
真
正
権
利
者
と
名
義
授
が
述
べ
る
よ
う
に
、
判
例
に
お
い
て
九
四
条
二
項
類
推
適
用
が
問
︵
無
防
備
に
︶
れ
る
X
か
ら
A
へ
の
本
件
不
動
産
売
買
契
約
書
の
存
在
が
認
定
さ
れ
判
例
に
よ
る
民
法
九
四
条
二
項
類
推
適
用
の
意
義
。
武
川
教
の
に
A
か
ら
言
わ
れ
る
ま
ま
に
署
名
押
印
し
て
作
成
し
た
も
の
と
さ
本
件
に
関
し
て
は
、
X
に
は
本
件
不
動
産
を
売
却
す
る
意
思
が
な
い
様
で
高
度
の
信
頼
を
与
え
て
い
た
こ
と
が
う
か
が
わ
れ
る
。
な
お
、
の
確
認
と
い
っ
た
注
意
を
払
う
こ
と
も
な
い
一
任
に
近
い
よ
う
な
態
め
て
、
自
己
の
不
動
産
取
引
・
管
理
に
つ
い
て
、
A
に
対
す
る
適
宜
は
、
本
件
不
動
産
の
購
入
や
第
三
者
へ
の
賃
貸
に
関
す
る
こ
と
を
含
見
て
い
た
と
い
う
不
注
意
が
認
め
ら
れ
る
。
次
に
要
因
②
に
つ
い
て
登
記
申
請
書
に
押
印
す
る
の
を
内
容
・
せ
⒝ る
べ
不 き
動 事
産 案
取 と
引 い
に わ
お ざ
け る
る を
信 得
頼 な
保 い
護 の
で
は
な
い
か
と
思
わ
れ
る
。
な
お
、
不
実
登
記
を
善
意
・
無
過
失
で
信
じ
た
Y
の
保
護
を
優
先
さ
不
注
意
の
程
度
が
極
め
て
高
く
、
そ
の
静
的
安
全
を
犠
牲
に
し
て
も
に
つ
い
て
の
計
画
性
が
う
か
が
わ
れ
る
と
こ
ろ
で
は
あ
る
が
、
X
の
か
ら
の
本
件
不
動
産
侵
奪
を
目
的
と
し
た
登
記
必
要
書
類
等
の
騙
取
産 あ つ
以 取 る い
上 引 。 て
を の ま の
経 た A
合 験 、 の
し が 要 計
て あ 因 画
り ⑤ 性
え 、 に が
る 当 つ う
と て い か
、 は て が
本 ま は わ
件 ら 、 れ
に な X る
つ い に 点
い と は に
て い こ は
は え れ 留
、 る ま 意
A で で す
に あ に る
よ ろ も 必
る う 不 要
X 。 動 が
途
の
確
認
も
せ
ず
漫
然
と
印 と
、
付 ま
の た
際 、
に 別
は の
、 土
A 地
が の
目 登
の 記
前 手
で 続
所 に
持 必
し 要
て と
い 言
た わ
本 れ
件 て
不 行
動 っ
産 た
の 実
310
登
付 記
時 の
・ 約
二
か
月
前
、
本
件
不
動
産
に 処
付
後
の
注
意
を
十
払
っ
て
い
た
と
は
い
え
な
い
こ
れ
た
と
は
認
め
ら
れ
な
い
。
た
だ
し
、
登
記
必
要
書
類
等
の
騙
取
に
の
約
四
か
月
前
︶
に
つ
い
て
、
X
に
お
い
て
不
実
外
観
作
出
防
止
の
た
め
の
何
ら
か
の
努
力
が
な
さ
311
不
実
の
不
動
産
登
記
に
関
す
る
具
体
的
な
事
件
の
解
決
を
通
じ
て
の
不
動
産
登
記
に
対
す
る
信
頼
保
護
に
関
す
る
判
例
の
係
で
第
三
者
保
護
を
ど
こ
ま
で
認
め
る
べ
き
か
と
い
う
実
質
的
な
価
検
討
も
必
要
だ
が
、
そ
れ
以
上
に
重
要
な
の
は
、
不
実
登
記
と
の
関
え
方
。
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
の す
る
え 表
方 見
が 法
想 理
定 あ
さ る
れ い
て は
い 権
る 利
も 外
の 観
と 法
理
え と
ら い
れ わ
4れ
る3
︶
。 る
法
的
な
規
制
推
適
用
を
拡
張
す
る
判
例
の
法
的
構
成
や
文
言
を
と
ら
え
た
批
判
的
適
用
に
あ
た
っ
て
は
、
九
四
条
二
項
の
背
後
に
あ
っ
て
こ
れ
を
支
配
と れ
い 、
う 第
こ 三
と 者
で を
あ 保
6護
る3
︶
。 す
そ べ
の き
こ と
と の
を 判
断
え が
る 下
と さ
、 れ
九 る
四 可
条 能
二 性
項 が
の あ
類 る
法 不
動
造 産
﹂ 取
と 引
評 に
価 お
す け
べ る
き 信
で 頼
あ 保
る 護
と の
思 た
わ め
れ の
3﹁
る3
︶
。 判
な 例
お に
、 よ
そ る
の 新
類 た
推 な
す
べ
く
、
既
存
の
条
文
の
類
推
適
用
と
い
う
法
解
釈
技
術
を
用
い
た
、
超
え
て
、
不
動
産
登
記
の
登
場
し
た
場
合
に
は
、
そ
の
都
度
、
具
体
的
な
評
価
・
検
討
が
な
さ
す
べ
き
場
合
が
あ
る
と
の
実
質
的
な
価
値
判
断
か
ら
で
あ
る
。
し
た
る
不
実
登
記
の
作
出
に
関
し
て
善
意
が
っ
て
ま
た
、
今
後
も
、
従
来
の
判
例
の
事
案
と
は
異
な
る
事
案
が
信
力
に
関
す
る
﹁
法
の
欠
缺
﹂
を
補
充
︵
無
過
失
︶
の
第
三
者
を
保
護
既
存
の
制
度
・
規
定
の
応
用
に
よ
る
拡
張
的
な
規
制
と
い
う
程
度
を
的
な
規
制
﹂
か
ら
一
歩
踏
み
出
し
た
理
由
は
、
具
体
的
事
案
に
お
け
こ
の
よ
う
に
え
る
と
、
判
例
に
よ
る
九
四
条
二
項
類
推
適
用
は
、
前
述
し
た
よ
う
に
、
判
例
が
九
四
条
二
項
の
﹁
応
