整形外科

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柔道整復師
国試対策
サブノート
整 形 外 科 学
♪ 2015 年度 ♪
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【整形外科の画像診断】
1.骨・関節の単純 X 線撮影
・カルシウムが多いと白くみえる.(透過性が低い)
・あらゆる画像診断の中核 ・カルシウムが少ないと黒くみえる.(透過性が高い)
・カルシウムが天然の造影剤として画像に濃淡を生じる
・骨皮質(緻密質)は白く写る.海綿質は網目状・線状に写る
・軟骨や骨膜は正常では写らない
≪判読の基本≫
・骨全体の外形と輪郭の変化
・皮質,骨髄の変化
・骨陰影の辺縁が鮮明か不鮮明か,連続しているか
・陰影の強弱(濃淡)が一様でムラがないか
・骨膜反応の有無 など
≪病的 X 線像の例≫
・溶骨性変化:骨の構造が破壊される
・造骨性変化(骨硬化像):骨組織の増加
・骨膜反応:炎症,出血,腫瘍などでみられる *図参照
・軟部組織の石灰化:カルシウム沈着,異所性骨化,結石など
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2.CT(コンピューター断層撮影)
・放射線を利用しコンピューターを用いて,断面(輪切り)画像を得る
・断面画像だけでなく,3 次元(立体)画像も多く用いられる
・骨破壊(骨病変)の状態,複雑な骨折片の確認,脳梗塞,腫瘍の広がり,
椎間板ヘルニアなど
3.MRI(磁気共鳴画像) *急性の脳出血には CT が有効.急性の脳梗塞には MRI が有効
・放射線は使用しない
CT では脳梗塞の場合,時間が経過しないと分からない.
・軟部組織の撮影が可能.軟部組織の診断に役立つ
・骨壊死,関節炎,軟骨・靭帯損傷,腱断裂,骨・軟部腫瘍などの診断
・他に,脊髄腫瘍,脊髄空洞症の診断に役立つ
・T1 強調,T2 強調の 2 種の画像が用いられる.高信号のものは白く写る
・T1 強調画像では水は黒く,T2 強調画像では水は白く写る
4.造影法
A)関節造影:半月板損傷,腱板損傷の診断
B)脊髄腔造影(ミエログラフィー):脊髄腫瘍,椎間板ヘルニア,
脊柱管狭窄症
C)血管造影:腫瘍,血管障害,炎症と腫瘍の鑑別
*新しい血管が作られる
5.RI シンチグラフィー
・放射性元素(ラジオアイソトープ)を体内に投与し,体内から放出される
放射線を撮影する
・骨シンチグラフィーにはテクネシウムを用いる
・炎症や悪性腫瘍がある部位(骨代謝が亢進している部位)に,放射性元素
が集積し黒く写る 悪性腫瘍だと溶骨性でも集積する.骨壊死は集積しない.
・病巣部位は分かるが,鑑別には向かない
6.超音波診断
・軟部組織の診断
・放射線は使用しない
・空気や骨は画像化の妨げとなる
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【感染性疾患】
1.急性化膿性骨髄炎
・小児
の上気道感染から血行性に続発することが多い
・黄色ブドウ球菌
:上気道感染
・長管骨の骨幹端
に感染:骨幹端は毛細血管が多く,血流が停滞しやすい
・疼痛は激痛で安静時もおさまらない
:初発時には所見が無い
・発病後 1~2 週間後に,骨膜反応,不規則な骨破壊像,腐骨
・進行すると:化膿性関節炎,関節強直,敗血症
2.慢性化膿性骨髄炎
・急性からの移行が主である
・腐骨・瘻孔・骨柩
3.ブロディ骨膿瘍
・慢性骨髄炎の特殊型
・中心性骨膿瘍
・X 線:嚢腫様透亮像で,周囲に骨硬化像.骨膜反応はない
4.結核性脊椎炎(脊椎カリエス)
・結核菌による二次感染:ツベルクリン反応(強)陽性
・鈍い疼痛,不撓性(運動制限・曲げにくい).
・脊柱変形:亀背 成人では著明な亀背はみられにくい
・膿瘍形成:冷膿瘍・流注膿瘍
・脊髄麻痺:Pott 麻痺
*小児で罹患して進行した場合:pott の 3 徴候…亀背・冷膿瘍・脊髄麻痺(pott 麻痺)
5.化膿性関節炎
・黄色ブドウ球菌によることが多い 開放損傷の場合はグラム陰性桿菌.
