615. 777. 96 昇 汞 の 消 毒 作 用 並 び に毒 性 に 関 す る 研 究 第2編 昇 汞 の 毒 性 並 び に 昇 汞 中 毒 に 対 す る6, 8Dithiooctanoic Acidの 効 果 に 就 い て 岡山大学医学部公衆衛生学教室(主 任:大 田原一祥教授) 専 攻 生 酒 井 朝 〔昭和34年9月28日 目 第1章 緒 生 受稿〕 次 言 第4章 実 験 成績 第2章 実 験材 料 第1節 LD50 第1節 実 験 動物 第2節 Thioctic acidに よ る解 毒効 果 第2節 使 用薬 品 第5章 総 括 並 び に考 按 第3章 実 験 方法 第1節 LD50の 第6章 結 論 文 献 測 定 に つ いて 欧文抄録 第2節 薬 剤 に よ る解 毒 に つい て そ の解 毒 作 用 が著 明 で あ る と報 告 され て お り,又 岸 第1章 緒 言 田13),渡 辺14)氏 は昇 汞 中 毒 の 場 合,貧 血及 び 白血 昇 汞 の細 菌 に 対 す る消 毒 作用 につ いて は著者 が第 1編 に お い て 既 に 述 べ た 処 で あ る が,又 一 方生 体 に 球 増 多症 が 起 る事を 家 兎 に よ り実験 報告 して い るが 著 者 は,マ ウ スの腹 腔 内 注射 に よ り惹 起 され る中 毒 対 し て も強 い 毒 性 を 有 す る 事 実 は 既 に 先 人 の 多 数 の 症 状 が, Thioctic acid,即 ち6,8-Dithiooctanoic acid 報 告 に よ つ て 明 ら か に さ れ た 所 で あ る. に よ り解 毒 され るか否 か を,そ の 血液 中の赤 血 球 数, 即 ち, Frank A Patty1)に 量 は 内 服 に よ り 体 重1kgに 15mg,静 よれ ば 昇 汞 の 致 死 つ き1日10mg乃 脈 内 注 射 に よ る 量 は4mg乃 あ つ て, G. Menesini2),藤 前5),藤 田 進6),小 至5mgで 田 広3),横 田4)及 び 久 保 田9),原 に, 氏10)等 中 毒 症 に 関 す る報 告 が あ るが,動 少 な い よ うで あ る.茲 び 門 G. Ricker の 淡 黄 色 の結 晶 で あ 造を有 し and W. に よ り昇汞 の慢 性 物特 にマ ウス に対 に 於 い て著老 は マ ウ スを 用 い そ の 腹 腔 内 注 射 に よ る50%致 略 記 す る)測 死 量(50% Letaldosis 生 体 内で は,活 性SH基 と し て 強 力 な解 毒 作 用 を発 揮 す る と考 え られ て い る. 第2章 実 験 材 料 定 に つい て の実 験 を 行 つ 第1節 実 験 動 物 た. 更 に 一 方1951年Reed等 て, Thioctic acidは 融 点60∼61℃ つて,水 に 不溶,稀 ア ル カ リに 易溶 で あ り下記 の構 す る 毒 性 を そ の 致 死 量 に よ り検 討 し た 報 告 は 極 め て 以 下LD50と 白 血球 数 の変 化 及 び死 亡 数 を指 標と して 追究 した. 関7)氏 等 も 昇 汞 の 急 性 中 毒 症 に つ い て 報 告 し て お り,更 Hesse8)及 至 Lipoicと Rauch且11)及 S. M.12)に が 肝臓 エキ スか ら単 離 し 名 付 け た.所 びSteigmann. よ り,肝 謂Thioctic F & 実験 動物 と して は体 重13∼24gの 市 販 の雑 系 マ acidが, ウ スを使 用 し,食 餌 は雑 穀,野 菜 を飽 食せ しめて 一 Canaknatic 定 期 間飼 育 して その 発 育状 態順 調 な る事 を確 め た 後 障 害 に 用 い て 効 果 が あ り,殊 に に実 験 に供 した. 132 酒 井 朝 生 第2節 使 用 薬 品 第1表 昇 汞 腹腔 内注 射 に よる 「マ ウ ス」 1.昇 汞(日 本 水銀 薬 品 会 社製 試 薬)溶 液調 製 に の死 亡表 つ い て は 後 述 す る. 2. 6, 8-Dithiooctanoic acid,ナ 溶 液 に て, ト リウ ム塩の水 1cc中 に チ オ ク ト酸5mgを 含 有 す る市 販 注 射 液(藤 沢薬 品 株 式会 社 製)を 使 用 した. 