用
に
よ
る
拡
張
う に
結 類
果 推
を 適
得 用
よ す
う る
と こ
し と
た に
も よ
の り
と 、
い 善
え 意
2の
る3
︶
。 第
三
者
の
権
利
取
得
と
い
無
効
で
は
な
く
、
﹁
所
有
権
の
外
観
と
し
て
の
登
記
﹂
自
体
の
無
効
が
で
き
な
い
﹂
対
象
を
、
﹁
所
有
権
を
移
転
さ
せ
る
意
思
表
示
﹂
の
た
う
え
で
、
九
四
条
二
項
に
よ
る
﹁
無
効
を
も
っ
て
対
抗
す
る
こ
と
あ の
ろ 点
1に
う3
︶
。 類
そ 推
し 適
て 用
、 の
そ 根
の 拠
よ を
う 見
な 出
形 す
で の
類 が
推 判
適 例
用 の
の 立
根 場
拠 と
を い
見 え
出 る
し で
権
帰
属
の
外
形
を
信
頼
し
た
第
三
者
保
護
に
あ
る
﹂
と
理
解
し
、
こ
を
、
﹁
所
有
者
本
人
の
意
思
に
基
づ
い
て
作
出
さ
れ
た
虚
偽
の
所
有
づ 係
け の
る 一
こ 致
と ﹂
だ と
と い
い う
え 登
る 記
で の
あ 理
ろ 想
5の
う3
︶
。 完
全
な
実
現
に
可
能
な
限
り
近
言
い
換
え
れ
ば
、
こ
こ
で
の
判
例
の
関
心
事
は
、
﹁
登
記
と
実
体
関
し
う
る
よ
う
な
法
規
範
を
定
立
す
る
こ
と
な
の
で
は
な
い
だ
ろ
う
か
。
実
体
関
係
を
正
確
に
登
記
に
反
映
さ
せ
る
イ
ン
セ
ン
テ
ィ
ヴ
を
付
与
記
制
度
へ
の
信
頼
を
確
立
・
維
持
す
る
た
め
に
、
権
利
者
に
対
し
て
張
と
い
う
動
き
を
示
す
判
例
が
追
い
求
め
て
き
た
の
は
、
不
動
産
取
九
四
条
二
項
類
推
適
用
の
準
則
の
引
の
安
全
確
保
の
た
め
の
不
動
産
物
権
変
動
の
示
制
度
で
あ
る
登
出
、
さ
ら
に
は
そ
の
準
則
の
拡
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
法
者
の
規
制
、
具
体
的
に
民
法
一
七
七
条
の
﹁
第
三
者
﹂
に
つ
い
て
れ
る
。
そ
も
そ
も
、
不
動
産
物
権
変
動
と
不
動
産
登
記
に
関
す
る
立
否
定
的
評
価
あ
る
い
は
危
機
感
が
あ
る
の
で
は
な
い
か
と
も
固
定
資
産
課
税
台
帳
へ
の
虚
偽
登
録
を
含
む
︶
否
は
所
有
権
帰
属
を
め
ぐ
る
問
題
で
あ
る
こ
と
、
ま
た
日
本
の
法
制
い
。
前
述
し
た
よ
う
に
、
不
実
登
記
と
九
四
条
二
項
類
推
適
用
の
可
れ
て
き
た
法
理
の
適
用
範
囲
の
安
易
な
拡
張
を
認
め
る
も
の
で
は
な
上
に
述
べ
て
き
た
こ
と
は
、
従
来
、
九
四
条
二
項
類
推
適
用
と
呼
ば
の
存
在
に
対
す
る
え 強
ら い
え
方
の
基
礎
に
は
、
意
図
的
な
不
実
登
記
︵
未
登
記
、
家
屋
台
帳
・
言
う
ま
で
も
な
い
こ
と
だ
が
、
判
例
の
え
方
に
関
連
さ
せ
て
以
い 体
関
え 係
方 と
が 登
あ 記
る と
よ の
う 可
に 能
思 な
わ 限
れ り
る の
。 一
あ 致
る を
い 実
は 現
ま す
た べ
、 き
判 だ
例 と
の の
強
制
度
と
し
て
の
不
動
産
登
記
制
度
を
十
全
に
機
能
さ
せ
る
べ
く
、
実
め
る
判
例
の
根
底
に
は
、
不
動
産
取
引
の
安
全
に
関
す
る
基
盤
的
法
と
こ
ろ
で
、
前
述
し
た
よ
う
に
、
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
を
認
は 記
な 制
い 度
か に
と 関
思 す
わ る
れ バ
9ラ
る3
︶
。 ン
ス
の
と
れ
た
規
制
を
目
指
し
て
い
る
の
で
ン
を
用
意
す
る
こ
と
に
よ
っ
て
、
日
本
に
お
け
る
現
行
の
不
動
産
登
げ
﹂
に
対
し
て
は
、
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
と
い
う
サ
ン
ク
シ
ョ
し
く
不
注
意
な
行
為
に
よ
る
﹁
実
体
関
係
と
登
記
と
の
一
致
の
妨
な
批
判
と
は
な
り
え
な
い
の
で
は
な
い
か
と
い
う
こ
と
で
あ
る
。
が 判 も に
不 例 十 お
十 に
け
対 に る
で す な 学
あ る さ 説
る 批 れ の
と 判 て 議
、 を い 論
必 行 る で
ず う と は
し 場 は 、
も 合 い こ
有 も え の
効 、 な 点
な こ い に
批 の の つ
判 部 で い
、
は て
あ に な の
る つ い 検
い い だ 討
は て ろ が
本 の う 必
質 議 か ず
的 論 。 し
ど 善
ち 意
ら ︵
の 無
価 過
値 失
判 ︶
断 の
も 第
あ 三
り 者
う を
る 保
と 護
こ す
ろ べ
だ き
7か
が3
︶
、 否
少 か
な に
く つ
と い
も て
近 は
時 、
利
者
に
よ
る
意
図
的
な
、
あ
る
い
は
そ
れ
と
同
視
し
得
る
よ
う
な
著
に
よ
る
取
引
安
全
の
確
保
を
実
現
す
る
と
い
う
観
点
か
ら
、
真
の
権
意
図
を
踏
ま
え
つ
つ
、
一
方
で
は
、
一
七
七
条
に
関
し
て
背
信
的
悪
力
を
認
め
る
規
定
