子ども・子育て支援新制度の概要について 目 次 1 「子ども・子育て支援新制度」とは ・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 新制度導入のねらいと取り組み内容 ・・・・・・・・・・・・・・ 4 3 新制度の主なポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 4 「子ども・子育て支援事業計画」は ・・・・・・・・・・・・・・11 5 「子ども・子育て支援事業計画」に定める内容 ・・・・・・・・・13 6 計画策定の流れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 1 「子ども・子育て支援新制度」とは 現行の子育て支援や保育サービス等の概要を確認します。 (1)幼稚園と保育所の違い 幼稚園は3~5歳児を1日4時間預かる「学校」で、認可保育所は共働き等の理 由により、家庭で保育できない0~5歳児を1日8時間預かる「福祉施設」です。 「保育」は、「福祉」の側面があるため、児童福祉法により市町村に「保育義務」 が課されています。 厚生労働省の認可基準を満たす「認可保育所」が市町村や社会福祉法人により設 置されてきましたが、多様なニーズを受けて「認可外保育施設」も発達しています。 (2)認定こども園とは 幼稚園と保育所の基本的な制度の違いは前述の通りですが、「幼稚園の幼児教育 を保育所で受ける」「幼稚園で保育所のように長時間預かる」など、いわゆる『幼 保一元化』のニーズは以前からあり、独自施策によりそれを実現してきた市町村も ありますが、国の制度としては「認定こども園」が平成 18 年に創設されました。 「認定こども園」は、教育と保育を一体的に提供し、地域における子育て支援を 実施する機能を備える幼稚園や保育所を、県知事が国の指針と県条例をもとに「認 定」し、財政面などの特例措置を講ずるもので、全国に約 1,100 か所(平成 25 年4月現在)あります。認定こども園は、「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」 「地方裁量型」の4種があります。 ◆参考資料/現行制度における幼稚園と保育所・認定こども園の比較◆ 幼稚園 目的 所管官庁 認可保育所 認可外保育施設 幼児教育 保育 保育 文部科学省所管 厚生労働省所管 厚生労働省所管 根拠法 学校教育法 設置者 国、地方公共団体、 学校法人等 認可 市町村立の場合は県 教育委員会、私立の 場合は知事の認可が 必要 認定こども園 幼児教育と保育 両省所管 〔幼稚園部分〕学校教育法 〔保育所部分〕児童福祉法 児童福祉法(による届 児童福祉法(による認 出) 〔認定こども園部分〕 可) 認定こども園法 幼稚園型は幼稚園の設 置者 地方公共団体、社会福 保育所型は認可保育所 祉法人等(平成 12 年に の設置者 制度上、株式会社等の 制限なし 幼保連携型は幼稚園の 参入が認められたが、認 設置者と認可保育所の 可しない県が多い) 設置者 市町村は届出により設 「認可外保育施設指導 県条例により知事が認 置できる。 監督基準」による県の指 定 私立は知事の認可が必 導監督 要 幼稚園 職員の 配置基準 1学級35人以下 認可保育所 認可外保育施設 認定こども園 0歳児(子ども3人あたり1 人) 1、2歳児(6人あたり1人) 3歳児(20人あたり1人) 4、5歳児(30人あたり1人) 0歳児(子ども3人あたり1 人) 1、2歳児(6人あたり1人) 3歳児(20人あたり1人) 4、5歳児(30人あたり1人) 0~2歳児は保育所と同 様の配置が望ましい。3 ~5歳児は概ね子ども2 0~35人に1人 入所、 入園 保育士または看護師の 常設が望ましい。