グローバル化に求められる業務・IT改革

グローバル化に求められる業務・IT改革
とその実現に向けたアプローチ
カシオ計算機株式会社
執行役員
生産資材統轄部 副統轄部長
矢澤 篤志
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
自己紹介
• 1981年入社 海外営業、海外物流、生産・調達
の組織を経て1997年に業務開発(IT)部へ
2001年IT部門長、2006年よりCIO。
2012年5月より現職(SCM改革担当)
• モットー:「変革せよ!変革を迫られる前に」
Change before you have to ジャックウェルチ
• 2006年 IBMユーザー会全国研会長
JDMC立上げ・現理事、IPA IT人材育成審議
委員、JUASイノベーション経営カレッジ講師
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
本日の内容
1. 日本企業が抱えるグローバル化の根本課題
2. 事例から学ぶ要求開発
•
•
•
グローバル化における“ビジネス要求”と
“普遍的な業務要求”とは
ビジネス要求に応えるIT基盤のあり方
システム屋から業務開発のプロデューサーへ
3. 業務プロセス改革を成功に導く勘所
•
•
•
プロジェクト成否は“超超上流工程”で決まる
要求開発~要件定義の手順と勘所
“経験の場”こそがIT人財を育成の決め手
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
ことばの定義
要件の内容
呼び方
ビジネス要件
業務要件
システム要件
ステークホルダーに
対する目標や経営・
事業レベルの課題
ビジネス要件を解決
する為に変革、改善
すべき業務の姿
業務要件を実現する
為のシステム化要件
要求開発、要求定義
要件定義
主役
ビジネスオーナー
担当業務部門
システム部門
アウトプット
企画書 1
'グランドデザイン(
企画書 2
'As-Is~To-Be(
システム
手法
Project Strategy
Workshop
BPMN
プロジェクト評価
'フェーズゲート(
BPMN、CRP
スキル標準
ストラテジスト
アプリケーションアナリスト
アーキテクト
APスペシャリスト
ITスペシャリスト
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
日本企業のIT課題(IT化ステージの状況)
ステージ3以上の割合
・日本 34.2%
・米国 60%
・韓国 50%
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
世界企業のベストプラクティス
業務
プロセス
グローバル
統合/最適
地域集約
拠点分散
90%の日本
企業はここ
•標準プロセスへの
統合/維持
•競争優位への貢献
システム(モノ)
•単一環境
•ローカル開発の
厳しい統制
•変化への柔軟な
対応
•基幹業務の
標準化
•基幹以外の業務
の地域単位での
標準化
•拠点毎の個別
最適
IT予算(カネ)
•グローバルでの
予算管理
IT人材(ヒト)
•グローバル最適な
人員/スキル配置
•戦略と合致した
投資の優先配分
•ポートフォリオ管理
•地域毎の環境
•ローカル開発の
地域単位での
統制
•各拠点毎の個別
導入
•多数の環境
•グローバルでの
コスト構造の把握
•地域毎に集約
•地域主体での
予算管理
•拠点に一任
•各拠点に分散
•グローバル全体の
ITコスト把握が困難
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
グローバルにおける競争力強化の要点'製造業の場合(
競争力強化の課題
競争優位獲得の肝
日本企業の問題
ITによる打開策
新興国市場の開拓
中国、インド、東南アジ
ア、南米等、新興国市
場のボリュームゾーン
に対するシェア獲得が
売上、利益拡大の鍵を
握る。
日本企業のグローバ
ル化の遅れ。特にマー
ケティング、販売体制、
物流など現地に根付い
た活動が韓国メーカー
等に比べ大きく遅れて
