第122号 - 大原綜合病院

Harmony
ハーモニー
大原綜合病院
開放型病院登録医会報
Vol.122
2015. 6
Ohara General Hospital
「Harmony」では、大原綜合病院と連携していただいている医療機関をご紹介しております。
今回はわたり病院 回復期リハビリ病棟をご紹介します。
2006 年に療養病棟 42 床を回復期リハビリテーション病床に転化。
診療体制は、リバビリテーション科専門医 2 名、看護師 21 名(うち
リハビリ認定看護師 1 名)、介護福祉士 6 名。他看護助手数名
― わたり病院の回復期の特徴について教えてください ―
リハビリテーションの専門医が2名いることです。内科の対応をしなが
ら回復期でのリハビリテーションも行っています。幅広い患者さんを診
られるという視点では、大きな特徴と認識しています。疾患の特徴とし
ては、脳血管と大腿骨頚部及び転子部骨折の患者がほとんどです。
57床ですが7割以上を両疾患が占めています。
リハビリテーション病棟での目的は日常生活の援助ですが、病棟看
護師をはじめ、医師やリハビリテーションスタッフが同じ目標に向かっ
ていく風土があります。最近では認知症の患者さんも増えています。
これに対しても認知症の周辺症状を理解しながら、職員が一丸となっ
てサポートしています。
― 回復期病棟とは具体的にはどのような病棟と認識したら良いでしょうか ―
急性期病院での治療の後、「廃用症候群も含めてそのまま在宅」ではなく、「回復期
でリハビリテーションを行って在宅へ」という流れは、とても有効であると感じます。
特に急性期病院では、在院日数が短くなってきており、病気の治療が終わっ
ても生活全体や体全体の支援が充分とは言えないこともあり、次のステップで
行うことが必要と思っています。病気が治っても体が動かない、病院内で動け
ていても自宅では動けない事があります。その支援をするのも回復期であり、
その人らしい生活への援助をしています。脳卒中や大腿骨頚部骨折を発症
した後は、生活の再構築が必要です。
機能訓練とともに重要なのが、これまでの人生を見直す、そしてこれからの人生を充実させるということです。特に人生の
後半で症状を発症し、回復期に入院となれば、リハビリだけでなく生活全体を見直し、健康を見直し、そして多少の障害
が残存してもその人らしい生活が送れるように上手に再スタートをしてもらいたいものです。そのために、社会資源や介護
保険を活用していただき更に充実した在宅生活を送ってもらいたいです。回復期リハビリ病棟は急性期病院や地域の開
業医の先生方と連携をするために、上手に橋渡しをするイメージかと思います。
日常生活全てがリハビリです。歩くだけでなく、食事や排泄、入浴、着替え全てがそうです。生活全体がリハビリという認識です。
― 今後、回復期病棟はどのように推移していきますか ―
地域包括ケアというのは、患者さんの状態に応じて変化します。一方、
回復期病棟は今後回復が見込まれる患者さんが該当します。一時的に
日常動作能力が下がった点を高めてあげる。その高め方や高めた後の
フォローは、一層求められてきます。それが病院の質となりえるわけです。
そう考えると、回復期病棟は今後のニーズは高まるか、もしくは在宅サー
ビスが充実されればニーズは下がるか、どちらかでしょうか。
「人間らしく生きる権利の回復」、これがリハビリテーションの原点です。東京大学の上田敏先生が仰っていました。ここをポイント
としながら行っていきます。
地域包括ケアの中で回復期病棟の位置づけは、在宅生活の中でも重要視されていると思っています。
ADL 回復の予後予測は常に意識していますので、事前の情報もとても大事です。病気が発症してからではなく、病気に
なる前はどうだったのか。そのことと現在の状況を総合的にとらえ、今後のことを患者や家族と一緒に考えていきます。
― 平均在院日数は今後どのくらい変わりますか ―
運動器疾患は約 60 日、脳疾患は約 100 日が現状です。一般的には重症度に応じて変わって来ますが、高齢者が多い当院