幼稚園 幼稚園教諭 保育士 教諭等も知事の判断に より可 設 置者 と 保護 者と の 市 町 村 と 保 護 者 と の 契 設 置 者 と 保 護 者 と の 契 契約 約 約 利用料 設置者が設定 1日の 保育・教 育時間 4 時 間 を 標 準 (3 9 週 原則8時間(年間約300 制限なし 以上、春夏冬休みあ 日、春夏冬休みなし) り) 設置義務あり(施設内調理 設置義務なし 設置義務あり 義務) 職員の 資格 調理室 施設数 約 13、000 市町村が設定 約 22、000 設置者が設定 約 8、000 0~2歳児は保育士資 格、3~5歳児は両資格 併有が望ましい 設置者と保護者との契 約 利用時間を踏まえ設置 者が決定 4時間利用にも8時間利 用にも対応 設置が望ましい 約 900 (3)放課後児童クラブ(学童保育)とは 放課後児童クラブとは、小学生の共働き世帯等の放課後や、長期休暇中の毎日型の保育 で、地域によって「放課後児童クラブ」や「学童保育」などと呼ばれています。 当初は、有志ボランティアにより行われるものに行政が補助を行う形で発達してきまし たが、平成9年に「放課後児童健全育成事業」として社会福祉法に規定されました。全国 に約2万か所あり、平成 19 年の国のガイドラインでは、小学1~3年生を対象とし、4 年生以上の児童も加えることができるとされています。類似するものに、対象児童を共働 き家庭等に限定しない「放課後子ども教室」があり、全国約1万か所で開設されています。 (4)子ども・子育て関連3法について 子ども・子育て関連3法の概要は以下のとおりです。 わが国においては、急速に少子高齢化が進行しており、晩婚化や晩産化、未婚化の進行 などに加え、子育ての経済的負担感など、様々な要因が影響していると言われています。 国は、これまで「エンゼルプラン」や「次世代育成支援行動計画」に基づき、様々な少 子化対策を推進してきましたが、人口減少社会の到来とさらなる少子化の進行、待機児童 問題や地域の子育て力の低下などから、抜本的な制度改革が求められていました。 そこで、国は平成 24 年8月に公布された「子ども・子育て関連3法」に基づく、新た な制度「子ども・子育て新制度」により、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども子育て 支援を総合的に推進するとしています。 子ども・子育て関連3法 1.子ども・子育て支援法 2.認定こども園法の一部改正法 (就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正 する法律) 3.子ども・子育て支援法等の施行に伴う関係法律整備法 (子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進 に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律) 背景と課題 ●急速な少子高齢化の進行 ○結婚・出産・子育ての希望がかなわない現状 ○高齢者対策に比べ、子ども・子育て支援が質・量ともに不足 ○都市部を中心に保育所に入れない深刻な待機児童問題が存在 ○依然低い子育て期の30歳代女性の労働力率 ○親の働く状況の違いにかかわらず、幼児期に質の高い教育や保育を受けられるようにして ほしいというニーズの高まり ○子育て不安や負担感をもつ保護者が増加 ○核家族化や高齢化、地域での人間関係の希薄化などにより、家庭や地域の子育て力が低下 ○自治体の実情に応じた提供体制が不十分 等々 少子高齢化問題解消とともに、 『一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会の実現』をめざし、 そこで、新たな法律が成立 ●平成24年8月に「子ども・子育て支援法」 「認定こども園法の一部改正法(就学 前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改 正する法律)」 「子ども・子育て支援法等の施行に伴う関係法律整備法(子ども・ 子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に 関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関連法律の整備等に関する法 律)」の「子ども・子育て関連3法」が成立。 ●この「子ども・子育て関連3法」に基づく制度のことを「子ども・子育て支援新 制度」といい、平成27年4月1日にスタートする予定。 【平成25・26年度】 「子ども・子育て支援事業計画」策定 国制度設計(政省令化) ⇒制度設計、新計画条例化・例規制定 【平成27年度】 関連3法施行 新計画実施 2 新制度導入のねらいと取り組み内容 課題解決と地域特性や保護者のライフスタイルへの対応 ① 質の高い幼児期の教育・保育の総合的な提供(認定こども園制度の改善) 幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」について、これまで複雑 だった設置手続きの簡素化や、財政支援の充実・強化などにより普及。 <認定こども園の主なメリット> 保護者が働いているいないにかかわらず利用できる。 保護者の就労状況が変化しても、継続して利用できる。 地域の子育て家庭のために、「子育て相談」「子育てひろば」などの子育て支援を 実施する。 ② 保育の量的拡大・確保(待機児童問題の解消) 地域のニーズを踏まえ、待機児童解消のため保育の受け入れ人数を増やすと ともに、子どもが減少傾向にある地域の保育を支援。 <待機児童解消のために行うこと> 待機児童解消を計画的に進める。 地域のニーズに合わせ、保育所等を計画的に整備する。 少人数の子どもを預かる施設などに財政支援を行い、多様な保育を充実させるこ とで、受け入れる子どもの人数を増やす。 ③ 地域の子ども・子育て支援の一層の充実(多様な子育てニーズへの対応) すべての子育て家庭を対象に、子育て相談の場や親子が交流する場、一時預 かりの場を増やすなど、地域における様々な子育て家庭のニーズに対応した子 育て支援を、より一層充実。 <子育て支援の例> 子育てひろばの設置数増。 一時預かりの実施場所や受け入れ人数の増。 放課後児童クラブ(学童保育所)の充実(対象年齢の拡大)。 ⇒児童福祉法の改正により、これまで「小学校に就学しているおおむね10歳未 満の児童」とされていた対象児童が、 「小学校に就学している児童」とされた。 3 新制度の主なポイント ポイント ① 市町村が実施主体(第2次分権改革の一環) 市町村は、制度の実施主体として権限と責任が大幅に強化されました。そ れぞれの地域の特性や課題に即して「子ども・子育て支援事業計画」を策定 し、計画的に教育・保育、地域子育て支援を提供する責務を負います。 ② 社会全体による費用負担(社会保障・税一体改革により財源確保) 「子ども・子育て」は、社会保障・税一体改革において社会保障分野の一 つに位置付けられ、新制度の財源として、消費税率引き上げによる増収分の 一部(7,000億円程度)と、その他の財源を含め合計1兆円の財源確保をめ ざすとされています。 ③ 「保育の必要性の認定」の導入(公平性の確保が課題) 介護保険制度の「要介護認定」に準じた「保育の必要性の認定」の制度が 導入され、支給認定を受けた子どもを保育するための供給体制の確保が義務 化されます。 ④ 子ども・子育て支援法に基づくサービスは、施設型給付、地域型保育給付、 地域子ども・子育て支援事業の3類型 子ども・子育て支援法に基づくサービスは、大きくは「教育・保育給付」 と「地域子ども・子育て支援事業」の2区分となり、 「教育・保育給付」は都 道府県認可の「施設給付」と市町村認可の「地域型保育給付」に分かれます。 ⑤ 「教育・保育提供区域」の導入(生活圏域の設定) 教育・保育提供区域は、教育・保育の「量の見込み」や「確保方策」を設 定する単位として、地域の実情に応じて保護者や子どもが居宅から容易に移 動することが可能な区域とし、小学校区、中学校区、行政区などを想定して います。 ⑥ 市町村子ども・子育て会議の設置(住民の声の反映) 子ども・子育て支援法第77条では、 「審議会その他の合議制の機関」 (地方 版子ども・子育て会議)が努力義務規定となっています。