平成 27 年度 校内研修計画

平成 27 年度
校内研修計画
平成 27 年 4 月 7 日(火)
研修担当
矢田 祥吾
はじめに
過去の全国学力調査の結果は、「知識」「活用」ともに課題を残すものであった。また、学習状況調
査では、平日・休日の家庭学習が少ないこと、家庭で授業の復習や学校の宿題をしている生徒が少ない
こと等々、学校としてできて欲しいことができない生徒が多い。こうした結果は本校全体に共通する傾
向である。また、地域的・家庭的な環境から、入学時から学ぶ意欲に欠ける生徒も少なくない。こうし
た現状を本校生徒の学びの課題であると真摯に受け止め、下記のような授業に改善する取り組みを実施
したい。
『一人ひとりの学ぶ権利を保障するために、生徒たちが安心して学べ、学ぶことが楽しいと感じる
授業を創造する。』そのことによって、穏やかで落ち着いた学校生活を過ごせるようにしたい。授業の
質を変え、また高めることを学校教育活動の中心に据えて、生徒が学び成長する学校を創造して行きた
いと考える。
1.平成 27 年度研修組織について(平成 26 年度より変更点と方向性)
①「学びの共同体」の理念のもと、
“生きかた”に係わる全ての教育活動を統括します。
→『キャリア教育・総合的な学習の時間』担当,
『道徳・人権教育』担当は、学年担当を兼ねます。
②「八風同研」を「子ども支援ネットワーク」に一本化し、中学校区の保幼小中の連携を強化。
→朝上保育園,竹永幼保園も加えた 6 校園で中学校区の子どもを見守ります。
③「コミュニティスクール(CS)
」と「学びの共同体」の2本柱をより明確にします。
→CSのさらなる拡大・進化(深化)のため、研修委員はCS担当も兼ねます。
2.研修のテーマ
「聴き合い学び合う授業をめざして」―質の高い学びの創造―
すべての生徒の学ぶ権利を保障する授業をするために、教師が一方的に知識を教え込む教師主体の
一斉授業から、生徒同士の協同的な学びがあり、質の高い授業に転換する。これを通して、生徒にわか
る喜び、学ぶ楽しさを体得させ、生涯にわたって学び続けることができる生徒に育てる。そして、生徒
全体の学力を育て高められようにする。
3.授業(学び)のスタイル
1 時間の授業の中に、①「活動・作業」
②「協同(小グループ活動)」
③「表現と共有」
の 3 つの要素を組み込み、一人ひとりの学びを保障する授業をめざす。
①「活動・作業」とは、“操作的な活動”“観察する”“考えをまとめる”などの知的な作業活動。
②「小グループ活動」とは、多様な考えをすりあわせることにより、互いの差異を認めながら、自分の
考えを深める学びのこと。考えを一つにまとめる必要はない。また、生徒同士のかかわりで、わか
らない生徒がわかっている生徒に訊くことにより、学びに参加することができる。
③「表現と共有」とは、まず他者の発言を聴き、自分なりの考えを創ること。また、他者とかかわる
中で、自分の考えを吟味し、考えを補強したり広げたりすること。小グループと全体の 2 つのパタ
ーンがある。
以上の取り組みを行うために、
○教室の机の位置は「コの字型」、グループは(原則として)無作為に編成された男女混合の 4 人を
基本とする。(※)
(※)平成 27 年度は、生活班と授業におけるグループが同一であることを考慮して、5 人班(グループ)
をつくることもある。ただし、授業で思考・探求の場面では、2 人と 3 人に分けたり、(欠席者がいる
場合などは)他のグループと合体させたりして 5 人班にならないよう配慮・工夫する。
なお、2,3 年生の少人数クラスについては、生活班とは別に班をつくるため 5 人班はつくらない。
(例えば 36 人学級であれば、20 人と 16 人に分けることで 4 人班をつくりやすくする。)
その際、生徒が黒板に対して背を向けないように机の配置も考える。
○授業の中にできる限り、「モノ」(実物教材、プリント、絵、写真、図表など)を取り込む。
○小グループ活動では、「共有の学び」と「背伸びとジャンプのある学び」に取り組ませる。前者は
