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2015 年5月 15 日
機関紙やどかり
5月号
vol.45 -2(通算 503 号) 2015 年
第三種郵便物許可
2015 年5月 15 日発行
(毎月1回 15 日発行)
1987 年 12 月 19 日第三種郵便物認可
発行人 公益社団法人やどかりの里
代表者 土橋 敏孝
〒 337 - 0043
さいたま市見沼区中川 562
TEL 048 - 686 - 0494
FAX 048 - 686 - 9812
定 価 50 円(含会費)
生活保護削減と私たちの暮らし
~この国の暴走に STOP!! ~
4月,生活保護基準の引下げがなされた.2013
年 8 月,昨年4月に続いて3回目となる.7月か
も含む多くの人たちの暮らしに密接に関わってい
る.しかし,厚生労働省は,専門部会での検討や
ら住宅扶助の引下げ(家賃更新時から),10 月か
ら冬季加算の引下げも予定されている.すでに削
減された期末一時扶助を合わせ,総額 1,000 億円
に近い削減になる見込みだ.一方で,2015 年度の
防衛費予算が,前年度比約 1,000 億円増額されて
いること,企業が負担する法人税が下がっている
ことも看過できない.
これまでの算定方式を無視し,生活保護基準の引
下げを強行したのだ.
社会保障切り崩しの先鋒に
生活保護の削減は 2011 年6月に示された「社
会保障・税の一体改革成案」に遡る.社会保障に
係る具体的な青写真は 2013 年8月に「社会保障
制度改革国民会議報告書」にまとめられ,子育て
や医療・介護,年金などと合わせ,生活保護の見
直しが示された.少子高齢化が進み,全世代が負
担を分かち合うとして消費税増税分を社会保障財
こんなことがまかり通っていいのか
やどかりの里では,登録するメンバーの約3分
の1の人が生活保護を利用している.生活保護削
減問題は多くのメンバーを直撃する.
昨年8月1日,埼玉で 25 人が生活保護引下げ
違憲訴訟に立ち上がった.うち6人がやどかりの
里のメンバーだ.こうした訴訟は全国で広がり,
20 道府県,678 人(2015 年3月 16 日現在)に上っ
ている.埼玉での第1回裁判が昨年 11 月 19 日,
第2回裁判が今年2月 25 日に開かれた.同日に
行われた浦和駅前街宣行動や傍聴,応援集会にや
どかりの里からも大勢かけつけた.
源にあてるという.社会保障の「改革」の中身は,
稼いで自立する,家族や地域で助け合う仕組みづ
健康で文化的な生活を築いていくために
やどかりの里では,3回目の基準引下げに対す
くりなど自助・共助が強調され,真っ先に矛先が
向けられたのが生活保護だった.
生活保護は「暮らしのものさし」
る審査請求の動きも始まっている.生活保護基準
引下げが始まって,食費を切り詰めたり少しの楽し
みを諦めたりしているメンバーの姿をまのあたりに
しながら,根拠なく生活保護引下げを断行し,一方
生活保護引下げの問題は生活保護利用者だけの
問題ではない.保育料や障害福祉サービスの利用
で大企業優先,軍事化する国のあり方に,何とか歯
止めをかけたい,という思いの輪が広がっている.
料など所得に応じて負担額が示されるが,生活保
護基準が下がれば非課税世帯が課税世帯になるな
どし,負担が増えていく.
また,最低賃金の設定には生活保護費との整合
先日亡くなった,メンバー理事を長く務めた堀
澄清さんが,障害者自立支援法違憲訴訟で勝利的
和解に至った折,「和解は通過点,求めるべきも
のは生活の質」と語っていたという.我が国のい
性が重視されており,生活保護の問題は低所得者
や福祉サービスを利用する人だけでなく,労働者
う,健康で文化的な暮らしのありようを問い続け
ていきたい.
(1)
2015 年5月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
「みんなが作り手,みんなが主役」
アートを媒介に人とまちをつなぐ,アートフルゆめつり開催
4月 26 日(日),「大宮の春を楽しむ,音楽
とアートパフォーマンスの祭典 第8回アー
トフルゆめまつり」が開催された.大宮区役
所をはじめとした大宮駅東口周辺の 12 会場
で,音楽やパフォーマンスが繰り広げられた.
