生 産 と 技 術 第61巻 第1号(2009) 高感度テラヘルツカメラの最前線 「非冷却TVフレームレートQVGAセンサ」 日本電気株式会社 誘導光電事業部 特 集 エグゼクティブエキスパート 小 田 直 樹 ■はじめに です。ボロメータは時間平均パワーが重要です。こ 私は NICT の委託研究「ICT による安全・安心を の時は 8.7μWがあったのですが、距離が 50 cm 程 実現するためのテラヘルツ波技術の研究開発」に 度あるので、湿気が多いか少ないかで受けるパワー 2007 年度から参加して、そこで開発してきた成果 メータ出力は2倍程度変わります。センサは市販の について述べます。概要として、①応用分野 ②セ ものを使用し、画素ピッチは 23.5μm です。 ンサの開発 ③ THz で高い透過率の材料開発 ④カメ 私たちが使っているボロメータは、すでに製品化 ラの開発 ⑤ THz における技術動向−などについて されています。アレイサイズ 640 × 480 の VGA と 話したいと思います。 320 × 240 の QVGA 。QVGA の方が値段も安くて好 まれているので、これを使ってテラヘルツでの高感 1.THz 応用分野 度化にトライしました。基本的な構造は MEMS 技 大雑把にいって 0.5 THz 以下の電磁波を服はほと 術を使っていて、シリコン読出回路に 320 × 240 の んど透します。その性質を用いて、この写真ように ICが入っています。ICのある領域には積分や信 Sago Systems 社では CWD(Concealed Weapon De- 号処理をする回路も増幅回路も入っていて、一種の tection)を90 GHz でやっています。Thru Vision 社 システムオンチップです。この上に宙に浮かした状 は 0.5∼0.6 THzを採用しています。私は Thru Vi- 態でボロメータ薄膜を保護膜でサンドイッチ状にし sion 社の方が良いと思っています。いずれにして ています。吸収したエネルギーが熱となってボロメ も製品としてどうなるかを今後見ていきたいと思い ータの抵抗が変わるので、溜まった熱を逃がさない ます。こうした製品が出現しているため、その領域 ようにするのがセンサの高感度化のポイントです。 にボロメータを持ち込んだとしても感度的に苦しい 支持脚をいかにして細く長く薄く作るのか、ダイア と思います。市場として狙う分野は、0.5∼10 THz フラムの製造プロセスマージンがどの程度あるのか の間のどこかで、例えば禁止薬物や医薬品、農薬、 によって検出器の歩留まりが決まってきます。この 食品分析、水分の有無、爆薬などに応用することを 想定しています。 2.非冷却 TV フレームレートTHz―QVGAセ ンサの開発 ■ボロメータ型非冷却赤外線QVGAセンサの THz感度 赤外線 QVGAセンサのテラヘルツ感度について、 2006年 11月に測定しました。QCL を搭載したヘリ ウムのクライオスタットは動作温度 15 K。赤外線 カメラ TVS 200 GS のレンズをとり払ってオフアク シスミラーで集光したものを、メタルメッシュフィ ルターを通してどの程度の感度があるのかを測定し ました。メタルメッシュフィルターは、テラヘルツ を透過して 10μm 帯をブロックするタイプを使い ました。QCL の発振周波数は 3.1 THz、波長 97μm − 17 − 氏 講師 小田 直樹 生 産 と 技 術 第61巻 第1号(2009) アレイセンサは2階建て構造で、1階部だけの状態 例は1mm のシリコンの上に、パリレンCを両側に ではダイアフラムのフィルファクターが 60 %程度 15.8μm つけたものです。。狙いは3THz だったの で開口率が小さいので、庇を作ることで 90 %程度 ですが、設計がうまくいかなくて 2.7 THz になって までフィルファクターを上げてやります。23.5μm しまいました。