・血行感染は膝,股関節に多い
・急速に関節破壊を起こすことが多い
・関節内注射
や手術
の際に感染することもある
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【 骨 腫 瘍 】
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*腫瘍とは:自律的に目的のない不必要な過剰増殖をする細胞集団
*本来の正常な細胞は一定の制御のもとに周囲との調和,秩序を保ちつつ生存,
自然死,再生を繰り返している.(他律性の細胞増殖)
≪総 論≫
『発生頻度』
・最も多い骨腫瘍は…癌の骨転移
・原発性骨腫瘍で最も多いのは…骨軟骨腫
・原発性悪性骨腫瘍で最も多いのは…骨肉腫
*軟部腫瘍*
・最も多い悪性軟部腫瘍は…悪性線維性組織球腫.次いで脂肪肉腫
・最も多い良性軟部腫瘍は…脂肪腫
・小児に多い悪性軟部腫瘍は…横紋筋肉腫
『好発年齢』 尿中 VMA:カテコールアミンの最終代謝産物.褐色細胞腫にもみられる
・5 才以下…神経芽細胞腫の骨転移 *5 才前後で好酸球性肉芽腫
・10~20 才代…原発性骨腫瘍の多く
・20~30 才代…骨巨細胞腫,内軟骨腫(標準整形では 10~20 才代)
・40 才以上…癌の骨転移,骨髄腫,軟骨肉腫
『好発部位』
・原発性骨腫瘍の多くは…膝関節周囲(大腿骨遠位 or 脛骨近位)
・癌の骨転移…脊椎,骨盤
*長管骨における発生部位*
・多くの骨腫瘍は骨幹端
にみられる
・骨端…骨巨細胞腫,(良性軟骨芽細胞腫)
・骨幹…Ewing 肉腫,(細網肉腫)
一般論としては,赤血球表面は陰性荷電の状態で血漿中に浮遊しており,陽性荷電である免疫グロブリン,
マクログロブリン,フィブリノーゲンなどが病気により増加すると血球の連鎖形成が促進され沈降すると
考えられる.
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≪骨腫瘍 各論ポイント≫
1.骨肉腫
・原発性悪性骨腫瘍のなかで最も多い
・10 才代に多い
・膝周囲(大腿骨遠位・脛骨近位)の骨幹端に多い
・肺に転移しやすい
・アルカリホスファターゼ高値
・溶骨性,造骨性,混合型に分類される
・骨膜反応,境界不鮮明な骨の破壊,骨皮質の消失,類骨形成など
・Paget 病から二次性に発生することもある.欧米・高齢者
*軟骨肉腫 p92:二次性軟骨肉腫ではカリフラワー状の腫瘍内石灰化巣
2.骨転移癌
・原発病巣:肺 癌,乳 癌,前立腺
癌,腎癌の順に多い
・50 才以上に多い
・脊椎,骨盤に好発する
・多くは溶骨性だが,前立腺癌の骨転移では造骨性が多い
・アルカリホスファターゼ高値 ・高カルシウム血症
・前立腺癌の骨転移では酸ホスファターゼ高値
・骨膜反応は少ない
3.(多発性)骨髄腫 p92
・形質細胞(プラスマ細胞)起源の悪性腫瘍
・50 才以降の男性に多い
・頭蓋骨,脊椎,骨盤,肋骨など扁平骨や短骨に多発する
・X 線:骨打ち抜き像
・M 蛋白(異常グロブリン)・血液の粘稠度が増す・尿中にベンス・ジョーンズ蛋白
4.骨巨細胞腫
・20~30 才代に多い
・長管骨の骨端部に好発
5.骨軟骨腫(軟骨性外骨腫)
・原発性骨腫瘍で最も多い ・腫瘤は軟骨内骨化で発育する
・病理組織像:軟骨帽(軟骨キャップ) *成長が完了すると腫瘤の発育も止まる
・多発性のものは悪性化(軟骨肉腫)する可能性がある 5~25%
・軟骨内骨化により生じる骨に発生する
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6.軟骨腫(内軟骨腫)
・指節骨,中手骨,趾骨に多い
・多発性のものは悪性化(軟骨肉腫)する可能性がある
*マフッチ症候群:血管腫を伴うもの
*オリエール病:多発性の軟骨腫で片側半身の発育障害をきたすもの
7.その他
A)骨の悪性線維性組織球腫 *軟部組織の悪性線維性組織球腫もある.
・二次性に発症することが多い:Paget 病,線維性骨異形成症,
骨壊死
・50~70 才代に多い・組織像:花筵(むしろ)様の構築・骨を作らない骨肉腫
B)孤立性骨嚢腫 p96
・真の腫瘍ではなく,嚢内に液状成分を含む
・病的骨折後,自然治癒することもある
・幼児期~10 才代に多い.