では全国的にみても若干長い印象はあります。地域性ですので、これは仕方のないことです。今後在院日数が短くなるため
には、在宅でのリハビリサービスが充実される、またはリハビリが出来る施設数が増えるという事が必要ではないでしょうか。
― 院内での連携は具体的にどのようにしていますか ―
毎週カンファレンスを行っており、ひとりの患者さんについて最低でも 2 週間に 1 回は行っています。さらに必要に応じ全職種
の担当スタッフが参加するリハビリカンファレンスも行っておりゴール設定や見直し、または在宅に向けた支援方法の検討を
行っています。ご家族には毎月 1 回医師がリハビリ計画書を説明しています。特徴は毎週リハビリテーション回診を行ってお
り、ローテーションで月 1 回は全患者を回るようにしています。実際に全員で動作確認等をしながら、現状を把握しています。
― 大原綜合病院への要望はありますか ―
大腿骨の連携パスは大原綜合病院からの紹介患者さんも多く、大腿骨頚部骨折の患者さんは引き続き支援をしていきたいと思っ
ています。
(左から)
佐藤 武 医師
内科・南二階病棟医長
診療副部長・リハビリテーション科科長
渡邊亜貴子 医師
内科・リハビリテーション科・医局長
齋藤美代子さん
看護師・南二階病棟・看護長
新任医師紹介
平成27年5月採用の医師をご紹介いたします。
た な か
氏
名 : 田中まゆみ
前 勤 務 先 : 田附興風会 医学研究所 北野病院
勤 務 施 設 : 大原綜合病院
担
当
科 : 内科(総合内科)部長
出
身
地 : 東京都
出 身 大 学 : 京都大学
検診異常を指摘された、健康不安が
ある、どの科にかかったらいいのかわから
ない、多数の病気を抱え、薬を何種類
も飲んでいるが総合的に診てほしい、他
科や他院で診断がつかなくて困ってい
る…そんな方の問題解決の道しるべに
なれたらと願っております。
※総合内科は月・水・木の午前中の診療です(予約制) 。
紹介状の事前 FAX にご協力をお願いいたします。
り
けい じゅう
氏
名 :
前 勤 務 先 :
勤 務 施 設 :
担
当
科 :
出
身
地 :
出 身 大 学 :
李
啓充
えんどう
まなぶ
氏
名 :
前 勤 務 先 :
勤 務 施 設 :
担
当
科 :
出
身
地 :
出 身 大 学 :
遠藤
学
市立恵那病院
大原綜合病院
内科 部長
東京都
京都大学
24 年間の米国暮らしの後日本に戻っ
てまいりました。よろしくお願いいたします。
2015 年 5 月から口腔外科に赴任い
たしました遠藤です。
口腔外科医として患者様や地域の先
生方に信頼していただけるよう努力してま
いります。
よろしくお願いいたします。
福島県立医科大学附属病院
大原綜合病院
歯科口腔外科
福島県福島市
奥羽大学
退職医師報告
退職年月日
施設
診療科
氏名
退職後
平成 27 年 4 月 30 日
本院
口腔外科
北畠健裕
福島県立医科大学附属病院
地域連携相談室・入退院支援室
大原綜合病院では、
「地域医療支援病院」として
地域医療機関の先生方との連携を通じ、専門的
治療・救急医療の提供を行っています。
また4月からは、患者さんのサポートをより充
実させるため、
「入退院支援室」を設置し、入退
院に係る各種相談機能を強化しております。
医療連携・ソーシャルワーカー・入退院支援が
一丸となり、患者サービスの向上と地域の先生
方との連携の一層の強化に努めてまいりますの
で、今後ともご指導とご厚誼を賜りますようお
願い申しあげます。
のご紹介
Information
平成 27 年 5 月 8 日(金)18 時 45 分より、第 9 回画像診断セミナーが開催されました。
今回は「適正な撮影技術」をテーマに、本院 副院長 森谷浩史先生が座長を務め、画像診断センター
八木明日香さんによる「一般撮影のポジショニング」、画像診断センター 秋葉 恵さんによる「MRI アーチ
フェクト」、医療センター放射線科 部長 佐久間光太郎 先生による「CT 撮影時・読影時に注意すべき
点」の 3 つのレクチャーが行われた後、福島県立医科大学附属病院 放射線部 村上克彦先生を講師
