(4月号)

今月の情報
①水稲・田植え前後の管理について
②園芸 病害虫防除情報
③シュンギク耐暑・耐雨対策試験について
~JA全農ちば平成26年度試験結果より抜粋~
注意とお願い
掲載されている農薬登録内容は掲載時点の登録内容です。
農薬を使用する際には、最新の登録内容をご確認ください。
JA全農ちば
平成27年4月
営農販売企画部
営農技術情報集のカラー版や、その他の営農情報は全農ちばHP内営農情報コーナーにて公開中!
全農ちばHP<http://www.cb.zennoh.or.jp/index2.html>
営農情報
平成27年4月
水稲・田植え前後の管理について
JA全農ちば
営農販売企画部
桜の花も咲き始め、代かき作業や播種作業が始まりました。気象庁発表の1ヶ月予報による
と今後の平均気温は平年と比べ低く、曇りや雨の日が多くなると予報されています。生産者に
対し田植前後の管理について徹底をお願いいたします。
1
今後の育苗管理について
ハウス内は昼間 30℃以上、夜間 10℃以下にならないようにハウスの「換気」と「保温」
には十分注意してください。
特に曇り・雨が続いた後の晴天日や新規にビニールを張り替えた育苗ハウスは換気によ
る温度管理に注意が必要です。
2
初期害虫の防除について
初期害虫の種類と発生量、イネドロオイムシの
抵抗性問題を考慮した薬剤選択が重要です。いもち病
常発田や空散未実施地域には、殺虫殺菌混合剤の散布
も省力的です。
散布に当たっては、計量カップなどを使い1箱
イネドロオイムシ成虫・幼虫
当たりの散布量を必ず守り均一散布を心掛けてください。
また散布後は葉に付着した薬剤を払い落とし、軽く灌水し薬剤を落ち着かせるのがポイン
トです。
※イネドロオイムシ対策で箱施薬剤を使用したにも関わらず、食害により葉が白くなっ
てしまった圃場では必ず薬剤を変更してください。
(1)イネドロオイムシの発生が
多い水田 →フェルテラ箱粒剤 アドマイヤーCR箱粒剤 バリアード箱粒剤など
少ない水田→ダントツ箱粒剤 プリンス箱粒剤 パダン粒剤 4 など
(2)初期害虫+いもち病常発田
デジタルコラトップアクタラ箱粒剤 Drオリゼプリンス粒剤 6 など
3
雑草防除について
除草剤は登録上の「使用時期」を確認してから散布するようにお願いします。
特に初期剤は田植え前の使用時期が代かき後~移植7日前までに変わっていますので注
意してください。
(1)水稲除草剤使用上の注意点
①圃場に発生する主要雑草を把握する。
→防除に効果的な薬剤を選びましょう。
農作業安全トラクター巻き込み事故注意!食の安全安心使用した農薬、日付、使用量を記録用紙に正確に記録
※ 本資料の無断使用・複写・転載を禁じます JA全農ちば
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平成27年4月
②圃場田面の均平化を図る。
→田面がでこぼこしていると効果にムラが出ます。代掻きを丁寧に行いましょう。
③散布後7日間は落水やかけ流しをしない。
④各薬剤の散布量を守る。
→薬剤の使用方法をよく読み正しく使いましょう。
⑤軟弱徒長苗や極端な浅植え圃場への散布は避ける。
→苗が除草剤の効果を受けやすくなってしまいます。
(2)初期剤
主 要 除 草 剤
ユニハーブフロアブル、ダッシュワンフロアブル、
ピラクロンフロアブル、農将軍フロアブル、サキドリEW、
エリジャン乳剤など
※田植え前の使用時期に注意
〔フロアブル剤〕
手に持ち直接散布することができます
(3)初中期一発剤
主 要 除 草 剤
エーワンフロアブル、サラブレッドKAIフロアブル、トップガンLフロアブル、
ゴウワンLフロアブル、バッチリフロアブル、ボデーガード1キロ粒剤、
シリウスエグザ1キロ粒剤、ビクトリーZ1キロ粒剤など
4
適正な栽植密度の確保について
「ふさおとめ」や「ふさこがね」は茎数が不足すると減収につながるため栽植密度は 18.0
株/㎡(60 株/坪)とし、移植が遅れた場合も極端な疎植は避けてください。
「コシヒカリ」の場合は 16~18 株/㎡(53~60 株/坪)とし、植え付けが5月中旬~下旬
まで遅れた場合は施肥窒素量を減量し、栽植密度を 15.0~16.5 株/㎡(50~55 株/坪)にし
てください。
5