いる
グローバルオペレー
ションに適した組織・プ
ロセス・ITの再構築。
'標準化(さらにその企
業の強みをITで共通実
装し、横展開を図る。
'差別化(
新事業、新製品の
立上げ
ハード単体では付加価
値は稼げない時代。ソ
リューションとの組み合
わせによって顧客価値
を創造する。
ハードウェア中心から
なかなか脱却できない。
海外に比べてITを活用
したソリューションデザ
イン力が弱い。
マーケティング、商品
企画、事業開発等、企
業のコアコンピタンスに
ITリソースをシフトする。
'技術主導型で(
サプライチェーンの
強化
Appleに代表されるよう
に垂直統合型から水
平分業型に。災害、為
替、賃金高騰リスク等
にも柔軟に対応。
自社生産、系列調達な
ど生産・調達は海外に
移管してもリスク、コス
ト構造は大きく変わっ
ていない。
サプライチェーンプロセ
ス、組織の最適化と水
平分業、垂直統合どち
らでも耐えうる変化対
応型SCMシステムの
構築。
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
弊社におけるグローバル化の課題
海外調達率
海外生産率
■弊社商品で言えば購買層の
90%は世界市場特に新興国は
まだまだ開拓の余地あり
→マーケティング、SP、商
約60%
品企画、流通開拓、物流の現
約90%
地化が課題
加えて・・・
人事・経理・広報・IT・
購買等、スタッフのグロー
バル化が急務に。
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
世界企業のベストプラクティス
業務
プロセス
グローバル
統合/最適
地域集約
拠点分散
90%の日本
企業はここ
•標準プロセスへの
統合/維持
•競争優位への貢献
システム(モノ)
•単一環境
•ローカル開発の
厳しい統制
•変化への柔軟な
対応
•基幹業務の
標準化
•基幹以外の業務
の地域単位での
標準化
•拠点毎の個別
最適
IT予算(カネ)
•グローバルでの
予算管理
IT人材(ヒト)
•グローバル最適な
人員/スキル配置
•戦略と合致した
投資の優先配分
•ポートフォリオ管理
•地域毎の環境
•ローカル開発の
地域単位での
統制
•各拠点毎の個別
導入
•多数の環境
•グローバルでの
コスト構造の把握
•地域毎に集約
•地域主体での
予算管理
•拠点に一任
•各拠点に分散
•グローバル全体の
ITコスト把握が困難
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
90年代のITインフラ
1.サーバーインフラ
・全世界に19箇所のデータセン
ター、22台のAS400
・Windows、Linux、Unix系は
部門毎の管理 約1000台
高コスト'投資、維持(、
高リスク'システム停止、セ
キュリティ(
2.アプリケーション
・コード体系、データ構造、
業務プロセスがバラバラ
連結経営管理、サプライ
チェーン管理に大きな支障
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
これまでの「変革の道程」
IT部門長
CIO
連結経営(財務、管理)
業務
改革
G会社業務統合
第2次SCM
国内販物改革
グローバル生販改革
新技術 拠点
連携 事業
業務
毎の
標準化 個別
統合化 最適
組織
変遷
新興国販売
CRM
SOA
EAI
X86系サーバ統合
基幹サーバ(IBMi)統合
ERP
ERP標準
グループクラウド
ビッグバン導入 システム展開
(プライベート+パブリック)
分散型
連邦型
統合型
IT部門+IS子会社 マネジメント一体化 グループ会社含む統制
カシオ版ITSS
改定(UISS)
プロジェクト標準
要求・要件定義標準
マネジ
メント
~1997 ‘98
‘99 2000 ‘01
‘02
‘03
‘04
‘05
‘06
‘07 ‘08
‘09
‘10 ‘11 ‘12
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
業務・IT見直しのきっかけ'グローバル生販改革(
