平成27年01月26日開催分

租税訴訟法学会理事会
日
時:
平成 27 年 1 月 26 日(月)
場
所:
弁護士会館 10 階 1007 会議室
参加者:
議事録
19 時 00 分~20 時 00 分
青木康國、朝倉洋子、大塚一郎、大塚正民、志賀櫻、菅原万里子、田口渉、
長島弘、守田啓一、山本守之、脇谷英夫、山下清兵衛
敬称略
議
事:
1.各部会・支部活動報告
2.研究大会の企画
3.新理事の追加について
4.本年度紀要『租税訴訟 No.8』について
1 各部会・支部活動報告
(1)研究提言部会報告(山本守之理事・田口渉理事)【別紙1】
・第 46 回研究報告会の開催について
日
時:平成 27 年 4 月 1 日(水)18 時 00 分~20 時 30 分
場
所:東京税理士会館 2 階
大会議室
テーマ:「役員給与の問題点を斬る」-役員給与の再検討-
発表者:税理士
弁護士
山本守之
山下清兵衛
氏
氏
挨
拶:山田二郎会長(山田会長が欠席の場合は岩下忠吾氏)
司
会:朝倉洋子
氏
なお、3 月 28 日に中四国支部において、同テーマについて山本守之先生が講
演する。
・第 47 回研究報告会について
7 月開催予定で企画中。
(2)研修部会(大塚一郎理事)
わかりやすい要件事実セミナーも 10 回を終え、あと 2 回を残すのみである。
(3)争訟部会報告(青木康國理事・志賀櫻理事・菅原万里子理事)
【別紙2】
・民間税調シンポジウム
日
時:平成 27 年 2 月 8 日(日)13 時 00 分~16 時 30 分
場
所:青山学院大学第 18 会議室(青山学院渋谷キャンパス総研ビル)
共同座長:青山学院大学教授
三木義一
氏
基調講演「租税法学的視点からの考察」
1
共同座長:日本大学教授
水野和夫
氏
基調講演「経済学的観点からの考察」
パネリスト:東京工業大学非常勤講師
日弁連税制委員会
明治大学教授
峰崎直樹
志賀櫻
田中英明
氏
氏
氏
2 研究大会の企画
年内(夏季)に他の学会や研究者などを招待して大々的な研修会を行いたいとの意
見が出た。総会を兼ねた形での開催も検討する。200 名程の会場を探す。
3 新理事の追加について(山下清兵衛理事)【別紙3】
下記の候補者が、審査の結果、理事として承認を得た。
なお、来年度開催する総会において議題に掛けて会員の承認を得る予定。
・ 兼平裕子
氏(研究者、愛媛大学)
4 本年度紀要『租税訴訟 No.8』について
原稿が揃ったので、2 月末に出版する予定で進めている。現在、各執筆者に初校ゲラ
による校正を依頼中である。また、民間税調の設立趣意を志賀櫻理事の原稿にて追加
掲載することが決まった。
同日開催された編集者会議において、別紙の通り掲載順が決まり、理事会において
承認を得た。
次回理事会は、平成 27 年 2 月 17 日(火)19 時 00 分~、ニュー新橋ビル 11 階「ニュー新
ルーム」
次回議題:部会報告など
議事に対するご提案等は、下記総務企画部(Email / FAX)までお願い申し上げます。
租税訴訟学会総務企画部
FAX: 03-3586-3602
Email: [email protected]
http://sozei-soshou.jp/
2
別紙1
租税訴訟学会 研究提言部会 議事録(平成 27 年1月 26 日)
作成:田口 渉
平成 27 年1月 26 日、午後6時より、弁護士会館 1007 号室において、下記のとおり、租税訴訟学
会研究提言部会が行われた。
第一 出席者
山本守之、朝倉洋子、守田啓一、田口渉
第二 議事内容
1.第 46 回研究報告会について
第 46 回研究報告会について、下記のとおり決定した。
(1)日時:平成 27 年4月1日(水)18:00~20:30
(2)会場:東京税理士会会館大会議室。
※海上は、予約済みです。
(田口)
(3)研究発表テーマ:
「役員給与の問題点を斬る。
」
(4)発表者:税理士 山本 守之 氏 弁護士 山下 清兵衛 氏
(5)分担(敬称略)
当日の分担については、次のように予定しております。
