FT 技-第 32398C 号 2015 年 6 月 4 日 ケーブル等防火区画床貫通部防火措置工法 「イチジカン®マルユカ」 Q&A 古河電気工業株式会社 株式会社古河テクノマテリアル イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 1. 製品概要 イチジカン®マルユカ(以下、本製品)は、ケーブル・合成樹脂製可とう電線管(PF・CD 管)等 が防火区画の床を貫通する部分に適用する 1 箇所に必要な部材がそろった防火措置キットで す。 2. 防耐火性能と適用範囲 本製品は、建築基準法第 68 条の 26 第 1 項の規定に基づき、同法施行令第 129 条の 2 の 5 第 1 項第七号ハ「防火区画貫通部 1 時間遮炎性能」の規定に適合するものとして、国土交通大臣認 定(認定番号:PS060FL-0703、0707)を取得しています。(表-1) 表-1 国土交通大臣認定の適用範囲 適用躯体 (国土交通大臣が認定した床) 国土交通大臣認定番号 適用場所 床厚(mm) 施工条件 開口寸法(mm) 軽量耐火パテ (ダンシール-KP) 充てん処置長 1 心あたりのケーブル 導体断面積(mm2) 貫通物条件 合成樹脂製 可とう電線管※ 適用呼び径 RC (鉄筋コンクリート 床) PS060FL-0703 PS060FL-0707 建築基準法で定められている防火区画 100 以上 75 以上 鋼製スリーブ無の場合φ210 以下 φ160 以下 鋼製スリーブ有の場合φ300 以下(スリーブ径φ211 以下) 開口内に隙間なく 10mm 以上充てん。 合成樹脂製可とう電線管は 1 本ずつさらに厚さ 5mm 以上、高さ 25mm 以上 となるように巻き付け(詳細は施工手順参照) RC (鉄筋コンクリート床) ALC (軽量気泡コンクリート床) 325 以下(6600V 以下) PF 管 42 以下 36 以下 CD 管 42 以下 42 以下 混在貫通 占積率(%) ケーブル・合成樹脂製可とう電線管(PF・CD 管)の混在貫通可能 56.9 以下 58.1 以下 板厚 0.5 ㎜以上 スリーブ 外径φ211 以下 非対応 床上長さ 100 以下 ※管は開口面から 300mm 以上突出し(端末部はパテで要閉塞) 3. 標準施工図 本製品の標準施工図を図-1、2 に示します。 4. 品番および構成部材 本製品の品番及び 1 組当たりの構成材料を表-2 に示します。また、各構成材料の仕様を表-3 に 示します。 1/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 表-2 品番及び 1 組当たりの構成材料 構成材料 適用開口 寸法 (mm) 品番 IMY50 IMY75 IMY100 IMY125 IMY150 IMY175 IMY200 φ50~55 φ75~80 φ100~110 φ125~135 φ150~160 φ175~185 φ200~210 ダンシール-KP(個) 構成 50g 150g 500g 総質量 (g) 1 2 1 2 1 2 ― ― ― 1 1 2 2 1 ― ― ― ― ― ― 1 50 100 200 250 350 400 650 バックアップ材(個) S M※ L 2L 3L 4L (25×25 ×100) (25×25× 200) (25×25× 300) (25×25 ×400) (25×25× 500) (25×25× 600) 1 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 1 ― ― ― ― ― ― ― ― ― 2 ― 1 ― ― 1 ― ― ― ― ― ― ― 1 ― 2 2 支え金具 (個) 取扱説明書 (枚) 工法表示ラベル (枚) 1 1 1 2 2 2 2 1 1 販売 単位 (組) 3 以上 ※作業性の見直しにより、M サイズは使用しなくなりました。 表-3 各構成材料仕様 名称 仕様 用途 ダンシール-KP 火災初期の炎や煙の貫通を防ぐ役割をします。 寸法(mm) 酸素指数(OI) 3 比重(g/cm ) 用途 バックアップ材 材質 主材 50g:幅 45×厚さ 30×長さ 40、150g:幅 45×厚さ 30×長さ 120、500g:幅 90×厚さ 30×長さ 200 26 以上 0.95±0.1 ダンシール-KP の脱落を防止するために使用します。 ケイ酸質繊維 外装材 ポリプロピレン系不織布 寸法(mm) S:25×25×100、L:25×25×300、2L:25×25×400、3L:25×25×500、4L:25×25×600 用途 バックアップ材およびダンシール-KP を支えるために使用します。 材質 ステンレス鋼線 寸法 図-3 を参照ください。 取扱説明書 内容 製品の施工要領、品番選定方法や施工上の注意事項を記載したものです。