基礎的な学び、後者は一人では到達できないような教科書レベルを超える高度な課題を探究する学び
のこと。
○授業中のテンションを下げる。(休み時間もふくめて。生徒・教師とも)
→ハイテンションな授業では、学びは深まりません。落ち着いて授業をスタートさせることが大切で
す。始業のチャイムが鳴った時には着席できているのが理想。【生指との連携】
4.教師の役割(毎時間の授業の積み重ねで習熟)
①「聴く」・・・教師の活動の中核
・生徒の発言が教材と、どこで結びついているのか、どの部分を言いたいのかを聴く。
・他の生徒のどの意見とつながっているかを聴く。
・その生徒の前の発言とどうつながっているかを聴く。
②「つなぐ」
・教材と生徒をつなぐ。
・ある生徒と別の生徒をつなぐ。
・ある知識と別の知識をつなぐ。
③「もどす」
・生徒のつまずきによっては元にもどってやり直す。
・発言が教材のどこでそう思ったのか、考えたのか、教材にもどす。
・グループにもどす。
5.研修の内容と計画
①年間 4 回の全体公開授業研究会を実施する。(4,6,10,2 月)
②全体公開授業とは別に、学年別のビデオ研修を三校合同研修会(8 月)および第 7 回校内研修会(11
月)で実施する。※授業における生徒の学びの様子をビデオ撮影して学年研修会で研究協議する。
授業者は A4 一枚の授業の流れがわかる程度の「授業のデザイン」(裏面に座席表)を用意する。
グループを入れる場面とジャンプの課題を明示する。事前の検討会は実施しない。
③学期末(年度末)の校内研修会は、「学びのたより」(④参照)を使って、学年(教科)で協議会
を行う。
④授業を日常的に見合う取り組みをする。
授業を参観し、デジタルカメラで生徒の学びのようすを撮影する。A4版の“学びのたより”(※)
を書き、全職員に配布する。(非常勤の先生にも配布する。)
※ 1∼3 名の個人またはグループで授業を参観し、学期ごとに 1 枚発行して交流して下さい。
(3 年生担当の先生は、3 学期は実施しません。また、グループは学年をまたいでも結構です。)
⑤全体公開授業・研究協議会には、鈴鹿大学短期大学部・長澤貴先生をスーパーバイザーとして招聘
し、助言していただく。(できる限り事後研終了後、授業者と研修委員は学習会を行う。)
6.研究協議会の視点
研究協議会では、授業者が「どう教えるべきだったか」ではなく、生徒一人ひとりの学びの事実に
もとづいて、
①生徒一人ひとりの学びが保障されていたか。
②自分はその授業から何を学んだか。
この2つを中心に話し合う。互いに尊重し合い、学び合うようにしたい。意見を共有することが目的
であって、まとめは必要ではない。
7.実践拠点校視察研修/セミナー・研修会への参加
研修を深めるため、毎年計画的に「学びの共同体」の理念に基づいて授業公開をしている実践校への
視察研修を行ったり、セミナーや研修会へ参加をしたりする。学んだことを全体に還流する。
「三重学びのネットワーク」「学びの共同体研究会」と連携・協力関係を築く。
【視察研修計画(予定)】
① 4/24(金)鈴鹿市立鼓ヶ浦中学校授業研【4/25 の授業者+管理職+研修担当】
② 6/ 3(水)津市立朝陽中学校授業研
【教科で合わせる(2 名程度)
】※体育祭直前のため見合せ
③ 6/11(木)尾鷲市立尾鷲中学校授業研 【教科で合わせる(2 名程度)
】※体育祭延期のため見合せ
④ 9/30(水)津市立朝陽中学校授業研
【教科で合わせる(2 名程度)
】
⑤10/ 2(金)尾鷲市立尾鷲中学校授業研 【教科で合わせる(2 名程度)
】
⑥11/ 9(月)鈴鹿市立鼓ヶ浦中学校授業研【教科で合わせる(2 名程度)
】
⑦ 1/14(木)尾鷲市立尾鷲中学校授業研 【教科で合わせる(2 名程度)
】
⑧ 1/15(金)津市立朝陽中学校授業研
【教科で合わせる(2 名程度)
】
⑨ 1/26(火)鈴鹿市立鼓ヶ浦中学校授業研【教科で合わせる(2 名程度)
】
⑩ 2/12(金)津市立朝陽中学校授業研
【教科で合わせる(2 名程度)
】