①司会
朝倉
②あいさつ
山田会長。
(欠席の場合は、岩下。
)
③受付・入会申込
研究提言部門会員・村澤社労士。守田。田口。
④案内
・学会会員
総務部会
・弁護士会
東京三会を牛嶋、菅原。二弁税法研究会を山下副会長。
・税理士会
下記のとおり分担する。
・ 日本税務会計学会並びに東京税理士会広報を東京税理士会事務局・平野。
・全国女性税理士連名研究部 朝倉
3
別紙2
租 税 訴 訟 学 会 争 訟 部 会 は 、平 成 2 1 年 か ら P T を 立 ち 上 げ て 国 税 通 則
法 の 改 定 に 取 り 組 み 、6 年 に わ た る 努 力 の 結 果 を 、不 磨 の 大 典 と 言 わ れ
た国税通則法の大改正に結実させました。
こ れ を 踏 ま え 、手 続 法 に 続 い て 次 の 課 題 は 実 体 法 で は な い か と い う 意
識 の も と 、検 討 と 研 究 に 取 り 組 ん で 参 り ま し た 。そ の 結 果 、租 税 訴 訟 学
会 の 枠 組 み に と ど ま ら ず 、広 く 主 権 者 た る 国 民 に 呼 び か け る と い う 考 え
か ら 、「 民 間 税 調 」 を 発 足 さ せ る こ と と し ま し た 。
す な わ ち 、租 税 訴 訟 学 会 と い う 分 厚 い 専 門 家 の 組 織 を 基 盤 と し つ つ 、広
く 国 民 の 参 加 を 求 め て 、政 府 与 党 の 税 調 の も の だ け で は な い 選 択 肢 を 提
示するフォーラムを組織するというものです。
そ の 第 一 弾 と し て 、本 年 2 月 8 日 に 青 山 学 院 大 学 キ ャ ン パ ス に お い て 、
シ ン ポ ジ ウ ム を 開 催 し 、今 後 の 展 開 に つ な げ て 行 く こ と に い た し ま し た 。
租税訴訟学会会員積極的な参加と意見表明を希望いたします。
4
民間税調
―設立の趣旨―
第1 民間税調を立ち上げる必要について
1.現在、税制について企画立案を行っているのは、事実上、政府と与党の税
制調査会のみである。ここにおける議論は、租税特別措置という形を取っ
た租税歳出の創出など、しばしば既得権益によるパイの政治的な奪い合い
の様相を呈している。そこには、人口の減少など日本経済が置かれている
状況を所与として、本来あるべき税制はどのようなものでなければならな
いかについての深い洞察があるとは思われない。
2.税制はそもそも民主主義の濫觴(らんしょう)であった。それにも関わら
ず、主権者たる国民は毎年の税制改正を他人事のように眺めているのみで
あり、政府与党の税制調査会の結論とその結果としての年次税制改正を鵜
呑みにさせられる以外に、自主的な建議をする方策を持たない状況である。
3.このような一方的押し付け状態が望ましいことでないことは明らかであ
り、主権者たる国民が税制を考えるに当たって「他の選択肢」として考慮
することができるものを提供するということが、民間税調の存在理由であ
る。
4.また、政府与党の税制調査会の審議内容は、その税制というマンデートの
限界から、次の2つの視点が欠落していることが顕著である。
(1) グローバル・エコノミーといわれる世界市場の現状の中で、税を日本国
一国の制度という枠組みだけでしか捉えていないこと。より具体的には、
ヒト、モノ、カネなどが自由にかつ瞬時に国境を越えて移動できる中で、
一国の執行管轄権が国境によって制約を受けているという状況を十分
に考慮していないことである。とりわけ富裕層・多国籍企業によるタッ
クス・ヘイブンの利用について、有効な規制を考慮していないことは、
所得税・法人税制度の実効性の観点に重大な問題を生じている。この問
題は基幹税の選択ということにも直結する。
5
(2) 分配の公平・公正ということは、税制の最も重要な使命のひとつである
が、現在のようにこれを租税制度の内枠のみで処理しようとしても限界