第3章 実 験 方 法 第1節 LD50の 測定 につ い て 昇 汞 は 生 理 的 食 塩 水 を以 て, 0.1%, 0.05%, 0.0365%, 0.025%の 0.075%, 各 稀 釈 液 を 作 製 し之 れ を 「マ ウ ス」 の 腹 腔 内 に 各 々体 重10gに 0.115ccに 対し 相 当す る量 を注 射 した.注 射 後7日 間 に 亘 り症 状 を 観 察 した.使 用 「マ ウ ス」 は10匹 宛1群 と して,対 照 群 を含 む6ケ の 実験 群 に 分 け,各 群 の 「マ ウ ス」 の体 重 の差 を 極 力 な くす るよ うに選 ん だ. 第2節 薬 剤 に よ る解 毒 効 果 に つ いて 「マ ウ ス」 に対 す る 薬 剤 の 解 毒 効 果 を実 験 す るた め, Thioctic acidを 選 び そ の 腹 腔 内 に チオ ク ト酸 目 に5匹20%,第5日 水 溶 液 を,体 重10gに つ いて0.007mgを 注 射 し, 2時 間 後 に,腹 腔 内 に 昇 汞 の 生理 的食 塩 水 稀釈 液 0.075%, 0.05%, し, 0.115ccに 0.0365%の ものを体 重10gに 対 相 当 す る量 を 注 射 して 実験 を行 つ た. 目 に3匹 3匹 で12%で あ る.死 達 し, 88%が 死 亡 し,第6日 で12%,第6日 亡 例 は 第5日 目に 目 ま で に22匹 に 日 に3匹 死 亡 し,そ の 後 死 亡 例 は 認 め な か つ た. 上 記 の 実 験 結 果 よ り, Van der Waerden氏 の面 更 に 「マ ウス」 を10匹 づ つ2群 に分 ち,第1を 昇 汞を 体 重10gに つ き0.0055mg注 第2群 を チ オ ク ト酸 を 体 重10gに 射 の み の群, つ き0.007mg+ 上 記 と同 量 の 昇 汞溶 液注 射 の群 と して,各 々1週 間 積 法 に よ り4)5),第3∼ LD50を 求 め た.即 第8表 に 示 す 如 く,各 日の ち h… 観 察 さ れ た 死 亡 率 x… 使 用 せ る薬 物 量 の 対 数 ×10-2 後 及 び30日 後 に血 液 を採 取 し,血 液検 査 に 当つ て は, 尾 静 脈 をXylol一Alchoholで 拭 つて 拡張 せ しめ,小 メ スで傷 つ けて 湧 出 す る血 液 に つ いて,赤 血球 数 及 n… 各1群 L…log. m… の動 物 数 LD50 標準 誤 差 び 白 血球 数 を測 定 した. とすると 第4葉 実 験 成 績 第1節 LD50 昇 汞 注 射 は 「マ ウ ス」 体 重1g当 0.0042mg, 0.0055mg, り0.0027mg, 0.0085mg, (1) 0.0115mg の各 量 を 使 用 した. 注 射 後7日 間 に 亘 る 「マ ウ ス」 の死 亡状 況 は 第1 表 に 示 す 如 くで あ る. (2) 又 昇 汞注 射 に よ る 「マ ウ ス」 の 中毒 症 状 の経 過及 び 転帰 の 概 要 は 第2表 の如 くで あ る. 即 ち死 亡 は 第1日 目 は2匹 で,全 死 亡 数 の8%, 第2日 日 に6匹24%,第3日 目に6匹24%,第4日 で あ る か ら 第3表 LD50を 求めると よ り 死 亡 例 の 出 た第1日 目の 昇汞の消毒作用並 びに毒性に関す る研究 第2表 第3表 L=1.0478 log(1 der Waerden氏 m=0.008775 day L=0.9987 m=0.0189 day LD50)=0.9987±0.0189 症 状 法 に 依 るLD1 ∴ LD50)=1.0478±0.0878 第4表 log(2 Van 中 毒 133 1 day 50(第1日 目) LD50=11.16±1.02/1000=0.01116± 0.00102mg Van der Waerden氏 法 に 依 るLD2 ∴ 2 day 0.001036mg 50(第2日 目) LD50=9.97±1.036/1000=0.00997± 134 酒 第5表 L=0.9227 log(3 Van der 井 Waerden氏 m=0.0333 day 朝 生 法 に 依 るLD3 ∴ 3 