やどかりの里では今年で3回目の参加となり,
今や春のおなじみのイベントとなっている.
関わるメンバー,家族,職員が当日を楽しみ
に心を躍らせながら準備を進めてきた.今記
事では,そんなアートフルゆめまつりの準備,
運営の中核となっている実行委員会について
触れたい.
アートフルゆめまつりは,市民が主体となっ
て企画・運営されていることが特徴的なイベ
ントである.個人・団体を問わず大宮駅周辺
の地元商店,企業や行政,学校や各種団体と
の連携や協働を通して新しいまちづくりを進
めていくことを目指している.そのため,第
1回目より一貫して,すべての参加者が実行
委員会メンバーとなり,準備から開催,片づ
けまでを役割分担して運営してきた.今回も
2回の実行委員会が開催され,140 人前後の委
員の話し合いにより企画・運営が進められて
きた.当日も参加者やボランティアの手によっ
て運営されている.まさに「みんなが作り手,
みんなが主役」だ.このような「徹底した参
加型手法」をとるプロセスを経ることで,多
くの市民が関わり,人とまちの交流が図られ,
つながっていくことが期待されている.
実行委員会にはやどかりの里を代表して2
名の職員が,ともに運営を担う作り手であり
主役であることを企画を通じて実感し,楽し
みながら参画している.やどかりの里が活動
を始めて 45 年が経過した今日,この大宮の地
で一市民としてまちとつながり,人とつなが
りながら,これからも活動を続け,広げてい
く原動力の1つとなっている.
~当日の様子~
「コーラス演奏写真」
Ⅴスクエア大宮にて演奏をしたコーラス隊.今
年からバンドによる伴奏も加わり,会場を沸かせ
ました.この日のためにコーラスの先生方もたく
さんの力を注いでくださいました.また,大宮区
役所ではサポートステーションやどかりの書道プ
ログラムに参加しているメンバーの心のこもった
作品が展示されました.
「物販写真」
氷川参道平成ひろばにて「おおみや杜の市」が
開催され,ポップコーンやおまんじゅうなどを販
売しました.同じ会場で「子どもゆめまつり」も
催され,子どもたちの歓声で賑わいを見せました.
(2)
(水村 舞)
2015 年5月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
報告 日本障害者協議会 連続講座
私たちが「譲り渡せない権利!」
「谷間」の障害児者に輝きを!
~私たちの権利を行使する力をつけるために~
障害者権利条約を批准し,締約国となった
日本は,条約にふさわしい施策の実現が期待
されている.一方で,生活保護,医療・介護,
年金など,生きていく上でなくてはならない
法整備が次々と見直されている.日本障害者
協議会では,障害のある人もない人も同じよ
うに,誰もが人として当たり前に生きていく
上で絶対に譲り渡せない「権利」を学ぶ機会
として,1月から3月にかけて講座を開催.
やどかりの里からも毎回多数の参加者があっ
た.
1月は宇都宮健児氏(日本弁護士会連合会
元会長,反貧困ネットワーク代表)
,2月は平
沢保治氏(国立ハンセン病資料館 運営委員)
,
3月は樋口恵子氏(NPO 法人高齢社会をよく
する女性の会理事長)を講師に招いた.
宇都宮氏からは,GDP が上がっても相対的
貧困線以下の暮らしをしている人が増えてい
ること,国民健康保険料未払い者から保険証
を取り上げるなどの影響が出ていることを挙
げ,いかに日本の社会保障制度や雇用制度が
急激に崩されようとしているのか解説された.
また,住民票がないと生活保護の相談ができ
ない等の誤った認識によって相談につながら
なかった事例を挙げ,権利やその行使の仕方
が浸透していないこと,憲法 25 条の空洞化へ
の問題提起がなされた.
平沢氏はハンセン病を発症し,中学1年生
の時,故郷から遠く離れた多摩全生園に入園
した.国によって隔離・強制収容され,家族
とひき離され,生きる自由を奪われ,園から
逃げようとすると牢の部屋に押し込められる
様子や,患者が行き来した後は感染予防のた
めに消毒に追い回されること等,筆舌に尽く
しがたい権利侵害の様が語られた.