・上腕骨近位と大腿骨近位骨幹端に多い.
C)線維性骨異形成症
・真の腫瘍ではない
・X 線:すり硝子様像
・組織像:洋梨状,C‐shape 様
・二次的悪性腫瘍が生じることもある
*Albright 症候群:多発性(主に片側性),色素斑(カフェオレ斑),性的早熟
・長管骨の骨幹端から骨幹に好発・10 才代までに多い.
【血液検査のいろいろ】
◆炎症反応の視標:赤沈亢進.CRP 陽性.白血球増多
*アルカリホスファターゼ:骨の溶解,肝障害で上昇
*酸ホスファターゼ:前立腺癌の骨転移(造骨性)
#LDH(乳酸脱水素酵素):肝臓や筋に分布
#CK(CPK):筋に多く分布
クレアチンホスフォキナーゼ
赤沈亢進:一般論としては,赤血球表面は陰性荷電の状態で血漿中に浮遊しており,陽性荷電である免疫
グロブリン,マクログロブリン,フィブリノーゲンなどが病気により増加すると血球の連鎖形成が促進さ
れ沈降すると考えられる.
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【関節リウマチ】
★自己免疫疾患とは:自己の細胞・組織に対して免疫反応を起こす疾患
★膠原病とは:結合組織の炎症性疾患
Rheumatoid Arthritis リウマチ様の関節炎
≪関節リウマチとは≫ *Ⅲ型アレルギーに分類
・結合組織(主に滑膜
)に炎症をきたす自己免疫疾患
・慢性に経過する非感染性の多発性関節炎
・滑膜が異常増殖し,骨,軟骨組織を破壊する.
≪好発年齢と性別≫
・20~50 才の女性に多い.
≪症 状≫ *臨床経過はきわめて多彩
『初発症状』
・両側の手指の関節痛.朝の手のこわばり
『関節症状』
・好発部位:PIP 関節,MP 関節,手関節,MTP 関節
・進行すると,膝・肘・股・肩などの大関節も障害される
・脊椎では環軸関節
が障害されやすい
『関節変形』
・尺側偏位,スワンネック変形,ボタン穴変形,外反母趾,
足趾の鷲爪変形,オペラグラス変形,クルケンベルグ変形
『関節外症状』
・皮下結節(リウマトイド結節):肘周辺に好発,無痛性
・肺:肺線維症(間質性肺炎)
・末梢神経:手根管症候群
・心臓:心外膜炎,心筋炎,心嚢液貯留
他に,貧血,易疲労感,体重減少,微熱など
≪検査所見≫
・リウマトイド因子:IgG に対する自己抗体
特異性ではないが感受性は高い
*現在は抗 CCP 抗体(抗シトルリン化ペプチド抗体)を検査
・X 線所見:骨びらん,関節狭小化,破壊,硬直,変形など
・炎症反応:赤沈亢進,CRP 陽性,白血球増多
白血球は増えないことも?活動性による
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≪診断基準・評価法など≫
・アメリカリウマチ協会の診断基準
・スタインブロッカーの病期分類,機能分類
・ランスバリーの評価法 日本リウマチ学会の診断基準もある
【アメリカリウマチ協会の診断基準】
1.朝のこわばりが少なくとも 1 時間(≧6 週)
2.三つ以上の関節の腫脹(≧6 週)
3.手首,中手指節関節(MCP),近位指節関節(PIP)の腫脹(≧6 週)
4.対称性の腫脹
5.手のX線写真の異常所見
6.皮下結節
7.リウマトイド因子陽性
以上 7 項目中 4 項目以上あれば RA として分類される.