day 50(第3日 目) 8.37±1.08 LD50= =0.00837± /1000 LD50)=0.9227±0.0333 0.00108mg 第6表 L=0.8725 log(4 log(5day log(6day Waerden氏 Van der Waerden氏 m=0.03821 LD50)=0.7592±0.0976 4 day 50(第4日 LD50= 目) 7.12±1.09 =0.00712± /1000 0.00109mg 法 に 依 るLD5 ∴ LD50)=0.806±0.0382 m=0.0976 法 に 依 るLD4 ∴ LD50)=0.8526±0.0313 第8表 L=0.7592 der m=0.0373 day 第7表 L=0.806 Van 5 day 50(第5日 LD50= 目) 6.40±1.092 =0.0064± /1000 0.001092mg Van der Waerden氏 法 に 依 るLD6 ∴ 6 d ay 50(第6日 LD50= 目) 5.74±1.25 /1000 0.00125mg =0.00574± 昇汞の消毒作用並びに毒性に関す る研究 135 して 大 な る変 化 は 認 あ なか つ た. 以 上 の 成績 に よ り 1day LD50=0.01116±0.00102mg 2day LD50=0.00997±0.001036mg 3day LD50=0.00837±0.00108mg 4day LD50=0.00712±0.00109mg 5day LD50=0.0064±0.001092mg 6day LD50=0.00574±0.00125mg 又,白 血球 に於 て,第10表 の 如 く大 な る変 化 は 認 め なか つ た. 第10表 赤 血 球 数(被 験 群)単 位:万 な る こ と を 認 め た. 第2節 1.対 a)赤 Thioctic 照 群(昇 acidに 汞 液+生 よ る解 毒効 果 理 的 食 塩 水 注 射 群) 血 球 数(第9表) 注 射 前 平 均 値 は812万 で あ り, 7日 於 て も著 明 な 貧 血 症 状 を 呈 し,そ を 示 し,注 射 前 の 赤 血 球 数 の2/3の 注 射 後30日 目 の 測 定 で は692万 く恢 復 し て 来 た が,未 に 止 り.所 目に は生 存 例 に 第12表 白 血 球 数(被 験 群) の 平 均 値 は552万 数 値 に 減 少 し た. を 示 し,比 だ 注 射 前 の85%強 較 的早 の赤 血 球 数 謂慢 性 中 毒症 の傾 向 を示 した, 第9表 赤 血 球 数(対 照 群) 単 位:万 3.死 亡 数 並 び にLD50の 変化 チ オ ク ト酸 ナ ト リ ウ ム 塩 水 溶 液 注 射 量 は,体 10gに つ き0.007mg,昇 0.0085mg, 汞 注 射 量 は 体 重1g当 0.0055mg, 0.0042mgの 重 り 各 量を 使 用 し た. b)白 注 射 後7日 血 球 数(第11表) 注 射 後7日 目に は 非 常 に 著 明 な増 多 症 の状 態 と な り, 12, 384の 平 均 値 を 示 し,注 射 後30日 目 には 11,742の 平 均 値 とな り,生 存 例 で は あ る程度 の恢復 間 に 亘 る 「マ ウ ス 」 の 死 亡 状 況 は 第13 表 に 示 す 如 くで あ る. 第13表 Thioctic acid併 用 注 射(腹 腔 内)に 依 るマ ウス死亡 表 を 示 して い るが,之 れ も依 然 増 多症 の状 態が 見 られ, 慢 性 中毒 症 の傾 向を 示 して い る もの と認 め られ る. 第11表 白 血 球 数(対 照群) 2.被 験群(昇 汞 液+チ オ ク ト酸 ナ トリウム塩 水 溶 液 注 射群) a)赤 血 球 数 及 び 白血 球 数(第10表,第12表) 赤 血 球 数 に 於 て は,注 射 前平 均 値 は801万 で あ り, 即 ち,第6日 目に1匹 死亡 した の みで, 7日 以 後 は死 亡 例 は見 られ なか つ た. 