しかしピーク透過率は 90 %を越え の画素に入射するエネルギーを庇で集め、熱伝導で ており、ゲルマニウムに比べて 3.5倍の改善が見ら ボロメータ薄膜に伝える仕組です。感度としては、 れます。 F/1という光学系を使って 640 × 480 では 30 Hz、 私たちのセンサは真空パッケージの中に入ってお 320 × 240 では 60 Hz のフレームレートで約 50 mK り、ゲルマニウムの窓を THz 波の検出用に無反射 の温度分解能が得られています。 コート付きシリコンの窓に換えました。無反射コー N I C T と2年前に感度評価実験を行いました。 トの製造条件について、パリレンの厚みと最大透過 QCL の時間平均パワーが約9μW。QCL の画像が 波長の制御性について調べました。波長 2.5μmか 映っていて、ピークの半値である点線で囲った領域 ら1mm の間の透過特性を、15.8、12.5、8.3、4.4μ よりパワーメータの受光サイズ2mmの方が大きい m の厚さのパリレン付のシリコンに対して測定し ので、エネルギーが点線の領域に入っていることが 検量線を引く。この図は無反射コート膜の厚さと最 分かります。等高線の半値幅の中の画素数が 1140 大透過波長の関係をグラフにしたもので、実線が実 と勘定できるので、メタルメッシュの透過率、ゲル 測値で点線が計算値です。1次の干渉、2次の干渉、 マニウム窓の透過率を用いると、NEP のパワーが 3次の干渉をデータが読める限りやったところ、矛 計算できます。 盾のない結果が出ているので、これを検量線としま した。透過材料を作る技術としては、この範囲内で ■ THz 感度の向上 あれば割と制御できると思います。 感度の向上について、次の3つをやりました。高 透過率材料について、高比抵抗シリコンと Zeonex という材料を TDS で測りました。S i の透過率は割 とフラットで、透過率と厚みと吸収率の計算式を当 てはめて、厚みを縦軸にとって透過率を横軸にとっ てみると、5mm の厚さに対して3T Hz で 46 %の 透過率なので、吸収係数は 0.3 cm -1という値が出ま す。同様に Zeonex でやってやると、透過率はいい のですが、1cm -1と吸収係数が大きい。Topsil 社の S i の透過率を波長 2.5μm から1mm までの約3桁 の範囲にわたって測定してみました。NICT の TDS、 NICT のブルッカー社の FTIR、私たちの FTIR のデ ータが何もせずスムーズにつながっているのは驚 きでした。波長 25μm から 50μm の透過率を平均 ■センサチップの高感度化 したものから 100μm 以外の波長でどの程度の吸収 BAE 社も当社も酸化バナジウムというボロメー 係数があるのかと、Topsil 社と TDY 社のもので測 タ材料薄膜を S i N 膜で挟んでいます。ここに金属 ってみました。両者とも大体 0.3cm -1 以下と吸収係 膜があって完全反射膜になり、ここが真空になって 数が小さい。Topsil 社 のものを論文で最初に見た います。この構造の場合、2通りの吸収メカニズム のですが、たぶん TDY のものも使えるのではない があります。1つはただ単に S i N 膜が吸収する。 かと思います。 これは S i N 膜の吸収特性で、10μm 帯、20μm 帯、 シリコンは屈折率が大きいので反射率も大きい。 30μm 帯でよく吸収しています。もう1つのメカ そこで THz での無反射コーティングを検討しました。 ニズムは干渉フィルターに用いられているもので、 パリレンCと SiO2 を成膜して比較しました。この この間隔を λ/4 にしてやると、波長λの電磁波に − 18 − 生 産 と 技 術 第61巻 第1号(2009) 対して効果的に吸収します。金属膜同士で誘電体を というものですが、その場合にパッシブカメラで5 挟むのですが、誘電体は透明でないといけません。 m 先の1m ×1m の所で何があるかを見つけ、そ S iN 膜は波長 60μm 以上でほぼ透明なので擬似光 の中の10 cm ×10 cm の所を詳しく見たい。