「人権とは,
人間らしく笑顔で生きられること.憲法のあ
らゆる条項を実践の中で活かすのは私たちだ」
と力強く語った.
樋口氏は,急激に進む高齢化社会と核家族
化により,介護を担う人口が減り他者を介護
する期間が増大している現代は「大介護時代」
だと述べた.その上で,家族だけでなく,地
域で支え合い,分かち合うことを社会の価値
へしていくことの大切さや,女性議員が多い
自治体は女性の流出率が少ないことを例に挙
げ,
「当事者が自分の意見を言えることは,の
びやかに暮らしやすい社会をつくることだ」
と民主主義の基本を語った.
貧困状態におかれている人,病気や障害が
正しく理解されず社会から隔離・排除され生
きる自由を奪われ続けている人,高齢者,女性,
子ども……社会で弱い立場に置かれる人の政
策が,当事者の意見が反映されず,実態が届
かぬまま改悪され続けている.権利条約や日
本国憲法に保障されている権利を形式的なも
のにせず,1 人 1 人が「権利を行使していく力」
をつけていくことの必要を感じた.
平沢氏は「園内に自治会をつくり,資料館
をつくり,らい予防法をつくった.展望をも
てば,地域や社会を動かし変えていける.苦
しんでいる人間が自ら解決しないでだれが解
決する」と語った.連続講座を通して,ひと
つひとつの出会いを大事にしながら,共感をと
もにする人同士が立場を越えて支え合い,息の
長い運動を展開する中で,権利を行使してい
く力をつけていきたいと感じた.社会を変え
ていく力は,当事者の声と実践にあるのだ.
(椿原亜矢子)
(3)
2015 年5月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
堀澄清さんたくさんの贈り物をありがとう
4月 15 日午後,埼玉県障害者交流センター
和室にて,
「堀澄清さんを語る会」を開催した.
今年1月 18 日に 78 歳で逝去された堀さんを
偲びたいという声があがってのことだった.
里のメンバー,家族,職員,各活動で堀さん
と出会った様々な立場の人たちが集った.1
人1人の中に,堀さんとの忘れがたい思い出
があった.
北海道の寒村で生まれ育った堀さんが,や
どかりの里にたどり着いたのは,62 歳のとき.
それからの 16 年間,私たちは堀澄清さんと
深くかかわり,彼の価値観や発する言葉に多
くを学んできた.そのいくつかを振り返って
みよう.
堀さんは,やどかりの里に登録してから志
村のおばさんのいる茶の間に通った.「『名前
なんていうの』とか,
『どこから来たんですか』
だとかは何もとわれないんですが,何となく
座っていて違和感がないんです,まったく違
和感がない.ちょっと不思議な空間なんです.
しかし,そこに座っている時に,自分が受け
入れられているという安堵感が湧いてくるん
です…中略…そして,こちらが言葉を発した
い時,湧き上がってくることをぽつんと言葉
にすることを黙って聞いてくださって,『な
るほど』というふうに頷いてくれるんです,
共感を持って.それにほんとうに私は救われ
たのです」(やどかりブックレット「70 歳を
目前にして,今新たな一歩を」より引用)
作業所まごころで働き始め,3か月位経っ
た頃には,仕事をした日には「今日は生きた
なあ」と自己肯定する気持ちが初めて湧いて
きたと語っている.
社会的入院の解消のための,退院促進事業
で当事者支援員として働いていた時には,
「入
院している人が退院したいと思うまで,氷が
解けるのをじっくり待つようにすすめよう.
我々には小さな段差も,長期入院している人
にとっては,大きな障壁となる」と,長期入
院の弊害を表現した.
やどかり研究所の共同代表でもあった堀さ
ん は そ の 会 議 で「 僕 は 最 近 ま で 精 神 分 裂 病
になったことを,まるで自分が犯罪の前科を
持ったように感じていた.そうやって感じる
こと,感じさせる社会があることが,回復を
遅らせているのだと思う」と語った.また,
前 出 の ブ ッ ク レ ッ ト に は「( 病 気 に な っ た )
私をまっとうに扱ってくれる社会に,この日
本を創り変えていきたい…そういうふうに
思っているわけです」とあり,病気を持って
生きることがどういうことなのか,私たちに
考えさせてくれた.