ビジネススピードを飛躍的にあげる
‐Global、Agility、Management Change‐
顧
客
販売 物流 製造 調達 計画
会計
ビジネスサイクル
マ
ネ
|
ジ
メ
ン
ト
サ
イ
ク
ル
グループ経営におけ
る意思決定を迅速化
していく
計画-調達-製造-物流-販売
という一連の事業活動の流れを早
くする事によって利益を生み続け
る体質へと変革をする
グローバル化の普遍的なビジネス要求
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
弊社がERPを選択した理由
ビジネス要求を満たす為の“普遍的な業務要求”
①.グローバルに分散された「PSI(発注、売上、在庫)」情報
及び会計情報を一元的に捉えるように必要なコード体系
(Item Code、B/U、勘定科目等)、データ構造の統一化を図る。
②.「物」と「金」にまつわる日次の基本業務~管理をグローバ
ルで統一する。(国際会計基準に準拠)
③.販売、生産の現地化展開にタイムリーに対応(言語、基本
業務、運用管理)
業務、データアーキテクチャを大きく
変革するツールとしてERPを選択
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
ERP導入の苦悩'=グローバル化の苦悩(
当初は、苦労の連続
・現状'日本の(業務から発想
・ERPでは実現出来ない機能が多発
・ビジネス要求から考えた業務要求と
現場のニーズとの乖離
・GAP'ISSUE(が溜まっていく一方
【発想のパラダイムシフト「作る」から「使う」へ】
・全社の業務構造をERPをテンプレートとして
整理'業務機能関連、プロセスフロー(
・TOPダウン型のプロジェクト推進手法に変革
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
業務機能構成、機能情報関連
【標準V4.2】
webplan
Cognos
オーダー情報
物流情報
会計情報
Data活用
実行計画
MRP 生産計画
JDE
買掛管理'A/P(
一般会計'G/L(
仕入
購買管理
製造依頼
入荷
出荷
・終了管理
入荷情報
Data連携
マスター管理
出庫情報
製造日程
庫内管理
Web
基礎情報
不良情報
WMS
入荷検品
得
意
先
製造日程管理
予備請求
日別WO
納期回答
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
物流連携
注文情報
納期回答
生産実績
在庫管理
'V4.3以降(
EDI
出荷
・SET化
出庫
KPI管理
受注
受注管理
製造現場管理
・納期回答
仕
入
先
売上
生産情報
購買依頼
発注
入荷
在庫情報
入金
売掛管理'A/R(
需要'要求(
支払
供給回答
赤:V4.1
紫:V4.2以降
システムフロー
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
プロジェクト標準推進手順を確立する
1.Project Strategy
Workshop
・目的、目標の確認
・基本要件の確認
・費用対効果
・重点課題
・As isの分析
・To Beモデルの構築
・機能要件の定義
・連携要件の定義
システム
構想書
業務・システム
機能関連
経営者
管理者
IT管理者
/実務者
IT
・オペレータ
3.Conference
Room Pilot
2.要求定義
'Workshop(
標準モデル
or
サンプル
開発
・サービスの確認
・プロセスの確認
・UIの確認
・業務シミュレーション
・システムフロー
・BPMN
・タイムスロット
仮説
4.IT適用設計
・サービス適用分析
・プロセス設計
・サービス設計
・インフラ基盤設計
検証
開発・実装
Steering Committee
・進捗の確認
・課題の解決指針決定
N/W、ソフト
ハード構成図
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
IT基盤の整備 '~2007(
ブラジル
メキシコ
グローバルに !
