高強度ネット工法による 斜面安定工、落石予防工 クモの巣ネット工法

POWER
斜面安定工、落石予防工
環境に優しい
高強度ネットによる斜面安定工
従来の代表的な斜面安定対策工は、コンクリート構造物が主でした。
しかしながら、地球規模での環境改善が重要となっている今、対策工も従来型から環境負荷低減型
への転換が望まれております。
高強度ネット工法は、CO2排出量の大幅削減の他にも、次のような様々な利点があります。
産業廃棄物の大幅削減
周辺景観との調和
騒音・振動・粉塵の大幅削減
交通規制の削減
大気・土壌・水質の汚染減少
省エネルギー・省資源化の向上
高強度ネット工法による
斜面安定工、落石予防工
クモの巣ネット工法
NETIS:KT-020056-VE
施工手順
パワーネット工法
建設技術審査証明(砂防技術): 第1401号
NETIS:KT-080009-A
ピッチ割り、芯出し
削孔(人力、機械装着式、機械吊下げ式、単管足場など)
接続金具( T3 )取付
プレート設置、締付け
(写真はスパイクプレート)
完了
グラウト材注入・補強材挿入
高強度ネット敷設(人力、クレーン車など)
植生工(オプション)
( 植生基材吹付、植生シート、
植生マットなど )
お問い合わせ
EPN エコ・パワーネット工法会
http://isabou.net/epn/
2015.04.01-EPN
POWER
対策工の転換 CO2排出量の削減
既設吹付け面等の補修・補強
高強度ネット工法とは
1/6~1/9
高強度ネット工法/ 従来工法
(吹付枠 断面200と300との材料比較)
高強度ネット工法は、従来の枠構造物等とは異なり、素線強度1,770N/mm2の
老朽化したモルタルを取り壊して、また同じ吹付けをしますか?
高強度ネットと補強材(異形棒鋼)とを組合せた柔構造の斜面対策工法です。
高強度ネットの力学的特性を十分に発揮させることにより、安全かつ短い工期
で斜面安定や転石・浮石の不安定化を防止することができます。
コンクリート
構造物
高強度ネットにより、異形棒鋼間の崩落を抑止します。
産業廃棄物の発生が大幅に少なくなります。
 不安定な斜面表層などの全体を高強度ネットで覆い、安定地盤に補強材で固定する構造です。
 高強度ネットには、強度と屈撓性(くっとうせい)およびワイヤ構造が異なる、TECCO(テコ)ネットとSPIDER
(スパイダー) ネットの二種類があります。(屈撓性 ; 応力によりしなやかに曲がること)
老朽化した既設吹付け面の例
既設吹付け面の剥離破壊状況例
 TECCO(テコ)ネットは表層崩壊の恐れがある斜面に、SPIDER
(スパイダー)
ネットは転石・浮石対策として
用います。
(寒冷地でよく見られます。)
老朽化したモルタルを取り壊し、再吹付けする方法には、様々な課題が
防食性能が高い高強度ネットの使用により、法枠工と同等の拘束効果が得られるようになりました。 あります。
高強度ネット
工法
道路幅が狭い箇所等においても、施工が容易な工法です。
仮設防護柵が不要になったり、交通規制の縮減・低減がで
きます。
高強度ネット工法の特徴 また簡便な構造なので工期が短縮でき、緊急対策工事とし
ても適しています。
安全性
高強度ネット工法の種類
使用する高強度ネット
の種類と用途
既設吹付け箇所は、表層の風化が進行して脆弱化していることが予想され、また、吹付材
工 法 名
でわずかに支えられていることがあります。
この状態で取り壊すと、脆弱層の崩落発生もありえます。
クモの巣ネット工法
仮設備
TECCOネット
【斜面安定工】
高強度ネット工法
TECCOネット
取り壊し時の飛来防止として、H鋼を用いた強固な落石防護柵設置の他、新規吹付けのた
めの吹付プラントが必要になります。
【斜面安定工】
パワーネット工法
また、工事完了まで、仮設備を長期間設置し続けることになります。
SPIDERネット
産業廃棄物
【落石予防工】
取り壊し材、新規吹付の跳ね返り材等が産業廃棄物として大量に発生します。
騒音・粉塵・排ガス・交通規制
取り壊しする時や新規に吹付けする時に、騒音・粉塵・排ガスが多く発生します。
また、交通止めや片側交通等の規制を伴うことになります。
工程
手間のかかる工種が多く、仮設備の設置から撤去まで、工事は長期化する傾向にあります。
クモの巣ネット工法頭部の一例
パワーネット工法頭部の一例
耐久性
(クモ用プレート)
(スパイクプレート)
前と同じ工法を施工しますので、近い将来に、再々度の施工が必要になることが想定されます。
パワーネット工法のNETIS掲載期間は満了しました。
