中古マンション購入の際に チェックしておきたい設備・仕様

住宅
暮らしの
ガイド
2015.Vol.1
中古マンション購入の際に
チェックしておきたい設備・仕様
ひと口に中古マンションといっても、採用されている設備や仕様は、マンションの竣工年やグレード、
総戸数などによって変わってきます。そこで今回は、家事における利便性や日々の快適さなど、
4つのテーマに分けて、備わっていると便利な設備・仕様をご紹介します。
家事をより便利にこなしたければ
■食器洗浄乾燥器
■浴室換気乾燥機
使用済みの食器類を洗浄・乾燥して
浴室内で洗濯物を干せる設備です。
くれる便利な設備です。1990年代か
1990年代に人気のオプション設備と
らオプションで付けられる物件が増
して登場し、2000年代後半以降は標
えはじめ、途中から標準装備される
準装備されている物件が多くなって
ようになりました。築5年以内なら付
います。暖房機能付きなど、機能に
いている可能性が高いでしょう。
種類があるので確認してください。
■ディスポーザー
■IHクッキングヒーター
生ゴミをキッチンシンクの排水
2000年ごろから普及しはじめ
口で処理する設備。三角コーナ
た電磁調理器です。火を使わな
ーが不要になり、ゴミ出しの手
い安全さと表面の掃除しやすさ
間を軽減できます。 普及率は
で人気です。古い製品ほど利用
年々高まっていますが、総戸数
可能な調理器具が制限される傾
が少ないと装備されていない可
向にあるので、有無だけでなく
能性が高くなります。
年代や型式も確認しましょう。
■宅配ボックス
■24時間ゴミ出し可能
留守中でも宅配便を受け取れる
24時間365日ゴミ出しが可能な
設備で、単身世帯や共働き世帯
集合ゴミ置き場があると便利で
に重宝します。1990年代から
す。マンションの規模が大きい
普及しはじめましたが、普及と
ともに低価格化が進んだので、
ほど設置されている可能性が高
くなります。集合ゴミ置き場が
築年が新しいほど設置されてい
あればいつでも出せるとは限ら
る可能性が高くなります。
ないので、よく確認しましょう。
日々の快適さを高めたければ
■床暖房
暖房器具を置かずに済み、空気
が乾燥し過ぎないことなどで人
暖房給湯機
床暖房リモコン
床仕上げ材
するため、この設備を求めるな
ら、最初から装備されている物
件を探すのが無難です。
床暖房マット
・パネル
温水パイプ
室内の汚れた空気
システムです。以前は一部の高
換気ユニット
級マンションに限られましたが、
2003年から法律でシックハウ
ス対策が義務付けられたため、
最近では大半のマンションに備
わっています。
リビング・
ダイニング トイレ 洗面室
浴室
居室
外気
能だったり費用が高くなったり
室内の空気を24時間換気する
外気
暖房用温水
気です。後からの設置は、不可
■24時間換気システム
室内をより広く使いたければ
■アウトフレーム工法
■逆梁工法
柱の出っ張りを、バルコニー側や共用廊下側に出るようにした工
通常は天井部に横に渡す梁を、床面・バルコニー側に配置した工
法のことです。こちらも2000年前後から普及しはじめました。天
井面の圧迫感が軽減されます。開口部を広くとれる分、ハイサッ
シを採用されるケースが多く、室内が明るく開放的になります。
法のことで、2000年前後から普及しはじめました。出っ張りがな
ければ、家具や家電を配置しやすくなるため、室内を広く使えます。
下見時に自分で確認することも可能な仕様のひとつです。
〈通常の工法〉
〈アウトフレーム工法〉
バルコニー
バルコニー
柱
柱
〈通常の工法〉
梁
柱
バルコニー
柱
室内を
スッキリ使える
〈逆梁工法〉
室内
室内
バルコニー
梁
将来の間取り変更に配慮するなら
■二重床・二重天井
■スケルトンインフィル
上下階の住戸間を仕切るコンクリートスラブと、仕上げ材の間に
空間を確保してある床・天井のことです。電気や水道などの配管
の自由度が高まるため、将
コンクリートスラブ
来の間取り変更に対応し
やすくなります。また、住
天井仕上げ材
戸内の段差を減らし、 フ
配管や配線の
ラットにしやすいという 自由度が高まる
メリットもあります。
床仕上げ材
住戸をスケルトン(構造部分)とインフィル(内装)に分けて工
事する工法のことです。このため、間取りを含めて内装を変更し
たい場合も、対応幅が広く
なります。2000年代から
インフィル
(内装)
増え始めましたが、現在の
新築物件でもスタンダード
といえるまでにはなってい
ないため少数派です。
スケルトン
(構造)
コンクリートスラブ
■水まわりがまとまった間取り
間取り変更を実施する際、ネックになりやすいのが水まわりスペ
ースです。給排水用の配管の変更に制限が生じやすいからです。
このため、 浴室やキッチ
トイレ
ン、トイレなどの水まわり
浴室
が集約されているような
間取りプランになってい
洗面室
れば、居室部分の間取り変
和室
更の自由度が高まります。
キッチン
〈
〈 設備の寿命にも注意 〉
〉
住宅設備機器の多くは、10年前後で破損や故障が発生し始めます。
製品やメーカーによって補修部品の保有期間はまちまちですが、
古いと有償修理も不可能になる場合もあります。購入を検討して
いるマンションの築年数に応じて、交換工事や買い替え用の資金
を用立てておくといいでしょう。なお、三井住友トラスト不動産
では、当社の媒介でご購入いただく住宅に対して、引き渡し後6カ
月以内に、一定の住宅設備機器が故障した場
合、無償で修理対応する「住宅設備修理サポ
リビング
ート」を実施している物件もあります。条件
を確認のうえ、賢く活用してください。
竹内 太郎 Taro Takeuchi
1968年神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。電機メーカー・編集プロダクション勤務を経て2002年よりフリーランスライターに。
『SUUMO新築マンション』
『都心
に住む』など、リクルート住まいカンパニー社の住宅媒体記事制作のほか、企業の学生向け入社案内コンテンツ制作などに従事している。