障害者自立支援法違憲訴訟では,勝利を目
指す会の共同代表を担い「基本合意を受け入
れたのは正しい判断だったのか」と悩んでい
て,「裁判の勝ち負けではなく,障害のある
人の生活が実際に変わることは最終目標だ」
と,ある仲間に語っていたという.
堀さんは,私たちにたくさんの言葉を贈り
物として残してくれた.これらの言葉は,こ
れからもやどかりの里の活動の中に深く関
わっていくだろう.
多くの参加者が,嬉しい時は共に喜び,つ
ら い 時 は 支 え て く れ た 堀 さ ん を 語 っ た. 改
めて堀さんがどれだけ深い心で仲間を思って
いたのか知った.どんな時も,支え合って生
きるということを,堀さんは生きる姿で私た
ちに示してくれたのではないかと感じた時間
だった.
(山中うつぎ)
(4)
2015 年5月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかりの里 45 周年
人から人へ
自分の経験が活かせる喜び
それぞれに充実した時間を過ごして欲しい
~情熱と笑顔で活動を支える~
林 史郎さん
とまる か
よ
こ
戸丸佳予子 さん
今回は,やどかりの里(サポートステーション)に
勤務している林 史郎さんを紹介します.
今回は,浦和区障害者生活支援センターやどかりと,大宮中部活
動支援センターに勤務している,戸丸佳予子さんを紹介します.
生きがいを見つけて再出発
会社を立ち上げ,中国の工場で製造した商品を
やどかりの里との出会い
日本で販売する卸業を行い,毎月のように中国に
戸 丸さんがやどかりの里で働き始めたのは
行く多忙な生活をしていました.定年近くで会社
約7年半前.以前介護福祉士として入所施設で
を辞め,いきなり用事のない日々を送ることにな
働いていた時,入所中の人たちが地域での生活
りました.何もない日々は本当に空虚に感じられ,
に移
行できるように支 援する役 割を担うよう
生きがいに繋がる仕事をしたいと思うようになり
になり,
ました.社会福祉を学ぶために働きながら大学
に通い始めたそうです.その頃,やどかりの里
そんな矢先,やどかりの里(サポートステーショ
に見学に来たことが,
やどかりの里との初めて
ン)の送迎の仕事を見つけました.障害福祉の世
の出会いでした.それは,戸丸さんにとって大
界のことは全くわからず,始めた頃は送迎中に車
きな衝撃であったそうです.
中でメンバーが不穏になったらどうしようと不安
な気持ちもありましたが,日毎にそれぞれの個性
がわかるようになり,障害は特別なことではなく,
「地域で暮らす」
とは
みんないっしょなんだと感じるようになりました.
1990年代の社会福祉基礎構造改革の流れの
中で,施設でも収容から入所という考え方に変
メンバーと関わることで自分にも変化が
わり,少しずつ地
域に出ていく取り組みが始
やどかりの里(サポートステーション)に勤務
まっていったそうです.その頃,戸丸さんはや
し始めた頃は,通所メンバーの送迎を中心に行っ
どかりの里の見学をして,
「地域で暮らす 」と
ていましたが,徐々に施設の整備をするようにな
いうことについての考え方が変わったといい
り,もっとメンバーとの関わりが持ちたいと思
ます.地域で生き生きと暮らすやどかりの里の
うようになりました.今では通所プログラムにも
メンバーの様子を目の当たりにして,
「同じよ
参加して,軽作業のサポートをしたり,サポステ
うな障害の状態なのに,
入所施設の中で生活し
CAFE というみんなでコーヒーを飲みながらお
ている人たちと,
どうしてこんなに違うのだろ
しゃべりを楽しむプログラムでは,自分の中国で
うか」
「地域性の違いだけではない」と衝撃を受
の体験や,国内旅行の思い出を踏まえて,みんな
けたといいます.その後,転職を機に,地域の
に関心をもって聞いてもらえるような話題提供を
資源で働いてみたいと思い,
やどかりの里に入
しています.