また、「工法表示ラベル請求ハガキ」が付属しており、付属の 国土交通大臣認定工法表示ラベルを紛失した際のご請求時に必要となります。 工法表示ラベル 内容 国土交通大臣認定番号が記載されたラベルです。本製品を正しく施工した後に、このラベルを貼付します。 支え金具 2/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 5. Q&A 5.1 使用材料について No. Q A 下記 3 材料です。 ①ダンシール-KP 開口と通線物の隙間に充てんする軽量耐火パテ ②バックアップ材 部材 1 本製品に使用する材料は何です か? ダンシール-KP の脱落を防止するために使用 ③支え金具 バックアップ材およびダンシール-KP を支えるため に使用 いずれも各開口 1 箇所に必要な部材をキット品として取 り揃えております(IMY50~200)。 軽量(比重 0.95)で柔らかく、且つ、耐火性を有する非硬 化タイプのパテ材です。冬場でも柔らかさとちぎり易さを 部材 2 ダンシール-KP とは何ですか? 保ち、1 年を通して良好な施工性を発揮します。 更に、耐水性、耐候性および絶縁性を有しております。 (※)技術資料 FT 技-第 32395 号「ダンシール-KP について」参照 部材 3 本製品は、ダンシール-KP 以外 本工法は、ダンシール-KP 以外のパテ材を使うことはで のパテ材を使うことはできます きません。十分な耐火性能を得ることが出来なくなります か? ので、絶対に使用しないでください。 不燃材としての認定は取得していません。 部材 4 ダンシール-KP は不燃認定を取 得していますか? 但し、本工法のようにバックアップ材および支え金具と組 み合わせて区画貫通部防火材として、1 時間耐火の認 定を取得しており、十分な耐火・難燃性能を有しておりま す。 3/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 部材 5 部材 6 部材 7 ダンシール-KP が使用できない 場所はありますか? 油類に接触するような場所及び長期間水中(海水含む) に浸かる場所には使用しないでください(ただし、雨水な どで一時的に濡れる場合は問題ありません)。 バックアップ材は何でできていま セラミックファイバーブランケットでできています。このた すか? め耐火、断熱性に優れております。 ダンシール-KP およびバックアッ プ材にアスベストは含まれていま 一切含まれておりません。 すか? ①保管期間 ダンシール-KP とバックアップ材は、開封前・後に関わら ず(直射日光が当たらない)屋内保管で約 20 年です。 部材 8 ダンシール-KP およびバックアッ プ材の保管期間および使用期間 ②使用期間 はどのぐらいですか? ダンシール-KP に、常温・常湿の雰囲気下で約 20 年で す。 (※)保管・使用条件によってはこの限りではありません。 4/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 5.2 施工条件について No. Q A ① 施工できる開口の条件 鋼製スリーブ無の場合:φ210mm以下 鋼製スリーブ有の場合:φ300mm以下(スリーブ径φ 211 以下) 施工 1 本製品が施工できる開口の条件 はなんですか? ②施工できる床の種類 また、どの床で施工できますか? ・RC(鉄筋コンクリート)床:厚さ 75mm 以上 ・ALC(軽量気泡コンクリート)床:厚さ 100mm 以上 (※)防火区画の壁および共住区画の壁、床は対象外で す。 防火区画 施工 2 本製品の対象通線箇所はどこで すか? 占積率(通線物敷設量)と通線物サイズが規定されて います。詳細は、本書 2.項をご確認ください。 (※)共住区画は対象外です。 開口に支え金具を設置した後、バックアップ材を設置 施工 3 本製品の施工方法を教えてくだ さい。 し、バックアップ材上にパテを 10mm 隙間なく充てんする ことで完了します。 詳細は、施工要領書(FT-施要-第 13002 号)をご確認く ださい。 施工 4 1 箇所あたりに使用する各材料の 使用量を教えてください。 1 箇所に必要な部材をキット品としております。このため キット品にある部材をすべて使っていただければ問題あ りません。 5/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 使えません。 別途、防水材※を用いて処置してください。 施工 5 長期間水に浸かる場所に使えま すか? (※)気密・防水材推奨品「ダンシール-L」 難燃性を有する 2 液混合のゴム状硬化タイプ (OI値 46) ありません。 施工 6 ケーブルの支持機能はあります 貫通部の前後で別途、確実に行ってください。支持固定 か? が不十分の場合、パテのずれ・脱落・隙間が生じる恐れ があります。 