現代日本における立地問題 - 東京大学人文地理学教室

東京大学教養学部前期課程「社会環境論」資料 No.1
現代日本における立地問題
2015年 4月 6日
東京大学教養学部人文地理学教室
松原 宏
[email protected]
本講義のねらい
■社会環境論の定義はむずかしいが、私の講義では、
広範な社会環境のうち、経済・空間・地域、産業・企業・
立地、制度・文化・場所を中心に取り上げる。
■産業立地に関する経済地理学の基礎理論を理解し、
現代社会経済の空間的なしくみや立地政策のありかた
について考える。
■私が前期課程で担当する授業の位置づけ
Sセメスター:社会環境論:立地理論と立地政策
Aセメスター:人間生態学:地域経済の実態と地域政策
経済地理学とは?
■経済地理学:経済現象の地域性に着目し、
経済地域の連関と構造を解明する学問
■主なアプローチ
1)古典的立地論(19世紀前半~20世紀前半)
・チューネンの農業立地論
・ウェーバーの工業立地論
・クリスタラーの中心地論・レッシュの経済空間論
2)新古典派経済学からの経済地理学(1950年代~)
・アイザードの地域科学 ・都市経済学
・クルーグマンの空間経済学
3)マルクス経済学からの経済地理学(1930年代~)
・ソ連の生産配置論
・地域的不均等論 ・ハーヴェイの資本循環論
1
現代日本の立地問題とは?
1 グローバルスケール
・国内産業の空洞化・産業集積地域の衰退
・日本企業の立地競争力・地域イノベーション
2 ローカルスケール
・工場跡地利用
・産業集積地域の進化と地域中核企業
3 ナショナルスケール
・産業立地政策の転換
・「まち・ひと・しごと創生本部」の地方創生策
東京一極集中の是正、本社の地方移転等
(千台)
90000
80000
70000
60000
その他
ブラジル
50000
インド
韓国
ドイツ
40000
日本
アメリカ
30000
中国
20000
10000
0
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
年
図2 世界の自動車生産の推移
注:元データは、各国の自動車工業会の公表数値で、個々の国々で統計分類が
異なる場合がある。1960年~90年のドイツの数値は、旧西ドイツの数値。
出所:国際自動車工業連合会および日本自動車工業会資料より松原作成。
(千台)
18000
16000
14000
12000
10000
国内生産
輸出
8000
海外生産
6000
4000
2000
0
1955 1965 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011
図3 日本の自動車生産・輸出・海外生産の推移
年
出所:日本自動車工業会統計資料(http://www.jama.or.jp/)より松原作成。
図4
出所:経済産業省ほか『ものづくり白書2013年版』p.3
(経済産業省HP 白書からダウンロード可能)
図5:アジアの分業構造
■工程分割による
垂直展開から、
日本と海外で
国内市場の
それぞれ
縮小・「孤立化」
一貫生産する
水平展開へ
出所:『通商白書2006』 p.87
■国内立地の優位性
1)材料、部品などで高い技術を有する
国内集積の活用
2)製造技術のノウハウのブラックボックス化
3)研究開発と生産体制の一体化
(『ものづくり白書2005年版』 p.48)
インド
以下のような「すみ分け」は変わりつつある。
■国内生産拠点と海外生産拠点との差異
1)研究開発のほとんどは国内
2)高付加価値製品は国内、
中位グレード製品もしくは普及品は海外
3)設備集約的な上工程は国内、
相対的に労働集約的な下工程は海外
(『ものづくり白書2007年版』 p.49~52)
件数
オイルショック後
の工場閉鎖
バブル崩壊後の
工場閉鎖
世界同時不況
後の工場閉鎖
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004