POWER
2015.04.01-EPN
クモの巣ネット工法とパワーネット工法の比較
POWER
パワーネット工法
高強度ネットの諸元
SP ID ER S4
TECCO
SPIDER S4
TECCO P65
型 式
表層崩壊性斜面におけるパワーネット工法の設計は、①表層すべり、②中抜け(局部崩壊)
のそれぞれに対する検討を行い、ネイル間隔や仕様を決定します。また、一定の締付け力を
施工直後から与えますので、深さ1.5m程度までの想定すべりに対して効果的です。
落石予防工においては、形態が千差万別であるため、個々に調査・設計します。
形状・寸法
2・
t
高強度ネット
b
δ
Z
PA
すべり層
W
δ
締付け力
V
ネット寸法
δ
締付け力による
すべり土塊の拘束
β
すべり面
α(=θ)
すべり土塊の
重量:W
292×500 mm(±5%)
W・sinα
83S×143 mm(±5%)
θ
W・cosα
4.0 mm
素線径
3.2 mm
地山の抵抗力
8.6 mm (1×3)
α
高張力硬鋼線相ネイル
当
高張力硬鋼線相当
ブロック1
2・
δ
450
400
350
300
250
200
150
高強度ネット(TECCO)
100
50
0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100110120130140150160170
荷 重 (Load) [kN]
高強度ネットと一般的な金網の素線引張り強度特性比較
(TECCOの場合)
ブロック2
3.4 網目/m
縦方向の
網目数
2 網目/m
2
θ
δ
S2
12 網目/m
エコ・パワーネット工法会は、工法の安全性や信頼性、部材の品質を確保するために、考えられる
様々な試験および実験を行っています。
7 網目/m
局部崩壊モデルB
1.77 kg/m2
パワーネット工法による局部崩壊安定の考え方
3 .5 m
3.5 m
ロール長さ
標準構造
1,770 N/mm2
2
2
パワーネット工法による表層崩壊性斜面安定の考え方
2.7 kg/m2
単位質量
試験および実験
1
W2
β
20 m
30 m、15m
パワーネット工法は,高強度の素線を編んだTECCOネット、
またはSPIDER ネット、異形棒鋼等のネイル、スパイクプレー
防食構造
トなどを組合わせた柔構造を特徴とします。
ヘッドナット
WIRE
GEOBRUGG
SUPERCOATING®
[斜面に敷設された高強度ネット]
防食性能
一般的な金網
12.5 kN
X
1
1,770 N/mm
X
Z
PB
支圧力の効果
V・cos(α+δ)+
2
V・sin(α+δ)・tanφ
1
66.5 kN(ストランド強度)
横方向の
網目数
ロール幅
500
W1
S
引張強度
550
すべりに対する抵抗力
b
素線強度
600
引張試験結果を高強度ネットと一般的金網(JIS3552
φ3.2-50×50)で比較してみました。
一般的な金網の素線引張強度は、高強度ネットの
1/4~1/5ですが、その強度値以外にも斜面安定工の
材料に必要と思われる特性に違いが見えます。
右のグラフは、変位量と破断するまでの荷重を示した
もので、両者とも立ち上がりはほぼ同じです。しかし、変位
量が200~300mm付近になると、一般的な金網はどん
どん伸び、40kN付近で破断しています。
一方、高強度ネットは破断するまで大きな荷重に耐え、
「粘り強さ」が顕著に現れています。
SPIDER
斜面安定には、この粘り強さの特性が有効なのです。
-
t
素θ
線
局部崩壊モデルA
1
ストランド径
■高強度ネットの特性
変 位 (Deformation) [mm]
設計
名
称
高強度ネットの引張特性
パワーネット工法施工事例
高強度ネット
(TECCO,SPIDER S4)WIRE
GEOBRUGG
®
SUPERCOATING
グラウンドマット
施工目的に応じて、TECCOネットあるいはSPIDERネットを
選びます。
-
[ネイル頭部のヘッドナットとスパイクプレート]
締付け力によって、高強度ネットとネイルを一体化させます。
パワーネット工法の模型実験
締付けによる地盤拘束実験
PET COATING
左実験 頭部の拡大
グラウト
スパイクプレート
44年(田園地帯)
TECCOネット
プレート拘束下の横引き試験
【促進試験】 塩水噴霧試験 2,500時間 DIN50017
または ASTM B117 錆びの発生無し
UV照射試験
ネイル 2,500時間 ASTM G53
PETの品質に変化なし