は
存
在
し
な
い
が
、
実
体
関
係
と
登
記
と
の
一
致
く
解
釈
を
行
っ
て
い
る
。
そ
し
て
他
方
で
は
、
不
動
産
登
記
の
意
の
第
三
者
ま
で
を
保
護
す
る
必
要
は
な
い
と
の
価
値
判
断
に
基
信 づ
312
九
四
条
二
項
類
推
適
用
が
問
題
と
さ
れ
る
よ
う
な
事
案
に
お
い
て
、
る
。
こ
の
点
に
関
し
て
は
、
一
般
的
に
い
う
な
ら
ば
、
不
実
登
記
と
値
判
断
あ
る
い
は
法
政
策
判
断
の
ほ
う
な
の
で
は
な
い
か
と
思
わ
れ
だ 産
っ 登
た 記
の 制
で 度
は を
な 定
い 着
だ さ
ろ せ
う る
8こ
か3
︶
。 と
判 が
例 不
は 可
、 欠
そ と
の の
よ
う え
な に
立 よ
法 る
者 も
の の
第
三
者
の
権
利
保
護
と
い
う
の
善
意
悪
意
不
問
の
立
場
の
採
用
な
ど
は
、
不
動
産
取
引
に
お
け
る
益
に
基
づ
く
示
制
度
で
あ
る
不
動
313
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
な
い
か
と
思
わ
れ
る
。
そ
し
て
、
そ
の
よ
う
な
意
味
で
も
、
判
例
と
の
あ
り
方
に
つ
い
て
の
検
討
を
正
面
か
ら
議
論
す
べ
き
時
な
の
で
は
全 え れ 財 成
あ い る 四 ︵ る
︶ で ば 産 年 高 ろ て 真 条 無 べ
と 、 な 管 後 齢 う42の の 二 過 き
の 不 ら 理 見 化 。︶ 主 権 項 失 と
バ
ず に 制 の
張 利 類 ︶
代
理
権
及
び
そ
の
権
限
の
範
囲
内
の
行
為
で
あ
る
こ
と
﹂
に
対
す
る
い
。
そ
し
て
、
そ
の
こ
と
に
も
関
係
す
る
が
、
Y
の
信
頼
は
﹁
A
の
係
で
は
、
A
に
よ
る
代
理
形
式
で
の
行
為
が
な
さ
れ
た
わ
け
で
は
な
ラ
ン
ス
、
よ
り
具
体
的
に
、
不
実
登
記
に
関
す
る
規
制
動
産
取
引
に
お
け
る
静
的
安
全
と
動
的
安
全
お
け
る
静
的
安
全
保
護
と
い
う
問
題
な
ど
も
︵
取
引
安
、
そ
の
よ
う
な
社
会
的
・
時
代
的
状
況
も
踏
ま
え
た
う
度
に
よ
る
保
護
を
受
け
て
い
な
い
高
え 齢
な 者
け の
な
る
進
行
が
予
想
さ
れ
る
日
本
社
会
に
お
い
て
は
、
と
こ
ろ
で
は
あ
る
が
、
既
に
指
摘
さ
れ
て
い
る
よ
う
に
、
Y
と
の
関
な
ど
に
つ
い
て
代
理
制
度
が
利
用
さ
れ
て
い
た
こ
と
も
認
め
ら
れ
る
第
三
者
へ
の
賃
貸
や
他
の
土
地
に
つ
い
て
の
所
有
権
移
転
登
記
手
続
A
と
の
関
係
で
あ
る
が
、
X
の
財
産
管
理
に
つ
い
て
包
括
的
と
も
い
︵
支
援
︶
え
る
A
へ
の
委
託
関
係
が
認
め
ら
れ
、
そ
の
中
で
、
本
件
不
動
産
の
に
つ
え
ら
れ
る
虚
偽
外
観
に
対
す
と
い え
う ら
要 れ
件 る
が だ
求 け
め の
ら 帰
れ 責
る 性
こ の
と 存
に 在
な と
1第
る4
︶
。 三
ま 者
た の
、 善
九 意
者
の
静
的
安
全
を
犠
牲
に
し
て
も
な
お
動
的
安
全
保
護
を
優
先
さ
せ
れ
る
べ
き
で
あ
る
。
し
た
が
っ
て
、
そ
こ
で
は
当
然
に
、
真
の
権
利
二
項
と
一
一
〇
条
の
重
畳
的
類
推
適
用
、
あ
る
い
え は
ら 、
れ 九
4四
る4
︶
。 条
二
項
一
〇
条
単
独
で
の
類
推
適
用
、
③
本
判
決
が
採
用
し
た
民
法
九
四
条
単
独
で
の
類
推
適
用
、
②
本
件
第
一
審
と
原
審
が
採
用
し
た
民
法
一
こ
れ
ま
で
の
判
例
・
学
説
の
議
論
を
踏
ま
え
る
と
、
本
件
に
つ
い
⑵
・
立
証
責
任
は
す
べ
て
第
三
者
に
あ
る
と
解
す
べ
き
で
民
法
一
一
〇
条
単
独
で
の
類
推
適
用
に
つ
い
て
。
ま
ず
X
と
と
一
一
〇
条
の
﹁
法
意
に
照
ら
し
﹂
た
処
理
が
者
の
帰
責
性
お
よ
び
第
三
者
の
善
意
︵
無
過
失
︶
推
適
用
の
要
件
と
し
て
て
採
用
可
能
性
の
あ
る
法
的
構
成
と
し
て
は
、
①
民
法
九
四
条
二
項
形
式
論
︵
法
的
論
理
構
成
︶
続
の
た
め
の
書
類
等
が
整
っ
え て
る い
0
と4
︶る
、 か
仮 を
に 審
動 査
的 す
安 る
全 権
保 限
護 ︶
せ
る
と
し
た
場
合
に
は
、
要
件
を
厳
格
に
す
る
よ
う
な
さ
れ
て
い
な
い
こ
と
を
慮
が
な
さ
を
優
先
さ
し
か
付
与
わ 理
け を
で い
あ か
3に
る4
︶
。 条
文
化
す
べ
き
か
が
重
要
な
立
法
課
題
と
な
っ
て
く
る
で
は
、
不
動
産
登
記
に
つ
い
て
登
記
官
に
形
式
的
審
査
権
︵
登
記
手
学
説
に
よ
っ
て
練
り
上
げ
ら
れ
て
き
た
九
四
条
二
項
類
推
適
用
の
法
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
と
い
う
事
情
も
認
め
ら
れ
る
と
こ
ろ
で
は
あ
る
が
、
こ
の
よ
う