職したということです.
会社での仕事は,どうしたら儲けが出るかを考
え,社会の荒波を超えていくことで,自分が良い
方向に向かうことだけを意識していましたが,メ
活動の中で大切に感じていること
ンバーと寄り添って過ごすやどかりの里のスタッ
大宮中部活動支援センターでは,ホットサン
フを見て,メンバーの立場でいっしょに考える姿
ドイッチづくりを週1回,約7年間継続してい
勢を知り,人のためを思うことの喜びを感じるよ
ます.戸丸さんも入職当時より携わっており,
うになりました.そして,荒波を超えるだけが人
思い入れがあるということです.
生ではなく,上手く付き合って溺れない様に生き
「みんながおいしいと言って食べてくれるこ
ていくこともできるんだということを,メンバー
とが嬉しい」
と,70歳を超える今でもパン焼き
との関わりから学ばせてもらいました.
を続けているメンバーや,楽しみにして参加し
てくれるメンバーの姿が,
自分が活かされる場として この活動を続けてい
きたいという戸
丸さんの原 動 力になっている
サポートステーションでは,さまざまな活動を
行っています.その中で,私自身も同じところに
といいます.
集う仲間として,みんなで協力して取り組んでい
これからについては,
高齢化してきているメ
ける活動を考えていきたいと思っています.
ンバーもいる中で,
日常的に活動支援センター
最近では,書道教室の作品に,自分が趣味でやっ
でいっしょに過ごせるという非常勤
職員の強
ている木彫りの技術で作った落款を使い,たいへ
みを活かして,メンバーが充実した時間を過ご
ん好評で展示会に出せるほどになってきていま
せるための活
動をいっしょに創っていけたら
す.これからも今の自分にできることが,少しで
いいなと,熱く思いを語ってくれました.
もメンバーの喜びに繋がるようにできればと思っ
ています.
正義感とバイタリティーにあふれ,おかしい
と思うと突き詰めたくなる性 分もあるという
サポートステーションの建物に少しでも不具合
戸丸さん.事務に調理にガーデニングなど,持
があると,すぐに知恵を出して改善し,メンバー
ち前の器
用さを活かしてやどかりの里の活 動
が使いやすいように環境を整えてくれる林さん
を支え続けてくださっています.
に,みんなが信頼を寄せています.
このような熱い情熱を持った戸丸さんに,
改
「自分にできることは何か」を常に考えているそ
めて頼もしさを感じたインタビューでした.
の姿勢を,私も大切にしていきたいと感じました.
(鈴木 裕貴)
(聞き手 常盤 英佑)
(5)
2015 年5月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかりミーティング
実践・学習・運動を積み重ねた活動づくり
~ 45 周年を迎えるやどかりの里~
4月 16 日,障害者交流センターのホール
にてやどかりミーティングが開催された.
1.昨年度の活動報告
配布された資料を基に,昨年度やどかりの
里 が 行 っ て き た 活 動 を 振 り 返 っ た. 昨 年 度
は,病棟転換型居住系施設や生活保護基準切
り下げ問題など,変化していく社会情勢に対
する集会に法人全体で参加した.生活支援活
動では,関係機関と連携を図りながら,地域
で孤立しないための支援の組み立てや,ピア
サポーターの力を活かした活動を行った.就
労支援活動では1人1人に合った働き方がで
きるよう,事業所の移転や農福連携プロジェ
クトを開始するなど,事業の拡大を行った.
その他,メンバー交流会の開催や浜砂会の新
たな活動の報告があり,職員だけではなくメ
ンバーや家族など立場を越えた活動づくりを
行ってきた1年だったと報告があった.
2.今年度の事業計画
4月号の機関紙を参照しながら今年度の事
業計画について共有した.
事務局より今年 10 月から開始される「マ
イナンバー制度」について,各自に振られた
番号が,社会保障や生活保護に今後どのよう
に影響するのか動きを確認していく必要があ
る.また,個別給付事業による収入と補助金
を有効活用しながら,より良い活動を目指し
ていく.その他,6月に行われる 45 周年記
念式典について話しがされた.
