2016年 歯学研究科パンフレット

東北大学大学院
歯学研究科2016
Tohoku University
Graduate School of Dentistry
東 北 大 学 歯 学 研 究 の「インターフェイス 口 腔 健 康 科 学」から
口腔科学者への道。口腔医療者への道。
修士課程
博士課程
Master’s Course
Doctoral Course
究科・歯学部をはじめ、東北大学病院、医学系研究科・医学部、加齢医学研究所、
奥州の雄、独眼竜伊達政宗ゆかりの名刹「北山五山」の麓、星陵町には歯学研
医 療 の 裾 野 の 拡 大 と 歯 学 教 育 の「門 戸 開 放」の た め、我 が 国 で 唯 一 の 歯 学 研 究
らに「実学」としての臨床応用へと展開しています。2004年には口腔保健・
最先端研究で培われた卓越性・国際性は、広く本研究科の教育に生かされ、さ
歯学研究科は、世界有数の総合大学である東北大学の利を活かした異分野融合型の教育研究体系「インターフェ
イス口腔健康科学」、本邦唯一の「歯学研究科修士課程」や「博士課程歯学ダブルディグリープログラム」などの特
徴的なプログラムにより、次代の歯学・歯科医療・口腔保健のグローバル・リーダー、高度専門職業人を養成します。
世界 の歯学 をリ ード する
研 究 科 長 あいさつ
医工学研究科などが建ち並び、医歯学教育研究と先端医療の一大拠点を形成し
科修士課程を設けました。現在、コデンタルから工学、栄養学、保健福祉、行政
Greetings from the Dean
ています。ここ星陵キャンパスに大学院歯学研究科が設置されたのは1972
等、幅広い専門領域から、多彩なキャリアの方々が本研究科で学んでいます。
また世界トップレベルの海外拠点校との国際連
年のことです。
携 教 育・研 究 に お い て も、我 が 国 で も 有 数 の 実 質
学 教 育・歯 科 医 療 の 確 立 を 念 頭 に ダ ブ ル デ ィ グ
川大学・ソウル大学等とは東アジアを軸とした歯
的 な 展 開 を 図 っ て い ま す。な か で も 北 京 大 学・四
以来、歯学研究科は東北大学の基本理念であ
東北大学
大学院歯学研究科長
る「研 究 第 一 主 義」、
「門 戸 開 放」、
「実 学 尊 重」の
も と、基 礎 研 究 か ら 臨 床、口 腔 保 健 に 渡 る 歯 学
領域において、多数の人材を排出してきました。
佐々木 啓一
リー・プログラム(共同学位)を2012年から実
2000年には大学院重点化が施行され、リー
ダー育成のための大学院教育そして研究が各方
施 し て い ま す。現 在 で は、タ イ、イ ン ド、イ ン ド ネ
シア等の大学との連携によるアジア・スタンダードへの展開を図っています。
面 か ら 高 い 評 価 を 得 る に 至 っ て い ま す。
「ワ ー
ルドクラスの総合大学」を掲げる東北大学に在る歯学拠点として、本研究科は
て、
「インターフェイス口腔健康科学」を提唱しました。現在、この概念を基盤
2002年には、これまでの歯学の体系を大きく前進させる新たな概念とし
東北大学の質実剛健な校風のもと、新時代の歯学をさらに発展させるべく切磋
育の目標としています。意欲と豊かな資質をもった有望な人材が仙台に集い、
ダー、世界トップレベルの研究者、そして高度専門職業人を育成することを教
歯学研究科では、次代の歯学・歯科医療・口腔保健を担うグローバルなリー
とした学内連携や国内外の大学との連携による異分野融合型の研究が活発に
琢磨することを祈念しております。
我が国そして世界の歯学の発展に向けて大きく期待されています。
なされており、着実な成果をあげています。
「研究第一主義」に呼応するこれら
東北大学大学院歯学研究科
Tohoku University
Graduate School of Dentistry
History
近代歯科医学と日本の歯科医学の歩み
1723 年
1728 年
1840 年
1844 年
1846 年
1860 年
1876 年
1878 年
1881 年
1883 年
1888 年
1890 年
1891 年
1893 年
1902 年
1903 年
1906 年
1911 年
1916 年
1928 年
歯学部・歯学研究科の歩み
1946 年
1947 年
1948 年
1965 年
1967 年
1972 年
1975 年
1993 年
2000 年
2002 年
2003 年
2004 年
2005 年
2007 年
2008 年
2009 年
2010 年
2012 年
2013 年
2014 年
2015 年
CONTENTS
歯科医学と東北大学歯学部・歯学研究科の沿革
フランスで、ピエール・フォーシャル(近代歯科医学の父祖といわれる)が論文『Le Chirurgien Dentist』発表
フォーシャル、上顎総入れ歯を製作
アメリカに、世界最初の近代的な歯科医学校ボルチモア歯科医学校誕生
アメリカで、笑気を用いた全身麻酔下での抜歯を施行
アメリカで、エーテル麻酔を用いて口腔外科手術を施行
アメリカ人ウィリアム・クラーク・イーストレーキー、横浜で歯科医院を開業
アメリカの歯科医療に直接触れることができるようになった
瑞穂屋、わが国で初めて歯科器材をアメリカから輸入
国内でも、歯科器械の生産始まる
1872年に私費留学した高山紀斎、
アメリカで歯科医師開業試験に合格し、帰国
高山紀斎、わが国最初の歯科専門書『保歯新論』発行
医術開業試験規則が制定され、歯科が専門科目に
アメリカのミラー、
「化学細菌説」を発表
日本最初の歯科医学校である東京歯科医学校設立(翌年閉校)
高山歯科医学院創立(1900年に東京歯科医学院に改称、1946年に東京歯科大学に改組)
アメリカのブラック、歯垢がむし歯の原因であることを発見
歯科医会発足(1926年、日本歯科医師会と改称)
日本歯科医学会発足
東京帝国大学医学部に歯科学教室開設
歯科医師法成立
歯科医学専門学校設立
歯科医師法改正、医師の歯科医療行為を制限
「ムシ歯予防デー」実施
東京高等歯科医学校(現、東京医科歯科大学)設立
国の歯科医師養成教育のスタート
GHQの指示のもと歯科教育審議会発足
歯科医師国家試験実施
「歯科教育基準案」決定
東北大学歯学部開設:
「考える歯科医師の育成」
「一口腔一単位」
「全人的歯科医療」の理念提唱
東北大学歯学部附属病院開院
東北大学歯学研究科開設
附属歯科技工士学校設置
山本肇名誉教授「レーザー照射による齲触予防その他歯科応用に関する研究」で学士院賞
東北大学歯学研究科で、大学院重点化を実施:
「考究心」
「科学心」をもつ指導的・中核的人材の育成を理念として提唱
東北大学歯学研究科で、
「インターフェイス口腔健康科学」を提唱
東北大学医学部附属病院と歯学部附属病院の組織上の統合
東北大学病院を開設
わが国唯一の歯学研究科修士課程を設置
医歯学領域以外のキャリアの人材に口腔科学の専門教育を実施
第1回インターフェイス口腔健康科学国際シンポジウム開催
歯科病床、手術室の移転により東北大学病院附属歯科医療センターと改称
文部科学省「生体―バイオマテリアル高機能インターフェイス科学事業」開始
附属歯科医療センターにインプラント外来設置
歯学部歯科研究科講義棟リニューアル完成
日沼頼夫名誉教授、文化勲章受章
東北大学病院外来診療棟に歯科部門として附属歯科医療センターが 移転・統合
歯学部・歯学研究科臨床研究棟リニューアル完成
環境歯学研究センターの設立
歯科法医情報学分野の設置
臨床疫学統計支援室の設置
先端再生医学研究センターの設置
研究科長あいさつ
歯学研究科で学ぶこと
世界の歯学をリードする東北大学大学院歯学研究科 02
学生支援制度
10
沿革
03
多彩な教育プログラム
1 1
インターフェイス口腔健康科学とは 、何か。
04
入試案内
1 1
Ⅰ 修士課程
06
講座紹介
12
Ⅱ 博士課程
08
東北大学病院の紹介
13
入学料・授業料
10
03
インターフェイス口腔健康科学とは 、何か。
What is Interface Oral Health Science?