な
事
そ
の
中
で
、
他
の
取
引
に
関
し
て
代
理
権
の
授
与
が
な
さ
れ
て
い
た
確
か
に
、
X
が
A
に
対
し
て
幅
広
い
財
産
管
理
の
委
託
を
し
て
お
り
、
と
か
ら
、
一
一
〇
条
を
併
用
す
る
必
要
は
な
い
よ
う
に
思
わ
れ
る
。
意
思
外
形
非
対
応
型
の
よ
う
な
構
造
を
認
め
る
こ
と
は
で
き
な
い
こ
の
作
出
に
つ
い
て
相
手
方
に
承
認
を
与
え
た
と
い
う
事
実
は
な
く
、
と
い
え
る
。
こ
れ
に
対
し
て
本
件
で
は
、
本
人
が
一
定
の
虚
偽
外
形
的
構
成
を
採
用
す
べ
き
か
、
信
義
則
等
の
一
般
条
項
を
第
三
者
保
護
を
で
あ
る
。
ま
た
、
本
件
の
よ
う
な
事
案
に
つ
い
て
善
意
・
無
過
失
の
裁
判
所
に
と
っ
て
は
ハ
ー
ド
ル
の
高
い
も
の
な
の
か
も
し
れ
な
い
の
な
い
要
件
を
類
推
適
用
と
い
う
解
釈
技
術
に
よ
り
補
充
す
る
こ
と
は
、
求
め
て
一
一
〇
条
を
持
ち
出
し
た
も
の
と
も
﹁
無
過
失
﹂
要
件
を
補
充
う
べ
き
か
え
る
際
に
、
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
と
い
う
法
え
ら
れ
る
。
条
文
に
︵
加
重
︶
す
る
た
め
の
条
文
上
の
根
拠
を
三
者
に
善
意
・
無
過
失
を
要
求
す
る
と
い
う
え
方
は
理
解
し
易
い
と
が
で
き
る
。
し
た
が
っ
て
、
こ
の
よ
う
な
構
成
を
採
用
し
て
、
第
お
り
、
代
理
人
に
よ
る
権
限
越
の
場
合
と
似
た
構
造
を
認
め
る
こ
相
手
方
が
背
信
的
に
第
二
外
形
を
作
出
し
た
と
い
う
構
造
を
有
し
て
を
認
め
て
い
た
と
い
う
状
況
に
お
い
て
、
そ
の
第
一
外
形
に
基
づ
き
い
る
判
例
の
事
案
に
つ
い
て
で
あ
る
が
、
本
人
が
第
一
外
形
の
作
出
条
二
項
と
一
一
〇
条
の
法
意
に
照
ら
し
﹂
と
い
う
構
成
を
採
用
し
て
的
類
推
適
用
か
。
ま
ず
、
意
思
外
形
非
対
応
型
に
お
い
て
、
﹁
九
四
民
法
九
四
条
二
項
単
独
で
の
類
推
適
用
か
一
一
〇
条
の
重
畳
も
っ
と
も
、
裁
判
所
の
立
場
か
ら
は
、
第
三
者
保
護
の
た
め
の
を 人
の
え 帰
れ 責
ば 性
よ の
い 程
と 度
い と
う の
こ バ
と ラ
で ン
あ ス
る の
。 な
か
で
第
三
者
の
保
護
要
件
な
態
様
が
あ
り
う
る
わ
け
で
あ
り
、
そ
れ
ぞ
れ
の
事
案
に
お
け
る
本
の
類
推
適
用
に
よ
っ
て
処
理
す
べ
き
と
妥 つ
当 つ
で 、
は 第
な 三
い 者
か の
と 保
思 護
わ 要
れ 件
6と
る4
︶
。 し
既 て
に ﹁
見 無
た 過
よ 失
う ﹂
に を
、 加
九 重
四 す
条 る
二 の
項 が
で
、
む
し
ろ
九
四
条
二
項
単
独
で
の
類
推
適
用
と
い
う
構
成
を
採
り
用
に
関
す
る
従
来
の
理
論
に
混
乱
を
生
じ
さ
せ
る
お
そ
れ
が
あ
る
の
え
ら
れ
る
事
例
に
は
様
々
を
基
礎
に
し
た
類
推
適
用
を
え
る
べ
き
で
あ
る
と
思
わ
れ
る
。
適
用
す
る
法
的
構
成
を
採
用
す
る
こ
と
は
、
九
四
条
二
項
の
類
推
適
314
一 A
一 Y
〇 間
条 の
単 取
独 引
で に
の 関
類 す
推 る
適 以
用 上
は の
妥 よ
当 う
と な
は 事
い 実
え 関
5係
ず4
︶
、 を
九 踏
四 ま
条 え
二 る
項 と
、
も
の
で
は
な
く
、
本
件
土
地
に
つ
い
て
の
A
名
義
の
登
記
で
あ
る
。
う
か
。
本
件
の
よ
う
な
事
案
に
つ
い
て
一
一
〇
条
を
重
畳
的
に
類
推
情
は
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
に
お
け
る
本
人
の
帰
責
性
の
有
無
の
判
断
の
際
の
一
要
素
と
し
て
慮
す
れ
ば
足
り
る
の
で
は
な
い
だ
ろ
315
:
契
機
と
し
て
﹂
み
ん
け
ん
民
事
研
修
六
〇
一
号
︵
二
〇
〇
七
年
︶
察
最
高
裁
平
成
一
八
年
二
月
二
三
日
判
決
を
年
︶
四
九
頁
、
伊
藤
進
﹁
民
法
九
四
条
二
項
類
推
適
用
の
射
程
範
囲
年
︶
六
六
頁
、
吉
田
克
己
﹁
判
批
﹂
判
タ
一
二
三
四
号
︵
二
〇
〇
七
成
一
八
年
度
重
要
判
例
解
説
︵
ジ
ュ
リ
一
三
三
二
号
︶
︵
二
〇
〇
七
︵
以
下
、
増
森
②
と
し
て
引
用
︶
一
一
二
頁
、
磯
村
保
﹁
判
批
﹂
平
以
下
が
あ
る
。
一
三
四
七
頁
、
同
﹁
判
批
﹂
ジ
ュ
リ
一
三
三
三
号
︵
二
〇
〇
七
年
︶
高
橋
眞
編
著
﹃
現
代
権
利
者
の
帰
責
根
拠
最
一
小
判
平
一
八
・
二
・
二
三
民
集
六
〇
ー
ク
ス
三
四
号
︵
二
〇
〇
七
年
︶
六
頁
、
渡
邉
拓
﹁
判
批
﹂
判
例
評
〇
条
の
重
畳
類
推
適
用
の
﹃
限