図6 閉鎖工場数の推移
年
濱田博之『日本工業の立地調整に関する数量経済地理学的研究』
(2009年東京大学大学院総合文化研究科博士論文)
図7:工場の撤退・閉鎖の事例(予定も含む)
(注:→ は移管先・集約先を示す)
-東北-
-北海道-
・アンデス電気(青森県八戸市) ・アキタオオイ(秋田県湯沢市)
・トステム(北広島市)
・NECトーキン(岩手県一関市→白石市) ・ケーヒン(岩手県岩手町→宮城県)
・マルハニチロ(士別市、雄武町、湧別町)
・JT(岩手県盛岡市) ・フリースケール・セミコンダクタ(宮城県仙台市)
・ダウ化工(札幌市)
・アルプス電気(福島県相馬市→角田市、大崎市) ・エプソントヨコム(福島県伊達市→南相馬市)
・スパンション・ジャパン(福島県会津若松市) ・オーナンバ(福島県福島市→宇都宮市)
・JUKI精密(福島県西郷村→中国・ベトナム)・三菱電線工業(福島県先崎村→山形県)
-関東-
・研精舎(新潟県柏崎市)
・パナソニックコミュニケーションズ(栃木県
・パナソニックコミュニケーションズ(新潟県小千谷市→福岡市、鳥栖市)
宇都宮市→福岡市、鳥栖市)
-北陸-
・NECトーキン(栃木県宇都宮市)
・日立ルール(富山県魚津市→滋賀県野洲市)
・コマツ(栃木県真岡市→茨城)
・北陸富士(富山県滑川市→松本市、飯山市)
・日本モレックス(栃木県塩谷町→鹿児島市)
・東芝松下ディスプレイテクノロジー
・川崎マイクロエレクトロニクス(栃木県芳賀町)
(富山県魚津市→石川県川北町)
・市光工業(群馬県大泉町)
・コマツ(石川県小松市→金沢市)
・クラリオン(茨城県ひたちなか市→郡山市)
・武蔵精密工業(石川県志賀町)
・トステム(千葉県松戸市→前橋市)
・北日本紡績(石川県能登町)
・ソニー(千葉県香取市)
・三菱電線工業(東京都練馬区→熊谷市)
-中国・四国-
・ケーヒン(川崎市→宮城県)
・JT(鳥取県米子市)
・パナソニック(神奈川県藤沢市)
・パナソニック四国エレクトロニクス
・JT(神奈川県小田原市)
(愛媛県大洲市→西条市、東温市)
-中部-
・小糸製作所(静岡市) ・ミツバ(静岡県菊川→群馬県)
-九州-
・NOK(静岡県牧之原市→二本松市)
・旭硝子(北九州市) ・東芝(移管:北九州市→大分
・パナソニックエレクトロデバイス(岐阜県大野町)
市)
・エプソンイメージングデバイス(岐阜県安八
・小糸製作所(佐賀市)
町)
・
・NOK(佐賀県みやき町→阿蘇市)
・市光工業(岐阜県中津川市)
・パナソニックファクトリーソリューションズ(佐賀県鳥栖
・ミヤノ(シチズンの子会社)(長野県上田市→福島)
市→甲府工場)
-近畿-
・三菱電線工業(長野県茅野市→熊谷市)
・パナソニックセミコンダクタ-ディスクリートデバイス
・第一三共プロファーマ(大阪市→高槻市)
(熊本県八代市→中国、マレーシア)
・オーナンバ(大阪府貝塚市→和泉市、ベトナム)
・東和薬品(大分県別府市→岡山市)
出所:2008年7月以降の日本
・クボタシーアイ(大阪府堺市)
・パイオニア(鹿児島県出水市)
経済新聞(地方版も含む)の
・パナソニック電工(大阪府、奈良県)
記事検索より松原作成。
・NEC(鹿児島県出水市→秋田市)
・積水ハウス(滋賀県栗東市→山口・静岡)
2008年秋以降の工場閉鎖の特徴
①電機、自動車など、幅広い業種にわたる工場閉鎖
②海外移転に伴う国内工場の閉鎖ではなく、
国内工場間を比較した、選択的・集約閉鎖
③2拠点を1拠点に集約する際、
設備が老朽化し、従業員の年齢構成が高齢化した
生産性の相対的に低い工場を閉鎖
④南東北、北関東、九州で工場閉鎖が多くなっている
⑤分社化など企業組織の細分化が閉鎖を増幅
参考:NHK「クローズアップ現代」 No. 2759, 2009年6月30日
鹿児島県出水市のNEC、パイオニアの工場閉鎖の事例
図8 立地調整の諸類型 (松原作成)
集約
新設
増強
機能転換