≪治 療≫
・薬物療法:非ステロイド系抗炎症薬,ステロイド,抗リウマチ薬
・手術療法:滑膜切除術,関節固定術,人工関節置換術
・適度の安静と運動
【変形性関節症】
・関節軟骨,関節構成体の退行性変化とそれに続発する増殖性変化
・膝関節が最も多い.他に股関節,脊椎,DIP 関節など
・女性に多い
『主な症状』
・疼痛,運動制限,変形,関節液貯留など
・X 線所見:内側裂隙の狭小化,骨棘,骨硬化像など
≪関節液の鑑別診断≫
正
外 観
粘稠度
関連疾患
常
透明,明瞭
高
い
非炎症性
透明,黄色
高
い
変形性関節症
神経病性関節症
外 傷
(血性のことあり)
炎症性
感染性
不透明か半透明,黄色 不透明,黄色か緑色
低 い
関節リウマチ
痛 風
その他関節炎
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様 々
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【骨粗鬆症】
◆骨小柱(海綿質)が細かくなる.形成される骨の質に異常はない
Ca・P 以外に蛋白質も減少
1.原発性骨粗鬆症
骨組織全体の減少・比率は正常
・主に老人性,閉経後による骨粗鬆症 ・低回転骨粗鬆症:骨形成の減少
・易骨折性,脊椎後彎,魚椎変形
*エストロゲン:骨芽細胞を刺激する.閉経後はエストロゲンの分泌が減少する
2.続発性骨粗鬆症
・副甲状腺(上皮小体)機能亢進症,クッシング症候群,糖尿病,
甲状腺機能亢進症,性腺機能低下症,関節リウマチなど
↑ターナー症候群,クラインフェルター症候群,神経性食思不全症候群
過去問でマルファン症候群が誤りになってるが,おかしい
【全身性の骨・軟部疾患】
1.軟骨無形成症 線維芽細胞増殖因子(成長軟骨細胞にもある)の抑制因子の異常
・骨端軟骨
の障害 抑制因子が常に on 状態になってしまう
・長管骨の長さの成長が障害される → 四肢短縮型
の小人
・鞍鼻,三尖手,O 脚など
・X 線:シャンパングラス,腸骨翼の形成不良,水平臼蓋
・常染色体優性遺伝 *突然変異による発症もある
海綿質の多い骨
2.モルキオ病 *ムコ多糖…ヒアルロン酸,グルコサミン・ケラタン硫酸など
・骨端
[椎骨含む]の障害 → 体幹短縮型
の小人
・ムコ多糖症の一種:ムコ多糖を分解するライソゾーム酵素が欠損
・角膜混濁,X 脚など
・X 線:ワイングラス,腸骨翼の開大,軸椎歯突起の形成不全,
扁平椎,外反股など
・常染色体劣性遺伝
モルキオ病では,ケラタン硫酸という物質が骨(特に骨端)に蓄積する
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3.骨形成不全症
・主に骨幹
の障害
・Ⅰ型コラーゲンの異常 骨に大量に含まれる
・低骨密度だが骨形成,骨吸収は異常に早い
・四肢変形,青色強膜,歯牙形成不全,難聴,側弯など
・常染色体優性遺伝 *常染色体劣性遺伝もある
やや低身長 青色強膜→強膜薄い 難聴→耳小骨硬化
4.マルファン症候群
・結合組織
の異常:循環器系,骨,眼などに異常が起こる
・骨幹端で過成長 → 四肢が細く長い 必ずしも高身長とは限らない
・側弯,くも指
,解離性大動脈瘤
,水晶体亜脱臼など
・常 染色体優 性遺伝
5.フォン・レックリングハウゼン病(多発性神経線維腫症)
・多発性神経線維腫,カフェオレ斑
,側弯
・常 染色体優 性遺伝
・くる病・・・その他の原因:肝疾患・腎疾患・胆道閉塞・低リン血症・胃切除後など.
・骨形成は骨芽細胞 osteoblast
によって担われる.骨芽細胞はまず骨基質である類骨 osteoid を形成し, 正常ならば続いてそこに石灰化を↓
6.くる病(骨軟化症)
*くる病:骨端軟骨閉鎖前の石灰化障害
*骨軟化症:骨端軟骨閉鎖以降の石灰化障害
・主な原因はビタミン D 欠乏
によるカルシウム吸収障害
・類骨は形成されるが,石灰化しない
骨端線の拡大
・小児の症状:骨幹端部の横径拡大,杯状変形
骨端軟骨との境界不鮮明 骨端の肥厚など
・成人の症状:疼痛,筋力低下,不全骨折など
・・・来たして骨形成を完了する. ・石灰化とは,I 型コラーゲンを中心とする骨基質に,Ca や P よりなるヒドロキ
シアパタイト結晶が沈着し形成 される.