界
﹄
を
超
え
る
事
例
に
お
け
る
真
正
併
号
︵
二
〇
〇
六
年
︶
七
頁
、
中
舎
寛
樹
﹁
判
批
﹂
私
法
判
例
リ
マ
析
・
検
討
と
し
て
、
中
山
布
紗
﹁
民
法
九
四
条
二
項
お
よ
び
同
一
一
頁
、
中
山
布
紗
﹁
判
批
﹂
北
九
州
市
大
法
政
論
集
三
四
巻
一
・
二
合
年
︶
一
六
九
頁
以
下
。
四
宮
教
授
の
類
に
つ
い
て
の
詳
細
な
武
川
幸
嗣
﹁
判
批
﹂
民
商
一
三
五
巻
二
号
︵
二
〇
〇
六
年
︶
四
〇
七
四
号
︵
二
〇
〇
六
年
︶
︵
以
下
、
佐
久
間
①
と
し
て
引
用
︶
一
八
頁
、
3
︶ の
判
四 例
宮 は
和 、
夫 後
﹃ 出
民 の
法 最
判
則 昭
︹ 和
第 二
四 九
年
版 八
︺
﹄ 月
︵ 二
弘 〇
文 日
堂 ︵
、 判
一 例
九 ①
八 ︶
。
六
号
︵
二
〇
〇
六
年
︶
一
一
五
頁
、
佐
久
間
毅
﹁
判
批
﹂
N
B
L
八
三
以
下
︵
稲
本
洋
之
助
︶
。
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
を
認
め
た
最
初
1
︶
本
判
決
の
評
釈
等
と
し
て
、
高
田
淳
﹁
判
批
﹂
法
セ
ミ
六
一
八
2
︶
﹃
新
版
・
注
釈
民
法
⑶
﹄
︵
有
閣
、
二
〇
〇
三
年
︶
三
六
九
頁
五
四
頁
も
参
照
。
る
に
当
た
っ
て
の
一
察
﹂
N
B
L
一
〇
一
〇
号
︵
二
〇
一
三
年
︶
お
い
て
民
法
九
四
条
二
項
お
よ
び
一
一
〇
条
の
類
推
適
用
を
主
張
す
引
用
︶
四
六
頁
、
等
。
な
お
、
淵
邊
善
彦
版
︺
︵
別
冊
ジ
ュ
リ
︶
︵
二
〇
〇
九
年
︶
︵
以
田 下
中 、
佐
太 久
郎 間
﹁ ②
訴 と
し
に て
の
点
は
、
具
体
的
事
案
解
決
の
た
め
の
裁
判
所
に
よ
る
条
文
の
解
釈
〇
八
年
︶
二
七
頁
、
佐
久
間
毅
﹁
判
批
﹂
民
法
判
例
百
選
Ⅰ
︹
第
六
に
つ
い
て
も
な
お
検
討
の
余
地
が
あ
る
よ
う
に
思
わ
れ
7
る4
︶
。
こ
れ
ら
二
頁
、
近
藤
昌
昭
=
巻
二
号
五
四
六
頁
の
位
置
づ
け
﹂
池
田
恒
男
論
五
七
六
号
︵
二
〇
〇
七
年
︶
一
八
四
頁
、
増
森
珠
美
﹁
判
批
﹂
曹
る に の
。 関 あ
わ り
る 方
、 、
そ さ
れ ら
自 に
体 は
が 、
検 裁
討 判
の 所
対 に
象 よ
と る
さ 条
れ 文
る の
べ 類
き 推
問 適
題 用
と の
い 仕
え 方
=
市
民
法
学
と
民
法
典
﹄
︵
日
本
評
論
社
、
二
〇
一
二
年
︶
二
三
三
頁
時
五
九
巻
四
号
︵
二
〇
〇
七
年
︶
︵
以
下
、
増
森
①
と
し
て
引
用
︶
=
6 5
4
︶ ︶ 二 ︶
〇
佐 吉 一 四
久 田 〇 宮
間 ・ 年 和
毅 前 ︶ 夫
﹃ 掲 二
民 注 一 能
法 1 〇 見
の ︶ 頁 善
基 四 。 久
﹃
礎 九
民
1 頁
法
・ 以
下
則
則 。
︹
﹄
︵
第
有
八
版
閣
︺
﹄
、
︵
二
弘
〇
文
〇
堂
八
、
=
年
︶
一
三
三
頁
以
下
。
に
つ
い
て
の
一
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
影
山
智
彦
﹁
判
批
﹂
判
タ
一
二
七
六
号
︵
二
〇
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
1
︶
三
〇
頁
、
吉
田
・
前
掲
注
五
六
頁
、
中
山
・
前
掲
注
1
︶
二
=
1
︶
五 四
二 頁
頁 、
、 近
等 藤
。
な 影
お 山
、 ・
武 前
川 掲
・ 注
尾
弘
﹁
判
批
﹂
法
教
二
八
〇
号
︵
二
〇
〇
年
︶
一
〇
八
頁
、
武
川
幸
嗣
﹁
判
批
﹂
民
商
一
二
九
巻
三
号
︵
二
〇
1
︶
一
一
五
頁
、
増
森
①
・
前
掲
注
11
10
︶ 参 ︶
照
磯 。 な
村
お
・
、
前
最
掲
三
注
判
昭
1
和
︶
六
四
七
七
頁
年
、
一
佐
一
久
月
間
二
①
八
・
日
前
・
掲
前
注
掲
注
1
1
︶ ︶
一 一
三 九
と
し
て
、
古
積
三
郎
﹁
判
批
﹂
法
セ
ミ
五
八
六
号
︵
二
〇
〇
三
を
参
照
さ
せ
て
い
る
︶
。
9
︶
も
18 17
︵ ︶ ︶ 頁
以
も
下 最 佐 参
、
﹁ 二 久 照
最 判 間 。
②
高 平 ・
裁 成
前
平 一
掲
成 五
注
一 年
五 六 1
年 月 ︶
四
判 一 七
決 三
﹂ 日 頁
と 判 。
呼 時
ぶ 一
︶ 八
。
同 三
判 一
決 号
の 九
評 九
釈 頁
無
効
を
対
抗
し
得
な
い
と
し
て
原
判
決
を
破
棄
差
戻
し
た
︵
判
例
④
て
A
は
善
意
・
無
過
失
の
第
三
者
C
に
対
し
て
B
の
所
有
権
取
得
の
っ
た
こ
と
を
理
由
に
、
九
四
条
二
項
、
一
一
〇
条
の
法
意
に
照
ら
し
16
15
︶ 二 ︶
六
吉 一 磯
田 頁 村
・ 以 ・
前 下 前
掲 も 掲
注 批 注
判
1
1
的
︶
︶
五 か 六
四 。 七
頁
頁
。
。
佐
そ
久
の
間
他
①
、
・
中
前
山
掲
・
注
前
掲
1
注
︶
二
3
四
︶
り
A
か
ら
B
へ
の
虚
偽
の
所
有
権
移
転