空間分 学的共振構造で考えました。小技として金属薄膜の 解能については1cm 程度にしたい。そうすると自 シート抵抗を真空インピーダンス整 合した値 377 動的に焦点距離等が決まり、パッシブカメラの場合 Ω/□ からわざと変えてやり、ある計算をするとシ 28 mm、アクティブカメラの場合、1桁長い ート抵抗に対してこのような吸収率のカーブが得ら 280 mm の焦点距離になります。 れます。吸収率をとにかく高くしたいわけです。20 次にどれくらい画素積分とフレーム積分をしたら Ωとか 40 Ω、100 Ωくらいにシート抵抗をもってい よいのかと考えます。赤外と違って波長 100μmと ってやれば、3THz では当社比で6倍は感度が上 なると、フラウンホーファー回析限界が効いてきま がるだろうと予測しました。それがものの見事に当 す。パッシブで 40μm くらいの波長を見ないと SN たりました。他の波長でこれを見ると、例えば1 的にしんどいので、1.7 mrad@40μm という値が得 THz(300μm)に対して、このようなカーブにな られます。それに対して1画素の瞬時視野角を考え ります。300μm をやる時は 20 Ω程度にしてやった 合わせると、パッシブに対し3×3画素くらい、ア 方が感度はよくなることが推測されます。 クティブに対しては 24 × 24 画素くらい積分しても 従来の 320 × 240 のボロメータアレイにこのよう 構わないことになります。フレーム積分には条件が な金属薄膜をつけたもの、パッケージの窓として無 あって、5秒以内に1フレームをとることになって 反射コート付きのシリコンをつけてやると、SN が いるため、フレーム積分は 300 回までやるプログラ 6∼7しかなかったものが、SN 1000 くらいにまで ムを作りました。画素積分とフレーム積分の効果を 上がりました。アレイセンサ自体のNEP でいうと 24 × 24 くらいの範囲でしないといけないため、デ 当社比で6倍よくなっています。また BAE 社と比 フォーカスにして測定しました。上の図のデータが べると8倍くらいよくなっています。20Ω、40Ω、 参考の SN 比になります。41±4pW の NEP がそれ 100Ωを作ってみて、100Ωがいちばん悪くなるか に対応します。これが画素積分3×3、フレーム積 と予想していたら、そうではなく3条件に対して 分 64 回(1秒のフレームレート)という積分効果 NEP は同じように改善されていることが分かりま によってノイズが見えなくなっています。そして した。 SN は8倍よくなっています。これはパッシブカメ ラに対応します。アクティブカメラの方は 24 × 24 まで画素積分できますから、64 回のフレーム積分 と合わせて、SN が 60 倍よくなっています。そのか わり空間分解能は悪くなります。信号処理によって これくらい SN が向上するのが分かります。画素積 分とフレーム積分のどちらがどう効いているのか。 じつはフレーム積分というのはあまり効いていなく て、最後の1ビット辺りで量子化ノイズが出てきた りして、64 回や 300 回近くやっても2∼3倍くら いしか SN は上がりません。ということは画素積分 がほとんど効いています。 3.THz カメラの開発 次に信号処理です。N I C T のプロジェクトでは、 ■ THz カメラ光学系 広視野のパッシブカメラと狭視野のアクティブカメ 昨年度にテラヘルツの光学系を開発しました。ア ラを作ることになっています。目的は5m 程度先 クティブカメラは 30 cm くらいの焦点距離になるの の災害現場の向こうにある生命体を見つけてやろう で、非球面ミラーにしました。悩んだのはパッシブ − 19 − 生 産 と 技 術 第61巻 第1号(2009) の方です。まずは透過率を重視することから薄く作 にしました。量子カスケードレーザは時間平均パワ ることに注力しました。