基幹業務システムを標準化
インド
タイ第2
シンガ
ポール
台湾
上海
山形
タイ
広州
EMS
海外
営業
官渡
シンセン
完成品
メーカー
北米
物流
事業部
UK
生産系
欧州
新中山
香港
甲府
国内販売
EMS
カシオ
電子工業
オルタス
オルタス高知
テクノ
CHS
CJ
販売系
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
ビジネス要求に応える“梃子”作り
I
T
基
盤
の
整
備
統合化
全体最適
標準化
グローバル化
UI Template
新技術
競争力強化
SOA
連携とモジュール化基盤
ESB、BPM
ビ
ジ
ネ
ス
の
要
求
標準システム'ERP+α(
コード体系、業務プロセス標準化
サーバー統合、仮想化
AS400 22台→5台へ x86系1000台→800台分統合
調達
製造
出荷
販売
会計
人事
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
プレゼンテーション層
テンプ
レート
人
ビジネス
プロセス層
人
人
システム
疎
サービス層 結
合
UI
テンプレート
'.NET(
テンプ
レート
システム
Web
Web
Web
Web
サービス サービス サービス サービス
開発
アダプタ アダプタ
JDBC
グループ
ウェア
RDB
BPMN
+
BPEL
&SP
ESB
RPG
アプリケーション層
ERP旧 ERP新
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
SOA基盤利用の例
ASP.NETによる入力オペレーションの効率化
プレゼン
テーション
UI
ビジネス
プロセス
一括承認による効率化
発注
発注
発注
発注
受注
オペレーション
の自動化
承認
ビジネス
サービス
受注
データ
サービス
コンポー
ネント
販売物流
マスター
当日出荷
出荷指示 販売物流
システム
翌日出荷
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
SOA適用事例
システム
目的
構成
購買システム
Gクラウド
.NET+SP+ESB
小規模G会社基幹
Gクラウド
.NET+SP+ESB
人事共通システム
Gクラウド
.NET+SP+ESB
会計共通システム
Gクラウド
.NET+SP+ESB
CRM
プロセス改革
.NET+ESB
資材情報登録
プロセス改革
.NET+BPEL+ESB
物流基幹システム
プロセス改革
.NET+BPEL+ESB
損益管理システム
情報活用
.NET+ESB
各種情報検索
情報活用
.NET+ESB
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
ビジネス・業務の要求開発プロデューサー
システム部門の構造改革
情報
システム部
業務開発部
1997
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
組織の変遷とマネージメントの強化
~1996年
1997年~
2001年~
2006年~
分
散
型
分
散
型
連
邦
型
統
合
型
'本社(
情報システム部
'会計/人事(
'子会社(
情報子会社
販売システム部
生産システム部
子会社
子会社
・ERP導入
・システム開発→
業務開発へ
情報子会社
業務開発部
子会社
子会社
マネージメント一体化
業務開発部
情報子会社
子会社
子会社
マネージメント一体化
業務開発部
情報子会社
子会社
子会社
・子会社の外販休止
・プロジェクト標準
・ITSS導入
・TQC導入
・予算、投資の統制
・グループクラウド
・SOA、BPMN導入
・プロジェクト評価
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
ITの構造、ビジネスの構造を変える為の手法
ITの構造を変える
ビジネスの構造を変える
UI Template
SOA
連携とモジュール化基盤
ESB、BPM
標準システム'ERP+α(
コード体系、業務プロセス標準化
サーバー統合、仮想化
AS400 22台→5台へ x86系1000台→800台分統合
調達
手
法
製造
出荷
販売
会計
業務改革Plan
~キックオフ
人事
要求定義
現状 問題改善策要求
・目的、目標
・基本要件の確認 把握 分析 検討 定義
・重点課題
・Goal Image
・打つべき手
ビジネスプロセスモデル
As-Is
To-Be
IT構築
プロジェクト
キックオフ
要件定義
実装 開発
システム 設計 テスト
設計
・UI抽出
・UI設計
・サービス抽出
・BPEL設計
・サービス設計
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