東北大学大学院 歯学研究科
インターフェイス口腔健康科学
とは 、何か。
Tohoku University Graduate School of Dentistry
「インターフェイス口腔健康科学」の誕生
これまで歯学(歯科医学)として認識
されてきた学問体系は、口腔疾患の治療
論が主体であり、その病因論や根本とな
る基礎歯学はむしろ細分化され、体系化
からはほど遠いものでした。2002年、東
北大学大学院歯学研究科は、細分化され
てしまった個々の専門分野を繋ぎ、口腔
科学として体系化、すなわち再構築する
ために、
「インターフェイス口腔健康科
学」を提唱しました。
口腔は、
「歯・粘膜・骨・筋等の口腔組
織(生体)
」、
「口腔に寄生する微生物(パ
ラサイト)」、
「生体材料(バイオマテリア
ル)」の3つのシステムから成り立ち、こ
の3システムに咬合力に代表される「生
体応力(メカニカルストレス)」が加わる
ことが特徴です。
「インターフェイス口
腔健康科学」とは『健全な口腔機能は、シ
ステムとシステムの接するところ、すな
わちインターフェイスが生物学的およ
び生体力学的に調和することで成り立
インターフェイス
っており、う蝕や歯周病、顎関節症など
口腔健康科学
の口腔疾患はこれらシス
Interface Oral Health Science
テム間インターフェイス
社会
社会
の破綻によって生ずる
メカニカルストレス
国際学術提携校
地域歯科保健推進室
「イ ン タ ー フ ェ イ ス 病」
細菌性歯科疾患
新たな微生物 niche
として捉えられる』とい
(う蝕・歯周病・口臭)
生体
パラサイト
う新たな概念に立脚する
材料
機能障害
誤嚥性肺炎
ものです。
(顎関節症・咀嚼障害・嚥下障害)
歯・粘膜
骨・筋
加えて、口腔そのもの
口腔
感染性耳鼻咽喉疾患
が、体内と外界とのイン
耐久性減少
口腔周囲器官
ターフェイスであり、誤
社会
社会
上部消化管感染症
生体組織不適応
嚥性肺炎や消化管感染症
全身
等の口腔関連疾患もまた
システム間インターフェ
健全な口腔機能は、システム間インターフェイスの調和の上に成り立つ
(Host-Parasite,Parasite-Biomaterial,Biomaterial-Host Interfaces)
イスの破綻に起因すると
口腔の健康は、社会の中で増進される(Social Interface)
理解されます。
そして
「口腔のインターフェイス」から「学問のインターフェイス」
、
「社会のインターフェイス」
へ
この概念は、口腔科学・歯科医療・口
腔保健の領域を網羅するだけではなく、
医学、農学、材料学、薬学など多岐にわた
る学問領域に通ずるものであり、
「イン
ターフェイス口腔健康科学」の実践によ
って歯学研究のさらなる推進、そして関
連領域との学際的研究の活発化が可能と
な り ま す。2007年 に は 文 部 科 学 省 か ら
「生体-バイオマテリアル高機能インタ
ーフェイス科学推進事業」が認められ、
東北大学金属材料研究所、九州大学応用
力学研究所とともに、インターフェイス
の制御を目指した新しいバイオマテリア
ルの研究・開発と臨床応用に取り組みま
した。さらに2012年からは「生物̶非生
物インテリジェントインターフェイスの
た め に「国 際 連 携 部 門」を 設 置 し、米 国
創成事業」が、その後継版として始まり
(University of
ました。これらは、既存の学問分野を接 (Harvard University)、カナダ
British Columbia)、英 国(King’
s College
合し新しい学問を創成するという「学問
(Umeå University)、
のインターフェイス」の具現化なのです。 London)、スウェーデン
さらに、健全な口腔機能を地域社会や
フィンランド(Oulu University)、ア ジ ア
国際社会で実現するためには、地域社会 (北京大学、四川大学、上海交通大学、天津
や国際社会との双方向コミュニケーショ
医 科 大 学、大 連 市 口 腔 医 院、福 建 医 科 大
ンが不可欠です。すなわち、地域住民の口
学、中 国;ソ ウ ル 大 学 校、全 南 大 学 校、韓
腔健康状況を把握しそこにある問題点を
国;チュラロンコーン大学、プリンスオブ
解決し地域に還元すること、海外の口腔
ソンクラ大学、コンケーン大学、タイ;アイ
保健状況を把握し必要なことを導入する
ルランガ大学、インドネシア;VSデンタル
とともに、海外と連携し日本の研究成果
カレッジ、インド)、オセアニア(シドニー
を国際社会に還元することが必要なので
大学、オーストラリア)の基幹校と国際学
す。東北大学大学院歯学研究科は、地域と
術提携を結んでいます。これらは「地域社
の連携を強化するために「地域歯科保健
会・国際社会とのインターフェイス」とし
推進室」を設置、海外との連携を強化する
て、大きな役割を果たしているのです。
「インターフェイス口腔健康科学」の世界への発信
「インターフェイス口腔健康科学」の
した。その成果は英文書籍としてまとめ
概念は、現在、次世代の歯学・口腔科学と
ら れ 世 界 に 発 信 さ れ て い ま す。第3回
して 国内 外 に広 く認 めら れ てい ま す。 (2009年)および第4回(2011年)国際シン
2005年には仙台にて「第1回インターフ
ポジウムでは仙台の地に加え、米国ボス
ェイス口腔健康科学国際シンポジウム
トンにてハーバード大学フォーサイス研
(International Symposium for Interface
究所と共同でサテライトシンポジウム
Oral Health Science: IS-IOHS)」を 開 催
Tohoku-Harvard-Forsyth Symposium が
し、国内外から多くの研究者が集まりま
開催され、
「インターフェイス口腔健康
04
科学」はますますその広がりを示してい
ます。その基盤は、歯学・口腔科学の独自
性と他の学問領域との普遍性を持つ独創
的な研究への希求、そこに集う研究教育
者と大学院生の情熱、そして国際的・学
際的・融合的研究への指向という、歯学
研究科が持つ特質にあるのです。
我々は「インターフェイス口腔健康科学」の
概念に基づき、アジアのスタンダード歯学教
育の確立を目指した「マルチモーダル歯学イ
ノベーションプログラム」を開始しています。
アジアの中心的大学との連携による「大学院
共同教育」を核とした留学生受け入れ体制を
整備すること、そして、
「インターフェイス口
腔健康科学」を基盤とし「国際知」
「融合知」を
キーワードとした歯学のイノベーションを通
して「アジアスタンダード」を構築し、日本を
含むアジアの歯学・歯科医療レベルの向上を
図ることを目的とした大学院教育プロジェク
トです。
具体的にはアジアの有力歯学系大学院との
▲ Peking-Tohoku Dental Symposium
(2013.7.26-27 )
間でダブルディグリー・プログラム(DDプロ
グラム)、すなわち1人の大学院生が2つの大
学の大学院生となり、両校の教員陣による共
同教育を行い、条件を満たせば両校からの学
位を取得できるプログラムを開発・実施し、
それを通した教育・研究の連携を進め、最終
的にアジア共通の基盤(アジアスタンダード)
に基づく歯学・歯科医療の確立を図ろうとい
うものです。
DDプログラムでは、在学中に相手校へ一定
期間留学し、共同研究を進めます。中国:北京
大学、四川大学、天津医科大学や韓国:全南大
学校などと合意がなされ、すでに海外からの
大学院生を迎えています。
東北大学歯学研究科
が発 信 する次 世 代の
口腔健康科学
「アジアのスタンダード歯学教育のための国際共同教育への展開」
Interface Oral
Health Science
( IOHS ) ,
since 2002
▲ China-Japan-Korea Dental Science Symposium 2014
(2014.11.8-9 )
「生物‒非生物インテリジェント・
インターフェイス」の創製
口腔状態と肺炎や脳卒中による死亡との関係を
明らかにしました。
科治療では、
歯
インプラント
北大学大学院歯学研究科
東
では、ハーバード大学、日
IOHS 研究事例
材料としてのチタ
ンに代表される金
属や、骨再生に用い
るリン酸カルシウ
ム系材料など多く
のバイオマテリア
ルを使います。歯学
研究科では、本学金
属 材 料 研 究 所 な ど ▲インプラントに力が加わっ
と 共 同 で さ ま ざ ま た際のインプラント周囲骨代
謝活性を示すPET画像(トレー
な 新 規 バ イ オ マ テ サー:放射性同位体18F-)
リアルの開発に取
り組んでいます。さらにバイオマテリアルと生
体とのインターフェイスを高機能化するための
連携研究を、東北大学大学院工学研究科や医工
学研究科と行っ
ています。また
生体組織は、バ
イオマテリアル
を介して外部か
ら加わる力によ
って変化するた
め、この力によ
る生体反応をイ
ンターフェイス
▲ 患者データによる有限要素解析 機能により制御
モデルでのインプラント周囲骨の応 することを追求
力分布
しています。
本福祉大学と共同で、岩沼市と
学術協定を締結し、日本老年学
的評価研究 JAGESの一環で高
齢者を対象とした大規模コホ
ート調査を実施してきていま
す。脳卒中・心筋梗塞や肺炎等
の呼吸器疾患と口腔状態の関 ▲被災地の仮設住宅での聞き取り調査
連について、4年間追跡できた
4,425名のデータを解析しました。その結果、歯数が20本以上の人に比
べて、19本以下でよく噛めない人は、主要な死因による生存率が低い
傾向が示されました。全身の健康状態、生活習慣、社会経済状態が同等
の人で比較した場合でも、脳卒中・心筋梗塞による死亡の危険性は83
%、呼吸器疾患による死亡
の危険性は85%増加しまし
た( J Dent Res 2011 年)
。こ
の結果、歯を失うことや噛
め な く な る こ と に よ っ て、
これらの疾病による死亡の
危険性が高まることが明ら
かになりました。口腔の健
康を保つことは、これらの
死亡原因のリスクを低下さ
せる可能性があります。ま
た同様の研究により、口腔
状態が良好な場合、要介護
状態になる可能性が低いこ
とも明らかにしています( J
Am Geriatr Soc 2012年)
。
05
歯学研究科 で 学ぶこと
修士課程
What we study at the Graduate School of Dentistry
The Master’s Course
東北大学大学院 歯学研究科
歯学研究 科 で 学ぶこと
Tohoku University Graduate School of Dentistry
Ⅰ修 士 課 程
修士課程開設の経緯
東北大学大学院歯学研究科 修士課程
歯学専門教育を受ける機会のない職種の
口腔科学に関する研究能力を養うことを
は、歯科衛生士・歯科技工士などのいわ
ような方々を対象として、歯学、口腔科
目的としている。
ゆるコデンタルスタッフ、看護師・言語
学の専門教育および研究の門戸を開き、
聴覚士・養護教論・保健行政関係者等の
高度専門職に必要な能力あるいは歯学、
アドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)
すべての事象に対してつねに「考究」す
修士課程では、口腔衛生学、公衆衛生
独創性に富み、先端的な研究を推進する
る科学心を養うことであり、高度の専門
学、保健学、言語治療学、医療社会学、農
ことにより歯学の進歩・発展に寄与し、
知識と技術を持ち、高い見識を有する研
学、工学、理学、食品・栄養学等、多様な
人類の健康と福祉の向上に貢献すること
究者、医療従事者、教育者および行政者
専門的学識と技能を備え、歯学・口腔科
である。
を、地域社会、国内のみならず、広く世界
学研究に意欲的に取り組む人を求める。
東北大学大学院歯学研究科の使命は、
本研究科における教育研究の目標は、
に向けて輩出することにある。
カリキュラムポリシー(教育実施方針)
修士課程の教育カリキュラムは、口腔
学、社会歯科学等、これからの歯学、口腔
事項を身につけ、さらに自らの研究テー
科学の基盤科目から、医歯用生体材料学、
科学に求められる科目までの幅広い授業
マと研究計画についてテーマ選定要旨と
医歯用機器論、食品科学、国際歯科保健
科目を含み、学生の志向に応じたきめ細
して纏めることによって、研究の早期立
かい柔軟な教育を提供する。学生1名に
ち上げを容易にしている。これらの授業
対し複数の指導教員を配し、1年次は歯
を通じて、歯科衛生士、歯科技工士、看護
学概論および歯科臨床概論・病院見学実
師等の医療従事者や理工系学部、食品・
習による歯学・歯科医学への導入に始ま
栄養関連学部、保健系学部等の出身者の
る。1~2年次にわたり修士論文完成まで
方々が、歯学・口腔科学に関する広い知
続く修士論文特別研修では、1年次に大
識や研究能力を修得し、歯学・口腔科学
学院研究基礎論を学ぶことで研究倫理か
に基づく健康の維持・増進への寄与が可
ら各種研究規定まで研究者が遵守すべき
能となる。
ディプロマポリシー(修了要件)
本研究科修士課程を修了しようとする
者は、同課程に2年以上在学し、歯学研究
科履修内規別表第1の授業科目のうちか
ら30単位以上(必修科目18単位及び選択
科目12単位以上)を修得し、かつ必要な
研究指導を受けた上、修士論文を提出し、
その審査及び最終試験に合格しなければ
ならない。
06
修士課程 カリキュラム
必修科目
(18単位)
授業科目
30単位以上
履修
歯学概論
歯科臨床概論・病院見学実習
研究技術トレーニング
専門歯科学
修士論文特別研修
各分野の開講科目から3分野以上を選択
下記から6科目以上選択
選択科目
(12単位)
「歯科生物学」、「歯科病態学」、「医歯用生体材料学」、「医歯用機器論」、「食品科学」、
「国際歯科保健学」、「社会歯科学」、「総合歯科学」、「口腔育成学」、「口腔修復・回復学」、
「顎口腔機能学」、「障害者歯科学」、「高齢者歯科学」、「感染予防歯科学」、「顎口腔再建学」、
「口腔免疫病態制御学」、「長寿口腔科学」、「口腔健康科学特論」、「がん口腔ケア特別研修」
2
年次
年次
入学
修士論文提出
研究テーマ要旨提出
最終試験
修了
1
専門知識の習得および研究指導
修業年限短縮制度
優れた研究業績(著名な学術誌に筆頭著者で論文が掲載される 等)を上げた場合には、最短1年間の在学で修了
することも可能です。
職業を持つなどの事情がある場合には、2年間分の授業料で、最長4年まで在学することが可能です。
長期履修制度
29%
一 般
21
人
(
)
社会人
社会人学生の職業
養護教諭、歯科衛生士、
大手製薬会社社員、
歯科技工士学校教員 等
在 学 生 メッセージ
71%
うち
女子13名
Student自Message
分ペースで 学びやすいシステムが充実
修士課程 学生数(平成27年4月1日現在)
私は現在、短大の看護学科で教員をしなが
ら、社会人大学院生として「口腔ケアのあり方」
を勉強する日々を送っています。以前は看護師
として東北大学病院に勤め、そこで口腔トラブ
ルが人に与える影響の大きさを実感しました。
また、大学に編入学し、養護教諭養成課程の養
護実習で子ども達へ歯磨き指導をした経験か
ら、もっと口腔の健康について学び伝えたいと
思い入学を決めました。入学当初から、指導教
員のみならず、所属する医局の先生方が何かと
気にかけて指導して下さるので、大変感謝して
います。さらに医局には、歯科衛生士、看護師、
介護福祉士など様々な職種の方が所属してい
ます。それぞれ視点が異なるので、幅広い意見
を聞くことができて勉強になっています。
また、ISTU(インターネットで学習できる
システム)を活用できるので、自分の都合の良
い時間やペースで学習できます。そして、医学
分館(図書館)には豊富な文献が所蔵されてお
り、研究の環境も整っています。とにかく、東
北大学の歯学研究科は、社会人学生が学びやす
いシステムや環境が充実しているので、心強い
限りです。これからも、大学院で学んでいる専
門的な知識を、看護の現場に照らして捉え直
し、
「口腔ケアのあり方」を追求して
いきたいと思っています。
修士 2年 宮城県出身
佐藤由記子さん 07
歯学研究科 で 学ぶこと
博士課程(歯学履修課程)
What we study at the Graduate School of Dentistry
The Doctoral Course
東北大学大学院 歯学研究科
Ⅱ 博 士 課 程(歯学履修課程)
アドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)
Tohoku University Graduate School of Dentistry
東北大学大学院歯学研究科の使命は、
独創性に富み、先端的な研究を推進する
ことにより歯学の進歩・発展に寄与し、
人類の健康と福祉の向上に貢献すること
である。
本研究科における研究・教育の目標は、
すべての事象に対してつねに「考究」す
る科学心を養うことであり、高度の専門
知識と技術を持ち、高い見識を有する研
究者、医療従事者、教育者および行政者
を、地域社会、国内のみならず、広く世界
に向けて輩出することにある。
博士課程では、歯学を学ぶ強い意欲と
優れた能力と共に、幅広い視野と柔軟な
感性を持ち、
「臨学一体」の基本理念のも
と、独創的、先端的、学術的、萌芽的研究
を推進しうる人を求める。
カリキュラムポリシー(教育実施方針)
博士課程の教育カリキュラムは、学生
1名に対して複数名の教員による指導体
制のもと、研究の早期立ち上げと専門性
の獲得、さらに学際的視点の涵養を重視
している。1 ~ 4年次にわたり博士論文
完成に向けて様々な教育を受ける「博士
論文特別研修」では、1年次に大学院研究
基礎論を学ぶことで研究倫理から各種研
究規定まで研究者が遵守すべき事項を身
につけ、テーマ選定会議で自らの研究テ
ーマと研究計画について発表し議論する
ことで、研究の早期立ち上げを容易にし
ている。1年次より受講する「歯学特論」
では、それぞれの教員の専門に基づく最
先端の研究について学び、
「実験技術ト
レーニングコース」では、研究に必要な
種々の実験手技の修得を図る。加えて、
最新の研究情報を少人数で学習する「歯
学演習」では、高い目的意識を持って積
極的に研究テーマに取り組めるように工
夫されている。質の高い論文を完成させ
るためには、多くの教員が多様な視点か
ら論文を評価することが必要である。こ
れを可能にするために、国際的な一流雑
誌へ論文を投稿するレベルをスタンダー
ドとした予備審査制度の導入など、審査
制度の充実を図るとともに、国際的視点
の涵養のために国際学会での発表支援を
行っている。
ディプロマポリシー(修了要件)
本研究科歯学履修課程(博士課程)を
修了しようとする者は、同課程に4年以
上在学し、歯学研究科履修内規別表第2
の授業科目のうちから30単位以上(歯学
特論9単位以上、歯学演習6単位以上、実
験技術トレーニングコース6単位以上及
び博士論文特別研修9単位)を修得し、か
つ必要な研究指導を受けた上、博士論文
を提出し、その審査及び最終試験に合格
しなければならない。
博士課程 カリキュラム
授業科目
30単位以上
履修
各分野が開講する
「歯学特論」
「歯学演習」
「実験技術トレーニングコース」
からそれぞれ
3分野以上を選択
歯学特論(9単位) 主に分野の研究内容の概論について学ぶ科目
歯学演習(6単位) 主に分野研究の演習を行う科目
実験技術トレーニングコース(6単位) 実験等の技術トレーニングを行う科目
博士論文特別研修(9単位) 「大学院研究基礎論」
の受講、
「研究テーマの発表」
、専門知識の習得により単位が与えられる
1
2
年次
年次
3
年次
4
年次
研究テーマ選定会議での発表
修士論文提出
修了
入学
最終試験
研究テーマ要旨提出
文献抄読会、症例検討会、研究セミナー、研究経過報告会、診療等に参加
各分野が関連する専門学会への参加や発表
修業年限短縮制度
長期履修制度
08
優れた研究業績(著名な学術誌に筆頭著者で論文が掲載される 等)を上げた場合には、最短2年間の在学で修了する
ことも可能です。
職業を持つなどの事情がある場合には、4年間分の授業料で、最長8年まで在学することが可能です。
68%
一 般
修了後の進路状況
博士課程 学生数(平成27年4月1日現在)
38名
博士課程修了者
合計
30名
人
うち
( 女子54名
)
13名
5名
21名
20%
171
35名
1名
2名
1名
12名
7名
社会人
社会人学生の職業
歯科医院医師・院長、
大手化学メーカー社員 等
12%
留学生
10名
4名
4名
平成24年度
留学生の国籍
中国、インドネシア、ニカラグア、
メキシコ、ベトナム 等
12名
2名
平成25年度
その他
日本学術振興会特別研究員
在 学 生 メッセージ
Student よMessage
り満足度の高い義歯づくりをめざして
在 学 生 メッセージ
Student Message
臨床・研究の両方でやりがいを実感
東北大学歯学部で6年間、学んだ時点で、患者さんの
多様な要望に応えるにはまだまだ力不足だと思いまし
た。研究意欲もあったので、臨床と研究の両方でもっと
実力をつけたいと、歯学研究科に進学しました。
現在、臨床現場で小児歯科医をめざして、子どもさん
の歯の治療・予防に取り組んでいます。各種の症例に的
確に対応するだけでなく、一人ひとりの成長度や性格
を把握して、治療を辛いと思わせず飽きさせない応対
を心がけています。日々、勉強した分だけ患者さんの対
応に反映できるので、とてもやりがいを感じます。
研究の方は、
「歯の再生」をテーマに細胞レベルでの
実験に力を入れています。世界的な先端研究に取り組
んでいる手応えを感じます。学部学生時代に韓国で研
究発表をした時に、韓国の大学の先生から「研究は勉強
だけでなく熱意が大事」と有意義なアドバイスを受け
感激しました。
これからも研究室にこもるのではなく、先生や先輩、
仲間との出会いを大切にしていきたいです。いい刺激
を受けながら、臨床と研究どちらの楽しさも伝えられ
る歯科医師になることが目標です。
現在、基本的には週3日が臨床(外来診療)、週2日は
研究に取り組んでいます。急患に対応する場合もある
ので、臨床の日が増えることもあります。さまざまな症
例に直に触れながら研究できますから、モチベーショ