この会議は、 「子ど も・子育て支援事業計画」の策定をはじめ、策定後の継続的な点検・評価・ 見直しに重要な役割を果たすことが期待されています。 ポイント①に関連して 新制度では、子ども・子育て支援に関して、市町村の権限と責任が大 幅に強化されました! 市町村の対応で差が生じることに! 市町村の責務 子ども・子育て支援法第3条から抜粋 ① 子どもおよびその保護者に必要な子ども・子育て支援給付および地域子ど も・子育て支援事業を総合的かつ計画的に行うこと ② 子どもおよびその保護者が、子ども・子育て支援を円滑に利用するために必 要な援助を行うとともに、関係機関との連絡調整その他の便宜の提供を行うこ と ③ 子どもおよびその保護者が置かれている環境に応じて、保護者の選択に基づ き、多様な施設または事業者から、良質かつ適切な教育および保育その他子ど も・子育て支援が総合的かつ効率的に提供されるよう、その提供体制を確保す ること 市町村が行うこと 子ども・子育て支援法から抜粋 認定等:保護者の申請に基づき、教育・保育給付の支給要件を満たしているかど うか、また必要な保育量を認定し、保護者に認定証を交付 確 認:特定教育・保育の支給に係る施設かどうか、特定地域型保育事業者かど うかの確認 条例化:特定教育・保育施設に係る利用定員、特定教育・保育施設の運営に関す る事項(就学前子どもの適切な処遇の確保、秘密の保持、健全な発達に 密接に関連するもの)、地域型保育事業の利用定員、設備及び運営につい ての基準 保育料:世帯の所得状況その他の事情を勘案して定める 等 ポイント④に関連して ①認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共有の給付(施設型給付)及び小規模 保育等への給付(地域型保育給付)の創設【子ども・子育て支援給付】 幼児期の教育と、保育の必要性のある子どもへの保育を、個人の権利として 保障する観点から、認定こども園、幼稚園、保育所、小規模保育等の施設等を 利用した場合に共通の仕組みで、公費(給付)対象となります。 なお、公費を確実に教育・保育に要する費用に充てるため、利用者への直接 的な給付ではなく、施設等が代理で給付を受け、利用者は施設等からサービス の提供を受ける仕組み(法定代理受領)となります。 ■給付の仕組み(イメージ) 教育・保育の資格を有 していることの認定申 請(子どもごと) 保育利用希望の申込 み 利用者 (保護者) 自治体 保育の必要性・保育必要 量の認定 保護者負担区分の決定 認定証交付 利用調整 教育・保育の提供 施設型給付費または地域 型保育給付費の支払い (法定代理受領) ※1 施設等 保育料の支払い ※2 ※1:新制度への移行を選択しない私立幼稚園の場合、市町村から幼稚園に私学 助成・幼稚園就園奨励費を支払い。(代理受領)また、私立認可保育所の 場合は、委託費を支払い。 ※2:私立認可保育所の場合、保育料は市町村へ支払い。 支給要件(支給認定子ども)と教育・保育給付の関係 ①満3歳以上の小学校就学前の子ども ②満3歳以上の小学校就学前の子ども であって、家庭において必要な保育 を受けることが困難な場合 ③満3歳未満の小学校就学前の子ども 認定こども園における 教育・保育 認定こども園における保育 幼稚園における教育 保育所における保育 であって、家庭において必要な保育 を受けることが困難な場合 地域型保育 子ども子育て支援法のサービス 子ども子育て支援法のサービスは、大きくは「教育・保育給付」と「地域子ども・ 子育て支援事業」の2区分となり、 「教育・保育給付」は、県認可(市町村が確認) の「施設型給付」と市町村認可の「地域型保育給付」に分かれます。 ◆サービスの類型一覧表◆ 根拠法 給付の区分 事業名 1.公立幼稚園 2.新制度への移行を選択する私立幼稚園 3.公立認可保育所 施設型給付 4.幼保連携型認定こども園 5.幼稚園型認定こども園 子どものための 教育・保育給付 6.保育所型認定こども園 7.地方裁量型認定こども園 子ども・子育て支援法 8.