閉鎖
①選択的閉鎖
①
③
③
③
③
①
①
②移転閉鎖
③空洞化閉鎖
新設
③
注:立地調整の事例をもとに図示したが、
正確な位置を示しているわけではない。
表1 素材工業の立地調整事例
業種
企業名
場所
立地調整の内容
日経掲載日付
鉄鋼
新日鉄住金 君津
15年度までに高炉1基休止
2013年3月13日
鉄鋼
神戸製鋼所 神戸
17年度高炉を休止、加古川
に集約
2013年5月30日
石油精製
昭和シェル
の子会社
東亜石油
川崎
「エネルギー供給構造高度
化法」(10年)を受け、11年9
月に扇町工場を閉鎖
2013年2月14日
石油精製
JX日鉱日石
エネルギー
室蘭
14年3月に設備廃棄、韓国
の化学工場に原料供給
2012年11月21日
石油精製
出光興産
徳山
14年3月に石油精製を停止、 2013年1月18日
初の海外製油所(ベトナム)
石油精製
東燃ゼネラル 川崎
和歌山
14年3月に一部装置を廃棄、 2013年2月14日
3製油所は残す
石油精製
コスモ
坂出
13年7月に閉鎖
2013年7月31日
石油化学
住友化学
千葉
エチレン国内生産撤退
2013年2月4日
石油化学
三菱化学
+旭化成
鹿島
水島
14年にエチレン1基停止
16年にエチレン1基停止
2013年9月27日
表2 電気機械工業の立地調整事例
企業名
見出し
立地調整の内容
日経掲載日付
パナソニック
半導体3工場を売却
富山県魚津、砺波、新潟県妙高の3工場
をイスラエル企業に株式の過半を売却。
2013年11月27日
ダイキン
家庭用エアコン
国内に移管
円安と国内買い換えの伸びで中国委託生
産の一部を滋賀の工場に移管
2013年11月19日
(日経産業新聞)
富士電機
パワー半導体開発
拠点拡大青森・山梨
でも開発
松本の主力拠点に加え、青森と山梨の工
場にも開発機能を置き、省エネ品量産へ
の技術確立をめざす
2013年10月21日
(日経産業新聞)
半導体各社
縮小続く国内半導体
工場
2000年度から13年度までで、閉鎖予定
を含め約90ヶ所へと2割近く減少。
最近の閉鎖工場:東芝北九州、UMC館
山工場、TI日出工場。
2013年9月6日
(日経産業新聞)
ルネサス
鶴岡・甲府の2工場
閉鎖
すでに2012年時点の18工場のうち4工
2013年8月3日
場を売却。さらに5工場を3年以内に閉鎖。
鶴岡工場は、ゲーム機向けシステムLSI
生産の主力工場で、従業員数は912人。
ジャパンディス
プレイ
中小型液晶の茂原
工場6月に稼働
撤退したパナソニック系の工場を引き継ぎ、 2013年5月31日
ソニー・東芝・日立の3社と官民ファンドが (地方経済面 千葉)
設立したJDIが最新鋭工場に転換。
パナソニック
プラズマテレビ撤退
へ
1997年発売開始。液晶との「二刀流」は
限界。5000億円を超す巨額投資実らず。
2013年3月19日
5,000
4,500
4,000
3,500
3,000
立地件数
2,500
立地面積(ha)
2,000
1,500
1,000
500
0
1974
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
年
図9 全国における工場立地件数および立地面積の推移
(経済産業省「工場立地動向調査結果」より松原作成)
立地先の変化: 東海、関東臨海、近畿臨海での伸び
地方分散の時代から大都市圏地域に集中する時代へ
図10 地域別工場立地件数の変化
(経済産業省「工場立地動向調査結果」より松原作成)
1985~89年
北海道
北東北
南東北
関東内陸
関東臨海
東海
北陸
2002~06年
近畿内陸
近畿臨海
山陰
山陽
四国
北九州
2007~09年
南九州
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
業種の変化: 輸送用機械、食料品、一般機械の伸び
電気機械と衣服から自動車が主導する時代へ?
