はりきゅっていきましょう! - 公益社団法人 京都府鍼灸師会

公益社団法人
京都府鍼灸師会
日・ 日 は ハ リ きゅう の 日
名 、政・官・学・業 界 の 各 界 か ら
委 員 会によって準 備 が 進 められ 、本 会
「 生 涯研修会全過程無事終了」
平成26年度東洋療法研修試験財団主管 毎月
本会井上慶山会長は、昨年 月 日
皇 居にて天 皇 陛 下 拝 謁のもと 旭
「 日双
去る 月 日 井
「 上慶山先生叙勲を
祝う会 が
」 ホテルグランヴィア 京 都 に
おいて伊 吹 文 明 衆 議 院 議 員 をはじめ、
13
余名の出席を得て開催され、大変
会員
計
学 お よ び 特 殊 鍼 法 」を
「 多 様 性のある 鍼 灸 医
了 し まし た 。今 年 度 は
の 全過程を滞りなく終
開 催 さ れ 、延べ
時間
回目が
迷 わ れ た 際 には 、研 修
の治 療 院へ行 けば?と
が 表 示 さ れ ま す 。どこ
該研修修了者である旨
す」の名簿において、当
ペー ジ内「 鍼 灸 院 を 探
都府鍼灸師会ホーム
与 さ れ ま す と 共 に 、京
な る「 研 修 修 了 記 章 ディプロマバッチ」が授
Y
RL R
EA ME
M
SU
や 研 究 発 表 を 学 び 、ま
な鍼灸医学の臨床情 報
ら 現 代 までのさまざま
みに誠心誠意お応えい
熱心な院長が皆様の悩
さってください。きっと
修了者の印を参考にな
者 様への 信 頼 の 証 と
し 、ま た日 々接 す る 患
了会員には修了の証と
た 。今 年 度 も 全 過 程 修
大 変 有意義なものでし
に用いることが出 来 る
た日々の臨床で即 実 践
ら な る 基 礎 固 めに 、ま
師 としての知 識のさ
得 られ た 内 容 は 、鍼 灸
た直接 目にすることが
日に第
7年
たします。
月
号
夏
初
2
平成
テ ーマ と し て 、古 典 か
生 涯 研 修 会 は、去 る
昨年の 月 日 から
始 まった 平 成 年 度の
26 13
25
5
2
7
出 来 ま し た 。そこ か ら
15
11
国会議員 府
・ 議会議員他多くの発起人
の 下 、本 会 役 員 を 中 心 と し た 実 行
8
盛大で和やかな祝賀会と祝宴が催され
ました。
宮川町芸妓の祝舞い
実行委員会
8
受章者夫妻
2
25
160
伊吹文明衆議院議員
山田啓二京都府知事
光章 を」受章。
はりきゅっていきましょう!
平成27年4月30日
はりきゅっていきましょう!
(1)
「井上慶山先生叙勲を祝う会」
が華やかに開催!
9
おしえて
慢 性 頭 痛に対 して、鍼 灸 治 療 は
効 果 があ り ま すか。
鍼灸
り、頭部周囲の圧迫感あるいは締めつけるような
あります。最近の研究報告では、単なる心理面の
日未満)と慢性型が
痛み(両側性に存在)を訴えます。周期の特徴と
訴 え だけでなく、身 体 的 な原 因でも起こりう る
しては、反復発作型(月に
歳、女性)
(
慢 性 的 な頭 痛に対して、鍼 灸 治 療は有
効ですか。どのような治療を行いますか。
ものと考えられています。
絡 治 療 」、経 絡( 気 血のルー ト )を基 本 とする疾
値を測 定し電 気 鍼で調 整 する中 谷 義 雄の「 良 導
鍼 灸 の 治 療 形 態 には 、あ る 種 の 治 療( 家 伝 の
灸・小児鍼など)を伝承する「相伝治療」、西洋医
頭痛は、主として脳神経外科領域に属
する疾 患に多く認められる症 状で、その
医学の治療を最優先すべきですが、慢性疼痛性疾
病 観 をもとにした全 体 治 療である「 古 典 鍼 灸 治
療」、手足のツボに相当する部位の皮膚電気抵抗
患については、全身の体質的な要素が大きい痛み
学 に も と づく 診 断 と 治 療 を 応 用 し た「 病 名 治
ほど、東洋医学療法が適応すると考えられます。