ンを高めながら取り組めます。また、患者さんに感謝の
言葉を頂けたりするので、自分が地域医療に役に立っ
ているというやりがいを感じます。
東北は他の地域と比較すると、デンタルIQ、つまり口
腔衛生に対する知識が低いので、もう少し啓蒙活動にも
力を入れたいと考えています。将来的には小児科専門医
をめざす一方、歯の再生医療をテーマにした研究に力を
入れています。日本学術振興会奨励費の交
付を受けているので、研究生活に存分に
専念できるので安心です。遅くまで研究
に打ち込む日も多いのですが、探究す
る楽しさに満たされています。
9名
平成26年度
開業・勤務医
東北大学病院医員
大学教員
私は、歯科技工士養成校の教員と現
役の歯科技工士を兼務する、社会人大
学院生です。ふだんは教員と歯科技工
士の仕事をしながら、必要な時に歯学
研 究 科 へ 来 る よ う に し て い ま す。
常々、患者さんに「満足度の高い義歯」
を提供したいと、研究や仕事の現場で
工夫を重ねています。研究テーマとし
ては、義歯に最適な材料と義歯の維持
装置の設計などを手がけています。
私が所属する「口腔システム補綴学
分野」は、経験豊富な指導力のある先
生方に恵まれ、また口腔内の力学的解
析に用いる装置・機器類が充実して
います。これまで臨床技工に携わる中
で、各技術者の経験則に基づく職人芸
と認識されることで習得しにくい領
域が多く、戸惑いがちでした。それで、
歯科技工には根拠が必要なこと、そし
て全てのプロセスを明確にすること
が重要だと考えました。いい加減な作
業やエラーを減らすには、原因究明を
可能にすることが必要です。そこで、
例えば口腔内にセンサーを入れて力
学的解析をするなど、学術的に裏づけ
られた根拠づけを行い、
「満足度の高
い義歯づくり」のガイドラインを作成
したいと願っています。
今後は、日々の研究活動で得た成果
を次世代の教育と歯科技工物製作の
両面に活かし、より高いレ
ベルで歯科医療の世界
に還元していきたい
と考えています。
博士課程2年 岩手県出身
博士課程2年 宮城県出身
千葉 雄太さん 伊藤多佳男さん 09
入学料・授業料、学生支援制度
Admission fee and tuition, Financial support system
東北大学大学院 歯学研究科
入学料・授業料
入学料
282,000 円
授業料(年額)
535,800 円
※上記の納付金額は予定額であり、入学時及び在学中に授業料改定が行われた場合には、改定時から新たな納付金額が適用されます。
Financial
support system
入学料免除・授業料免除
経済的理由により、入学料もしくは授業料を納付することが著
しく困難であると認められ、かつ、学業成績が優秀であると認めら
れる者に対しては、その願い出により、入学料・授業料の全額、半額、
又は3分の1の額(授業料のみ)を免除することがあります。詳細は、
入学手続きに関する書類で通知します。
臨床系分野所属の大学院生が東北大学病院で診療した場合、手
当が支給されます(約25万円/年額(予定額))。
日本学術振興会特別研究員制度
大学院博士課程在学者及び修了者などで優れた研究能力を備え、
大学その他の研究機関で研究することを希望する研究者を「特別
研究員」に採用し、研究奨励金を支給する制度です。
博士課程は20万円/月額(平成27年度の支給予定額)の奨励費が
交付されます。
TA(ティーチング・アシスタント)・RA(リサーチ・アシスタント)
授業や研究の補助業務を行うことで、手当(時間給)が支給され
る制度です。
経済的な面だけではなく、学生を教育指導する経験や、研究の進
め方や理論構築のノウハウなどを吸収できるメリットがあります。
歯学研究科研究者育成プログラム
本研究科では、大学院生の研究者としての国際性と研究の更な
る発展を支援することを目的とする「歯学研究科研究者育成プロ
グラム」を実施しています。大学院生が、国際学会で発表する際の
旅費や学会参加費を、最大30万円まで支援します。
アルバイトを 通した 経 験 も 学びの糧に
東北大学病院 診療手当
在 学 生 メッセージ
日本学生支援機構では、学業成績が優秀で学費の支弁が困難な
学生に、奨学金を貸与しています。貸与月額「第一種奨学金」
(無利
息貸与)は修士課程88,000円、博士課程122,000円で、
「第二種奨学
金」
(利息付貸与)は5万、8万、10万、13万、15万から選択でき、第一
種奨学金と第二種奨学金を併用貸与することもできます。また、優
秀な成績をおさめた者に対しては、第一種奨学金の返済が免除さ
れる制度があります。
この他に、地方公共団体や民間財団による奨学金制度も多数あ
ります。
Student Message
Tohoku University Graduate School of Dentistry
F
学生支援制度
奨学金
10
A
Admission fee and tuition
東北大学歯学部で6年間学んだ後、
研修医としての1年を経て、歯学研究
科博士課程へ進学しました。開業医
だけでは経験できない特殊な症例を
診ることができること、また東北大
学という施設面においても教員にお
いても非常に整った環境での研究を
行うことができ、それを通して歯科
医師としても必要な物事の考え方を
きちんと身につけることができると
いう環境が魅力でした。
現在、博士課程では外来診療と研
究に取り組んでいます。外来では周
術期口腔管理を行っており、様々な
疾患をもった患者さんから多くのこ
とを学んでいます。これは大学病院
であるがゆえに可能なことであると
思います。また、研究は東北大学加齢
医学研究所の先生のもとで行わせて
いただき、歯学研究科内だけでなく
他研究科・研究所の研究室でも指導
を受けることができるという点も総
合大学である東北大学ならではの強
みです。
アルバイトとしては、東北大学が
学生をサポートするために制度化し
ているものがあります。例えば、東北
大学病院での診療(月2万円程度)、地
域医療の向上をめざして運営する東
北メディカル・メガバンク機構の歯
科検診や、RA(研究・技術アシスタン
ト)やTA(学生の授業サポート)など
により報酬を得ることができます。
また、私は歯科医院や歯科衛生士学
校の非常勤講師のアルバイトもして
おり、月に奨学金・アルバイト料の約
25万円の収入がありますので、十分
に生活することができています。
以上のように、十分な収入を得な
がら、診療・研究において様々な経験
ができるこの学生生活は、自分を高
める絶好の学習環境に
恵まれていると言え
ます。
博士課程3年
静岡県出身
百々 美奈さん
多彩な教育プログラム、入試案内
V
Variety of educational programs, Entrance examination information
多彩な教育プログラム
Variety of educational programs
腫瘍専門歯科医養成コース
本研究科では、
「国際知」
「融合知」をキーワードとした歯学のイ
ノベーションを通して「東アジアスタンダード」を構築し、日本を
含む東アジアの歯学・歯科医療レベルの向上を図ることを目的と
した大学院教育プロジェクトとして、中国、韓国の
有力歯学系大学院との間でダブルディグリー・プロ
グラム(DDプログラム)を実施しています。
本プログラムでは、1人の大学院生が2つの大学の大
学院生となり、在学中に相手校へ一定期間留学し、
両校の教員陣による共同教育を行います。条件を満
たせば両校からの学位を取得することが可能です。
歯科医を対象とした口腔がん医療専門の歯科口腔外
科医を養成するコースです。
本コースの学生は、がん診療に必要な臨床腫瘍学の
総論と各論を系統講義コースで履修し、関連施設およ
び医学部関連各科等で実地臨床経験を積んだ後、論文
研究で口腔腫瘍学に関連する論文作成を行うことにな
ります。
他研究科、研究所との連携
総合大学としての強みを生かした、医学・薬学・工学研究科等と
の研究科横断的融合的教育プログラムが実施されています。また、
他研究科の教員から指導を受けることも可能です。
E
入試案内
Entrance examination
information
選抜方法
博士課程
筆記試験
筆記試験
(英語・専門科目)
社 会 人
特別選抜
筆記試験(小論文)
面接試験
書類選考
面接試験
書類選考
外 国 人
留 学 生
特別選抜
筆記試験(小論文)
面接試験
書類選考
筆記試験(専門科目)
面接試験
書類選考
面接試験
書類選考
※平成27年度10月入学は修士課程の募集は行いません。
平成27年度
10月入学
平成28年度4月入学
東北大学と学術交流のある四川大
学で学び、先生の紹介で歯学研究科
に留学しました。日本の先端的な技
術に触れながら、研究の取り組み方
や論文の書き方など研究者としての
能力を向上させることができるの
で、毎日が充実しています。
生活費は、国からの奨学金などで
充分まかなえるので、余裕を持って
学生生活を送っています。仙台は緑
の多い自然環境と都市機能のバラン
スがいいので、生活はとても快適で
す。
東北大学では、先生や学生仲間が
とても親切で、研究や日本語の勉強
を助けて下さいます。さらに、研究の
国際交流も盛んなので、私が手がけ
る無呼吸睡眠をテーマにした研究は
シドニー大学の協力を得ています。
実 際 に、ウ ク ラ イ ナ、サ ウ ジ ア ラ ビ
ア、メキシコからの留学生と一緒に
学ぶことで、いろいろな文化や価値
観、考え方などを理解できました。
将来は中国の大学で研究を続け、
日本で学んだことを活用して、中国
の研究水準の向上、次世代の教育に
貢献したいと考えています。
学べること
勉強について
試験日程
面接試験
書類選考
希望通りの留学生活を実現
(英語・小論文)
一般選抜
在 学 生 メッセージ
修士課程
Student Message
ダブルディグリープログラム
◆海外の大学と一緒に研究が
できること ◆臨床基礎実習
(clinical skill program)
◆臨床見学シミュレーション実習
2次 募 集
平成27年
5月25日㈪
平成27年
5月25日㈪
平成27年
10月19日㈪
5月29日㈮
5月29日㈮
10月23日㈮
平成27年
6月15日㈪
平成27年
6月15日㈪
平成27年
11月9日㈪
6月19日㈮
6月19日㈮
11月13日㈮
入学試験
平成27年
7月22日㈬
平成27年
7月22日㈬
平成27年
12月15日㈫
博士課程3年
合格者発表
平成27年
8月4日㈫
平成27年
8月4日㈫
平成28年
1月21日㈭
龍 剣蘭さん
出願資格
審査受付
出願受付
〜
〜
〜
〜
〜
〜
文化について
1次募集
※
(博士課程のみ)
◆日本語特別授業 ◆茶道、歌舞伎など日本伝統
文化の体験 ◆日本地域社会
との交流
中国出身
11
分野紹介
口腔生物学講座
Guide of course
Oral Biology
東北大学大学院 歯学研究科
口腔生物学講座
口腔生化学
分野
Tohoku University Graduate School of Dentistry
Oral Ecolog y and
Biochemistry
教授 高橋 信博
Nobuhiro Takahashi
歯科薬理学
分野