相談支援活動からは,障害のある人の差別
と虐待の相談窓口としての対応と,地域で孤
立している人たちへ権利擁護の取り組みや,
退院支援を進めていく.また,1人1人が適
切なサービスを受けられるよう関係機関と連
携し支援体制をつくる.
生活支援活動では,多様なニーズに対応し
ていくために,新たな住まいの場づくりの検
討や,現在進めている単身生活者調査から,
必要な支援の在り方を見つけていく.その他,
ピアサポーターの養成を行う.
就労支援活動からは,新たにやどかり情報
館で立ち上げた農福連携事業や,事業所と連
携を図り,自分に合った働き方ができるよう
取り組んでいく.
その他,浜砂会の活動やメンバー交流会の
開催,やどかり FC やコーラス隊などクラブ
活動の取り組み,また各委員会活動について
の報告がされた.
各事業計画が報告された後は,グループ討
議を行い,今年度の活動についてそれぞれ意
見を出し合った.
3.生活保護引き下げ審査請求
今年4月より3回目の生活保護費の引き下
げが行われ,住宅扶助の上限額も引き下げら
れることになる.暮らし慣れた場所で住み続
けたいという意見も出ており,今後は審査請
求に取り組み声を上げていく.
4.今月のスポットライト
今回は4月に入職した職員の紹介を行っ
た.新しく入職した職員は神前いずみ,小野
寺由希,麻野美和の3人.現在は各事業所を
回り研修中である.また,昨年度まで非常勤
職員だった榎本麻由美と尾形志保が常勤職員
として加わった.
45 周年の節目となる今年度がスタートし
た.メンバーや家族と共に,これからも実践,
学習,運動を積み重ね,地域と協働した活動
を展開していきたい.
(斉木 辰雄)
(6)
2015 年5月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかりの里の動き(4月1日~ 30 日)
<全国ネットワーク>
日本障害者協議会
4/ 7 三役会・権利条約報告書
検討会に増田出席
4/14 理事会に増田出席
4/23 広報委員会に増田,萩﨑
出席
ヘルスケア関連団体ネットワーキ
ングの会
4/10 世話人会に増田出席
4/19 九州学習会に増田出席
会議に三石出席
4/ 6 役員会に永瀬出席
4/20 生保チーム会議に永瀬出
席
4/26 総会に増田,永瀬,鈴木
(裕)出席
埼玉県精神医療審査会
4/ 8 埼玉県精神医療審査会第
3合議体に宗野(文)参加
<さいたま市内ネットワーク>
きょうされん
さいたま市障がい者施設連絡会
4/ 3 政策調査委員会に増田出
席
4/17 ~ 18 教育研修委員会に永
瀬出席
4/22 全体会に職員多数出席
病棟転換型居住系施設を考える会
4/ 8 寄合に増田出席
<埼玉県内ネットワーク>
埼玉県セルプセンター協議会
4/14 理事会に増田出席
4/16 皆の郷福祉会ベーカリー
&カフェ開店祝いに増田
出席
4/28 正副会長会議・理事会に
増田出席
埼玉県精神障害者社会福祉事業所
さいたま市コーディネーター連絡
会議
4/23 定例会に三石,鈴木(裕)
出席
4/30 見沼区相談支援連絡会議
に三石,中村出席
サービス調整会議
4/24 見沼区サービス調整会議
に三石,中村,椿原出席
4/28 大宮区サービス調整会議
に鈴木(裕),阿部,水村
出席
さいたま市精神医療審査会
4/ 8 全体会議に三石出席
さいたま市精神保健福祉地域ネッ
運営協議会
トワーク連絡会
4/ 9 労働支援部会世話人会に
永瀬出席
4/21 打ち合わせに三石,鈴木
(裕),中村出席
4/17 埼玉県相談支援従事者養
成研修専門コース別研修
4/20 配食ひまわり定期総会に
西垣,金子出席
埼玉県相談支援専門員協会
<出版事業>
きょうされん埼玉支部
配食ネットワーク見沼
(7)
4/ 9 いもの子作業所記念誌編
集委員会に渡邉,石井,増
田出席
4/27 JD 障害福祉用語集(仮題)
編集会議に石井,増田出
席
<研修事業>
講演
4/17 千葉大学にて増田,佐藤
講義
<やどかりの里内部の
調整連絡会議>
4/ 2 チーフ会議
4/ 8 45 周年祝賀会実行委員会
4/15 労働支援会議
4/16 生活支援連絡会
4/16 やどかりミーティング
4/17 防災部会
4/23 顧問医研修
4/28 機関紙編集会議
<その他>
4/20 安永健太さん死亡事件福
岡高裁での裁判,増田傍
聴
4/26 アートフルゆめまつりに
労働チーム出店
4/29 暮らしの最低保障引下げ
に NO !集会にメンバー,
職員参加
2015 年5月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかり日誌
浦和活動支援センター
『浦和活動支援センターに通い始めて』
エンジュ
『自分の体を知ろう』
見学,体験3回を通してメンバーと職員が会
話する中「ここはゆったりとして居られるから
ね」と言った話しや「皆良い人たちばかりだか
らね」と聞く中,僕は自己紹介をしながら少し
ずつ素顔のままで良い場所なんだなと,浦和活
動支援センターは自分の居場所になっていった
ら良いなと思った.