基盤の標準化とIT部門の役割の変化
モジュール型
労
力
標準化部品
の装備
短期間で構成
設定変更
拡張性と最新
技術への対応
①
デザイン
(企画)
従来型
業務
要求
開発
従来型マネージメントの
中心範囲
CRP
インフラ・開発
③
時間
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
◆ プロジェクト成功の決め手は超超上流工程にあり
1. プロジェクトオーナーを明確にする
•
•
•
•
オーナーは現場に権限を持つ役員クラス
部門横断プロジェクトはステアリングコミッティーを作る
オーナーの要求を徹底的に掘下げる
目的、目標、課題、施策は関与者を集め集中して作る
2. プロジェクト体制は組織作りそのもの
•
•
中心メンバーは横断型タスクフォースで
各BU毎'事業部門、子会社(に綿密な責任体制を構築
する
3. 企画は役員会で発表できる位、高尚に
•
•
•
TOPをはじめ役員全員が共感できる内容に
理解できない言葉は使わない
ゴールイメージをあきらかにし、その達成をコミットする
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
プロジェクト標準推進手順を確立する
1.Project Strategy
Workshop
・目的、目標の確認
・基本要件の確認
・費用対効果
・重点課題
・As isの分析
・To Beモデルの構築
・機能要件の定義
・連携要件の定義
システム
構想書
業務・システム
機能関連
経営者
管理者
IT管理者
/実務者
IT
・オペレータ
3.Conference
Room Pilot
2.要求定義
'Workshop(
標準モデル
or
サンプル
開発
・サービスの確認
・プロセスの確認
・UIの確認
・業務シミュレーション
・システムフロー
・BPMN
・タイムスロット
仮説
4.IT適用設計
・サービス適用分析
・プロセス設計
・サービス設計
・インフラ基盤設計
検証
開発・実装
Steering Committee
・進捗の確認
・課題の解決指針決定
N/W、ソフト
ハード構成図
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
◆ 業務のAs-Is可視化とTo-Be構築の勘所
1. 大きな粒度から階層的に業務をとらえる
•
•
ERPは業務の基本テンプレートとして最適
構造化してとらえれば、再構築のロードマップは見える
2. As-Isの可視化、To-be構築の手法を確立する
•
•
•
•
BPMNは、業務とITの共通言語になる
まずはIT部員を徹底教育し、ユーザー部門に広める
BPMNとSOAは開発生産性を飛躍的に高める
業務改革にはさらなる高度な手法が必要
3. 企画~要求定義に時間をかける
•
•
要求定義で初めて目的、目標の妥当性が検証できる
CIOは要求定義を検証し、プロジェクトの成果が確実に
刈り取れる事をコミットすべし
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
業務機能構成、機能情報関連
【標準V4.2】
オーダー情報
物流情報
会計情報
出荷日程精度の向上
webplan
Cognos
Data活用
実行計画
MRP 生産計画
JDE
買掛管理'A/P(
一般会計'G/L(
仕入
購買管理
製造依頼
入荷
出荷
・終了管理
入荷情報
Data連携
マスター管理
出庫情報
製造日程
庫内管理
Web
基礎情報
不良情報
WMS
入荷検品
得
意
先
製造日程管理
予備請求
日別WO
納期回答
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
物流連携
注文情報
納期回答
生産実績
在庫管理
'V4.3以降(
EDI
出荷
・SET化
出庫
KPI管理
受注
受注管理
製造現場管理
・納期回答
仕
入
先
売上
生産情報
購買依頼
発注
入荷
在庫情報
入金
売掛管理'A/R(
需要'要求(
支払
供給回答
赤:V4.1
紫:V4.2以降
Business Process Modeling Notation
得意先
【検討事項】
小額の場合は報告から開始
の場合も検討する
手渡し(捺印依頼)
◇必要に応じて
・念書
【問題点】
・証憑書類の添付などのルールを間違える差戻
しが多い'正しく誘導する仕組みがあると良い(
・推進部ごとに申請フォーマットが存在している
・自分の営業所BUが選べない人がいる
【問題点】
・却下時に再度、全ての承認やチェックが
必要か、(権限規定を見直す必要性がある
か)、要検討
・少額の報告についても同様
【確認事項】
・営業担当者が申請を修正したあと、一次
承認から再度始めるか?