登
記
が
な
さ
れ
る
結
果
と
な
か
っ
た
が
、
A
が
仮
登
記
の
外
観
を
仮
装
し
よ
う
と
し
た
こ
と
に
よ
も
の
で
あ
る
。
判
決
は
、
A
の
意
図
し
た
仮
装
仮
登
記
は
な
さ
れ
な
有
権
移
転
登
記
を
経
由
し
善
意
・
無
過
失
の
C
に
譲
渡
し
た
と
い
う
誤
解
し
て
署
名
押
印
し
た
と
こ
ろ
、
B
が
勝
手
に
こ
れ
を
用
い
て
所
14
13
︶ 1 1 五 ︶
六
︶
︶
中 一 四 頁 渡
舎 四 一 、 邉
・ 頁 三 近 ・
前 、 頁 藤 前
掲 等 、
掲
注 。 伊 影 注
藤 山 1
1
・ ・ ︶
︶
八
前 前 一
頁
掲 掲 八
。
五
注 注 頁
1 1 、
︶ ︶ 増
一 三 森
一 二 ①
頁 頁 ・
、 、 前
中 武 掲
山 川 注
・ ・
前 前 1
掲 掲 ︶
一
注 注 三
=
〇
三
年
︶
四
一
一
頁
、
頁
、
高
田
・
前
掲
注
316
求
権
保
全
の
仮
登
記
手
続
を
す
る
意
思
で
、
B
の
提
示
し
た
所
有
権
五
頁
も
参
照
。
事
案
は
、
A
が
B
と
通
じ
て
仮
装
の
所
有
権
移
転
請
9
8
︶ 大 ︶
の
最 流 中
三 れ 舎
判 の ・
昭 イ 前
和 メ 掲
四 ー 注
七 ジ
7
年 図
︶
一 も 一
一 参 九
月 照 六
二 。 頁
八
の
日
判
民
例
集
に
二
お
六
け
巻
る
九
類
号
推
一
適
七
用
一
拡
12
︶ の
帰
磯 責
村 性
・ の
前 緩
掲 和
注 を
意
1
味
︶
六 す
七 る
頁 も
、 の
等 で
。 は
必
ず
し
も
な
い
と
す
る
。
す
る
重
過
失
と
置
き
換
え
る
こ
と
が
で
き
る
と
し
、
そ
れ
は
権
利
者
本
判
決
に
い
う
﹁
X
の
余
り
に
も
不
注
意
な
行
為
﹂
は
故
意
に
匹
敵
移
転
登
記
手
続
に
必
要
な
書
類
に
、
仮
登
記
手
続
に
必
要
な
書
類
と
断
す
る
の
は
早
す
ぎ
る
と
す
る
。
吉
田
・
前
掲
注
1
︶
五
四
頁
も
、
九
一
頁
以
下
。
7
︶
中
舎
寛
樹
﹃
民
法
則
﹄
︵
日
本
評
論
社
、
二
〇
一
〇
年
︶
一
適 ﹁ 前
用 意 掲
の 思 注
関
な 与 1
る ﹂ ︶
四
拡 か 一
大 ら 一
を ﹁ 頁
図 重 は
る 過 、
趣 失 本
旨 ﹂ 判
で へ 決
一 と が
般 緩 、
論 和 本
を し
提 、 人
示 九 の
し 四 帰
た 条 責
も 二 性
の 項 要
と 類 件
判 推 を
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)
権
移
転
の
外
形
が
作
出
さ
れ
た
こ
と
で
あ
り
、
こ
の
場
合
に
第
三
者
年
判
決
に
つ
い
て
、
問
題
は
代
金
支
払
前
に
移
転
登
記
が
さ
れ
所
有
20
︶ 前
掲
武 注
川
1
・ ︶
前 二
掲 三
注 頁
も
1
参
︶
四 照
一 。
五
頁
。
も
っ
と
も
最
高
裁
平
成
一
五
験
の
な
い
者
で
あ
っ
た
こ
と
を
挙
げ
て
い
る
。
な
お
、
佐
久
間
①
・
た
め
の
努
力
を
し
て
い
た
こ
と
、
⑤
真
正
権
利
者
が
不
動
産
取
引
経
際
限
な
く
緩
和
さ
れ
る
危
険
が
あ
る
と
す
る
。
例
法
理
の
再
借
用
を
常
態
化
さ
せ
本
人
の
帰
責
性
要
件
が
不
当
か
つ
に
あ
る
と
し
、
本
判
決
の
理
論
を
一
般
化
す
る
と
、
こ
れ
ま
で
の
判
だ
し
、
九
四
条
二
項
類
推
適
用
の
核
心
は
、
﹁
虚
偽
外
観
に
対
す
る
22
1 一 ︶
三
︶
一 頁 増
八 、 森
七 近 ①
頁 藤 ・
、
前
等 影 掲
。 山 注
な ・
1
お 前
︶
、 掲 一
中
三
山 注 五
・ 1 五
前 ︶ 頁
掲 三 、
注 五 武
頁 川
1 、
・
︶
二 渡 前
五 邉 掲
頁 ・ 注
は 前
、 掲 1
︶
た 注 四
な
関
連
性
が
あ
っ
た
こ
と
を
挙
げ
、
否
定
要
因
と
し
て
、
④
真
正
権
者
の
信
頼
し
た
不
実
外
観
の
作
出
は
不
可
能
で
あ
っ
た
と
い
う
密
接
て
い
た
こ
と
、
③
真
正
権
利
者
の
不
注
意
な
行
為
な
く
し
て
は
第
三
て
い
た
こ
と
、
②
外
観
を
作
出
し
た
他
人
に
か
な
り
の
信
頼
を
与
え
う
な
状
況
下
で
重
要
書
類
・
実
印
等
を
掲 を に
注 異 気
に 付
1
︶ す き
九 る え
頁 に た
お 十 こ
よ
と
び な 等
前 理 の
掲 由 事
注 が 情
あ は
20 っ 両
︶
の た 事
武 か 案
川 疑 で
教 問 共
授 と 通
の す し
説 る て
明 。 お
も 中 り
参 舎 、
照 ・ 結
。 前 論
ま
れ
る
内
容
か
ら
す
る
と
通
常
で
あ
れ
ば
外
観
作
出
の
危
険
を
容
易
付
し
か
つ
そ
れ
を
放
置
し
て
、
そ
の
肯
定
要
因
と
し
て
、
①
合
理
人
で
あ
れ
ば
付
し
な
い
よ
は
、
登
記
必
要
書
類
を
騙
取
さ
れ
た
こ
と
と
騙
取
さ
れ
た
書
類
に
含
置
﹂
と
同
視
し
う
る
帰
責
性
の
存
否
が
判
断
さ
れ
る
と
す
る
。
そ
し
が
示
す
﹁
外
観
作
出
へ
の
積
極
的
関
与
か
知
り
な
が
ら
あ
え
て
放
21
︶ で
は