Dental Pharmacolog y
教授 若森 実
Minoru Wakamori
口腔
微生物学
分野
Oral Microbiolog y
教授 高田 春比古
Haruhiko Takada
歯内歯周
治療学分野
Periodontolog y and
Endodontology
教授 (兼)佐々木 啓一
Hidetoshi Shimauchi
口腔分子
制御学分野
Oral Molecular
Bioregulation
教授 菅原 俊二
Shunji Sugawara
12
口腔をホスト(ヒト)と膨大な数のパラサイト(微生物)が共生する一種の生態系と捉え、パラサイトとの
インターフェイスで生ずる齲蝕、歯周病、口臭等の発症機序とその予防法、さらにはパラサイトによる歯科
用バイオマテリアルの生物学的劣化について、最先端で独創的な技術を用いて研究しています。また本技術
を応用し口腔癌の代謝研究も行っています。
主な研究
テーマ
・口腔バイオフィルム生態系のゲノミクス、プロテオミクス、メタボロミクス
・嫌気実験システムを用いた齲蝕、歯周炎、口臭関連菌の代謝および
病原性
・フッ化物や糖アルコールの齲蝕予防機序
・微小pH電極テレメトリー法による食品や甘味料の齲蝕誘発性評価
・口腔バイオフィルムによる歯科用バイオマテリアルの生物学的劣化
・口腔癌細胞のメタボロミクス
▲歯垢環境を再現する「嫌気ボックス」
「生体の恒常性維持」のために働くメカニズムを分子や遺伝子レベルで研究し
ています。具体的には、分子生物学的、電気生理学的研究手法を用いて、歯科領域
と関係が深い「カルシウムを維持する機構」や「口腔の感覚形成に関わるタンパク
質」の基礎的研究を行っています。これらの基礎研究によりQOLの維持・向上、新
薬開発や再生医療の進展に寄与することを目指しています。
主な研究
テーマ
・Ca2+透過型陽イオンチャネルの機能解析
・味覚、痛覚、触覚の分子神経生物学的研究
▶形質膜に発現させた
チャネルタンパク質
菌体成分をパターン認識して生体防御を担う自然免疫系が
注目されています。当研究室では、各種歯周組織構成細胞培
養 系 に お い て、菌 体 成 分 を パ タ ー ン 認 識 す る Toll-like
receptor 系(TLR)や細菌細胞壁ペプチドグリカン(PGN)の
部分構造に当たるムラミルジペプチド(MDP)やデスムラミ
ルペプチドを細胞内で認識するNOD系分子を介する自然免
疫応答の動態を研究して、歯周病を始めとする口腔粘膜感染
症の病理機序解明を目指しています。
▲正常な口腔上皮細胞は種々のTLR系ならびにNOD
系分子を具備していますが、対応するリガンドで刺激
主な研究
テーマ
・歯周組織の自然免疫と歯周病
しても炎症性サイトカインを産生せず、専ら抗菌因子
・細菌細胞壁ペプチドグリカンと自然免疫系との係わり
を産生します。しかし、感作された細胞は活発に炎症
性サイトカインを産生するようになります。
・菌体成分、特に口腔細菌の菌体成分の免疫生物学的活性
・口腔粘膜における慢性アレルギー炎症を基軸とした歯周病の病態機序解明
・抗ガン剤のアポトーシス誘導機構
口腔内における代表的な慢性炎症である歯周病と根尖性歯周炎の発
症機構について、宿主-細菌ならびに宿主細胞間の相互作用という観点
から研究を行うとともに、歯周組織再生メカニズムの解明に取り組んで
います。またレーザーなどの医用機器(ME)の歯周ならびに歯内治療へ
の応用を目指した研究を行っています。
主な研究
テーマ
・歯周病ならびに根尖性歯周組織疾患の分子生物学的病態解析
・歯周組織における細胞間相互作用の解析
・歯周組織再生メカニズムの解析とその治療への応用
・MEを用いた歯周病の病態診断法の開発
・新規スキャフォールドを用いた歯周組織再生法の開発
▲歯根膜細胞により形成された石灰化ノ
ジュール
口腔粘膜では「口腔粘膜細胞」、
「免疫担当細胞」と「唾液」の3者
が積極的に関与してトライアングルを形成し、さらに、さまざま
な免疫調節物質が仲立ちをして、微生物感染などから粘膜を守
り、恒常性を維持していると考えられます。その破綻(異常)が口
腔疾患(口腔粘膜、唾液腺)であり、この防御機構と破綻の原因を
解明することにより予防・治療戦略創生を目指しています。
主な研究
テーマ
・口腔粘膜での免疫制御機構
・金属アレルギーの発症機序
・唾液腺疾患の分子機構
・ビスホスホネートの顎骨壊死
・ビオチンによる炎症制御機構
・ヒスタミンの免疫・生理作用
▲口腔粘膜の防御機構と研究目標
口腔機能形態学講座
Oral Function and Morphology
口腔機能形態学講座
口腔器官
構造学分野
Oral and
Craniofacial
Anatomy
教授 市川 博之
Hiroyuki Ichikawa
歯科法医
情報学分野
Dental and Digital Forensics
教授 (兼)佐々木 啓一
Keiichi Sasaki
口腔生理学
分野
Oral Physiology
教授 (兼)若森 実
Minoru Wakamori
口腔システム
補綴学分野
Advanced
Prosthetic Dentistry
教授 佐々木 啓一
Keiichi Sasaki
加齢歯科学
分野
Aging and
Geriatric Dentistry
教授 服部 佳功
Yoshinori Hattori
総合歯科
診療部
Comprehensive Dentistry
教授 菊池 雅彦
Masahiko Kikuchi
当分野は主に人体の解剖学的(形態学的)研究を行っており、その研究
対象は歯や口腔のみならず、全身に及びます。ヒトの形態に関しては現
代人のみならず古人骨や他地域の人類集団も対象とし、あるいは各種動
物資料を用いた比較解剖学観点からの研究も行っています。研究手法も
肉眼観察、機械計測など幅広く、マクロからミクロまで、また過去から未
来まで、時間的・空間的に極めて広範な関心に対応した研究を行うこと
が可能です。また、口腔顔面領域における神経科学的な研究も行ってい
ます。
主な研究
テーマ
▲矢印は、咽頭粘膜におけるTRPV1陽性神
経腺維を示す。矢頭は、咽頭の粘膜上皮にお
けるTRPV2陽性細胞を示す。
・人体の肉眼機能解剖学的研究
・ヒトを含む各種霊長類の歯の比較解剖学的研究
・ヒトの歯の先天性欠如様式の研究
・生体材料の開発と応用
・先端機器を用いた生体機能解析とその応用 ・歯や顎骨の形態からみた日本人の生活史の復元
・人骨鑑定における硬組織形態情報の提供と、その手法の確立
・口腔顔面領域における知覚伝達機構の解明
歯科法医学は、歯科医学の専門的立場から、医学的解明助言を必要とする法律上の案件、事項について、科
学的で公正な医学的判断を下すことによって、個人の基本的人権の擁護、社会の安全、福祉の維持に寄与す
ることを目的とする学問体系です。当分野は、総合大学としての東北大学の利点を活かし、関連する様々な
領域と連携した歯科法医学の構築を目指します。
主な研究
テーマ
・発掘人骨の形態学的研究 ・法医学的個人識別における歯科情報の適用 ・大規模災害時の検案支援とマネージメント
・日本人の歯の形態学的研究 ・哺乳類の歯の比較形態学的研究
顔面や口腔内からの触覚や運動覚の情報が、大脳皮質の感覚中
枢でどのように処理されるかについて研究を行っています。特に、
動物が舌を器用に動かす際の神経活動の解析に力を入れていま
す。さらに、歯周組織のメカニカルストレス受容機構や神経細胞
などの分化・再生に関する細胞生物学的、分子生物学的研究に加
え、舌の味覚や脂質感受性に関する心理物理学的研究も行ってい
ます。
主な研究
テーマ
▲ニューロンの全体像と、セロトニンを含み痛みを
抑制する終末とのシナプスの分布図
・大脳触覚中枢(体性感覚野)の舌運動時神経活動に関する電気生理学的研究
・味覚受容や舌の脂質感受性に関する心理物理学的・疫学的研究
・歯周組織のメカニカルストレス受容機構に関する分子生物学的研究
・神経細胞や骨芽細胞の分化・再生・細胞死の制御に関する分子生物学的研究
▲細胞体周辺とそれにまとわりつ
くセロトニンを含む細い軸索
歯、歯槽骨、顎骨の部分的な欠損に対し、その形態、機能の回復を図ることを目的として、
従来の歯科補綴学的手法に加え、インプラントや移植、再生治療、創建治療を応用した新
たな治療法の開発、ならびに補綴装置、生体材料と生体とのバイオメカニカル、メカバイ
オロジカルなインターフェイスに関するバックグラウンドの解明を目指します。
主な研究
テーマ
・生体内測定に基づく部分床義歯補綴・インプラント補綴に関するバイオメカニクス
・部分床義歯補綴・インプラント補綴に関わる骨改造機転に関する
核医学的分子イメージング研究
・欠損補綴・顎顔面再建治療における移植・再生・創建に関する研究
・欠損補綴・顎顔面再建治療における新バイオマテリアルの開発と応用、
機能性インターフェイス創生に関する研究
・部分床義歯・インプラント義歯の長期経過に関する研究
外来診療や在宅訪問診療など、多職種連携を伴う様々な歯科医療の実践を
通じて、高齢者歯科口腔保健・医療のあり方を模索しています。縦断コホー
ト調査により歯科口腔保健と健康・QoLの関連を解明する研究や、口腔機能
の適確な評価法や、機能回復の手段を開発する研究にも力を注いでいます。
主な研究
テーマ
・大規模コホート研究に基づく歯科口腔保健と健康・
QoLの関連や因果関係の解析
・多様なモダリティを応用した口腔機能評価法の開発
・口腔機能の加齢変化に関する研究
・多職種連携に基づく高齢者歯科医療の供給体制に関する検討
▲mfMRI による咀嚼筋の活動マップ
(左側第1大臼歯での片側噛みしめ)
総合歯科診療部は、より良い包括的な歯科診療の実践を目指している診療部であ
り、同時に卒後研修医の臨床研修の場でもあります。さらに、大学院生と共に以下の
ような基礎的・臨床的研究も行っています。
主な研究
テーマ
・歯根膜細胞を応用した歯周組織再生に関する研究
・歯の欠損や歯周病と全身疾患との関連性に関する研究
・歯痛のサーカディアンリズムに関する研究
・高齢者の口腔衛生と口腔内微生物に関する研究
・プライマリケアにおける効率的な治療法の開発
▲歯 根 膜 の 再 生 に お け る マ
ラッセの上皮遺残の役割
13
分野紹介
口腔修復学講座・口腔保健発育学講座
Guide of course
Restorative Dentistry, Oral Health and Development Science
東北大学大学院 歯学研究科
口腔修復学講座
歯科生体
材料学分野
教授 (兼)鈴木 治
Osamu Suzuki
主な研究
テーマ
▲チタン表面に成長した骨組織
▲歯科用磁性
アタッチメント
・新しい歯科用チタン合金の開発と応用の研究
・歯科用制菌性合金の研究
・磁石による機能性デバイスの開発と磁石の歯科応用の研究
・CAD/CAMに適した新しい快削性歯科材料の研究
・歯科材料の口腔内での劣化と安全性の研究
▲切削応力の測定 ▲CAD/CAMによる加工
歯科
保存学
分野
う蝕や歯周病により傷害を受けた歯に関して、
健康な人から病気をお持ちの患者様にも対応出来
る治療技術の確立を目指しています。そのため、歯
の病気が起こる仕組みの解明、機能回復に適した
歯科材料の開発と、再生医療を用いた先端医療の