古典鍼灸治療の立場で述べますと、慢性頭痛患
者では患部の治療(標治法)のみでは効果はうす
療」などがあります。
については神経ブロック療法を用いて臨床効果を
く、必ず全体治療(本治法)を行うのが基本です。
ひ
得ています。しかし、身 体 的 愁 訴 、精 神 的ストレ
かん ゆ
きょく ち
スなどによって肩こりに起 因 する といわれる 筋
あし ざん り
ひゃく え
本 治 法で全 身 調 整 をするには、東 洋 医 学 的 診
断 法により、患 者 自 身の体 質に応じて証 を決 定
き かい
緊 張 型 頭 痛に対 しては、われわれの経 験による
ちゅうかん
します。その基 本 穴には、百 会( 頭 部 )、曲 池( 上
ゆ
じん ゆ
肢)、中脘・気海(腹部)、足三里(下肢)、肝兪・脾
兪・腎兪(背部)などがあります。
特 効 穴 、ト リガ ー ポイント などの組 み合 わせに
つぎに、標治法として個々の症状に応じたツボ
を選びます。これは局所穴(過敏点や圧痛点)と
鍼灸師 兵庫県 明石市
●回答者:河内 明先生
元大阪医科大学附属病院麻酔科外来鍼灸部主任
よって行われます。
供 の 時 よ り 発 作 を 経 験 し ている 者 も 少 な く な
筋緊張型頭痛は頭痛の約 割を占めるといわ
れ、圧倒的に女性患者(約 %)に多く、時には子
者の併用が適応すると考えられます。
と、神 経ブロック療 法 より鍼 灸 療 法 、あるいは両
ペインクリニック( 疼 痛 外 来 )を訪れる頭 痛 患
者には、片 頭 痛 、群 発 性 頭 痛 などが多 く、これら
原 因 または病 態により慎 重に対 処しなければな
3
りません。急 性 痛や重 度のものについては、西 洋
15
く 、また 人 生の大 半 を 頭 痛に苦 悩している 者 も
います。
その原因については、疲労感をはじめ、精神的・
身体的ストレスに伴う緊張、抑うつ・不安などが
分より
時間、毎日 持続。この場
挙げられます。疼痛の特徴は、頭痛が
日間持続、慢性型では
合は鈍痛、持続性ではありますが、日 内変動もあ
湧泉
Bokoyu
Kangen
Yusen
足のつま先からか
かとまでの約1/3
のところにできるく
ぼみの中です。生
命 の 元 とな る
「気」が湧き出て
全身をめぐります。
仙骨には左右に4
つずつのくぼみが
あります。上から2
つ目のくぼみ左右
外 側 へ 指 幅2本
ず れ たところで
す。膀胱の働きを
よくして冷えを解
消します。
内くるぶしの中心
から、指幅4本上
が ったところで
す。身体を温め、
気血水のバランス
を整えます。
身体の中心線上
で、おへそから指
幅4本下がったと
ころです。元気を
補い、
身体の治癒
力を高めます。
Saninko
関元
膀胱兪
直立した時、肘が
脇 腹にあたる位
置と同じ高さの背
骨から、左右外側
へ 指 幅2本 ずれ
たところにありま
す。腎の臓へ気を
仙骨
補います。
三陰交
腎兪
Jinyu
身体の中心線上
で、おへそから指
幅1本上がったと
ころです。体内の
水分コントロール
を促します。
おへ その 両わき
外 側 へ 指 幅3本
ず れ たところで
す。
胃腸の調子が
わるい時にケアし
ます。
Suibun
Tensu
水分
頭を前に倒し首
の 付 け 根に突き
出る骨を確認しま
す。その真下の圧
痛点。
大椎から背骨を3
コ下がり、
そこから
左右外側へ指幅
2本ずれたところ
です。
Daitsui
Haiyu
ツボを探す目安
肺兪
まずはこのツボから
Frequent urination
!
7
が大切です。慢性の膀胱炎になってしまう前に体内の水分調節、体質改善を
心がけましょう。
トイレが近い
54
30
大椎
天枢
8
75
下半身を冷やすことにより頻尿になることがありますので、冷やさないこと
How
to
Care
ツボの豆知識
Q
A
24
(2)
はりきゅっていきましょう!