小規模保育 地域型保育給付 9.家庭的保育 (市町村が認 10.居宅訪問型保育 可) 11.事業所内保育 12.利用者支援(新規) 13.地域子育て支援拠点事業 14.妊婦健診 15.乳児家庭全戸訪問事業 16.養育支援訪問事業等 17.子育て短期支援事業 地域子ども・子育て支援事業 18.ファミリーサポートセンター事業 19.一時預かり 20.延長保育事業 21.病児病後児保育事業 22.放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ) 子ども・子育て支援法以外 23.実費徴収に係る補足給付を行う事業(新規) 24.多様な主体が本制度に参入することを促進する ための事業(新規) 25.私立認可保育所(委託費を支弁) 26.新制度への移行を選択しない私立幼稚園(私学 助成・幼稚園就園奨励費補助を支弁) (1)施設型給付とは 子ども・子育て支援法では、幼稚園、認可保育所、認定こども園は、「教育・保 育施設」と称され、そのうち、同法による施設型給付を行うための市町村による「確 認」を行った施設を「特定教育・保育施設」と呼びます。 公立幼稚園、公立認可保育所、認定こども園は、子ども・子育て支援法の「特定 教育・保育施設」に移行します。 「施設型給付」は、「特定教育・保育施設」で行う教育・保育に対するサービス 費用総体のことで、その中に含まれる保育料(利用者負担額)は、国が定める「公 定価格」を基に、市町村が利用者の所得に応じて応能負担で定める額になります。 私立幼稚園は、従来からの私学助成・幼稚園就園奨励費補助による制度か、子ど も・子育て支援法の「施設型給付」の利用かを法人が選択することになります。こ の場合、保育料設定は、従来制度の場合は「自由価格」で、「施設型給付」に移行 する場合は「公定価格」を基にした額となります。利用者からみると、 「自由価格」 の場合は就園奨励費補助が後から支給され、「公定価格」を基にした額の場合は所 得に応じて最初から保育料が減免されるという違いがあります。 私立認可保育所は、子ども・子育て支援法による「施設型給付」ではなく、従来通 り、児童福祉法に基づき、市町村と利用者が契約し、利用児童の選考や保育料の徴 収も市町村が行うこととなり、市町村から施設に委託費が支払われる仕組みとなり ます。なお、私立認可保育所の保育料も、「公定価格」を基に、市町村が応能負担 で定める額になります。 (2)地域型保育給付とは 利用定員6人以上 19 人以下の①「小規模保育」、利用定員5人以下の②「家庭 的保育」、子どもの居宅で保育する③「居宅訪問型保育」 、従業員の子どもと地域の 保育を必要とする子どもに保育を提供する④「事業所内保育」は、地域型保育給付 として、市町村が条例に基づき事業所を「認可」し、「施設型給付」と同様に、保 育の必要度の認定を受けた子どもに保育を提供します。 従来の定員 20 人以上の私立の認可外保育施設は、事業所内保育所を除き、地域 型保育事業の対象外となります。私立の認可保育所は、新制度でも委託費による従 来制度となりますが、定員 20 人以上の私立の認可外保育施設は、認可保育所に移 行していくものと想定されます。 ◆地域型保育事業の位置づけ◆ 19 人 ④事業所内保育 認 可 定員 ①小規模保育 (従業員の子ども + 6人 地域枠) 5人 1人 ③居宅訪問型 ②家庭的保育 保育 (3)地域子ども・子育て支援事業とは 前掲の「サービスの類型一覧表」に掲げた 12 番から 24 番までの事業が、地域子ども・ 子育て支援事業として子ども子育て支援法に位置づけられました。 このうち、「12.利用者支援」は、「子どもや保護者が、認定こども園・保育所・幼稚 園での学校教育・保育や、一時預かり、放課後児童クラブ等の地域子育て支援事業の中か ら適切なものを選択し円滑に利用できるよう、身近な場所で相談に応じ、情報提供・助言 をし、関係機関との連絡調整等も行う」という新規事業です。同じく新規事業である「23. 実費徴収に係る補足給付を行う事業」 「24.