実用化を目標にした研究を行っています。
Operative Dentistry
教授 齋藤 正寛
Masahiro Saito
分子・再生
歯科補綴学
分野
Molecular and Regenerative
Prosthodontics
教授 江草 宏
Hiroshi Egusa
主な研究
テーマ
・歯の再生機構に関する研究
・歯根膜形成機構に関する研究
・循環器疾患における保存治療に関する研究
・歯周炎に対する細胞移植治療の開発
・抗炎症作用を有する歯科材料の開発
歯の再生医療技術の開発
細胞移植あるいは生物活性物質による歯科領域の再生医療のモデル(上段)
シート技術を用いた歯への細胞移植技術開発(下段左側 、矢印)
生物活性物質の局所投与技術による再生効果(下段右側)。
矢印は線維構造物の再生を示します。
◀
Tohoku University Graduate School of Dentistry
Dental Biomaterials
口腔修復材料やインプラント材料に至る広
範囲な歯科生体材料に新たな機能性を付与し
た材料開発や口腔内で用いられる機能性デバ
イスの開発を行い、それらの成形加工法から
口腔内環境下での劣化及び安全性まで一貫し
た研究を追及し、歯科医療の向上を目指して
います。
◀歯 科 治 療 で 切
除された歯肉か
ら作製したiPS細
胞を用いて、次世
代の再生歯科医
療やテーラーメ
イド歯科医療技
術の創成に取り
組んでいます。
少数歯欠損によって失われてしまった口腔機能を、細
胞や生体材料を用いた“再生医療”により回復し,
“患者
の個人差”を検査により予測することで、さらなる歯の
欠損拡大を防止する新たな歯科医療技術の確立を目指し
た研究を行っています。
主な研究
テーマ
・iPS細胞を基盤とする口腔組織再生技術の開発
・歯肉を用いた医療応用に安全なiPS細胞の開発
・バイオミメティック骨再生材料の開発
・ケミカルバイオロジーに基づいた骨再生促進剤の開発
・歯槽骨吸収における骨免疫学の研究 ・テーラーメイド補綴歯科医療の確立に向けた術前診断法の開発
・CAD/CAM法を用いたメタルフリー歯冠修復の基礎・臨床的研究
口腔保健発育学講座
予防歯科学
分野
Preventive Dentistry
教授 小関 健由
Takeyoshi Koseki
小児発達
歯科学分野
Pediatric Dentistry
教授 福本 敏
Satoshi Fukumoto
14
歯科疾患を予防し歯と口の健康と機能の保持増進をはかることを目的とし、
当分野は以下の研究を行っています。予防歯科学の重要性を再認識する社会的
機運の中で、特に東北地方の口腔内の現状は立ち遅れており、効果的な歯科疾
患の予防法とQOLを高める健康増進の方策への研究は急務であります。
主な研究
テーマ
・う蝕の進行度と将来のリスクの研究
①超音波による初期う蝕の数値化 ②レーザーによるう蝕リスクの評価
・歯周疾患のリスク評価法と分子疫学 ①細菌学的な歯周疾患リスク評価
②遺伝子型による歯周疾患リスク評価
▲当分野で開発した口臭測定器
③効果的な歯周治療のメインテナンスに関する研究
・口臭に関する研究
①口臭の原因に関わる細菌学的研究 ②口臭測定機器の開発と測定法の研究 ③口臭心理臨床の研究
・フッ化物に関する研究 ①公衆衛生学的フッ化物応用によるう蝕予防法の研究
・歯科疾患発症に関わる分子生物学的研究 ①歯肉増殖症発症のメカニズムの研究
・フィールド調査と地域保健活動に関わる研究
①効率的な地域保健活動の運用に関する研究 ②歯科疾患の実態の推移に関する研究
小児期からの健康な口腔の育成を目指して、小児の齲蝕や歯の
外傷、歯の形成異常、口腔軟組織疾患に対して、疫学研究や基礎的、
臨床的研究を行っています。
主な研究
テーマ
・歯の発生に関わる新規分子の同定とその機能に関する研究
・エナメル質形成に関する研究
・口腔疾患遺伝子の同定とその機能に関する研究
・歯および唾液腺の組織工学的再生に関する研究
・幹細胞を用いた疾患発症メカニズムの解明と治療法の開発
・新しい齲蝕予防に関わる材料開発と評価
▶単一の遺伝子欠損によるエナメル質形
成異常(左図)、遺伝子操作による臼歯の
幅のコントロール(右図)
口腔病態外科学講座
Oral Medicine and Surgery
顎口腔
矯正学分野
顎口腔矯正学分野はヒトの成長発育、加齢にともない変化する顎口腔系の異常
な形態や機能の診断と治療に関する研究を行うと同時に、それらの原因を追求す
る、新たな診断法、治療法の開発、歯の移動や顎顔面の成長のメカニズムの解明を
目指し、多方面にわたる臨床的・基礎的研究を行っています。
また、本分野は矯正歯科医の養成機関として、大学院とは別に3年間の卒後研修
プログラムを開講しています。日本矯正歯科学会から矯正歯科認定医、指導医、専
門医の養成機関として認可されています。
Orthodontics and
Dentofacial Orthopedics
教授 山本 照子
Teruko Yamamoto
口腔障害
科学分野
Oral Dysfunction Science
教授 五十嵐 薫
Kaoru Igarashi
国際歯科
保健学分野
International Oral Health
教授 小坂 健
Ken Osaka
主な研究
テーマ
1.臨床研究
・インプラントを固定源とした矯正治療法の開発
・矯正治療アウトカムのQOL評価 ・咬合と脳機能との関連に関する研究
・顔面形態の分析に関する研究 ・睡眠時無呼吸症候群
・顎口腔機能と咬合異常 ・レーザーによる除痛に関する研究
2.基礎研究
▲細 胞 内 小 器 官 の 蛍 光 イ
メージング
・歯の移動のメカニズムの解析
・骨組織がメカニカルストレスに応じて変形する過程を探る研究
・顎顔面の発生のメカニズムの解析とその異常に対する遺伝子治療法の開発
・骨細胞、歯根膜細胞、軟骨細胞のメカニカルストレス応答機構の解析 ・人工歯胚の再生に関する研究
・矯正力によって生じる痛みの制御に関する基礎的研究 ・矯正用医用材料の開発
口腔障害科学分野は、顎口腔システムの正常な形態と機能およびその成長発育と、これらの異常により生
ずる障害とその改善に関する研究を行う臨床歯学の一分野です。
主な研究
テーマ
・効率的な歯科矯正治療に関する研究
・唇顎口蓋裂などの顎顔面部先天異常の診断と治療に関する研究
・破骨細胞形成における免疫系細胞の役割に関する研究
・抗炎症作用と骨形成作用を併せ持つ新規ビスフォスフォネートの開発
・咀嚼習慣が糖代謝機構に与える影響に関する研究
・生体に優しい形状記憶合金の開発
国際歯科保健学分野は、先進国のみならず開発途上国においても課題とな
っている高齢者の口腔ケアや学童期等の口腔保健の課題について、地域保健
等の観点から有効な手法の開発研究を行うとともに、開発途上国等への国際
協力に関わる人材についての育成を行います。また、諸外国との比較により、
日本国内の歯科保健状態や健康格差の分析、歯科医療制度および歯科公衆衛
生についての理解も深めます。
主な研究
テーマ
・国際比較による歯科医療・口腔保健問題の分析と対応策に関する研究
・わが国の介護保険・医療制度における効果的な口腔ケアに関する手法の研究
・口腔保健分野での国際協力に関わる手法や人材の育成に関する研究
・健康格差と社会的決定要因に関する研究
口腔病態外科学講座
口腔病理学
分野
Oral Pathology
教授 熊本 裕行
Hiroyuki kumamoto
口腔診断学
分野
Oral Diagnosis
教授 笹野 高嗣
Takashi Sasano
顎顔面・
口腔外科学
分野
Oral and
Maxillofacial Surgery
教授 高橋 哲
Tetsu Takahashi
口腔病理学分野は、口腔に生じる様々な疾病を肉眼および顕微鏡
により観察することを基本とし、その他の様々な解析手法を用い、
その病因・病理発生・病態・転帰について解明することを目的とし
ています。当分野では、主として以下のような研究を行っています。
主な研究
テーマ
・顎骨疾患に関する分子病理学的研究
・歯の発育異常に関する臨床病理学的および遺伝学的研究
・口腔免疫疾患・口腔癌に関する臨床病理学的および免疫組
織化学的研究
・生体材料を用いた再生医療に関する研究
▲エナメル上皮腫におけるテロメラーゼの発現
(a:TRAP法, b:免疫組織化学)
◀骨粗鬆モデル(卵巣摘
出カニクイザル)におけ
る下顎骨のマイクロ
CT3D再構成画像(左)。
コントロール(右)と比
較して骨梁構造が消失
しています。
全身と口腔との関連を重視し、口腔疾患をOral Medicine,
Oral RadiologyおよびOral Diagnosisの立場から考究してい
ます。他分野と連携した数多くの学際的研究を行っていま
す。
主な研究
テーマ
・全身疾患と口腔症状に関する研究
・口腔粘膜疾患の診断および内科的治療に関する研究
・口腔病変の画像診断に関する研究
・痛みと血流との機能的相関に関する研究
口腔顎顔面領域に生じる先天異常、顎変形症、顎関節疾患、腫瘍、外傷などの疾患における診断方法および、
それら疾患の病態の制御と形態的・機能的な外科的再建方法についての研究を行っています。
主な研究
テーマ
・口腔顎顔面領域の形態的・機能的再建に関する研究
・顎骨延長法および骨膜伸展法を応用した骨造成法に関する研究
・インプラントのための各種骨造成法に関する研究
・口唇口蓋裂の咬合再建に関する研究
・顎関節機能障害の病態形成と治療に関する研究
・口腔顎顔面外傷の治療法に関する研究
・骨再生材料に関する基礎的ならびに臨床応用に関する研究
・口腔癌の制御に関する研究 ・口腔癌の外科的再建治療に関する研究
・骨形成を促進するインプラント材料の開発
・3D CT/Photoを応用した顎変形の診断と手術シミュレーションの研究
・Tissue Engineeringを応用した顎骨再建に関する研究
◀▼口 唇 口 蓋 裂 患 者
の顎裂部に自家骨を
移植し、永久歯の咬合
形成を行った例
骨移植術前
骨移植術後
咬合形成後
15
分野紹介
顎口腔創建学講座・地域医療支援部門(東北メディカル・メガバンク機構)
・口腔腫瘍病態学講座(協力講座)
Guide of course
Craniofacial Engineering and Regeneration, Department of Community Medical Supports (Tohoku Medical Megabank Organization), Molecular Pathogenesis of Oral Tumor
東北大学大学院 歯学研究科
歯科口腔
麻酔学分野
Dento-oral
Anesthesiology
教授 正木 英二
Eiji Masaki
本分野研究の目的は口腔外科手術、歯科治療
を受ける患者さんのあらゆる苦難を取り除くこ
とです。痛みを制御し、医学的な合併症を避け、
治療を受ける際により快適な環境を提供するこ
とが具体的な目的となります。このような目的を
達成することにより、患者さんのクオリティオブ
ライフが改善されるばかりでなく、昨今問題とな
っている医療費の削減につながります。
主な研究
テーマ
▲ヒト気管支ドパミンD1受容体の免
疫組織染色
(A) 気管平滑筋におけるドパミンD1