高 な
田 い
・ か
前 と
掲 す
注 る
。
1
︶
一
一
五
頁
。
磯
村
・
前
掲
注
1
︶
六
七
頁
要
因
を
挙
げ
、
そ
れ
ら
を
慮
す
る
こ
と
に
よ
り
本
判
決
教
授
は
、
真
正
権
利
者
の
帰
責
性
判
断
の
た
め
の
肯
定
要
因
と
否
定
れ
た
場
合
と
同
視
し
う
る
帰
責
事
由
の
認
定
が
行
わ
れ
て
も
よ
い
の
本
人
の
意
思
に
基
づ
い
て
﹁
所
有
権
留
保
放
棄
の
外
観
﹂
が
作
出
さ
合
的
に
1
︶
三
四
頁
、
渡
邉
・
前
掲
注
1
︶
一
八
六
頁
、
等
。
な
お
、
渡
邉
慮
さ
れ
る
べ
き
で
あ
る
と
し
、
こ
の
よ
う
な
観
点
を
も
踏
ま
え
つ
つ
、
19
︶ 号
︵
増 二
森 〇
② 〇
・ 四
前 年
掲 ︶
注 一
〇
1 三
︶ 頁
一
一 、
等
四 。
頁
、
近
藤
=
=
意
思
的
関
与
﹂
に
限
っ
て
真
正
権
利
者
の
帰
責
性
が
認
定
さ
れ
る
点
利
者
が
度
重
な
る
問
い
合
わ
せ
を
行
う
等
、
不
実
外
観
作
出
防
止
の
影
山
・
前
掲
注
こ
と
と
第
三
者
と
の
関
係
に
つ
い
て
は
九
六
条
三
項
と
の
こ
と
と
も
い
え
、
ま
た
相
手
方
に
騙
さ
れ
て
移
転
登
記
に
寄
衡 与
が し
た
号
︵
二
〇
〇
四
年
︶
四
頁
、
田
中
淳
子
﹁
判
批
﹂
法
時
七
六
巻
一
〇
わ
れ
る
と
し
、
こ
の
よ
う
な
危
険
は
当
事
者
間
内
部
で
調
整
す
べ
き
四
年
︶
六
九
頁
、
田
原
睦
夫
=
317
四
年
︶
一
一
二
頁
、
川
井
印
藤
弘
二
﹁
判
批
﹂
金
法
一
六
九
七
﹁
判
批
﹂
N
B
L
七
九
三
号
︵
二
〇
〇
て
の
意
味
を
有
す
る
所
有
権
の
確
保
を
ど
こ
ま
で
許
さ
れ
る
か
が
問
の
犠
牲
に
お
い
て
買
主
の
代
金
不
払
い
リ
ス
ク
を
回
避
し
担
保
と
し
立正法学論集第 47巻第2号 (2014)
41
︶ 二
頁
さ 以
ら 下
に ︵
、 鎌
権 田
利 ︶
保 を
護 参
資 照
格 。
要
件
と
し
て
の
登
記
の
要
求
も
検
討
ン
メ
ン
タ
ー
ル
・
不
動
産
登
記
法
﹄
︵
日
本
評
論
社
、
二
〇
一
〇
年
︶
40
︶ 民
法
こ 典
の ﹄
︵
点 成
に
つ 文
堂
い
、
て
二
は
〇
、
一
鎌
〇
田
薫 年
︶
九
寺 九
田
逸 頁
以
郎
下
編
﹃ も
参
新 照
基 。
本
法
コ
信
の
原
則
を
取
り
上
げ
る
渡
三
者
保
護
法
理
は
ど
う
あ
る
べ
き
か
﹂
円
谷
峻
編
﹃
社
会
の
変
容
と
保
護
制
度
の
改
正
に
つ
い
て
え
る
不
動
産
取
引
に
お
け
る
第
32
︶ 本
評
武 論
川 社
・ 、
前 二
掲 〇
注 〇
五
31
年
︶
四 ︶
七 四
頁 六
。 頁
。
者
保
護
制
度
の
将
来
的
な
制
度
設
計
を
論
ず
る
武
川
幸
嗣
﹁
第
三
者
七
七
条
に
お
け
る
背
信
的
悪
意
者
排
除
論
と
を
検
討
し
つ
つ
、
第
三
31
30
椿 ︶ 淵 ︶
邊
寿
前
夫 武
川 田 掲
中 幸 中 注
舎 嗣 ・ 19
寛 ﹁ 前 ︶
樹 不 掲 を
編 実 注 参
﹃ 登 1 照
解 記 ︶ 。
説 に 五 渡
・ 対 七 邉
類 す 頁 ・
推 る 以 前
適 信 下 掲
用 頼 も 注
か 保 参 1
ら 護 照 ︶
み と 。 一
八
る 九
六
民 四
頁
法 条
二
。
﹄
︵ 項
な
日 ﹂
お
、
を
遂
げ
た
代
表
的
運
用
例
と
し
て
九
四
条
二
項
類
推
適
用
法
理
と
一
39
︶ ︵
有
な
お 閣
、 、
現 一
行 九
民 八
法 四
制 年
定 ︶
後 五
、 頁
第 以
三 下
者 、
保 等
護 を
制 参
度 照
に 。
お
い
て
発
展
次
郎
﹃
訂
正
増
補
・
民
法
要
義
巻
之
二
︹
明
治
四
四
年
版
復
刻
版
︺
﹄
五
頁
の
叙
述
も
参
照
。
︵
法
務
図
書
館
、
一
九
七
六
年
︶
二
六
四
頁
︵
穂
積
陳
重
︶
、
梅
謙
29 28
︶ ︶ 頁
。
最 佐
高 久
裁 間
平 ②
成 ・
一 前
五 掲
年 注
判
1
決 ︶
に 四
関 七
す 頁
る 。
武
川
・
前
掲
注
う
防
ぐ
か
が
大
き
な
課
題
と
す
る
。
佐
久
間
②
・
前
掲
注
1
︶
四
一
1
︶
四
七
38
︶
﹃
法
務
図
書
館
資
料
2
・
法
典
調
査
会
民
法
議
事
速
記
録
2
﹄
37 36
前 ︶ ︶
掲
注 こ 近
1 の 藤
︶ 点
四 に 影
七 つ 山
頁 い ・
を て 前
参 の 掲
照 二 注
。 つ
1
の
立 ︶
三
場 一
に 頁
つ も
い 参
て 照
は 。
、
佐
久
間
②
・
=
め
る
判
例
④
⑦
に
は
、
﹁
民
法
九
四
条
二
項
、
同
法
一
一
〇
条
の
法
=
意
に
照
ら
し
、
外
観
尊
重
お
よ
び
取
引
保
護
の
要
請
⋮
⋮
﹂
と
い
っ
=
34
33
︶ 年 ︶
︶
例 一 大
え 〇 村
ば 一 敦
、 頁 志
九 以 ﹃
四 下 基
条 。 本
二 武 民
項 川 法
と ・ Ⅰ
一 前 ︹
一 掲 第
〇 注 二
条 31 版
の
︺
︶ ﹄
重 四 ︵
畳 九 有
的 頁
類 以 閣
推 下 、
適 も 二
用 参 〇
を 照 〇
認 。 五
た
表
現
が
見
ら
れ
る