食料・飲料
繊維・衣服
1985~89年
木材・家具
パルプ・紙
印刷
化学・石油・石炭製品
プラスチック・ゴム・皮革
2002~06年
窯業・土石
鉄鋼
非鉄金属
金属製品
2007~11年
一般機械・精密機械
電気機械
輸送用機械
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
その他
図11 業種別工場立地件数の変化
(経済産業省「工場立地動向調査結果」より松原作成)
工場数
5,000
4,500
4,000
3,500
その他
3,000
輸送用機械
電気機械
2,500
一般機械・精密機械
金属
2,000
化学
繊維
1,500
食料品
1,000
500
0
1960
1970
1980
1990
2000
2010
年
図12:業種別にみた大規模工場数の変化
注:化学には石油製品・石炭製品製造業を、金属には鉄鋼、非鉄金属、金属製品
製造業を含む。
(『工業統計表』各年版より松原作成)
北海道
青森
岩手
宮城
秋田
山形
福島
茨城
栃木
群馬
埼玉
千葉
東京
神奈川
新潟
富山
石川
福井
山梨
長野
岐阜
静岡
愛知
三重
滋賀
京都
大阪
兵庫
奈良
和歌山
鳥取
島根
岡山
広島
山口
徳島
香川
愛媛
高知
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
沖縄
工場数
500
450
400
350
300
250
1970年
2010年
200
150
100
50
0
図13:都道府県別にみた大規模工場数の変化
(『工業統計表』各年版より松原作成)
北海道
青森
岩手
宮城
秋田
山形
福島
茨城
栃木
群馬
埼玉
千葉
東京
神奈川
新潟
富山
石川
福井
山梨
長野
岐阜
静岡
愛知
三重
滋賀
京都
大阪
兵庫
奈良
和歌山
鳥取
島根
岡山
広島
山口
徳島
香川
愛媛
高知
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
沖縄
工場数
400
350
300
250
200
2000年
2010年
150
100
50
0
図14:都道府県別にみた大規模工場数の変化
(『工業統計表』各年版より松原作成)
表3-1 最近の工場跡地活用の事例
No. 企業・
所在地
工場名
1 キリンビール 京都府
京都工場
京都市・
向日市
2 クボタ
行徳加工
センター
千葉県
市川市
敷地面積
(千m2)
220
53
3 松下冷機等 神奈川県
藤沢工場
藤沢市
190
4 サッポロビー 大阪府
ル大阪工場 茨木市
122
閉鎖年 新用途の概要
1999
2011年にイオンモール(株)に商業事業
用地(83,574m2)を売却、2014年度中
の開業予定。すでに、オムロンヘルスケ
アの新本社・研究拠点、京都銀行の新研
修センター等の立地が進んでいる。
2011 三井不動産とGLプロパティーズ(シンガ
ポール政府系デベロッパー)が共同で、
延床面積12万1千m2の「マルチテナント
型」大規模物流施設を建設、2013年9月
に竣工予定。
2008 パナソニックなど9社と藤沢市による
1,000戸の環境配慮型の「FUJISAWA
サステナブル・スマート・タウン」を建設、
2013年度から分譲予定。
2008 立命館大学の経営学部、政策科学部等
が移転、大阪茨木新キャンパスとして
2015年4月に開設。
出所:「日本経済新聞」および各社のホームページより松原作成。
表3-2 最近の工場跡地活用の事例
No. 企業・
工場名
キューピー
5
仙川工場
所在地
東京都
調布市
敷地面積
(千m2)
17
新用途の概要
閉鎖
年
2011 用地は売却せず、延床面積
28,000m2の研究所、グループ
企業のオフィス、品質保証部門お