【回答】
・間違いを指摘した人に直接戻している
本社資金部 本部流通部 経理担当者
P001-01
販促活動企画申請
社内便(拠点間)
手渡し(拠点内)
・販促活動企画申請/報告書
◇必要に応じて
・証憑書類
販促活動企画修正
受取
差戻し
社内便(拠点間)
手渡し(拠点内)
・販促活動企画申請/報告書
◇必要に応じて
・証憑書類
販促活動企画一次
承認
共有フォルダ or
エリアホームページ
却下
承認
却下
・予算管理台帳
'Excel(
社内便(拠点間)
手渡し(拠点内)
・販促活動企画申請/報告書
◇必要に応じて
・証憑書類
【特記事項】
・発注がある場合は、
申請時に営業が作成
・システムは発注書を経理が
作成、FAX送信は営業
・発注書の間違いが多く差し戻しが発生する
・ヘルパーの場合は一般稟議が必要'東日本(
社内便(拠点間)
手渡し(拠点内)
・販促活動企画申請/報告書
◇必要に応じて
・証憑書類
納品書
販促活動企画二次
承認
承認
販促物
不備有り?
販促活動企画内容
一次チェック
販促予算仮引落
有り
【特記事項】
・商品が届いた時点で、支払がで
きないか?
無し
NG で修正できない。
【特記事項】
・予算管理担当者と経理担当者
が兼任している場合は、一次チェ
ックはない。
販促活動企画内容
二次チェック
OK もしくは
NGだけど修正OK
外部仕入があるか?
承認完了報告
無し
有り
発注
社内便(拠点間)
手渡し(拠点内)
・販促活動企画申請/報告書
◇必要に応じて
・証憑書類
発注書
共有フォルダ
◇エリア ホームページ
更新権限無し
・予算管理台帳
'Excel(
エリア ホームページ
◇エリア ホームページ
更新権限有り
・予算管理台帳
発注
【問題点】
・統一化の検討が必要
仕入先
ITシステム
本社
予算管理
担当者
営業部
業務責任者 営業責任者 営業担当者
販促活動依頼
販売促進費:販促活動企画申請
ID
ページ
P001
2
ステータス As-Is
バージョン 0.3
改訂日
改訂者
2009年7月15日
村上 亜湖
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
BPMNの利用ステージ
④.教育、業務統制
要求定義
業務改革Plan
~キックオフ
・目的、目標
・基本要件の確認
・重点課題
・体制
・Goal Image
・打つべき手
現状 問題 改善策 要求
把握 分析 検討 定義
ビジネスプロセスモデル
As-Is
要件定義
IT構築
プロジェクト
キックオフ
システム
設計
・UI抽出
・サービス抽出
To-Be
実装
テスト
設計
教育
開発
・UI設計
・BPEL設計
・サービス設計
工数見積
BPMN
BPMN
概要レベル
詳細レベル
①.ビジネス要求の検証
③.要件定義
'プロト型開発(
②.業務要求の確定
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
グループクラウド(具体例)
【会計標準システム】
社員
(カシオ本社+G会社)
新請求システム
(物販)
P-クラウド
間接材
購買
原価計算
在庫管理
各種
W/F
A社
旅費清算
社内清算
B社
固定資産
JDE
会
計
標
準
SO
A
連
携
グループ統一基準
C
M
S
/
銀
行
系
シ
ス
テ
ム
各社個別
C社
外貨
パブリック
クラウド
入金
プライベート
クラウド
支払
支払管理
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
組織の壁を越えた改革案件の要求~要件定義プロセス
要求定義
システム
設計
要件定義
ビジネス
プロセス
モデル
'BPMN)
ビジネス
プロセス
モデル
'BPMN)
⑥
課題整理・検討
組織×
タイムスロット
概要図
組織×
タイムスロット
概要図
②
ライフサイクル
モデル
As-Is ①
UIデザイン
サービス定義
ワークフロー
業務プロセス
定義書
④
ライフサイクル
モデル
⑤
データモデル
DB定義
To-Be ③
(C) COPYRIGHT
2013 CASIO
COMPUTER
CO.,LTD.