多様な主体が本制度に参入することを促進す るための事業」とともに、今後、事業内容の詳細が検討されます。 それ以外の 13 番から 22 番の事業は既存事業で、一部を除き「次世代育成支援行動計 画(後期計画)」に掲げ、推進してきた事業です。 「22.放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」については、児童福祉法改正で、 小学6年生までに対象年齢が拡大されたほか、市町村が条例で設置・運営に関する基準を 定め、指導・支援を強化していくこととされました。 (4)幼保連携型認定こども園の制度改正 「認定こども園法の一部改正法」により、「幼保連携型認定こども園」の制度改正が行 われました。現行の制度は、幼稚園部分は学校教育法に、保育所部分は児童福祉法に、認 定こども園部分は認定こども園法に規定され、複雑な仕組みとなっていますが、認可・指 導監督や財政措置等が一本化されました。 なお、認可保育所や保育所型認定こども園は、株式会社等の参入も可能となっています が、新たな幼保連携型認定こども園の設置主体は、国、自治体、学校法人、社会福祉法人 のみとされています。 4 「子ども・子育て支援事業計画」は 国の求める内容は、5年間の計画期間における 幼児期の教育・保育・地域の子育て支援についての需給計画 子ども・子育て支援法に基づき、市町村が策定する「子ども・子育て支援事業計 画」の全体像(概要)は次のとおりです。 子ども・子育て 支援の意義 子育てに関する理 念と子ども・子育 て支援 子どもの最善の利益」が実現される社会を目指すとの考えを基本に、子どもの視 点に立ち、子どもの生存と発達が保障されるよう、良質かつ適切な内容及び水準 のものとすることが必要 「父母その他の保護者は、子育てについての第一義的責任を有する」という基本 的認識を前提とした上で、保護者が子どもと向き合える環境を整え、親としての 成長を支援し、子育てや子どもの成長に喜びや生きがいを感じることができるよ うな支援をしていく 子ども・子育て支援法の理念及び 上記のことを踏まえて 現行の次世代育成支援 行動計画に基づき実施 している、次世代育成支 援対策に係る分析・評価 市町村子ども・子育て支援事業計画 の作成(平成 26 年 9 月までに素案をとりまとめ) 子ども・子育て支援法第61条第1項に基づく計画 ■市町村は、国が定める基本指針に即して、5年を1期とする「教育・保育及び地 域子ども・子育て支援事業の提供体制の確保等業務の円滑な実施に関する計画」 を定める。 【性格・特徴】 ○幼児期の教育・保育・地域の子育て支援についての需給計画 ○待機児童対策を含め、子育て中の保護者ニーズに対応したサービス基盤の整備をめざす 事業計画 ○予算の恒久的確保の前提として対応事業のメニュー化 ■子ども・子育て支援法では、附則第2条第2項において、 「政府は平成27年度以降の次世代育 成支援対策推進法の延長について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づき 必要な措置を講ずる」としています。 子ども・子育て会議の設置趣旨 子ども・子育て支援法に位置づけられた市町村の「子ども・子育て支援事業計画」 の策定に向けては、村民の保育ニーズ等を踏まえながら、新制度である国の「子ど も・子育て支援事業計画基本指針」に沿って、必須記載事項、任意記載事項の内容 を検討するとともに、これまでの「次世代育成支援行動計画(後期計画)」の各施 策の検証を行い、その継続性を図ることが重要です。 国の指針には「計画を定め、又は変更しようとするときは、審議会その他の合議 制の機関(地方版子ども・子育て会議)または、子どもの保護者その他子ども・子 育て支援に係る当事者の意見を聴くほか、地域住民の意見を反映させるために必要 な措置を講ずるよう努めること」と定められています。 ◆市町村子ども・子育て支援事業計画 記載事項(子ども・子育て支援法第61条第2項・第3項)◆ 1.教育・保育提供区域の設定(第2項第1号) 2.