田植え後の水管理について
晴天日には、
「浅水」で管理し、活着を促し早期に分げつを確保することが先決です。ま
た、不安定な天候の場合は、深水で管理し保温に努める事も重要です。天候を無視した深
水管理は、分げつを抑制しますので避けて下さい。
また、除草剤(一発剤)散布後7日間は水を切らさない、かけ流さないのが除草剤を上
手に効かせるポイントです。
作成:川島・栗原
農作業安全トラクター巻き込み事故注意!食の安全安心使用した農薬、日付、使用量を記録用紙に正確に記録
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営農情報
平成27年4月
園芸野菜 病害虫防除情報
JA全農ちば
営農販売企画部
1
はじめに
寒さも和らぎ、今後微小害虫(コナガ・アブラムシ類・コナジラミ類・アザミウマ類など)
を中心に、害虫の発生が増加していきます。また、気象庁の長期予報では、向こう一か月は例
年より雨・曇りの日が多いようです。降雨が続くと作業が遅れることに加え、べと病などの発
生も発生しやすくなりますので、早めの病害予防も重要です。
2
キャベツ[チョウ目害虫幼虫]
コナガについて、今後6月下旬ごろまで発生が続きます。また、県内の一部地域ではジアミ
ド系殺虫剤(フェニックス・プレバソン)の効果が低下しています。コナガを防除対象とする
場合は、同じ系統の薬剤連用・多用は避け、ジアミド系以外の薬剤によるローテーション防除
を行ってください。
収穫期の場合は収穫前日数に注意して選択しましょう。
コナガ成虫(体長 10mm)
○キャベツ
対象病害虫
コナガ幼虫
葉の表面を薄皮一枚残して食害する
チョウ目害虫防除薬剤(コナガ対策)
薬剤系統
薬剤名
マクロライド系
希釈倍数
使用時期
アファーム乳剤
1000~2000
収穫前日
ディアナSC
2500~5000
収穫前日
(スピノシン系)
スピノエース顆粒水和剤 2500~5000 収穫 3 日前
トルネードエースDF
2000
収穫 7 日前
コナガ
その他①
アオムシ
アクセルフロアブル
1000~2000
収穫前日
その他②
プレオフロアブル
1000
収穫 7 日前
プレバソンフロアブル5
2000
収穫前日
ジアミド系
※コナガ効果低下 フェニックス顆粒水和剤
2000~4000
収穫前日
※ダイコンは登録内容が異なりますので、表示ラベルを再度ご確認ください。
2
使用回数
3 回以内
2 回以内
3 回以内
2 回以内
3 回以内
2 回以内
3 回以内
3 回以内
キャベツ・ダイコン〔アブラムシ類〕
主にダイコンアブラムシ・ニセダイコンアブラムシ・モモアカアブラムシが発生します。ダ
イコンアブラムシ・ニセダイコンアブラムシは表面に分泌物が付いており、白い粉を被ったよ
うに見えます。モモアカアブラムシは赤色または淡い黄緑色をしています。
発生が増えると葉の萎縮等の被害が生じます。また、収穫物にアブラムシ類が紛れていると、
品質の低下に繋がります。
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営農情報
○キャベツ
対象病害虫
アブラムシ類
○ダイコン
対象病害虫
アブラムシ類
3
平成27年4月
アブラムシ類防除薬剤
薬剤名
ウララDF
アドマイヤーフロアブル
希釈倍数
2000~3000
4000
使用時期
収穫前日
収穫 7 日前
使用回数
2 回以内
2 回以内
備考
アブラムシ類防除薬剤
薬剤名
ウララDF
アドマイヤーフロアブル
希釈倍数
2000
4000
使用時期
収穫前日
収穫 14 日前
使用回数
2 回以内
2 回以内
備考
ニンジン(トンネル栽培)
〔ヒョウタンゾウムシ〕
ヒョウタンゾウムシの多くはトンネル除去前に圃場
外から侵入しています。トンネル除去後に畝内へ入っ
てくるので、除去後早めに成虫防除としてコテツ
フロアブルの散布を行いましょう。薬液がゾウムシに
しっかりとかからないと効果がでませんので、丁寧に
散布しましょう。
○ニンジン
ヒョウタンゾウムシ
対象病害虫
ヒョウタンゾウムシ類
4
防除薬剤
薬剤名
コテツフロアブル
希釈倍数
2000
スイカ、メロン整枝・交配期の防除
使用時期
収穫前日
使用回数
2 回以内
備考
成虫防除剤
[うどんこ病、べと病]