つい先日3月 31 日(火)お花見に参加させ
てもらい嬉しかった.音楽鑑賞や読書,ペン習
字等を行う中,徐々に皆と仲良くなれれば良い
なぁと思っている.メンバーの主体性を大切に
してくれる場だと感じた. (香野 英勇)
管理栄養士による健康講座が開かれました.
それぞれが自分の BMI を計算し,1回の食事
で食べるべき白米の量を計算しました.理想の
食事内容など写真を使用した分かりやすい説明
で,メンバーからも「今日の朝食はこんな内容
だったんだけど,どうですか」などさまざま質
問がとんでいました.地域の皆さまに栄養のバ
ランスが考えられた美味しいお弁当をお届けす
る事が仕事の私たちだからこそ,自分の食事も
大切にしていかなければ.健康第一,心も身体
も栄養満点で,今年度もともに汗を流していき
たいな,と感じた時間でした. (平井 めぐみ)
やどかり情報館
『2つの大きな出来事』
総務
『決算処理が進んでいます』
前回の日誌を書いてから,公私ともに大きな
ことがありました.やどかり情報館で働いて,
3年半くらい経ちますが,あまり休むこともな
く,安定した収入を得てきたので,ここらでけ
じめとして,入籍しました.情報館の職場の皆
さんにもお祝いをいただき,とても感謝してい
ます,と同時に,とても励みになります.
もう1つは,やどかり情報館内の引越し作業
です.机や棚・本などを移動したのですが,か
なり大掛かりで,1日がかりでも足りないぐら
いでした.でも終わって席が変わって,気分を
新たに頑張っていきたいと思います.
(齋藤 修一)
やどかりの里の会計は管理業務である法人事
務局の事業会計以外は,公益目的事業として一
体として処理する規則になっています.さて,
個別給付事業のサービス報酬費は 2 - 3 月分は
未収金となり,その額はなんと約 5,320 万円!
こんな多額の未収金があっても必要な給与や経
費を支払い,年度を越せるようになったことに
やどかりの里の歴史の積み重ねを感じます.25
年前は給与支払の遅滞が当たり前にあった時代
でした.苦しい時代を乗り越えて現在のやどか
りの里があります.45 年の活動を振り返り次の
時代への夢を描く 45 周年記念式典・祝賀会は,
6月 13 日(土)パレスホテル大宮にて開催し
ます.
それに先立って総会はソニックシティの会議
で開催,決算の詳細はこちらで報告いたします
ので,是非ご出席を (浅見 典子)
4月 29 日昭和の日,
「くらしの最低保障引き下げに NO !集会~私の居場所を奪わないで!~」市
民集会が開催されました.今回で3回目の集会となり,263 人の人が会場に集まりました.本誌1面
にも掲載されている通り,生活保護基準の引き下げは,生活保護受給者だけの問題ではなく,国民1
人1人の生活保障の切り崩しの始まりに過ぎません.この国で起きていることをいっしょに考えてい
けるよう,本誌でも引き続き報告していきたいと思います. (大澤 美紀)
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