© COPYRIGHT 2013
CASIO COMPUTER
CO.,LTD.
ALL RIGHTS
RESERVED
要求・要件定義フォーマットと手順
手順
概要
①
ライフサイクルモデル
'As-Is)
情報'論理データ(を中心に業務のステップを整理す
る。
②
組織×タイムスロット概要図 業務のステップが実行される順序とタイミングと組織
'As-Is)
を整理する。
③
ライフサイクルモデル
'To-Be(
④
組織×タイムスロット概要図 As-Isをもとに課題の整理・検討を行い、To-Beモデ
'To-Be(
ルを作成
⑤
業務プロセス定義表
業務のステップごとの詳細な手順を手段'ITシステ
ム、ツール(を含めて整理する。
⑥
ビジネスプロセスモデル
'BPMN)
全体のプロセスをモデル化し、ITシステムとのイン
ターフェイスを整理'ワークフロー、UI、サービスの切
り出し(。
As-Isをもとに課題の整理・検討を行い、To-Beモデ
ルを作成
(C) COPYRIGHT
2013 CASIO
COMPUTER
CO.,LTD.
© COPYRIGHT 2013
CASIO COMPUTER
CO.,LTD.
ALL RIGHTS
RESERVED
業務改革を実現する為の仕組みと手順
②.業務プロセス定義
'標準手順 BPMN(
①.プロジェクト立上げ
'オーナー、体制(
③.開発標準
'標準手順 SOA基盤(
業務改革Plan
~キックオフ
・目的、目標
・基本要件の確認
・重点課題
・Goal Image
・打つべき手
要求定義
要件定義
現状 問題 改善策 要求
把握 分析 検討 定義
ビジネスプロセスモデル
As-Is
IT構築
プロジェクト
キックオフ
システム
設計
・UI抽出
・サービス抽出
To-Be
実装 開発
設計 テスト
・UI設計
・BPEL設計
・サービス設計
工数見積
企画構想 承認
承認 事後評価
開発開始 承認
本番移行
承認
④.プロジェクト評価
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
'プロジェクト評価制度(
人材育成のあり方
IT部門の役割
テーマ分類
テーマ例
区分 カシオ版ITスキル標準
情報活用による 業務開発
経営戦略の創造 ・情報活用
全社横断の
・業務プロセス改革
ビジネス変革
・業務プロセス標準化
ITガバナンス
確立
企画
要求定義
IT標準基盤構築
・SOA、BPM、DWH
・業務システム標準化
・サーバー、PC、ネットワーク
IT全般統制
・個人情報、J-SOX、ISMS等
システム運用、ヘルプデスク
情報システムの
システム保守
最適化
情報管理
・経費、調達、人材等
要件定義
開発
・ストラテジスト
・IT
・アプリケーション スペシャ
アナリスト
リスト
テーマ
・アプリ
・アーキテクト
ケーション
・ITサービス
スペシャ
マネジメント
リスト
・内部統制成熟度向上
・ITリスクマネジメント
・ITスペシャリスト
・顧客満足度向上
・サービスデスク
経常 ・システム稼動率向上
・開発生産性向上
・アプリケーション
・経費削減
スペシャリスト
・自部門の業務生産性向上
・ITリソーススペシャリスト
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
プロジェクト系のレビューイメージ(経験の場)
企画構想 承認
開発開始 承認
本番移行
承認
承認 事後評価
経験
経験
する マネジメント・レビュー させる
報告
メンバ
UISSから見た
役割到達度
コメント
評価 部門長/上長
UISSとマネジメントレビューの結びつきを強化。半期毎の評価・面談
以外の機会も通じた相互コミュニケーションを定着化させる。
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.
ご清聴ありがとうございました!
(C) COPYRIGHT 2013 CASIO COMPUTER CO.,LTD.