▲術後痛ラットモデルにおける 受容体の発現⦆
熱刺激装置での疼痛評価
(B) ネガティブコントロール
Tohoku University Graduate School of Dentistry
・脊髄レベル疼痛制御機構の解明
・術後痛をはじめとする難治性疼痛管理法の開発
・新たなる気管支痙攣喘息治療法の開発 ・気管支上皮に注目したCOPD管理法
顎口腔創建学講座
顎口腔形態
創建学分野
Craniofacial Development
and Regeneration
骨・歯や軟骨、結合組織等の発生成長および修復の現象について、主に
細胞外マトリックスに注目して研究を進めています。
主な研究
テーマ
教授 笹野 泰之
Yasuyuki Sasano
顎口腔機能
創建学分野
Craniofacial Function
Engineering(CFE)
教授 鈴木 治
Osamu Suzuki
・細胞外マトリックスが骨芽細胞、軟骨細胞、セメント芽細胞、象牙
芽細胞等の分化を制御するメカニズムの検討
・発生と修復に伴って骨・歯や軟骨、結合組織における細胞外マトリ
ックスが代謝される機構に関する研究
・発生と修復に伴って骨・歯や軟骨、結合組織における細胞と細胞外
マトリックスが分化し成熟する機構に関する研究
・発生と修復における骨・歯と軟骨の石灰化機構の検討
・組織修復を促進するメカニズムの検討
E15 Rat Mandible
TYPE I Collagen
Fibronectin
▲▶ラ ッ ト 胎 児 下
顎における細胞外
マトリックス分子
の発現
Tenascin C
歯科、口腔外科、および整形外科領域における様々な骨欠損の修復に
向け、バイオロジーとバイオマテリアルサイエンスを融合した組織工学
の基礎および応用研究を進めています。特にバイオミメティクス(生体
模倣)に基づいた新規生体機能材料および新規デバイスの開発、および
それらを用いた組織再生研究を行っています。
主な研究
テーマ
・ヒドロキシアパタイトに徐々に自然転換する合成リン酸オクタカ
ルシウム(OCP)を用いた骨再生
・骨および歯周組織を再生させる成長因子群の徐放調節デバイスの開発
・力学適応性・骨再生能を付与した金属インプラントの表面設計
・バイオミネラリゼーションを応用した生体および合成高分子担体
による骨再生と石灰化調節因子の基礎研究
・細胞分化を制御する三次元細胞培養デバイス開発
・合成リン酸カルシウムによる新規ドラッグ・遺伝子デリバリー法
の開発と骨再生医療への応用
・再生骨の骨質評価方法の開発
▲骨芽細胞の分化を促進する作用を持
つ独自開発の人工生体材料(合成リン酸
オクタカルシウム:OCP)による骨再生
研究および骨再生機序の解明
▲骨芽細胞や軟骨細胞にメカニカルス
トレスを負荷する独自の培養システム
の開発、また、それらマイクロ・ナノ操
作技術による幹細胞分化機序の解明
地域医療支援部門(東北メディカル・メガバンク機構)
地域口腔
健康科学分野
Community Oral Health Science
教授 坪井 明人
Akito Tsuboi
少子高齢化や核家族化の急進により、地域・家族のつながりが希薄化し、地域コミュニティ機能の脆弱化
が進行しています。このような社会環境を背景に、当分野では、口腔および全身の健康維持と増進に影響す
る口腔由来因子をビッグデータ(大規模ゲノムコホート研究)を用いて明らかにしていくことを目指してい
ます。
主な研究
テーマ
・地域の口腔保健支援システムならびにプログラムの構築
・全身の健康に影響を及ぼす口腔由来健康因子の解明
・口腔の健康維持と増進に関連するゲノミックス
口腔腫瘍病態学講座(協力講座)
口腔腫瘍
制御学分野
Oral Cancer
Therapeutics
教授 堀内 久徳
Hisanori Horiuchi
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低分子量G蛋白質は細胞内スイッチとして、細胞増
殖・細胞運動や細胞内輸送を制御しています。私達は低
分子量G蛋白質の口腔腫瘍増殖・浸潤・転移制御におけ
る役割を解明すべく研究を行っています。骨粗鬆症治療
薬ビスホスホネートは破骨細胞で低分子量G蛋白質の
脂質修飾を阻害することによって効果を発揮します。私
達は低分子量G蛋白質の脂質修飾に関する研究も行っ
ています。
主な研究
テーマ
・低分子量G蛋白質による口腔腫瘍増殖・浸潤・
転移制御機構
・低分子量G蛋白質の脂質修飾に関する研究
▲我 々 が 発 見 し た 低 分 子 量G蛋 白 質Ralの 抑 制 性 制 御 因 子
RalGAPの遺伝子欠損マウス(KO)に膀胱癌を誘導すると正
常型(WT)に比べて大きな悪性度の高い膀胱癌が頻発しまし
た。さらに、ヒト膀胱癌ではこの遺伝子の発現低下は予後悪化
に相関しました。このようにRalGAPに膀胱癌悪性化を抑制し
ている可能性を認めました。
生体再生歯工学講座(協力講座)
・難治疾患・口腔免疫学講座(協力講座)
・新生体素材学講座(協力講座)
・口腔免疫病態制御学講座(協力講座)
Bio-Dental Engineering, Intractable Diseases and Immunology, Advanced Biomaterials, Immune Regulation and Oral Immunity
口腔分子
腫瘍学分野
Molecular Oral Oncology
教授 本橋 ほづみ
Hozumi Motohashi
口腔腫瘍の9割は扁平上皮がんであるとい
われています。転写因子Nrf2は多くの扁平上
皮がんの悪性化に重要な役割を果たしていま
す。私たちは、がんの悪性化機構の解明とそ
の治療法開発を目指して、Nrf2ががん細胞で
果たす役割を、糖やアミノ酸代謝、核内のレ
ドックス反応、ゲノム防御反応という3つの
視点から研究しています。
主な研究
テーマ
▶正常細胞において、Nrf2は、
活性酸素種や毒物の解毒を促
進し、種々のストレスから細胞
を守っています。増殖シグナル
が活性化されたがん細胞では、
Nrf2がグルコースやグルタミ
ンの代謝にも大きく影響を及
ぼし、細胞増殖に有利な代謝を
実現することで、がんの悪性化
をもたらしています。
・がんのイニシエーション・プロモーションにおける酸化ストレス応答機構
・がん細胞の代謝リプログラミングとストレス応答機構
・細胞のがん化における核内レドックス反応とゲノム防御機構
生体再生歯工学講座(協力講座)
歯科再生
歯工学分野
Bio-Dental Engineering
教授 鎌倉 慎治
Shinji Kamakura
歯は健康な骨組織に囲まれてこそ充分な機能を発揮しています。
歯周病や先天異常あるいは顎骨内腫瘍などの様々な歯科疾患によっ
て歯を支えるべき骨が失われてしまうと咀嚼障害などの様々な問題
を抱えてしまいます。当分野では疾患によって失われてしまった骨
組織を人工材料によって再生させることで咀嚼障害等を回復させる
ことを目指すとともに患者さんにとってより負担の少ない治療を考
えながら基礎的・応用的研究に取り組んでいます。
主な研究
テーマ
▶OCP/Collagen
(*)のヒトへの
応用及びその効
果:X線 透 過 像
を示す病変部(術
後 2 日)での骨再
生(術後6 ヶ月)
・リン酸オクタカルシウム・コラーゲン複合体(OCP/Collagen)による骨再生研究
・骨再生に関連する動物実験モデル作製に関する研究
・再生骨組織の定量化に関する研究
難治疾患・口腔免疫学講座(協力講座)
難治疾患・
口腔免疫学
講座
Intractable Diseases and
Immunology
教授 小笠原 康悦
全身性の難治性疾患はしばしば口腔内病変として初発することが知られ
ています。しかし、口腔内病変と難治性疾患の発症との詳細な関係は必ずし
も解明が進んでいません。当研究室は、自己免疫疾患などの難治性疾患の病
態解明を免疫応答、特に口腔組織の免疫応答に着目して追究しています。
主な研究
テーマ
Koetsu Ogasawara
・ドレス細胞の発生機構の解明とその臨床応用
・がんに対する免疫監視機構、癌免疫療法の研究
・金属アレルギーの発症機構の解明と新規診断・治療法の開発
・新興・再興感染症に対する免疫応答
•自己免疫疾患
▲ド レ ス 細 胞(写 真)NK 細 胞(赤)は、
II
を獲得します。
樹状細胞からMHC (緑)
新生体素材学講座(協力講座)
生体融合
素材学分野
Advanced Biocompatible Materials
教授 後藤 孝
組織創建を目的とした、新たな生体融合材料、組織への融合を促す物理的化学的表面性状加工技術、ハイ
ブリッド人工組織の研究開発を行っています。
主な研究
テーマ
・強度、弾力性、保水性等に優れた、自己組織置換型生体融合材料の開発
・チタンやヒドロキシアパタイトに対し、細胞接着性、組織融合性を高める表面性状加工技術開発
・細胞親和性と接着性、保水性、保温性、加工性等に優れたハイブリッド人工組織の開発
Takashi Goto
生体機能
素材学分野
Advanced Biofunctional
Materials
教授 新家 光雄
再生組織の機能創建を目的とし、生体
組織に類似した機能を有する材料、再生
組織の機能獲得を促進、賦活化しうる材
料の研究開発を行っています。
主な研究
テーマ
Mitsuo Niinomi
▶家兎脛骨骨折モデルへの髄内釘移植後24週で
のX線写真:低弾性率チタン合金では骨吸収が抑
制され、骨のリモデリングが良好です。
(左)低弾性率チタン合金(弾性率≒60GPa)
(右)SUS316Lステンレス鋼(弾性率≒160GPa)
・生体機能と調和した人工歯根、人工骨等の生体機能材料の開発
・生体組織と同等以上の機械的・生物学的性質を持った生体機能材料の開発
・発育・加齢により変化する生体組織に調和する生体材料の開発
口腔免疫病態制御学講座(連携講座)
口腔免疫
病態制御学
講座
Immune Regulation and
Oral Immunity
客員教授 高木 智
Satoshi Takaki
外界異物や微生物に暴露される口腔は、生体防御機構の最
前線を形成する場所です。また、唾液腺や口腔粘膜は、しばし
ば自己免疫やアレルギーなど免疫応答による炎症反応の標的
となて患者のQuality of Life
(QOL)を大きく損なうため、その
制御・克服が大きな課題となっています。本研究室では、
(1)
宿主免疫応答による口腔粘膜における生体防御機構、
(2)シ
ェーグレン症候群を含む自己免疫疾患の病態形成あの鍵とな
る自己抗体の産生機構、
(3)組織幹細胞・前駆細胞における細
胞応答制御機構等についての解析から、生体防御及び口腔疾
患病態の制御・修復法開発を目指しています。
主な研究
テーマ
▲ストローマ細胞上で増殖 ▲イ ン テ グ リ ンβ鎖 リ ン
分化するリンパ球前駆細胞 酸 化 を 制 御 す るLnkア ダ
プターを介した新規シグ
ナル伝達機構
・液性免疫応答の成立と維持機構及びその制御 ・自己抗体産生のメカニズムと自己免疫病態への関与
・免疫系の修復・再構築制御法の開発
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分野紹介