があること。具体的には、社会保障制度、教育政策のような歳出面をも
含めて一体として考えなければならないことである。税・社会保障制度
の一体改革は正しいアプローチであったが、内容的にはまだまだ検討の
余地がある。給付付税額控除などはその例である。
5.民間税調は、以上のような見地から、党派色を持つことなく、現代日本の
置かれた状況を前提に、いかなる税制が最適であるかを世に問うて、議論
の活性化を目指すこととする。
6.その場合において、日本社会がどのような方向を目指すかということは重
要であるし、さらには自由主義市場経済の将来を見据えて行くことは不可
欠の前提となる。近時においては、トマ・ピケティの業績によって、具体
的なデータをベースに議論していくことが可能になっている点が、これま
でとは大きく異なる点であろう。
第2 取り上げるべきテーマ
1. 議論の対象となるものの第一は、所得及び資産の分配の公平・公正である。
所得及び資産の分配の公平・公正と言った場合に、どのような基準によっ
て公平・公正を判断するのかという難問がある。この判断基準の問題は、
最終的には科学ではなく価値判断であり、神々の戦いである。このために
これまでの学問的業績において意見の一致が見られている部分は狭小で
ある。
2. しかしながらそうは言っても、1970年代の日本は、一億総中流と言わ
れ、分厚い中間層の存在が日本経済の強みであった。ところがバブルとそ
の後に続く失われた20年の間に、日本の社会にはかなりの二極分化が見
られるようになっている現状は看過することができない。かつての日本の
社会・経済のあり方への回帰ということは、ひとつの目標とすることはで
きよう。
3. 従前の公共経済学においては、累進所得税による所得及び資産の分配の公
平・公正ということが言われ、一時期は所得税単税論さえ唱えられた時期
があった。しかしながら、ボーダーレス・エコノミーの中で、国境を超え
6
て所得・資産の移動が自由に行われ、国境を越える節税スキームが横行す
るようになると、所得及び資産の分配の公平・公正の問題を一国の枠内で
考えてもほとんど全く実効性がないものとなる。国際的視野の重要性が強
調されなければならない所以である。
4. 分配の公平・公正という議論の過程において、これまでは持続的成長を暗
黙裡に前提として来ていた。しかしながら、特に人口の減少が著しい日本
経済において、ゼロないしマイナスの成長を長期のトレンドとして前提と
することも必要である。その場合において「成長のトリクルダウン効果」
は前提としえないものとなる。
「成長」といういわば万能薬(あるいは万
能薬と信じられてきたもの)を前提とすることはできないことについて、
考え方の切り替えは避けて通ることはできない。
5. このように、①クロスボーダーの租税回避の横行を前提として、かつ、②
税制の枠組みだけで分配の公平・公正を達成できず歳出面の考慮が必要で
あることを前提としなければならない。そうすると、日本国の税制のあり
方はどうあるべきであるということになろうか。これについての提言を行
っていくのが民間税調の立上げの趣旨である。提言に当たっては、少数意
見の附記、さらには両論併記をもいとわずに、国民に選択肢を多様に提供
していくことが民間税調の使命である。
第3 具体論
1. ここでは、便宜上、次の順序でたたき台を提出する。
(1) 消費税
(2) 法人税
(3) 所得税
(4) 資産税(富裕税)
2. この順序に特に意味があるわけではなく、特に所得税を最初に論じること
もあり得るところである。所得税と消費税との何れを基幹税とするのかは
分配の公平・公正という観点からは重大な問題である。ここでは、焦眉の
急である消費税改正の諸問題、及び、法人税の税率引下げの問題を先に論
じるがこれは便宜に過ぎない。
7
別紙3
平成 27 年 1 月 26 日
総務企画部
1. わかりやすい要件事実セミナー
講
師:木山泰嗣 氏(弁護士)
都築巌 氏(税理士)
(1)開催報告
[第 10 回目
事例から考える課税要件(所得税、法人税)]