※学校運営上、参加が困難な場合は見送る場合もあります。
【セミナー・研修会参加計画(予定)】※週休日開催については、出張→振休でお願いします。
① 7/25(土)∼26(日)学びの共同体研究大会(幕張市)
【研修委員で 2 名程度】
② 7/28(火)∼29(水)授業づくり・学校づくりセミナー(大津市)
【研修委員+教科で合わせる】
③ 8/23(日)三重学びのネットワーク夏季研修会(津市)
【研修委員+教科で合わせる】
④ 1/ 9(土)∼10(日)学びの共同体研究大会(伊東市)
【研修委員で 2 名程度】
8. 小学校にもよびかけて、小中連携を進める。(子ども支援ネットワーク・町教研・郡教振)
9.取り組みの検証
①生徒同士が協同的な学び合いをして、生徒が楽しいと感じている授業になっているかどうか。生徒
からアンケート(学校教育診断票)をとる。
②CRT検査を 1 年生から実施して、全国平均と比較する。結果の概要は、学校だよりや学年通信で
学校の取り組みとともに、生徒や保護者にも伝える。CRT実施後は実力テストで継続的に検証する。
10.年間研修計画
月
日
曜日
4
25
土
研
修
計
画
備
考
第 1 回校内研修会(第 1 回公開授業研究会)
第 1 回公開授業研究会
助言・指導・講演:学習院大学教授 佐藤 学先生
1 年:黒田健太郎(理科)
スーパーバイザー:鈴鹿大学短期大学部 長澤 貴先生
2 年:田所 広佑 (英語)
3 年:髙井 美沙 (音楽)
6
17
水
第 2 回校内研修会(第 2 回公開授業研究会)
第 2 回公開授業研究会
兼・子ども支援ネットワーク 公開授業研究会
5 限目 1 年 B 組
スーパーバイザー:鈴鹿大学短期大学部 長澤 貴先生
教科:社会
授業者:早川 太郎
7
8
9
27
木
木
第 3 回校内研修会
※各学年 1 学期分の“学びのたよ
実践校視察報告/1学期のふり返り【学年別】
り”+“デザイン”を用いてふり
スーパーバイザー:鈴鹿大学短期大学部 長澤 貴先生
返りを行う。
第 4 回校内研修会 《菰野町民センター》
ビデオ授業提供者
(鼓ヶ浦中,朝陽中 三校合同研修会)
2 年:森田 英伍(国語)
実践校視察報告/セミナー参加報告
(分科会助言)
学年ビデオ授業の研究協議【学年別】
武村 俊志先生
スーパーバイザー:鈴鹿大学短期大学部 長澤 貴先生
齋藤 智哉先生
(学びの共同体スーパーバイザー)
9
4
金
第 5 回校内研修会(コミュニティスクールの研修)
(講演)鈴鹿市立天栄中学校長 木村 元彦先生
10
9
金
第 6 回校内研修会(第 3 回公開授業研究会)
第 3 回公開授業研究会
スーパーバイザー:鈴鹿大学短期大学部 長澤 貴先生
5 限目 3 年 組
教科:社会
11
11
水
※年間計画より日程変更しました。
授業者:加藤 俊哉
第 7 回校内研修会(道徳・人権学習)
ビデオ授業提供者
学年ビデオ授業の研究協議【学年別】
1 年 E 組:西村 圭子
スーパーバイザー:鈴鹿大学短期大学部 長澤 貴先生
2 年 A 組:奥村 拓也
3 年 E 組:宮﨑 重光
12
1
11
28
金
木
第 8 回校内研修会
※各学年 2 学期分の“学びのたよ
2 学期のふり返り【学年別】/実践校視察報告
り”+“デザイン”を用いてふり
スーパーバイザー:鈴鹿大学短期大学部 長澤 貴先生
返りを行う。
第 9 回校内研修会(第 4 回公開授業研究会)
第 5 回公開授業研究会
スーパーバイザー:鈴鹿大学短期大学部 長澤 貴先生
5 限目 2 年 組
教科:英語
授業者:池山 健斗
3
15
火
第 10 回校内研修会
※“学びのたより”を通して、
実践校視察報告/セミナー参加報告
1 年間のふり返りを行う。
1 年間のふり返りと来年度に向けて【教科別】
授業づくりにおける疑問や悩み
スーパーバイザーとトークセッション
をお互いに出し合う。
スーパーバイザー:鈴鹿大学短期大学部 長澤 貴先生
【研修計画は、7/13(月)現在のものです。内容の追加・変更がありましたら更新いたします。】