ディジタル・オシロスコープによる振幅と周期の測定

第2章 デジタル・オシロスコープによる
振幅と周期の測定
Measurement of Amplitude and Frequency by Oscilloscope
2.1 目的
オシロスコープにより電気信号の振幅と周期を測定し、機器の使用方法を習得する。
2.2 理論
オシロスコープは、時間とともに変化する電圧 V(t) の波形をモニター上に表示して観察
する装置である。オシロスコープでは、波形観測の他に振幅、位相、周波数などの測定が可
能である。
2.3 方法
各自のデジタル・オシロスコープの CH1にプローブを取り付け、低周波発振器の出力端
子にプローブをつなぐ。なお、発振器の出力にはデジタルマルチメータ(DMM)も接続し、両
方同時に測定できるようにする。
デジタル・オシロスコープ
デジタルマルチメータ
低周波発振器 B
1.234 V
CH1
+
プローブ
図2.1: デジタル・オシロスコープによる振幅と周期の測定概要図
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2.3.1 オシロスコープによる正弦波振幅の測定
オシロスコープによる正弦波振幅の測定手順は、以下の通りである。
1.図2.1のように結線する。
2.低周波発振器B のWAVE FORM スイッチを「正弦波」にする。
3.低周波発振器B の周波数 f をFREQ RANGE レンジと可変ダイアルで40~400(Hz)
の範囲で指定された周波数に固定する。
4.低周波発振器B の減衰率(ATTENUATORまたはATTENUATION(2 重つまみの外側)
つまみ)を0 (dB)にする。
5.低周波発振器B のAMPLITUDEまたはATTENUATION(2 重つまみの内側)つまみを
回転し、DMMを見ながら任意の出力電圧 V に設定する。
6.デジタル・オシロスコープで、カーソルを使って振幅(Y1, Y2, ΔY )を測定する。これ
らの値から実効値 Veff を求める。
7. 出力電圧を変更して、5.と6.を3つの別条件で行う。
2.3.2 オシロスコープによる周期の測定
オシロスコープによる周期の測定手順は、以下の通りである。
1.図2.1のように結線する。
2.低周波発振器B のWAVE FORM スイッチを「正弦波」にする。
3.低周波発振器B の減衰率(ATTENUATORまたはATTENUATION(2 重つまみの外側)
つまみ)を0 (dB) にする。
4.低周波発振器B のAMPLITUDEまたはATTENUATION(2 重つまみの内側)つまみを
回転し、DMMを見ながら指定された出力電圧 V に固定する。
5.低周波発振器B の周波数 f をFREQ RANGE レンジと可変ダイアルで40~400(Hz)
の範囲で任意の周波数に設定する。
6.デジタル・オシロスコープで、カーソルを使って周期(X1, X2, ΔX )を測定する。こ
れらの値から周波数 f を求める。
7. 周波数を変更して、5.と6.を3つの別条件で行う。
2.3.3 オシロスコープによる方形波振幅の測定
オシロスコープによる方形波振幅の測定手順は、以下の通りである。
1.図2.1のように結線する。
2.低周波発振器B のWAVE FORM スイッチを「方形波」にする。
3.低周波発振器B の周波数 f をFREQ RANGE レンジと可変ダイアルで40~400(Hz)
の範囲で指定された周波数に固定する。
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4.低周波発振器B の減衰率(ATTENUATORまたはATTENUATION(2 重つまみの外側)
つまみを0 (dB) にする。
5.低周波発振器B のAMPLITUDEまたはATTENUATION(2 重つまみの内側)つまみを
回転し、DMMを見ながら任意の出力電圧 V に設定する。
6.デジタル・オシロスコープで、カーソルを使って振幅(Y1, Y2, ΔY )を測定する。これ
らの値から実効値 Veff を求める。
7. 出力電圧を変更して、5.と6.を3つの別条件で行う。
2.4 結果
2.4.1 オシロスコープによる正弦波振幅の測定結果
設定周波数
f(Hz)
減衰率
(dB)
DMM電圧 電圧レンジ 電圧(正) 電圧(負) 電圧(幅) 実効値
V(V)
(V/div)
Y1(V) Y2(V) ΔY(V) Veff(V)
2.4.2 オシロスコープによる周期の測定結果
設定周波数
f(Hz)
減衰率
(dB)
DMM電圧
V(V)
時間レンジ
(sec/div)
時間
時間(幅) 周波数
時間
X1(sec) X2(sec) ΔX(sec) fosc(Hz)
2.4.3 オシロスコープによる方形波振幅の測定結果
設定周波数
f(Hz)
減衰率
(dB)
DMM電圧
V(V)
電圧レンジ 電圧(正) 電圧(負) 電圧(幅) 実効値
Y2(V) ΔY(V) Veff(V)
(V/div)
Y1(V)
ここで得られたデータは、2.6 問題の実測例として利用する。
2.5 注意
オシロスコープで使用するプローブは壊れやすい。扱いには十分注意すること。
2.6 問題
交流電圧測定に設定したデジタルマルチメータに直流または正弦波以外の波形を入力した場
合、どのような電圧値を示すか。また、デジタル・オシロスコープではどのような電圧値になる
かを調べよ。
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