防火区画において、ケーブルなどが貫通する部分にあ 施工 7 開口を設ける際に注意することは ありますか? らかじめ開口部を設けておく必要があります。必要に応 じた開口部仮枠の設置や躯体強度を考慮したうえでの 鉄筋補強の切断可否などを協議のうえ、開口部を設け てください。 施工 8 施工 9 施工 10 合成樹脂製可とう電線管(PF・ CD 管)の施工条件を教えてくだ さい。 共住区画の壁、床に施工できま すか? 通線物と開口の隙間には、ダン シール-KP 以外のパテ材を使う ことはできますか? 開口から 300 ㎜以上突出し、管の端末部はダンシール —P 又はダンシール-KP で塞いでください。また、管内に 通線する電線・ケーブル等については、内線規程に従 ってください。 できません。 (一財)日本消防設備安全センター評定の対象外となり ます。 認定工法外となるため、開口内にダンシール-KP 以外 のパテを絶対に充てんしないでください。 6/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 あります。 施工 11 施工図はありますか? 弊社ホームページ(http://www.furukawa-ftm.com/)か ら PDF の施工図がダウンロード可能です。 CAD 図が必要な際は別途お問い合わせ願います。 施工 12 施工 13 施工 14 施工にあたって何が必要です か? 特殊な工具は必要ありません。 けが防止のため保護手袋および保護めがね等を必ず着 用してください。 合成樹脂製可とう電線管内に通 線する電線・ケーブル等の条件 内線規程に従ってください。 はなんですか? 施工時にダンシール-KP が不足 お手数ですが別途ダンシール-KP をお買い求めくださ したらどうすればよいですか? い。 7/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 5.3 施工品質について No. 品質 1 Q 工法表示ラベルはどのように請 求すればよいでしょうか? A 本製品に 1 枚/キット同梱されております。 方法① 取扱説明書に附属の工法表示ラベル請求ハガキを切り 取り、必要事項を記入して弊社へ郵送してください。確 認取れ次第、工法表示ラベルを送付させて頂きます。 品質 2 工法表示ラベルを紛失した場 施工写真は不要です。 合、請求できますか? 方法② 弊社ホームページ(http://www.furukawa-ftm.com/)か らご請求できます。 (※)施工写真が必要です。 10 枚までとなっています。 工法表示ラベル請求ハガキ 1 枚 品質 で申請可能なラベルおよびプレ 3 ートの最大枚数はどれぐらいでし ょうか? (※)発行可能な工法表示ラベルの枚数は、建築基準 法に規定される防火区画 1 開口あたり 1 枚となりま す。よって、実際に施工された箇所数のラベルを御請 求されるようにお願い致します。 尚、ラベルの到着は、弊社から発送後、概ね 2~3 日 を目安としてください。 品質 4 同一件名で複数枚の請求ハガキ 代表 1 枚に必要事項を記載し請求ハガキをまとめて封 を出せますか? 書で出すことができます。 受け付けておりません。 品質 5 FAX での請求はできますか? 誠にお手数ですが、工法表示ラベル請求ハガキを郵送 頂くか、弊社ホームページから申請対応をお願い致しま す。 6. その他 本書記載の内容は、製品改良等のため、お断りなく変更する場合がありますのでご了承くださ い。 以上 8/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 単位 mm PS060FL-0703 図-1 標準施工図 9/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 単位 mm PS060FL-0707 図-2 標準施工図 10/11 イチジカンマルユカ Q&A FT 技-第 32398C 号 単位 mm 正面図 側面図 各部寸法 適用開口寸法 A B C D H IMY50 φ50~55 30 35 35 11 38 IMY75 φ75~80 30 50 50 11 38 IMY100 φ100~110 30 70 70 11 38 IMY125 φ125~135 30 110 60 11 38 IMY150 φ150~160 30 130 75 11 38 IMY175 φ175~185 30 165 80 11 38 IMY200 φ200~210 30 185 90 11 38 ※A のみ内寸。B、C、D、H は外寸とする。 図-3 支え金具寸法 11/11 線径 φ1.47 φ2.0
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