又,こ の結 果 を昇 汞 の みの 腹 腔 内注 射 の 場合 に認 め られ た死 亡表(第1表)と 比 較 す ると, 6日 目の 注 射 後7日 目に は786万 の平 均 値 とな り, 30日 目に 死 亡 数が チオ ク ト酸+昇 汞 液 注 射 例 で は 減 少 して 於 て 生 存 例 で は801万 の平 均 値 を示 し,注 射前 に比 お り,「 マ ウス」 の体 重1g当 り0.0055mg並 びに 136 酒 0.0042mgの 井 朝 注 射 に よ る場合 に死亡 数 が減 少 して い Waerden氏 る こ とが認 め られ た. よ つ て,先 Thioctic L=0.7850 同 様 に, Van acid併 用 例 のVan 求 め der Waerden氏 法 に 依 るLD6 50(第6日 目) 性 が割 合 に 急 性 に 来 た事 を 示 す もの と思 わ わ る. LD50)=0.7850±0.03674 ∴6dap 目 のLD50を によ り der m=0.03674 log(6day 面 積 法 に よ り第6日 る と,第14表 に 求 め たLD50と 第14表 生 又,菊 地 氏18)は,昇 汞 内 服 の 場 合 に は,痂 皮 を 作 らず 深 く広 汎 に亘 つ て腐 触 作 用 が あ り,こ の た め LD50=6.09±1.088/1000=0.00609± に 胃粘 膜 及 び 実質 に急 性壊 死 を起 す と報 告 して い る. 0.001088mg 更 に高 濃 度 昇汞 液 の 場 合 は,粘 膜,皮 膚 に塗 布 に 即 ち,チ オ ク ト酸 併 用 の 場 合 に は6日 目のLD50 の 昇 汞 の 薬 量 は0.00609±0.001088mgを 昇汞 単 独 の 場 合 は0.00574±0.001036mgで 0.00035mg増 あ り約 加 す る こ とを認 め た. よ り刺 戟 し,炎 症 を 招 くと云 わ れ るが,こ の 実 験 の 如 く,極 め て 稀釈 され た溶 液 で は,注 射 部 位 に は変 化 は認 め られ なか つ た. 2) 6, 8-Dithiooctanoic acidの 解 毒効 果 に つ いて 昇 汞 を 「マ ウ ス」 の 体 重1gに 第4章 総 括 並 び に 考 按 及 び0.0042mgの 1)昇 汞 の 毒 性 につ い て つ き0.0055mg 腹 腔 内 注 射 を した 場 合 は,チ オ ク ト酸 使 用 例 に於 て は,対 照 例 に 比 し各1匹 づ つ死 昇 汞 を マ ウ ス の腹 腔 内 に注 射 した 場 合第1表 に示 した如 く非注 射 群 には1匹 の死 亡 例 も認 め られ な か 亡 数 が 減少 して い る. 亦LD50を 比 較検 討 す るな らば,チ オ ク ト酸使 用 つ た こ と よ り,死 亡 は全 く昇 汞注 射 に よ る もの と推 例 は 明 らか にLD50が 増加 して い る.即 ち, 5日 目 察 され る. まで は同 様 なLD50を 示 し て い る が, 6日 目に至 昇 汞 の 腹腔 内注 射 に よ る全 死 亡 例 は6日 目ま で に 認 め られ7日 目以後 に 於 て は1例 も認 め られ な か つ り急速 に増 加 して い る.而 して,高 濃度 の昇 汞溶 液 に 於 て は,死 亡 数 に変 化 な く,こ の 事実 は チオ ク ト た点 よ り, 1週 間の 観 察 に よ つて,そ の死 亡 数 は 全 酸 は,低 濃度 昇汞 に対 して は昇 汞 の 毒性 に対 しその 部 表 わ れ る もの と考 え られ る. 解毒 作 用 は 若干 効 果 が あ ると推 定 され る. 50%致 死 量 に 関 して はLG50とLD50の 二 つ の表 亦 赤 血 球 数 並 び に白 血球 数 の対 照 群 と の比 較 に於 リクロ ール て も,チ オ ク 卜酸 の併 用な き場合 は, 1ケ 月 後 に於 エ チ レ ン等 の 如 く吸 入 に よ り中毒 を 起 す場 合 に 用 い て も未 だ貧血 症 の 状 態 を呈 し,岸 田,渡 辺 氏 の報 告 られ, LD50は 注 射 に よ り中 毒 を 起 す 場合 にの み 用 の 如 く著者 の 実験 の結 果 に お いて も,白 血 球 増 多症 い られ る,昇 汞 で は吸 入 に よ る中毒 は 考 え られ な い が 表 わ れ,慢 性 中毒 症 の状 態 に移 行 して い る よ うに のでLD50で 