2枚合わせて3mm 程度の ー7μm。ペーパーカッターナイフを黒いポリエチ 厚みで、第1番目のレンズは非球面レンズ、第2番 レンバッグの中に入れて見た画像がこれです。クラ 目のレンズはフレネルレンズという日本初のものだ イオスタット内部の 15 K の黒体輻射の非常に低い と思います。アクティブカメラとパッシブカメラは レベルを背景に、300 K のナイフを出し入れした状 1つの台上に載っていて、方位角方向と仰角方向に 況です。黒いポリエチレンを透しても見ることがで 変えられます。ある方向を見てやって、パッシブカ きました。もう1つ、中国の1元硬貨を反射モード メラのうちどこを見たいかということで、アクティ で測ったところ、これも分かりました。動画では、 ブカメラの所に別な台を設けて方位角方向と仰角方 チョッパを置いた状態とその前に紙を置いて遮った 向に変えられるようにしています。アクティブカメ 状態で測りました。QCL 光源がうっすらと見えて ラでは、QCLから出てきた THz 波を放物面鏡でコ いますが、紙は3テラヘルツぐらいを透すことがよ リメートして走査鏡で方向を変えてやることを考え く分かるのではないでしょうか。性能はまだ悪いで ています。 すが、最初の画像としては出てよかったというのが 非球面・フレネルレンズの性能ですが、10 月8 正直な心境です。 日に実験をしました。まず 320 × 240 の真ん中に QCL のビームを入れて、カメラを振ってやって四 隅にビームをあてるビームの画像を比べます。真ん 中に対し周辺のビーム形状があまりずれていないの で、デザインとして適していると思います。実験で 気づいたことは、ピーク値 772、823、787 など5% 程度の誤差なら許せるが、1つだけピーク値 1046 というのがありました。これはおそらくセンサチッ プ自体が対角方向に感度勾配があることを示してい るのではないかと思います。このカメラを検査する 際に波長 10μm 帯の赤外でしか感度較正していな いわけで、波長 100μm では感度ムラが出てきてい ると思います。最終製品にするにはテラヘルツの使 いたい波長にフィルターをつけて、フォーカルプレ ■世界の技術動向 イアレイを照らす光源があって、テラヘルツで感度 これは M I T の QCL 光源とブリティッシュエア 補正のテーブルを出荷時に入力しないといけないと ロスペース(BAE 社)の赤外カメラのコンビネー 考えています。レンズとしては成功しているが、副 ションです。M I T は、M I T と鉛筆で描いた文字を 産物として 10μm 帯で合わせた感度補正のテーブ 封筒の中に入れて、透過モードと反射モードで測っ ルが、波長 100μm には適用できないことが分かり た。彼らはメタルメッシュフィルターを使わずに、 ました。 フレーム1の時に QCL をオンにして赤外バックグ ラウンドを含んだ画像、次に QCL をオフにし、1 ■画像(第1報) フレーム休んでフレーム3の時に 赤外バックグラ 10 月8、9日、2つのモードで画像取得実験を ウンドの画像を取得し、その差をとって MIT と出る。 NICT で行いました。3THz の QCL 光源を置き、 透過モードでは1回のフレーム積分で出ているので 2枚の軸外し放物面鏡の間にサンプルを入れ、THz すが、反射モードでは紙で散乱されているので 20 カメラを用いて透過モードで測りました。もう1つ 回足しても1回の画像よりもよくないようです。 は反射モードで測りました。テラヘルツカメラとし ネイビィ・ポストグラジュエート・スクールにい ては QVGA のセンサを用い、メタルフィッシュフ るベーンケン氏らも QCL を開発しています。エピ ィルターを新たに購入して35μm 以上を透すもの 層の厚みが14μm 程度で、クライオスタット内に − 20 − 生 産 と 技 術 第61巻 第1号(2009) 放物面鏡を入れ、集光してパワーをなるべく取り出 にあててランバーティアンな散乱を想定する。