に迎え、「福島医大病院における CT 撮影の工夫」と題した特別講演が行われ、救急時等における迅速・
的確な撮影法や、撮影方法に伴う偽影の判読などについて、詳しく学びました。
平成 27 年 5 月 11 日(月)、大原綜合病院(本院)では看護週間のイベントとして、9 時から正面玄関
ホールにて生活習慣病に関する健康チェックを行いました。
血圧測定や体脂肪率測定などを行ない、約 40 名の方々が、健康チェックをされていきました。
数字が高かったと気にされた方には、今日の結果をきっかけにして、
出来るところからやってみましょうと声をかけると、安心して帰られま
した。また、管理栄養士による、減塩(1/2 量)味噌汁の試飲を行
い、濃度や味の感覚を確かめながら飲まれていました。
ホスピタルクラインのピッピちゃんも応援に駆け付け、バルーンアート
で、熊さんや可愛いお花、刀などを作っていただき、子供連れの方に人気で大盛況でした。
平成 27 年 5 月 14 日(木)午後 6 時 45 分より、「第 5 回運動器疾患病診連携懇話会~ロコモネット~」が開催され、登録医療機関の先生
やリハビリスタッフの方々、大原綜合病院職員合わせて約 80 名が参加しました。
今回は下記 3 つの講演が行われ、骨折・脱臼の実際の治療方法やリハビリテーションの関わり方を通して、病診連携の重要性について学び
ました。
【講演Ⅰ】 座長 いわた整形外科 院長 岩田 仁男 先生
「当院における整形外科疾患に対する作業療法の関わり」
大原綜合病院 急性期リハビリテーションセンター 作業療法士 渡邊 有香 先生
【講演Ⅱ】 座長 あんざい整形外科クリニック 安斎 裕之 先生
「高齢者の膝周辺骨折の治療」
大原綜合病院 整形外科 主任部長 朝熊 英也 先生
【講演Ⅲ】 座長 いのまた整形外科クリニック 院長 猪股 洋一郎 先生
「頚腕痛の診断と治療 ~病診連携のポイント~」
大原綜合病院 院長 整形外科/脊椎外科 佐藤 勝彦 先生
平成27 年5 月15 日(金)アメリカから David Murphy 先生にお越しいただき、研修医向けレクチャーと職員
向け講演会を行いました。
研修医勉強会は、「症例提示」「ベットサイドラーニング」「症例まとめ」の3つに分けて実施し、「症例
提示」では1年次研修医 黒沢雄太先生・佐藤孝洋がそれぞれ英語で症例を提示し活発なカンフ
ァレンスが行われました。続いて、Murphy 先生による「ベッドサイドラーニング」が行われ、Murphy 先
生と一緒に病棟回診を行い患者さんの状態を確認しました。
夕方には、研修医・指導医・看護師を対象とした講演会が開催され、50 名以上の職員が参加し、時
に笑いが沸き起こる大変和やかな雰囲気の中講演会は進められました。
大原綜合病院職員行動規範 10 ヵ条
大原綜合病院の理念
人を愛し、病を究める
私たちは、
私たちは、すべての患者さまとご家族のために常に一歩先行く医療
を探究し、優しさを持って最善を尽くす医療を実践することにより、
地域から信頼される病院を目指します。
制 作 大原綜合病院 地域連携相談室
発行者 一般財団法人 大原綜合病院 理事長
電話 024(526)0371 ダイヤルイン
FAX 024(526)0935
代表 024(526)0300 内線(1157)
住所 福島市大町 6 番 11 号
http://www.ohara-hp.or.jp/
平子 健
1. 医療安全を確立し、安心と信頼を獲得します。
2. 命の尊厳を深く理解し、患者さまの権利を尊重します。
3. 優しさを持ち、気づきの医療を実践します。
4. 人間性豊かな医療人となるよう、常に自己研鑽します。
5. 新しきことへの挑戦し、質の高い医療を創造します。
6. 医療人としての誇りを持ち、如何なる時も最善を尽くします。
7. 医療情報の共有と活用を促進し、得られた情報は厳格に管理します。
8. 地域社会に支えられていることを認識し、医療連携を推進します。
9. 相互に敬意を払い、連携を密にして組織的に行動します。
10. 未来への発展のために、健全経営を目指して努力します。