。
外
形
信
頼
と
取
引
安
全
に
関
す
る
法
理
論
と
=
し
て
、
禁
反
言
・
権
利
外
観
法
理
・
318
27 26 25 24 23
︶ ︶ ︶ ︶ ︶
た
だ
し
、
こ
の
場
合
、
﹁
裸
の
利
益
衡
量
﹂
に
陥
る
こ
と
を
ど
︵
一
九
七
二
年
︶
四
〇
頁
。
伊
藤
・
前
掲
注
伊
藤
・
前
掲
注
中
舎
・
前
掲
注
1
︶
一
二
頁
。
1
︶
七
頁
。
1
︶
九
頁
。
こ
の
点
に
つ
い
て
は
、
中
舎
・
前
掲
注
1
︶
八
頁
を
参
照
。
35
︶ 以
下
吉 を
田 参
真 照
澄 。
﹁
仮
装
登
記
と
民
法
九
四
条
二
項
﹂
判
タ
二
七
六
号
第
三
者
の
主
観
的
要
件
﹂
法
セ
ミ
六
八
九
号
︵
二
〇
一
二
年
︶
六
頁
辺
達
徳
﹁
権
利
の
外
観
信
頼
と
取
引
安
全
権
利
者
側
の
事
情
と
319
用
論
覚
書
﹂
椿
用
﹂
な
ど
の
表
現
の
中
意
舎
味
編
内
﹃
容
解
や
説
相
・
互
類
関
推
係
適
に
用
つ
か
い
ら
て
み
、
る
椿
民 類 教
法 推 授
﹄ 適 は
、
一 に 注 年
巻 よ
度
﹄ る 44 ︶
︵
︶ ﹄
法 二 ︵
文 欠 九 法
缺 三 曹
社 補 頁 会
、
充 。 、
二
に な 一
〇
つ お 九
〇
い 、 六
六
て 一 九
年
、 般 年
︶
[ 広 条 ︶
二 中 項 一
六 俊 に 一
] 雄 よ 九
。 ﹃ る 九
新 法 頁
版 欠 以
民 缺 下
法 補 、
綱 充 椿
要 と ・
・ 条 前
第 理 掲
て
用
い
ら
れ
る
﹁
規
定
の
精
神
・
趣
旨
﹂
、
﹁
法
意
に
照
ら
し
﹂
、
﹁
準
項
だ
け
で
な
く
、
一
般
的
に
、
類
推
適
用
と
関
連
し
て
判
例
に
お
い
あ
ま
り
意
味
を
持
た
な
い
の
で
は
な
い
か
と
思
わ
れ
る
。
九
四
条
二
47
46
︶ 九 ︶
頁
鈴 も 伊
木 参 藤
重 照 ・
信 。 前
掲
﹁
注
判
批
1
﹂
︶
﹃
九
最
頁
高
以
裁
下
判
。
例
な
解
お
説
、
民
中
事
舎
篇
・
︵
前
昭
掲
和
注
四
1
三
︶
で
の
﹁
類
推
適
用
﹂
と
﹁
法
意
に
照
ら
し
﹂
と
い
う
表
現
の
違
い
は
と
し
た
︵
判
決
で
は
、
正
当
な
理
由
は
な
い
と
さ
れ
た
︶
。
44
⒝ ︶ 頁
以
な 下
で お 。
述 、
べ 判
た 例
よ に
う よ
に る
解 九
す 四
る 条
こ 二
と 項
が 類
で
き 推
る 適
と 用
す に
る つ
と い
、 て
こ ⑴
こ
適
用
し
て
、
本
人
が
そ
の
責
に
任
ず
る
も
の
と
解
す
る
の
が
相
当
﹂
当
な
理
由
が
あ
る
場
合
﹂
に
は
、
﹁
民
法
一
一
〇
条
の
規
定
を
類
推
い
と
し
、
﹁
本
人
自
身
の
行
為
で
あ
る
と
信
じ
た
こ
と
に
つ
い
て
正
行
為
及
び
契
約
論
﹂
ジ
ュ
リ
一
四
五
六
号
︵
二
〇
一
三
年
︶
二
二
で
は
代
理
人
の
代
理
権
限
を
信
頼
し
た
場
合
と
異
な
る
と
こ
ろ
が
な
沖
野
教
授
の
説
明
を
参
照
。
沖
野
眞
已
え
方
は
採
り
入
れ
ら
れ
な
か
っ
た
が
、
そ
の
理
由
に
部
会
会
議
で
決
定
さ
れ
た
﹁
中
間
試
案
﹂
に
は
、
民
法
九
四
条
二
項
43 42
︶ ︶ つ
い
平 中 て
成 舎 の
二 ・ 解
五 前 釈
年 掲 と
二 注 の
月
バ
7
二
ラ
︶
六 一 ン
日 九 ス
の 六 も
法 頁 検
制 以 討
審 下 す
議 。 べ
会
き
民
こ
法
と
︵
に
債
な
権
る
関
。
係
︶
さ
れ
る
べ
き
で
あ
る
。
な
お
、
そ
の
際
に
は
、
民
法
九
六
条
三
項
に
合
に
お
い
て
、
相
手
方
が
そ
の
行
為
を
本
人
自
身
の
行
為
と
信
じ
た
二
五
三
九
頁
は
、
代
理
人
が
本
人
の
名
で
権
限
外
の
行
為
を
し
た
場
れ
て
い
る
最
二
判
昭
和
四
四
年
一
二
月
一
九
日
民
集
二
三
巻
一
二
号
45
︶ 大
学
伊 出
藤 版
・ 会
前 、
掲 二
注 〇
〇
1
八
︶
七 年
頁 ︶
。 八
な 一
お 頁
、 を
第 参
一 照
審 。
と
原
審
で
引
用
さ
應
義
塾
大
学
法
学
部
編
﹃
慶
應
の
法
律
学
・
民
事
法
﹄
︵
慶
應
義
塾
類
推
適
用
の
深
山
雅
也
﹁
対
談
・
法
律
つ
い
て
は
、
法
制
審
議
会
民
法
︵
債
権
関
係
︶
部
会
の
委
員
で
あ
る
信
じ
た
も
の
で
は
な
い
が
、
そ
の
信
頼
が
取
引
上
保
護
に
値
す
る
点
と
い
う
事
案
で
あ
る
。
判
決
で
は
、
相
手
方
は
代
理
人
の
代
理
権
を
=
現
在
な
お
不
明
確
で
あ
る
と
す
る
。
椿
寿
夫
﹁
ま
と
め
−
︵
日
本
評
論
社
、
二
〇
〇
五
年
︶
二
九
三
頁
。
な
お
、
﹁
法
意
﹂
と
−
﹁
類
推
適
用
﹂
と
い
う
用
語
法
に
関
す
る
検
討
と
し
て
、
七
戸
克
彦
=
﹃
類
推
適
用
﹄
と
﹃
法
意
﹄
の
異
同
問
題
を
基
点
と
し
て
﹂
慶
﹁
民
法
九
四
条
二
項
の
類
推
適
用
に
関
す
る
判
例
の
表
現
に
つ
い
て
民法九四条二項および一一〇条の類推適用について (新井敦志)