平成27年4月30日
※情報提供:せんねん灸 発売元/セネファ株式会社
『 黄 帝 内 経 』は 鍼 灸 術 を 中 心
で 、世 界 最 古 の 医 典( 医 学 書 )
整った の は 紀 元 前 後 の こ と
と が で き ま す 。そ の 体 系 が
世 紀 の 戦 国 時 代 に まで 遡 るこ
を 継 承 し 、さ ら に 研 究 を 重 ね
の 、基 本 的 に は こ れ ら の 伝 統
間 、多 少 の 変 化 は あ る も の
応 の 完 成 を み せ 、以 来 二 千 年
寒 雑 病 論 』で は 薬 物 療 法 が一
( 公 社 )京 都 府 鍼 灸 師 会
カラ ダを 内 から
整える
五臓のはたらきを整えて、
自然治癒力を呼びさます。
カラダを整 えてあげる。 0 0 0 年 と
いう 長い時 間 をかけて磨 かれ、今やみ
なさんの身 近 なところにある鍼 灸 。じ
わじわと自然治癒力が高まって、ゆっく
り と カ ラ ダの 調 子 が 良 く な り 爽 快 に
なっていく感 覚 を、
一度 試してみてはい
かがですか?
です。そこには「湧泉」とよばれるツボ
があります。読んで字のごとく、ここを
ゆっくり圧すと生命力が泉のように湧
いてきて、疲 労 回 復や老 化 防 止に効 果
が ある とさ れているのです 。どのツボ
がカラダのどこに通じているのか│東
洋医学は、長い年月を重ねて、それを試
し、見つけてきました。
体表にあるツボが内臓に通じていると
いう、人のカラダが持つ、このすばらし
いしくみを生 かして、本 来の力 を回 復
さ せていく │ そ れ が 鍼 灸 治 療 で す 。
そっと手を差しのべるように、やさしく
ゆう せん
す
「知っておきたい東洋医学」
「 中 医 学の発 祥 」
とする物理療法や養生法、
と い わ れ る『 黄 帝 内 経( こ う
るこ とで 現 在 で も ま だ 進 歩 し
『傷
『 神 農 本 草 経 』は 薬 物 学 、
て い だ い け い )』が 著 わ さ れ 、
続 け てい ま す 。
中 医 学 は 多 く の 考 証 に よっ
て 、そ の 発 祥 の 源 を 紀 元 前
こ れ に『 傷 寒 雑 病 論 』
『 神農本
草 経 』が 加 え ら れ て「 中 医 学
鍼
五臓六腑という言葉を聞かれたことが
あるでしょう 。東 洋 医 学 から出 た言 葉
です が 、生 きていく た めのエネ ルギ ー
が 五 臓 には 貯 え ら れ ている と 考 え ま
す。肝、心、脾、肺、腎の つを指します
が 、西 洋 医 学でいう ひ とつひ とつの臓
器 を 指 すのではな く 、からだのいろい
ろな機能を臓腑の働きとしてふり分け
たと考えられます。
肝は肝 臓 と脳の働 き( 主 として古い脳
の働き)、筋の作用や目の調節など。心
は 、心 臓 と 脳( 主 として 新 しい脳 の 働
き、感 情や思 惟 活 動 )など。脾は、消 化
器 系 全 般の働 き 。肺は、肺 臓 と 体 液 代
謝や体温の調節。腎は、腎臓と成長・発
育・生殖などを指しています。
手 や 足 には 五 臓 六 腑 につな が る 経 絡
( =ツボを連 絡 する線 )が走っていて、
全 身 を循 環 すると考 えられています。
足の裏 も五 臓の腎につながっているの
4
5
三 大 古 典 」が 成 立 し ま し た 。
す
の
め
湧泉
灸
5
平成27年4月30日
はりきゅっていきましょう!