7.大理石骨病 先天性代謝疾患 骨のマクロファージ(破骨細胞)の異常
・主に骨幹端
における障害 → 骨幹端の拡大
・破骨細胞の機能異常
・吸収されるはずの軟骨がそのまま残り石灰化する
・骨髄腔の狭小化 汎血球減少
・易骨折性
・常染色体優性遺伝,常染色体劣性遺伝,亜型
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【神経・筋疾患】
≪脊髄性小児麻痺(ポリオ)≫
・ポリオウイルスによる感染 蚊が媒介
・脊髄前角
に感染し,下位運動 ニューロン障害をきたす
・弛緩性麻痺
を生じる
・知覚異常は無い
≪脊髄空洞症≫ p143
・脊髄中心管の拡大 *厳密には脊髄灰白質の中心管のやや背側に空洞が生じる
・主に下部頸髄,上部胸髄にみられる
・解離性知覚麻痺 宙吊り型の温痛覚障害
・神経病性関節症 p111
≪脊髄癆≫
・梅毒
による脊髄後根および後索の変性病変
・ロンベルグ徴候陽性
・腱反射消失,電撃痛,対光反射消失など
・解離性知覚麻痺
・神経病性関節症
*ブラウン・セカール症候群
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≪進行性筋ジストロフィー(デュシェンヌ型)≫ p144
・伴性劣性遺伝 ほとんど男にみられる疾患
・仮性肥大
:腓腹筋にみられる
(Gowers 徴候)
・登攀性起立
:近位筋(大腰筋・腸腰筋・大腿筋)の萎縮による
・アヒル歩行・血清 CK 上昇,尿中クレアチン上昇,尿中クレアチニン低下
・2~4 歳頃に発症し,20 歳前後までに死亡
≪脊髄腫瘍≫
・神経鞘腫が最も多い 後根のシュワン細胞から発生することが多い
・部位別では,硬膜内髄外腫瘍
が多い
脊髄硬膜
①硬膜(内板)
②クモ膜
③軟膜
④脊柱内膜(硬膜外板)
⑤硬膜上(外)腔
⑥クモ膜下腔
⑦神経上膜
⑧神経周膜
頭部
断面
『硬膜外麻酔』:⑤硬膜上(外)腔に麻酔薬を注入
『脊椎麻酔』:⑥クモ膜下腔に麻酔薬を注入
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【体幹の疾患】
≪強直性脊椎炎≫
・関節リウマチの特殊型で,10~20 歳代の男性に多い
・最初の異常所見は仙腸関節
にみられることが多い
・次いで,上行性に脊椎炎が進行する
・X 線:骨性架橋.竹棒状(bamboo spine)
・HLA-B27 陽性 ・リウマチ因子は陰性のこと多い.
・疼痛は主に安静時痛.運動により改善される
*HLA…ヒト白血球の表面にある抗原蛋白
自分が同じ個体であるという旗を掲げている
白血球だけでなくすべての細胞にある
≪腰部脊柱管狭窄症≫
・脊柱管周囲の骨の増生,黄色靭帯・後縦靭帯の肥厚による狭窄
・間欠性跛行 前屈位で休むと楽.
≪後縦靭帯骨化症(OPLL)≫
・後縦靭帯が肥厚・骨化し,脊柱管・脊髄を圧迫する
・頸椎に多い
・中高年の男性に多い
≪脊椎カリエス(結核性脊椎炎)≫
・三徴候:亀背,冷膿瘍,脊髄麻痺(Pott 麻痺) *サブ 4 ページ参照
・初発症状:疼痛は主に運動痛.安静時痛は少ない
*(急性)化膿性関節炎
疼痛は安静時も運動時もある.安静時痛が強いはず
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≪腰椎椎間板ヘルニア≫
・後外側に脱出することが多い
・好発年齢:20~40 才代に多い
・好発部位:L4~L5 に多い 次に L5~S1.L1~L2 可動域が広いとこ
*L4~L5 間のヘルニアで障害されやすい神経は L5 神経
≪テスト法≫
・下
肢:ケンプテスト
SLR テスト(ラセーグ徴候)
FNS テスト
椎弓根を切断して
後方から見た図
障害神経根
L4
L5
S1
疼痛部位
大腿前面~
膝内側
殿
部~
下腿外側
殿
部~
下腿後面
筋力低下
感覚障害
深部腱反射
大腿四頭筋
下腿内側
膝蓋腱反射
前脛骨筋・
長母趾伸筋
足背~母趾
正常
腓腹筋
足部外側
アキレス腱反射
≪大腿骨頭の疾患≫
a)ペルテス病:骨端症のひとつ.大腿骨頭骨端核の阻血性壊死
・4~10 歳くらいの男児.多くは片側性
・外転・内旋制限がみられる
b)大腿骨頭すべり症:骨端線離開.骨頭が後内下方へ転位
・10~16 歳くらいの肥満の男児
・下肢の外旋,内反股,ドレーマン徴候
c)特発性大腿骨頭無腐性壊死
・原因は不明.ステロイドやアルコールが誘因となる
・中年以降の男性,急な疼痛
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