考 え られ る. わ し方 が あ り, LC50は ベ ン ゾ ール,ト 表 わす こ とに し,そ の 計 算法 と して は 最 近 最 も よ く使 われ るVan いた 昇 汞 のLD50は den Waerden氏 全経 過 に 亘 り観 察 した 場合 に は, 更 に,対 照 群 に於 て は 著 明 な浮 腫 が観 察 され るが, チオ ク ト酸 使 用 例 に は死 亡 例 と雖 も浮 腫 は認 め られ 対 し昇 汞 ず,之 れ は山 田 氏17)が 報告 の 如 くチオ ク ト酸 に よ 腹 腔 内 に 注 射 した時 に表 われ る事 実 を る解 毒 作用 並 び に強 心 利 尿 の作 用 も亦 加 わつ て い る 第1表 に 見 る如 く 「マ ウス」 の体 重1gに 0.0055mgを 法を用 確 認 して お り, LD50は 他 の 毒物 と 同様 に 経 過 日 数 が長 くな る につ れ て低 下 して い る,即 ち之 れ は毒 もの と考 え られ る. 以上 の如 く,チ オ ク ト酸 は体 内 に入 り,活 性SH 昇汞の消毒作用並びに毒性に関する研究 基 と し て,解 毒 作 用 を 発 揮 し,昇 体 内 のSH基 わ れ る が,之 汞 に よ る中毒 症 は 3 day LD50=0.00837mg±0.00108mg と親 和 性 が あ るた め に 惹 起 す る と い 4 day LD50=0.00712mg±0.00109mg 5 dap LD50=0.0064mg±0.00109mg 6 day LD50=0.00574mg±0.00125mg れ を 活 性SH基 と し て,解 亢 進 す る よ う に 補 給 し,予 毒作用を 防 的 に 作 用 す る も の と思 わ れ る. 2, 亦,先 に 森,荒 MethioninとB. 館 森20)氏 木19)氏 A. Lを 等 は,昇 Cystein 137 は 昇 汞 中 毒 に 対 し, 併 用 して 効 果 を 与 え て お り, 汞 中 毒 を 血 液 像 よ り追 究 し て, Thioglykol酸Soda Vitamin が あ つ た と 述 べ て い る が,著 C等 が 効 果 6, 8-Dithiooctanoic acidを 予 め 「マ ウ ス 」 に 与 投 す る 事 に よ り 死 亡 率 の 低 下(6day 0.00609mg±0.00108mg)並 血 球 数 の 減 少,白 び に,中 血 球 数 の 増 加)に LD50= 毒 症 状(赤 対 し,若 干 の効 果 を 示 す こ と が 認 め られ た. 者の 実験 に よ りチ オ ク ト酸 に も若 干 の 効 果 の あ る 事 が 判 明 し た. 稿 を 終 る に 当 り,終 第5章 結 昇 汞 の毒 性 に つ いて よ りLD50を 論 「マ ウ ス 」 の 腹 腔 内 注 射 法 に 求 め,併 せ て チ オ ク ト酸 に よ る 解 毒 効 果 に つ い て 実 験 を 行 い,以 1. Van den げ る と共 に御 助 言 を賜 わ つ た 緒方 助 教授 に謝 意を 呈 す. (本 論 文 の 要 旨 は 昭 和34年6月 下 に 示 す 如 き 成 績 を 得 た. Waerden氏 始 御 懇 篤な る御 指導 並 び に御 校閲 を 賜わ つ た 恩 師大 田原一 祥 教 授 に深 謝 の 意 を捧 法 に よ るLD50の 値は 第5回 中 国 地区 公 衆 衛 生 学 会 に 於 て 発 表 し た) 以 下 の 通 りで あ つ た. 1 day LD50=0.01116mg±0.00102mg 2 day LD50=0.00997mg±0.001036mg 文 1) Frank, A. Toxicology 2) G. 3) 藤 田 広,安 Menesini: 12号, 4) Industrial II, Hygiene and 538, 1939. 本 内 科 学 会 雑 誌, 43巻, 保 順 一;日 3, No. 2, 場 小 太 郎:日 本 内 科 学 会 雑 誌, 891(昭30). 門 前 徹 夫,大 谷 博:広 島 医 学, 9巻, 4号, 藤 田 進:治 7) 小 関 忠 尚,前 野 直 一:京 53巻, 835(昭28)。 