よび見学施設を集約した複合施設
を建設、2013年に竣工予定。
2009 2011年にコナミが取得、
ゲーム機器の製造・物流拠点。
6
ソニー
一宮テック
愛知県
一宮市
90
7
養命酒
岡谷工場
長野県
岡谷市
16
1972 岡谷市が取得し、土地開発公社を
8
ソニーEMCS
小見川工場
千葉県
香取市
62
2009 2010年に香取市が1800万円で
9
大和ハウス
札幌工場
北海道
恵庭市
144
通じて工業用地として分譲。
買い取り、2012年に再公募の結
果、自動車部品、食品会社等3社
に無償譲渡が決定。
2008 38,000m2の敷地に年間発電量
165万kWhのメガソーラーを建設、
2013年に竣工・発電予定。
出所:「日本経済新聞」および各社のホームページより松原作成。
立地環境の変化
経営環境の変化
技術革新
経営組織
市場動向
競争環境など
海外立地
工場の
診断
国内立地
機能特性
立
コスト構造
地
生産性
調
設備の
新旧
整
移転
周辺環境
図15
産業立地
政策
移転閉鎖
閉鎖
流通施設
売却
もしくは
賃貸
都市的
土地利用
空洞化閉鎖
選択的閉鎖
現在地での
変化
研究機関・人材など
他社の工場
都市政策
従業員の
年齢構成
拡張余地
既存工場の
存続
都市化・地価
工場跡地の活用方向
新設
全社的
位置付け
製品内容
交通・通信革新
既存工場の
縮小・増強
公園・緑地
公共施設
商業施設
マンション
所有
地域
継続
イノベー
ション
自社の
政策
オフィス
研究開発拠点
研究開発拠点化
企業の立地調整と工場跡地利用の方向性 (松原作成)
図16-1 東海道線沿線大規模工場における土地利用変化(1974年~2010年)
鎌倉夏来「首都圏近郊地域における大規模工場の機能変化と跡地利用
―東海道線沿線を事例に―」( 2010年度東京大学教養学部卒業論文)
図16-2
東海道線沿線大規模工場における土地利用変化(1974年~2010年)
鎌倉夏来「首都圏近郊地域における大規模工場の機能変化と跡地利用
―東海道線沿線を事例に―」( 2010年度東京大学教養学部卒業論文)
図17 東海道線沿線大規模工場における機能変化
(各社の社史および聞き取り調査より鎌倉夏来作成)
図18 産業立地政策の転換
1970・80年代
地方分散の
促進・均衡ある
発展
1990年代
空洞化防止と
新規成長分野
の発展促進
2001年~
競争力のある
地域産業・企業
の発展支援
太平洋ベルト
地帯構想
工業再配置促進法
(2006年廃止)
地域産業集積
活性化法
(2007年廃止)
産業クラスター
計画
(2001年~)
工業等制限法
(2002年廃止)
工場立地法
1950・60年代
臨海部における
重化学工業の
推進
新産業都市
建設促進法
工業整備特別
地域促進法
(2001年廃止)
テクノポリス法
頭脳立地法
(2005年廃止)
地方拠点法
新事業創出
促進法
中小企業
新事業
活動促進法
知的クラスター
創成事業
(2002年~)
企業立地
促進法
(2007年~)
社会ネットワーク分析+GIS(地理情報システム)
M.K.
Y.U.(e)
S.S.(to)
Y.K.
A.U.(e)
T.U.(e)
I.U.(e)
凡例
産
学
I.K.
公
図19-1: 研究実施主体間ネットワークの総括図(東北)
(2001~2007年度 経済産業省 地域新生コンソーシアム研究開発事業資料を基に與倉豊作成).
O.S.
K.U.(e)
O.U.(e)
F.K.
S.S.(ka)
F.U.(e)
K.U.(a)
K.I.T. K.S.
凡例
産
学
公
図19-2 研究実施主体間ネットワークの総括図(近畿)
(2001~2007年度 経済産業省 地域新生コンソーシアム研究開発事業資料を基に與倉豊作成).