各年度における幼児期の学校教育・保育の量の見込み、実施しよう とする幼児期の学校教育・保育の提供体制の確保の内容及びその実施 時期(第2項第1号) 必須記載事項 3.地域子ども・子育て支援事業の量の見込み、実施しようとする地域 子ども・子育て支援事業の提供体制の確保の内容及びその実施時期 (第2項第2号) 4.幼児期の学校教育・保育の一体的提供及び当該学校教育・保育の推 進に関する体制の確保の内容(第2項第3号) 1.産後の休業及び育児休業後における特定教育・保育施設等の円滑な 利用の確保(第3項第1号) 任意記載事項 2.子どもに関する専門的な知識及び技術を要する支援に関する都道府 県が行う施策との連携(第3項第2号) 3.労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために 必要な雇用環境の整備に関する施策との連携(第3項第3号) 5「子ども・子育て支援事業計画」に定める内容 ニーズ量確保の手段の計画化とともに、自治体として 子ども・子育てに関してどのようなビジョンを持つかが重要! 「子ども・子育て支援事業計画」 <必須記載事項> 1 2 3 4 教育・保育提供区域の設定・・・中学校区等 教育・保育提供区域ごとの平成27年度~31年度における教育・保育の量の見 込み、提供体制の確保の内容およびその時期 教育・保育提供区域ごとの平成27年度~31年度における地域子ども・子育て 支援事業の量の見込み、提供体制の確保の内容およびその実施時期 子ども・子育て支援給付に係る教育・保育の一体的提供および当該教育・保育 の推進に関する体制の確保の内容 <任意記載事項> 1 2 3 4 5 6 7 計画の理念等 産後の休業および育児休業後における特定教育・保育施設等の円滑な利用の確 保に関する事項 子どもに関する専門的な知識および技術を要する支援に関する県が行う施策 との連携に関する事項 ・・・児童虐待防止対策、ひとり親家庭の自立支援、障害児施策の充実等 労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇 用環境の整備に関する施策との連携に関する事項 計画作成の時期 計画の期間 計画の達成状況の点検および評価 6 計画策定の流れ ■計画策定作業フロー 平成25年度 基礎調査・計画策定方針の決定 子ど も・ 子 育 て会 議 (2) ニーズ調査 調査票の作成 調査の実施 調査票の入力・集計 調査結果の分析 報告書の作成 (4) 事業量見込みの検討 ① ニーズ量の推計 ② 事業量の検討 ③ 県への報告・調整 定 支 平成26年度 (2) 次世代育成支援後期計画の評価 ① 施策・事業の進捗状況の評価 ② 特定事業の達成状況の評価 (3) 計画中間まとめの作成 ① 平成25年度調査や関係課等の考え方などを踏まえて、計画の基本的考え方や施 策の体系(案)の検討、事業量再検討結果等を含めた計画中間まとめの作成 (4) 計画(素案)の作成 ① 施策の体系(案)に基づき、施策・事業の展開方向、計画の推進体制等作成 ② 事業量 計画部分を含めて計画(素案)の作成 パブリックコメントの実施 (5) 計画書および概要版の作成、印刷 ① 計画素案に対するパブリックコメントの実施を踏まえて計画(案)を作成し、 子ども・子育て会議の最終審議により計画内容を確定 ② 計画書および概要版の作成・補修正・印刷 援 (1) ニーズ調査からみる課題 ① 分野別の課題の整理 ② 成果指標(アウトカム)の検討 制 (3) 人口推計および区域の検討・設定 ① 平成31年度までの子どもの人口 推計 ② 教育・保育提供区域の検討・設定 例 庁 内会 議 な ど ① ② ③ ④ ⑤ 条 および (1) 地域の特性と課題の把握 ① 上位・関連計画等の内容の把握と 課題整理 ② 人口構造等社会・経済的な特性お よび動向の把握 ③ 子ども・子育て支援事業の実施状 況・意向の把握
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