8) G. 317, 9) 10) 療, 6号, Ricker 267 and W. 8号, 946(昭30). 都 府 立 医 科 大 学 雑 誌, : Arzn. eimittelforschng., 5, 32, Steigmann, F. Canaknati, proc, 15, 岸 田 医 学 生 物 学, 2巻, 14) 渡 辺 北 海 道 医 誌, 20巻, 15) 小 沢 凱 夫:堀 学 編, 487, and Fed. 1956. 48号(昭17). 1413(昭17). 浩 綜 合 研 究 報 告 集 録,医 学 及 び 薬 713(昭29). 16) 黒 田 直:日 17) 山 田 弘 三:治 療, 菊 地 桂 助;日 本 法 医 学 雑 誌, 18) S. M.: 本 法 医 学 雑 誌, 40巻, 5巻, 11号, 5号, 241. 59(昭33), 5巻, 4号,別 輯, 93(昭26), Hesse: Arch. path. Anat, 19) 森 正 義,荒 号, 近 の 職 業 病, 働 科 学 季 報, F. 13) (1915). 久 保 田 重 孝:最 原 一 郎:労 37巻, 12) 116 (昭31). 6) Rauch, 1955, 1021(昭30). 8号, 11) 1949. Zaechia 横 田 万 之 助,的 44巻, 5) patty, Vol. 献 1巻, 54,初(昭28). 2号, 46 20) (1952). 木:日 館 脇 正 治,外 号, 本 消 化 器 学 会 雑 誌, 50巻, 12 12巻, 12 40(昭28). 1147(昭28). 山 英 典.日 大 医 学 雑 誌, 138 酒 Studies on the 2. The Toxicity 生 Action Mercuric Chloride of of 朝 Antiseptic of Part 井 Mercuric and Chloride 6.8-dithiooctanoic Toxicity and Antidotal Effect Acid By sao Department of public (Director: For the purpose experiments of to mercuric acid: obtained The (adecrease determining LD50 solution the LD50 day LD50=0.00997•}0.001036mg 3 day LD50=0.00837•}0.00108mg 4 day LD50=0.00712•}0.00109mg 5 day LD50=0.0064•}0.00109mg 6 day LD50=0.00574•}0.00125mg 6.8-dithiooctanoic chloride in the solution, erythrocyte of with experiments Medical on M. D. School ) mercuric chloride the mice given the antidotal the author performed intraperitoneal effect of injection 6.8-dithiooetanoic results. determined 2 University Ohtawara toxicity compound also following values LD50=0.01116•}0.00102mg When this Okayama Kazuyoshi the of and day mercuric suppressed. of out 1 2. the chloride and 1. find Health Prof. Sakai acid it count by Van is injected has and been an den Waerdens to found increase mice method prior that in to are follows: intraperitoneal fatality the as leucocyte rate and count) injection toxic are symptoms somewhat of
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