(3)
●三〇一
飲食は生命を養う養分である。それゆえに、飲食の養分
命をたもつことはできない。元 気は生 命の根 元である。
あるが、飲食の養分がないと、元気は飢えてなくなり生
人の身は元気を天地にうけて生ずれ共、飲食の養なけれ
は人間が毎日欠くことのできない大切なものである。半
ヶ月 に一度 発 行 す る こ の
「はりきゅっていきましょう!」
ば、元 気 うゑて命 をたもちがたし。元 気は生 命の本 也 。
むところである。好みに任 せて食べすぎると、度 をこし
とはいうものの、飲食は人間の大欲であって、口や腹が好
て脾胃を傷つけて諸病をひき起こし、命を失うことにな
で す が 、編 集 作 業 を し ている
日でもなくてはならないものである。
て、口腹の好む処也。其このめるにまかせ、ほしゐまゝに
る。五臓が生ずるのは腎からである。生じてしまえば脾
するよう なものである。事 実 、養 生の道は、まず脾 胃 を
内臓が脾胃に養われることは、草木が土気によって成長
し、その養液を内臓に送り出す。
が 薫 り ま す 。過 ご し 易 い時 候
今はも う 桜 も 終 わ り 新 芽 若 葉
たのは 底 冷 え の 最 中 。そ れ が
く 感 じ ま す 。前 号 を 出 し 終 え
と 正に時の流 れ を 光 陰 矢の如
すれば、節に過て必 ず( 脾)胃をやぶり、諸病を生じ、命を
失 なふ 。五 臓の初 は(じめ て)生 ずるは、腎 を以 て( 本) と
す。生じて後は脾胃を以 て( 五)臓の本とす。飲食すれば、
脾胃まづ是をうけて消化し、其精液を臓腑におくる。臓
調える必要がある。脾胃を調整することは人身における
胃 が中 心になる。飲 食 する と脾 胃 がこれを受 けて消 化
腑の脾胃の養をうくる事、草木の土気によりて生長する
第一の保 養である。古 人 も「 飲 食 を適 度にして身 体 を養
(T. O)
ごし頂けますように。
鍼 灸ケアで快 適 な日々をお過
に立てる 時 期でもあり ます。
未 病 治 と し て 鍼 灸 が一番 お 役
が 不 安 定 に な り や すい時 期 。
の 時 期 は 年 中 で一番 自 律 神 経
が如し。是を以 て( 養) 生の道は先 ま(ず 脾) 胃を調るを要
とす。脾 胃 を調 るは人 身 第一の保 養 也 。古 人 も飲 食 を節
にして、その身を養ふといへり。
う」といっているのである。
になりましたが、木の芽時のこ
●三〇二
●三〇二 病いは口から
ひ とは毎 日 飲 食 し ないこ とはない。た え ず 謹 んで欲 を
人 生日々に飲 食 せざる事 なし。常につゝしみて欲をこら
へざ れ ば、過 や す くして病 を 生 ず 。古 人「 禍 は口 よ りい
自 制 し な け れ ば 、度 を すご して 病 気 に な る 。古 人 はい
う、
「 禍は口 よりいで、病いは口 より 入 」、と 。口 から出
し入れするものは、つねに注意しなければならない。
力 増 強 、肝 機 能 の 回 復 などに 効 果 が あ ると
されています。その他、体の抵抗力を高める
ワカメ、カルシウムやビタミン c が 疲 れを癒
してくれるホウレン草やカボチャなどの緑黄
色野菜の味噌汁もお勧めです。
情報提供:セイリン株式会社
今こそ活かそう「養生訓」
健康指南
「養生の術」
現代語訳
文化九年版養生訓の表紙
(中村学園大学三成助教授所蔵)
ひとの身 体は元 気を天 地から受 けて生 まれ出たもので
● 三〇一 元気は生命のもと、飲食はその養い
正徳版養生訓 巻三(九州大学医学図書館所蔵)
で、病は口より入」といへり。口の出しいれ常に慎むべし。
(ディジタル版)貝原篤信編より
タマネギは古代エジプトでピラミッド建設の
!
の
飲食は生命の養也。此故に、飲食の養は人生日用専一の補
三〇一
・三〇二
巻 第 三 飲 食 上 より
その
にて、半日 もかきがたし。然 れ共 、飲 食は人の大 欲にし
貝原益軒像
(貝原家ご所蔵)
14
益
軒
先
生
中村学園大学校訂テキスト 貝原益軒 養:生訓
か、ビタミンB1の吸収を促し、疲労回復や精
発 行 平成27年4月
発行所 公益社団法人 京都府鍼灸師会
〒602-8147
京都市上京区葭屋町通椹木町下る直家町215-5
TEL. 075(801)2957 FAX. 075(841)0200
URL http://kyoto.harikyu.or.jp/
E-mail [email protected]
発行者 井上 慶山
編集者 岡田 高、
塩見 響三、
岸本 敬司
印 刷 大平印刷株式会社
れ 、そ の 味 噌 汁 は 新 陳 代 謝 を 活 発にするほ
「はりきゅって いきましょう!」平成27年初夏号
際 、労 働 者 の エ ネ ル ギ ー 源 に なったとい わ
京都府鍼灸師会会誌
記
疲労回復には『味噌汁』
後
食べて美しく健康に
集
健康雑学
編
3
(4)
はりきゅっていきましょう!
平成27年4月30日