①うどんこ病
最初に株元(子葉)から発生し、被害が拡大します。株元まで農薬がかかるよう丁寧に散
布することが重要です。
②べと病(メロン)
水(降雨)により伝染します。感染から発病までが早く、急速に被害が現れます。病原菌
は土壌中に存在するので、つるが通路まで伸びると感染しやすくなります。
うどんこ病
べと病
③防除ポイント
・整枝後(つる引き後)は作物に傷がつき病原菌が侵入しやすくなっています。
・交配中(ミツバチ導入中)は薬剤散布が行えない期間です。導入前に防除を行いましょう。
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○スイカ
平成27年4月
うどんこ病防除薬剤
対象病害
うどんこ病
○メロン
薬剤名
ベルクートフロアブル
トリフミン水和剤
ガッテン乳剤
希釈倍数
1000
3000~5000
5000
使用時期
収穫前日
収穫前日
収穫前日
使用回数
4 回以内
5 回以内
2 回以内
備考
予防
予防・治療
予防・治療
希釈倍数
1000
3000~5000
5000
600
1000
1000~2000
使用時期
収穫前日
収穫前日
収穫前日
収穫 7 日前
収穫 3 日前
収穫前日
使用回数
5 回以内
5 回以内
2 回以内
5 回以内
5 回以内
4 回以内
備考
予防
予防・治療
予防・治療
予防
予防
予防
うどんこ病・べと病防除薬剤
対象病害
うどんこ病
べと病
薬剤名
ベルクートフロアブル
トリフミン水和剤
ガッテン乳剤
ペンコゼブフロアブル
ダコニール 1000
ランマンフロアブル
作成:名雪
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平成27年4月
シュンギク耐暑・耐雨対策試験について
~ J A 全 農 ち ば 平 成 2 6 年 度 試 験 結 果 よ り 抜 粋 ~
JA全農ちば
営農販売企画部
1.試験の背景、目的
夏撒きシュンギクは、東葛飾地区を中心に栽培され、市場からも生産面積拡大の要望が高い。
しかし、播種時期での高温および降雨による影響で欠株が増え、大幅なロスとなっており、耐
暑および雨よけ対策が必要となる。
そこで、耐暑・耐雨対策として、遮光・遮熱シートを用いた場合の効果を確認した。
2.試験概要
(1)試験設置場所 東葛飾地域 現地圃場
(2)供試資材 ダイオネット白天(ダイオ化成)
※今春発売
(3)耕種概要
播種:7 月 27 日(品種:おきく 3 号 みかど協和)
収穫:9 月 4 日~ 栽植:条間 20cmの条播き
株間 2cm 1ベットあたり 5 条播種
(4)試験区
シートあり:播種後、トンネルにて展張した。
シートなし:播種後、展張なし。
写真 シートなし(左) シートあり(右)
(5) 調査方法
8 月 21 日~8 月 24 日にて、各区の気温および深さ 1cmの地温を計測した。
3.試験結果
対象区と比較すると温度差は気温で―7.4℃~―11.4℃、地温で―3.6℃~―9.0℃となり、
温度差が確認された。生育状況ではシート無しで高温および雨により欠株が目立ったが、シ
ートありでは欠株は少なかったことから、夏場の遮熱および雨よけ対策として有効な資材で
ある。
今回は、シュンギクで実施したが、その他園芸品目でも有効なことから各産地に提案する。
8 月 21 日
8 月 22 日
8 月 23 日
8 月 24 日
試験区
(計測時刻)
気温
地温
42.5℃
40.9℃
(14 時)
(14 時)
41.2℃
38.1℃
(15 時)
(14 時)
33.9℃
32.1℃
(10 時)
(10 時)
35.3℃
33.7℃
(13)
(13 時)
対象区
(計測時刻)
気温
地温
49.9℃
47.7℃
(13 時)
(13 時)
42.8℃
45.1℃
(11,13 時)
(14 時)
45.3℃
37.2℃
(9 時)
(10 時)
44.0℃
37.3℃
(10 時)
(13 時)
気温差
(対対象区)
地温差
(対対象区)
-7.4
-9.0
-1.6
-7.0
-11.4
-5.1
-8.7
-3.6
作成:卜部
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