日 時:2015 年 1 月 19 日(月)午後 6 時 30 分~午後 8 時 30 分
場 所:立正大学品川キャンパス 11 号館(6 階)1161 教室
★参加者:51 名 (2)次回の開催予定
[第 11 回目
事例から考える課税要件(所得税、法人税)]
日 時:2015 年 2 月 16 日(月)午後 6 時 30 分~午後 8 時 30 分
場 所:エッサム神田ホール 3 階・大会議室(301) 2. 紀要 No.8 について【別紙】
別紙のような掲載順番で作業を進行中である。初校ゲラは今月中に財経詳報社から各執筆担当者に
送付を予定している。また、発行は 2 月下旬を予定している。
No.7 と No.8 の発刊によって租税公正基準制定委員会として社会的認知を得ることになると思われる。
当学会紀要は研究者が実務を学ぶ参考資料となっている。
3. 新理事の追加
総務企画部から推薦させていただきます。
x 兼平裕子 氏(研究者、愛媛大学法文学部教授)
4. その他
(1)横浜支部の代表幹事の変更
横浜支部の長谷川博先生から連絡があり、船橋俊司先生が体調不良のため退会されたので、そ
の後任に藤村耕造先生が新たに代表幹事として就任された。
ついては、藤村耕造先生の本部理事就任を理事会において承認いただきたい。
(2)支部代表 2 名は、自動的に理事就任をお願いしている。
以上
8
紀要8号テーマ一覧
総テーマ:
通番
「租税公正基準2」
掲載順
項目番号
9
1
総論1
2
3
総論2
4
総論4
5
法人税1
6
法人税2
7
法人税3
8
法人税4
9
所得税1
10
所得税2
総論3
11
所得税3
12
所得税4
13
14
15
相続税1
相続税2
地方税1
16
地方税2
17
18
消費税
19
その他
租税手続法
2015/1/26
タイトル
執筆者
肩書き
弁護士・租税訴訟学会会
山田二郎
長・元裁判官
弁護士・租税訴訟学会副
不利益課税遡及立法の違憲審査基準
青木康國
会長
立正大学法学部教授
行政手続法の適用除外
山下 学
桐蔭横浜大学法科大学院
「法律事件に関する法律事務」(弁護士の独
客員教授・大宮法科大学
山下清兵衛
院客員教授・弁護士
占業務の範囲)
執筆承諾
ページ
○
12
○
○
22
17
○
53
税理士・租税訴訟学会副
租税法と解釈手法
山本守之
会長
(役員給与を例として)
ヤフー事件・IDCF事件東京地裁判決にみる組 金子友裕 東洋大学経営学部准教授
日本IBM事件における法人税法132条の解
税理士
管野浅雄
釈問題
税理士
新たな公益法人制度における税法的一考察 永島公孝
クレディ・スイス証券元部長にかかる所得税
弁護士
小松正和
法違反被告事件
~ほ脱の故意の認定をめぐる公正基準~
インターネットバンキングにおけるマル優制
弁護士・元検察官
江川 功
度
○
16
○
16
○
○
28
31
◯
24
○
12
弁護士・日弁連税制委員
山本洋一郎
会委員長
弁護士
山本洋一郎
弁護士
山名隆男
不動産鑑定士
萩原 岳
○
7
○
○
○
◯
14
18
19
25
○
20
○
○
19
9
○
総頁
5
固定資産税課税台帳の登録価格の判断枠
組と最高裁判決の動向
弁護士会活動費用は必要経費にあたる
ライブドア被害回復金と課税
―非課税判決が確定―
マンション敷地事件の考察
相続税・贈与税の課税処分における理由附 風岡範哉
税理士
記
弁護士
固定資産の登録価格の決定の違法性判断基 沼井英明
無料定額診療事業のように供するために不
立正大学法学部准教授
動産を取得した場合の不動産取得税の非課 長島 弘
税規定につき適用を否定した裁判例
弁護士
消費税訴訟における帳簿保存の立証
下尾 裕
弁護士・日弁連税制委員
税額控除の記載誤りについて更正の請求が
山本洋一郎
会委員長
認められた事例
民間税調―設立の趣旨―
志賀 櫻
弁護士・日弁連税制委員
会副委員長
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