凡例
")
ライフサイエンス100km未満
産
#
##
学
ライフサイエンス全て
")
公
^
その他
##
##
#
")##
^#
")##
")#")#")##
##
#
#
##
#
###
^")##
##
#")#
#
)"#
##
#^")
#
")#")
##
") ##
####
")##
#
")
####
")
^##")")
#
##
#
# ##
#
#### #
##
#
###
### # #
")
##^")#
#")#
##")##
##
#
##
")
###
#
#
#
")
##") #
#
# ##
")##
##
#
")#")# ###
# )"#
#
")
# ##") #
^# #####
#
")")#")# #
#
#
#
#
#
#
")#
#
###
#
#
# ##
#
#
#
#
#
#
#
#
"
)
") ")
#
")
#
#
##
#")#
#
")##
#
#
#") ##
##
#
##
#
##^
#")
")
")#
^# #
")")# ")
#
## # #")## #
#")^#
#
##
##^####
##
####
###
#")")
#
## # ###
# ^# ##
# ")
#
±
0
#
")
#") ")#
100
200 km
図20-1:ライフサイエンス分野における研究実施主体間ネットワーク
(2001~2007年度 経済産業省 地域新生コンソーシアム研究開発事業資料を基に與倉豊作成).
凡例
製造技術100km未満
#
#^#
")#
#
#
産
")
#^")#
学
製造技術全て
#
##
")
公
^
その他
#
")
#
^
##
##")##
#
#
# #
")
#
#
")### #
#")## # ## ## ##
")#")
##
") ")
##
#
#")^##
#
##
")
")#^#^
#
#
#
#
") #
")")#
###
#
## ##")
# ##
")
")
# # # ####^#
#
##
") #
)"#
##")# ") #
# ") # #")##
# ##
")#
##
")####
") ###
#
")
#
#
#
")# ##")##
###
##
")
#
##
") #
# #
^")
###
##
##
#
##
##
#
#
#")#
#
##
#
##
#
#
#")#
#
###
#
##
##
#
#
##
")#
#
#")
#
#
") #
#
#
")##
")####
#
#
)"
#
## ")
#####")#
###
## ##
#
#
##
#
") ### #
## #
") ## ##
#
#
## #
# ###")#
####^##
##
##")##")#### ##
#
#
###
#
#
"
)
#
#
#
#
#
^
#
#
#
#
#
#
#
#
#
#
#^#
#")^####
#
") # ")
## #
###
## #
#
###
#
")")##
##")##
###
#")#
#
")###
#
#
#
"
)
#
#
#
")^#####
##
#")
#
##
#")###^#
#
#
#
## #
##
#####")## ### #
###
#
## ###
# ###")##
#") #
# # # #
#
#
##
±
0
#
100
200 km
#
図20-2:製造技術分野における研究実施主体間ネットワーク
(2001~2007年度 経済産業省 地域新生コンソーシアム研究開発事業資料を基に與倉豊作成 )
21
グローバル化
産業配置
国土利用
地域経済
地域政策
少子・高齢化
図22 地域構造論の分析枠組みの変型
(松原作成)
参考文献
注:紫色で示した文献は、ダウンロード可能
・松原 宏
『経済地理学-立地・地域・都市の理論-』東京大学出版会, 2006年
『立地調整の経済地理学』(編著)原書房, 2009年
『産業立地と地域経済』(編著)放送大学教育振興会, 2012年
『日本のクラスター政策と地域イノベーション』(編著)東京大学出版会,2013年
『地域経済論入門』(編著)古今書院, 2014年
「企業立地の変容と地域産業政策の課題」『JOYO ARC』 2007年5月号
「日本企業の立地調整と産業立地政策の課題」 『JOYO ARC』 2012年7月号
「日本企業の立地調整と工場跡地利用」『不動産研究』54巻4, 2012年
「工業用地の地域的変化と工場跡地活用の方向性」『産業立地』52巻1,2013
「工場立地の4番目の「山」はできるのか」『日経ビジネス』2013.7.8, pp.62-66
・鎌倉夏来・松原 宏
「大規模工場の機能変化と進化経済地理学-首都圏近郊の東海道線沿線を
中心に-」『東京大学人文地理学研究』20号, 2012年
「広域関東圏における地域産業集積の変化と政策的課題-工業統計メッシュ
データの分析を中心に」『E-journal GEO』9巻2号, 2014年
三橋浩志・松原 宏・與倉 豊
『日本における地域イノベーションシステムの現状と課題』文部科学省科学技
術政策研究所 Discussion Paper No.52, 2009年