スペーサー
[不動地山に定着されたネイル]
不安定な表層や岩塊を、高強度ネットを介して安定化させます。
POWER
2015.04.01-EPN
パワーネット工法の標準構造
TECCOネット
ネットの押し抜き試験
SPIDER S4ネット
周縁ロープへの荷重分担試験
SPIDER S4ネット
引張試験
POWER
クモの巣ネット工法
クモの巣ネット工法は、高強度ネットとクモ用プレートおよび補強材などを組み合わせ、深さ3.0m
までの表層崩壊を抑止する工法です。また、崩壊土塊の中抜けの心配もありません。
設計
クモの巣ネット工法は、全体の安定については補強工で抵抗するものと考え、補強材
間の中抜け(すり抜け)に対しては高強度ネットの引張力で抵抗します。また、その
抵抗力は、クモ用プレートと高強度ネットの交点数が有効とします。
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2015.04.01-EPN
クモの巣ネット工法施工事例
POWER
パワーネット工法
高強度ネットの諸元
SP ID ER S4
TECCO
SPIDER S4
TECCO P65
型 式
表層崩壊性斜面におけるパワーネット工法の設計は、①表層すべり、②中抜け(局部崩壊)
のそれぞれに対する検討を行い、ネイル間隔や仕様を決定します。また、一定の締付け力を
施工直後から与えますので、深さ1.5m程度までの想定すべりに対して効果的です。
落石予防工においては、形態が千差万別であるため、個々に調査・設計します。
形状・寸法
2・
t
高強度ネット
b
δ
Z
PA
すべり層
W
δ
締付け力
V
ネット寸法
δ
締付け力による
すべり土塊の拘束
β
すべり面
α(=θ)
すべり土塊の
重量:W
292×500 mm(±5%)
W・sinα
83S×143 mm(±5%)
θ
W・cosα
4.0 mm
素線径
3.2 mm
地山の抵抗力
8.6 mm (1×3)
α
高張力硬鋼線相ネイル
当
高張力硬鋼線相当
ブロック1
2・
δ
450
400
350
300
250
200
150
高強度ネット(TECCO)
100
50
0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100110120130140150160170
荷 重 (Load) [kN]
高強度ネットと一般的な金網の素線引張り強度特性比較
(TECCOの場合)
ブロック2
3.4 網目/m
縦方向の
網目数
2 網目/m
2
θ
δ
S2
12 網目/m
エコ・パワーネット工法会は、工法の安全性や信頼性、部材の品質を確保するために、考えられる
様々な試験および実験を行っています。
7 網目/m
局部崩壊モデルB
1.77 kg/m2
パワーネット工法による局部崩壊安定の考え方
3 .5 m
3.5 m
ロール長さ
標準構造
1,770 N/mm2
2
2
パワーネット工法による表層崩壊性斜面安定の考え方
2.7 kg/m2
単位質量
試験および実験
1
W2
β
20 m
30 m、15m
パワーネット工法は,高強度の素線を編んだTECCOネット、
またはSPIDER ネット、異形棒鋼等のネイル、スパイクプレー
防食構造
トなどを組合わせた柔構造を特徴とします。
ヘッドナット
WIRE
GEOBRUGG
SUPERCOATING®
[斜面に敷設された高強度ネット]
防食性能
一般的な金網
12.5 kN
X
1
1,770 N/mm
X
Z
PB
支圧力の効果
V・cos(α+δ)+
2
V・sin(α+δ)・tanφ
1
66.5 kN(ストランド強度)
横方向の
網目数
ロール幅
500
W1
S
引張強度
550
すべりに対する抵抗力
b
素線強度
600
引張試験結果を高強度ネットと一般的金網(JIS3552
φ3.2-50×50)で比較してみました。
一般的な金網の素線引張強度は、高強度ネットの
1/4~1/5ですが、その強度値以外にも斜面安定工の
材料に必要と思われる特性に違いが見えます。
右のグラフは、変位量と破断するまでの荷重を示した
もので、両者とも立ち上がりはほぼ同じです。しかし、変位
量が200~300mm付近になると、一般的な金網はどん
どん伸び、40kN付近で破断しています。
一方、高強度ネットは破断するまで大きな荷重に耐え、
「粘り強さ」が顕著に現れています。
SPIDER
斜面安定には、この粘り強さの特性が有効なのです。
-
t
素θ
線
局部崩壊モデルA
1
ストランド径
■高強度ネットの特性