長寿口腔科学講座(連携講座)・生体適合性計測工学寄附講座・次世代歯科材料工学寄附講座・歯学イノベーションリエゾンセンター
Guide of course
Geriatric Oral Science, Redox Regulation, Next generation Dental Materials Research, Liaison Center for Innovative Dentistry
東北大学大学院 歯学研究科
長寿口腔科学講座(連携講座)
長寿口腔
科学講座
Geriatric
Oral Science
Tohoku University Graduate School of Dentistry
客員教授 松下 健二
Kenji Matsushita
客員教授 新飯田 俊平
Shumpei Niida
我が国は世界屈指の長寿社会であり、高齢者
のクオリティー・オブ・ライフ(QOL,生活の質)
の維持は個人のみならず、社会的にも重要な課
題です。当講座では、高齢者のQOLを低下させる
骨・関節疾患(歯槽骨・顎関節を含む)の分子細
胞生物学的研究とともに、歯の喪失の原因とな
るう蝕、歯周病について、血管生物学的あるいは
骨代謝学的観点から基礎的、臨床的研究を行な
っています。
主な研究
テーマ
▲血管と骨代謝の関連
・一酸化窒素の歯周組織における役割とその応用
・血管病としての歯周病の病態解析とその制御
・オミックス解析による加齢・疾患関連生体分子の探索的研究
生体適合性計測工学寄附講座
生体適合性
計測工学
寄附講座
Redox Regulation
教授 庭野 吉己
Yoshimi Niwano
生体の構成分子間(脂質膜、酵素やタンパ
ク、DNA)における電子授受に伴う活性酸素
・フリーラジカル産生を機軸とした生命現象
の機構解明並びにフリーラジカル制御技術
の開発と応用は、医療分野における重要な課
題です。本講座では、酸化還元反応制御・計
測技術を用いて、医・農・工学分野全般にわ
たる基礎及び応用研究を展開しています。
主な研究
テーマ
・レーザー励起型ラジカル殺菌の基
礎研究とトランスレーショナルな
臨床研究
・酸化ストレスと抗酸化物質の相互
作用に関する研究
◀▲生 成 し た ラ ジ カ ル を 電
子スピン共鳴装置で測定。バ
イオフィルム中の菌はラジ
カルにより効率的に殺菌さ
れます。
次世代歯科材料工学寄附講座
次世代
歯科材料工学
寄附講座
Next generation Dental
Materials Research
教授 (兼)佐々木 啓一
Keiichi Sasaki
歯科医療器材の研究を通じて、健康長寿社会を実現するため、臨床形態の変革をリードする様な革新的な
技術を一早く歯科分野へ応用し臨床応用を目指します。欠損した歯や骨を再建するための歯科医療器材の
基本的な理工学的性質の解析、さらには歯科材料の特徴でもある中間材料としての操作性も含めた材料設
計、加工方法、生体安全性についての研究を行います。また材料自体が生体内で機能し、その形態を維持する
ための口腔環境での長期耐久性把握のための強制試験方法の開発を行います。
主な研究
テーマ
・口腔医療に貢献できる歯冠修復材料及び義歯床用関連材料の研究と理工学的特性評価研究
歯学イノベーションリエゾンセンター
歯学
イノベーション
リエゾンセンター
Liaison Center
for Innovative Dentistry
センター長 佐々木
Keiichi Sasaki
18
啓一
新世紀の歯学は、歯学系研究者と他分野の研究者が相互の連携を深めて先駆的な研究を行い、国内外に貢
献することが求められています。歯学イノベーションリエゾンセンターでは、先端歯学研究・異分野融合研
究・産官学連携研究を推進し、教育や臨床を通じた国内外での社会貢献を実践するために、次世代の歯学研
究のコーディネート機能を担います。
主な研究
テーマ
・インターフェイス口腔健康科学に関する国際的異分野融合研究の推進
(インテグレーションリサーチ部門)
・産官学連携による、新しい医療機器、医療用生体材料、機能性食品の研究開発
(インテグレーションリサーチ部門)
・震災復興・防災・日本再生に係る教育・研究(インテグレーションリサーチ部門)
・国際共同教育カリキュラムの開発・運営(国際連携部門) ・地域連携教育、臨床、社会貢献プログラムの開発・運用(地域連携部門)
・地域・国際社会におけるソーシャルキャピタルに関する研究(国際連携部門・地域連携部門)
東北大学病院の紹介
Tohoku University Hospital
東北大学では、医学部附属病院と歯学部附
つ独創的な研究を推進しています。平成24年
属病院を統合し、平成22年1月から医科と歯
に設置された臨床研究推進センタ-や平成25
科がひとつの病院(東北大学病院)として連
年設置の地域医療教育支援部など臨床研究を
携して診療しています。病院統合の理由は、
推進するための設備・事業も充実しています。
医科と歯科が連携することによって、より高
また、当院では大学院生の診療に対して一
度な研究、教育、診療が可能となることにあ
定の賃金を支払い、労働災害保険の適用が可
ります。
能となる雇用契約を締結しています。この措
東北大学病院における外来患者総数は1日
あたり平均 3,000 名、入院患者総数は 1,200 名
置 に よ り、大 学 院 生 へ の 金 銭 面 で の 支 援 も
行っています。ぜひ活用して下さい。
に及びます。この中で歯科部門の外来患者数
歯学研究科入学後、多くの大学院生は東北
は約 600 名を占めています。当院は全国でも
大学病院で最先端の臨床を実践することにな
有数の大規模病院であり、患者さんからの信
ります。患者さんから多くのことを学び、高
頼が厚く、東北地方はもとより、全国、さらに
度専門職業人として世界の歯科医学・歯科医
海外からも患者さんが来院しています。当院
療をリ-ドする心温かい指導的人材を目指し
は、患者さんに優しい医療と先進医療の調和
て下さい。
東北大学病院
総括副病院長
笹野 高嗣
教授
(口腔診断学分野)
を目指し、最先端の医療技術の開発や着実か
東北大学病院 の紹介
Tohoku University Hospital
東北大学病院
Tohoku University
Hospital
歯科診療
部門
Dental Division
口腔育成系診療科
予防歯科 Preventive Dentistry
矯正歯科 Orthodontics
Oral Health Enhancement
小児歯科 Pediatric Dentistry
咬合機能成育室 Occlusal Development
口腔維持系診療科
Oral Medicine and Surgery
口腔診断科 Oral Diagnosis 歯科顎口腔外科 Oral and Maxillofacial Surgery
歯科麻酔疼痛管理科 Oral Anesthesia and Pain Management
口腔修復系診療科
保存修復科 Operative Dentistry
歯内療法科 Endodontics
Oral Reconstruction
咬合修復科 Fixed Prosthodontics
口腔回復系診療科
咬合回復科 Advanced Prosthetic Dentistry
口腔機能回復科 Rehabilitation of Oral Function
特殊診療施設等
Oral Rehabilitation
歯周病科 Periodontics
Facilities for Specific Disorders
総合歯科診療部 Comprehensive Dentistry 感染予防対策治療部 Infection Control
顎口腔機能治療部 Maxillo-Oral Disorders 障害者歯科治療部 Dentistry for Disabled
高齢者歯科治療部 Prosthetic Geriatric Dental
顎顔面口腔再建治療部 Maxillofacial Prosthetics Clinic
歯科インプラントセンタ- Dental Implant Center
周術期口腔支援センタ- Perioperative Oral Support Center
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「杜の都·仙台」
東北大学が位置する仙台は、緑の美しい風土と
都市機能のバランスのとれた「杜の都」と呼ばれ、
文化の薫り高い「学都」としても知られています。
歴史・文化
札幌(新千歳空港)
HISTORY
新青森
伊達文化の真髄を今に
北京・上海
広瀬川の清流と緑に恵まれた仙台は、400年前に伊
達政宗がつくりあげた62万石の城下町。伊達藩の
遺産である仙台城址、瑞鳳殿、輪王寺などが点在し
ています。また、学生数が多く「学都」とも呼ばれ、
美術館や博物館のほか、文化交流のステージ「せん
だいメディアテーク」の活動が注目されています。
秋田
山形
ソウル
仙台
新潟
台北
博多
(福岡空港)
小松
広島
岡山
福島
長野
東京
京都
八戸
盛岡
ホノルル
成田
名古屋(中部国際空港)
大阪/新大阪
(伊丹空港)
( 関西国際空港)
鹿児島中央
グアム
那覇
祭り
FESTIVAL
春夏秋冬を彩る祭事記
仙台の祭りは、春には伊達文化を受け継ぐ山車と
舞踊の「青葉まつり」、夏は風に舞う紙のアート「仙
台七夕」、秋の街に音楽があふれる「定禅寺通ジャ
ズフェスティバル」、冬のメルヘン「光のページェ
ント」が人気です。
写真提供:宮城県観光課・仙台市観光交流課
ACCESS
星陵 キャンパス 至山形
定禅寺通
●西公園
歯学研究科・歯学部
● 宮城 ● NHK
県庁
45
●第二中
至塩釜
広瀬通
青葉通
あおば通駅
南町通
25
13 14
N
広瀬川
▲
星陵キャンパス
JR
仙石
48
線
●木町通小
地下鉄
北四番丁駅
本線
東北
片平キャンパス
▼
4
東北大学病院●
駅
●
市立博物館
地下鉄北四番丁駅
仙台
青葉山キャンパス
▼
仙台 市役所 ●
歯学部・
東北会病院前
木町通
川内キャンパス
▼
●木町通小
地下鉄
市民会館●
仙台 国際センター●
加齢医学
研究所
歯学部・
東北会病院前
地下鉄南北線
仙台西道路
雨宮キャンパス
▼
▲
48
●東北大学
病院
歯学研究科・歯学部
仙台駅 からの交通手段
▶ 仙台駅西口バスプール 13
仙台市営バス
ご利用の場合
番乗り場から「山手町経由 桜ヶ丘七丁目行き」で、「歯学部・東北会病院前」下車
番乗り場から「北山トンネル・中山経由北中山・西中山行き」「北山トンネル・中
山泉ビレジ経由 住吉台・根白石行き」で、「歯学部・東北会病院前」下車
▶ 仙台駅西口バスプール 25 番乗り場から「青葉通・大学病院経由 子平町-北山循環」で、
「歯学部・東北会病
院前」下車
14
▶ 仙台駅西口バスプール 地下鉄ご利用の場合
▶
「北四番丁」で下車北口2番出口より八幡町方面へ徒歩約10分
東北大学大学 院 歯 学 研 究 科
〒980 - 8575 仙台市青葉区星陵町 4 番 1 号 TEL. 022 - 717 - 8248 FAX. 022- 717- 8279
HP. http://www.dent.tohoku.ac.jp/ E-mail. [email protected]