吸収 しています。波長2.8 THz レーザの光源で不透明な 係数の少ない波長 88μm の所を見ても 0.2 m -1 くら テープで包んだ刃が見えています。この表で示した い大きい。これを計算式にあてはめ 23.5μm ピッ のは QCL とボロメータのコンビネーションでやっ チの画素に何ワット入ってくるのかを計算すると、 ているチームの技術動向です。酸化バナジウムのボ このようなグラフが得られます。距離がゼロの所で ロメータということで、どれも構造は似ています。 数 pW、それが指数関数で落ちていくので、なかな BEA 社と私たち NEC の改造前の感度は非常に似て か難しい。結論的に言えば、応用として近い距離で います。NEC 改良版はよくなっています。現在は 顕微鏡的に使うのがよいのではないかと思います。 NICT で、ミリワットを超えるようなものを研究し 例えば創薬、薬の原料が流れて来た時に波長λ1、 ていただいています。 λ2、λ3 としてマルチ波長で、透過で撮って、主 成分分析をやるというのが1つの解ではないかと思 ■ THz における大気透過と Sta ndoff range います。さきほどのプロテインの免疫反応ですが、 波長 10μm 帯とテラヘルツでは、波長毎の輝度が バイオエクスポで E L I S A という方法があって、同 桁で違います。300 K の黒体輻射で6桁。またテラ 方法の2番の所で、テラヘルツで測れれば画期的で ヘルツになると大気吸収が非常に大きいという特徴 しょうかと私が質問したら、バイオエクスポの人は があります。次にテラヘルツでは 10μm 帯に比べ それは画期的です。1から5番までのプロセスをや てダイナミックレンジが小さい。300 K と 500 K で るのは大変だと答えるとともに、かつラベリング分 は波長 10μm 帯だと1桁変わるのですが、波長 子を付けることが必ずしもできるとは限らない、ラ 100μm だと2∼3倍にしか変わりません。コント ベリング分子を付けることで反応がモデファイされ ラストが非常に少ない世界です。大気の透過につい る場合があると言われていました。テラヘルツで てはモデル計算があるのですが、必ずしも正確では E L I S A 法の2番目の段階で免疫反応が分かるなら、 ありません。そこで名古屋大学でガスセル長2m、 生物剤の検知やたんぱく質の検知に威力を発揮する 周波数分解能 約 150 GHz の条件の下で1THz から だろうと思います。 11 THz までの吸収係数を測定してもらいました。 このデータを使ってどのくらいの距離まで見えるの か。例えば 300 K の所に温度差 10 K の人間が居た 場合に、F1の光学系(総合透過率 65%のレンズ) で観測した場合、1画素あたりに入ってくるエネル ギーの距離依存性を示したのが、この図です。波長 50μm 以上の THz を検出した場合にこのようなグ ラフになります。30μm 以上の波長の電磁波を入 れると、5∼6倍多いエネルギーが入ってきます。 つまり 10 THz 以下の電磁波を入射させないとパッ シブとしてなかなか難しい。感度が 40 pW、積分し ても受かるのですが、基本的にリアルタイムでやろ うとすると5m の距離だと実際には難しいことが 分かります。5m 以下に限った場合の目標 NEP は 10 pWと書いてありますが、実際に SN6∼7を眼 ■まとめ で見るというのは非常に難しく、パッシブでは1m 感度向上のためにセンサチップの高感度化、高透 以内のところが実用化できるところではないかと思 過率材料の開発、信号処理を行い、更に THz カメ います。 ラを開発して、動画を撮りました。3∼ 10 THz で アクティブに関して、例えば時間平均 10 mWパ のスタンドオフ・レンジとして、1m くらいの近 ワーの光源があったとして、それを面積 A のもの 距離でやるのがよいのではないかと思っています。 − 21 −
© Copyright 2024 ExpyDoc