変 位 (Deformation) [mm]
設計
名
称
高強度ネットの引張特性
パワーネット工法施工事例
高強度ネット
(TECCO,SPIDER S4)WIRE
GEOBRUGG
®
SUPERCOATING
グラウンドマット
施工目的に応じて、TECCOネットあるいはSPIDERネットを
選びます。
-
[ネイル頭部のヘッドナットとスパイクプレート]
締付け力によって、高強度ネットとネイルを一体化させます。
パワーネット工法の模型実験
締付けによる地盤拘束実験
PET COATING
左実験 頭部の拡大
グラウト
スパイクプレート
44年(田園地帯)
TECCOネット
プレート拘束下の横引き試験
【促進試験】 塩水噴霧試験 2,500時間 DIN50017
または ASTM B117 錆びの発生無し
UV照射試験
ネイル 2,500時間 ASTM G53
PETの品質に変化なし
スペーサー
[不動地山に定着されたネイル]
不安定な表層や岩塊を、高強度ネットを介して安定化させます。
POWER
2015.04.01-EPN
パワーネット工法の標準構造
TECCOネット
ネットの押し抜き試験
SPIDER S4ネット
周縁ロープへの荷重分担試験
SPIDER S4ネット
引張試験
POWER
対策工の転換 CO2排出量の削減
既設吹付け面等の補修・補強
高強度ネット工法とは
1/6~1/9
高強度ネット工法/ 従来工法
(吹付枠 断面200と300との材料比較)
高強度ネット工法は、従来の枠構造物等とは異なり、素線強度1,770N/mm2の
老朽化したモルタルを取り壊して、また同じ吹付けをしますか?
高強度ネットと補強材(異形棒鋼)とを組合せた柔構造の斜面対策工法です。
高強度ネットの力学的特性を十分に発揮させることにより、安全かつ短い工期
で斜面安定や転石・浮石の不安定化を防止することができます。
コンクリート
構造物
高強度ネットにより、異形棒鋼間の崩落を抑止します。
産業廃棄物の発生が大幅に少なくなります。
 不安定な斜面表層などの全体を高強度ネットで覆い、安定地盤に補強材で固定する構造です。
 高強度ネットには、強度と屈撓性(くっとうせい)およびワイヤ構造が異なる、TECCO(テコ)ネットとSPIDER
(スパイダー) ネットの二種類があります。(屈撓性 ; 応力によりしなやかに曲がること)
老朽化した既設吹付け面の例
既設吹付け面の剥離破壊状況例
 TECCO(テコ)ネットは表層崩壊の恐れがある斜面に、SPIDER
(スパイダー)
ネットは転石・浮石対策として
用います。
(寒冷地でよく見られます。)
老朽化したモルタルを取り壊し、再吹付けする方法には、様々な課題が
防食性能が高い高強度ネットの使用により、法枠工と同等の拘束効果が得られるようになりました。 あります。
高強度ネット
工法
道路幅が狭い箇所等においても、施工が容易な工法です。
仮設防護柵が不要になったり、交通規制の縮減・低減がで
きます。
高強度ネット工法の特徴 また簡便な構造なので工期が短縮でき、緊急対策工事とし
ても適しています。
安全性
高強度ネット工法の種類
使用する高強度ネット
の種類と用途
既設吹付け箇所は、表層の風化が進行して脆弱化していることが予想され、また、吹付材
工 法 名
でわずかに支えられていることがあります。
この状態で取り壊すと、脆弱層の崩落発生もありえます。
クモの巣ネット工法
仮設備
TECCOネット
【斜面安定工】
高強度ネット工法
TECCOネット
取り壊し時の飛来防止として、H鋼を用いた強固な落石防護柵設置の他、新規吹付けのた
めの吹付プラントが必要になります。
【斜面安定工】
パワーネット工法
また、工事完了まで、仮設備を長期間設置し続けることになります。
SPIDERネット
産業廃棄物
【落石予防工】
取り壊し材、新規吹付の跳ね返り材等が産業廃棄物として大量に発生します。
騒音・粉塵・排ガス・交通規制
取り壊しする時や新規に吹付けする時に、騒音・粉塵・排ガスが多く発生します。
また、交通止めや片側交通等の規制を伴うことになります。
工程
手間のかかる工種が多く、仮設備の設置から撤去まで、工事は長期化する傾向にあります。
クモの巣ネット工法頭部の一例
パワーネット工法頭部の一例
耐久性
(クモ用プレート)
(スパイクプレート)
前と同じ工法を施工しますので、近い将来に、再々度の施工が必要になることが想定されます。
パワーネット工法のNETIS掲載期間は満了しました。
POWER
2015.04.01-EPN
クモの巣ネット工法とパワーネット工法の比較